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フリー・コミティッド(DDDクロスシアター 11/13 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

友人が「成河さんの一人芝居がすごかった」と絶賛していたので観に行きました。

いや、ほんと、すごかった。

レストランの予約を電話で受け付けるお仕事、
かけてきた側の声もやるので、総勢38人? を演じ分けるという。
すごいねえ、あっという間に人格が変わるの。

ただ、レストランの予約って今はネットですることも多いじゃないですか。
(VIPは違うのかもしれないけど)
だから、いまいちピンと来ない感じがした、最初は。

90年代初演なんですね、なるほど。

でも、主人公が売れない俳優で、オーディションの結果を待っているところで、
友人は受かったことをわざわざ電話してきたり、
パワハラまがいのシェフが、じつは…だったり、
というのが見えてくると、
ああ、いろんな人がいるんだなあ、って当たり前のことが、じわじわ来る。

電話を通して、たくさんの人の個性豊かな人生が見えてくる気がして、
その誰もが、愛おしい。

そして、オーディションは結局…なんだけど、それもちょっと
人生いろいろ、な感じで、じわじわ来る。

冒頭で、成河さんが挨拶に出てきて、
正座してしゃべってたんだけど、落語みたいでしょ、って言ってた。

そう、落語なんだよね。一人で語るってこともそうだし、
町の普通の人の、ちょっと間抜けな出来事、
でもそれが楽しくて、愛おしい。


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ビリー・エリオット(赤坂ACTシアター 10/12 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

有名なので一度は観なければ、と思って春のチケットを取ったらコロナ。
延期とはいえ、上演できて本当によかったです。
少年の「今」は、今しかないからね。

とにかくナンバーが、特に振り付けが良いですねえ!
おばあさんの回想シーン、すごい! 
上手から次々あらわれては消えていく、夫の幻影。
誰それの妻、でなかったら私の人生どうだっただろう、って、泣く。
こういう女性が、いっぱい、いっぱいいたんだよ。いや、今もまだまだいる。

自分としては、お父さんと先生に感情移入した。
橋下さとしと、トウコちゃんの二人が、とてもとても良かった。
過去の自分を清算して、新しい世代を応援しなければいけない、
その心情、わかるわ~~~。
ぶつかり合いながらも協力することになるのもいい。
『あまちゃん』の薬師丸ひろ子と小泉今日子だよね(と、突然思った)。

お兄ちゃん、おばあさん、友達、いろんな人のいろんな人生がある。
その中核にいるのが、ビリーという少年。川口調くん。

児童なんとか法違反なのではないかと思うぐらいの活躍。
もちろん、演技がこなれているわけではないんだけど、
その素朴さも、少年らしくて良い。
ダンスも歌もすごく上手!
お子さんがたくさん観劇してた、みんなバレエ習ってるのかな?

イギリスの炭鉱ストライキは有名で、
フル・モンティとかもそうだよね(見てないけど)。
でも、日本で、たとえば安保闘争が設定の、感動作ってあるかな? 
社会派作品はそりゃあるけど、家族で見られる感動作で安保が出てきたり、しないよね。
サッチャー批判に相当するような政治の話題も、出てこないよね。
そこが、なんだかなあと思う。

この舞台で言われていること、演者や観客はどれくらい理解してるんだろう。
今、日本で起きていることなんだよ!
「俺たちは仕事を奪われるんだ」って怒ってる、その「仕事」は、
炭鉱だけじゃなくて、舞台に出演することなんだよ!!!

…俳優の労働組合すら、実質、無いからなあ、日本は。
本当なら、終演後に俳優の労働組合の募金活動があっていいはずだ。
コロナでたくさんの舞台が中止になって、なのに全く補償されていないのだから。

ビリーが学校を受験したとき、
明らかに階級が違う層に「スト、頑張ってくださいね!」って笑顔で言われて、
びみょーな空気になる場面、
あれ、日本だったら「スト、頑張ってくださいね」すら言われない。
「ストなんて迷惑」って言う人が多いじゃないですか。

炭鉱は確かに堀りつくしたらなくなっちゃうけど、
だからといって、ストは無駄なことじゃない。
働く人が不当にクビになったりしないように、ブーブー言うことで、
ほかの仕事の人が働きやすくなる。
それは、ビリーに「希望」を託すのと、同じことなんだよ。


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信長の犬(帝国劇場 9/11 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

リカちゃんが藤沢朗読劇に出るというので、急いでチケットゲット。

藤沢朗読劇で帝劇ってはじめてなのでは。
大きな劇場で8人出演。
結果的にソーシャルディスタンスが確保できてて良かったし、
全然広すぎるとは思わなかった。

藤沢朗読劇だからもう安心して観てたんだけど、
犬ですよ、犬。
動物物に弱いの。
特に、ご承知かと思いますが(誰も承知してないか)、
私、昨年の5月に猫を亡くしまして。
犬同士しゃべったり、飼い主としゃべったりするのよ。
犬だから忠義に厚いのよ。
涙涙で、ろくに感想も書けないレベル(笑)。

犬が登場人物としてめいっぱいしゃべるのは、朗読ならではだよねー。
諏訪部さん、井上和彦さん、有名な声優さんは、ほんとすごい!
犬ってわかるしゃべり方なんだよ(って意味不明 笑)

語り手的な立場は、犬好きで有名な大名で、
そこに、秀吉が「信長が飼ってた犬がいるだろう、見せてほしい」とやってくる。
で、どういう経緯でその犬を飼いはじめて、
どういう経緯で今そこにいるのか、が時制を行ったり来たりしながらわかってくる。

真の主人公は秀吉なんだろうな。
アリとキリギリスのアリが、素晴らしかった。
卑屈になったり、尊大になったり、やたら陽気になったり、自在なの。
この人、写真も撮るし、もはや「ボキャ天」に出てた人、のイメージは遠い彼方だ。

犬好きの大名の水田くんが、まっすぐで、癒される。
この人の家臣ってのがまた忠義を象徴していて、
藤沢朗読劇はいつも、情のようなものが大事だけど、
今回は特に飼い主と飼い犬、だけでなく人間同士も含めて忠義がテーマだということだ。
もちろん明智光秀も出てくるよ。

そしてリカちゃんは信長…!
かっこよかった……!!!
プガチョフでしたよー、往年のファンのみなさんーー!!
プガチョフよりももっと高貴かな。
カテコまで役になりきっていて、あああう、ほれぼれしました。

事務所辞めたそうだし、もっと舞台に出てくださいよー。
舞台に出ないから会やめちゃったけど、舞台に出るなら入り直すぞ。

映像もあるらしい。
キャストはかなりの日替わりで、
単に行きやすい日を選んだだけなんだけど、
女性だけの日もあった(元ジェンヌ多数出演)ので、そっちも観たいな。


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配信で見たもの [観劇メモ(ヅカ以外)]

●7/12 シアターコクーン プレイタイム

こ、これは興味深い!
まったく新しい「配信」だ!

上演前の劇場のいろいろな場所を、延々と撮ってるの。
役者のウォーミングアップとか、着替えとかも撮るの。

そしておもむろに上演が始まる。

男女(森山未来、黒木華)の恋の駆け引きのようなセリフ。
それを、正面からじゃなく、いろんな角度から撮る。
高いところのハシゴみたいな場所に役者がいるので、
下から、上から斜めから撮る。

誰の脚本だろう、太宰ぽいな、と思ったら岸田國士だった。

最後は客席に降りて来て、椅子と踊ったりもする。

なんなんだ…。
不思議な世界だった。

同じことはそうそうできないだろうけど、
通常の公演の代替である「配信」ではなく、
新しいジャンルが誕生していた。


●7/18 パルコ劇場 大地

WOWOWで観た。

素晴らしかったー!!

この状況を予知していたとしか思えない内容。
生で観たかった(もうチケットなかった)。

三谷幸喜作品はじつは舞台は生で観たことはなくて、
テレビや映画では90年代までで、
最近のは『マジック・アワー』がいいけどほかは…と思っていたけど。

大泉洋とか山本耕史とか有名な人がいっぱい出るので、
そんなに期待してなかったんだけど、中身も出演者も本当に良かった。

東欧かどこかの独裁国家で、
反政府主義だということで捕まって、強制労働させられている人たち。

なぜか演劇関係者だけが集まったグループがある。
独裁者の真似をしたというだけで捕まった大道芸人とか、
インテリの演出家とか、女形とか、いろんな人たち。

あることを実現するために、嘘の芝居をすることになるんだけど、
芝居をしたくてたまらない、
そのために才能をもって生まれてきたような人たちが、
普段そんなに仲良くないのに、
盛り上がって団結して、そのことに一生懸命になっていく様子が、
そして、それがばれたときの結末が、
切なすぎる…!

それぞれベッドの場所が分けられていて、それがコロナ対策なのかな?
唯一あるラブシーンも、全然ラブシーンぽくなくて、
落ち着きのない二人、って感じになってたのが、仕方がない。

配信でも、まばたきもせず観た。

コロナ下における上演の伝説になるのではないかな。


●8/10 DDDクロスシアター ディファイルド

朗読劇。

図書館にたてこもり、目録カードの撤去に反対する図書館員と、
それを阻止しようとする刑事のやりとり。
図書館員として観ないわけにはいかない。

チケットが取れなかったので、配信で。
水田航生と羽場裕一の組み合わせにしました。

しかし、配信だと何かしながら観れてしまうのよね…。
料理しながら聞いていた、という感じ。

気になっていたのは、
2020年の今、目録カードとコンピューター検索なら、
後者のほうが便利に決まってる、という結論が出ていること。

2000年が初演だったそうで、納得ではある。
(ちなみに私の勤務先でカードボックスを撤去したのは2004年。)
そのときはまだその二つが対比されてしかるべきだったんだろう。

コンピューターに支配されてしまう! という恐れ。
紙の本のすばらしさ。

わかる、わかるけど。
もちろん、コンピューター検索には偶然の出会いが無い、というデメリットもあるけど。

でも今、目録カードに戻ろうとは誰も思っていない。
そんな20年後に上演するのだから、筋書きは変えないまでも、
多少のアップデートが必要なのでは?

コンピューターに支配されてしまうという恐れは、
今、確実に現実になっているわけだし。

工夫してほしかった。
終始、感情移入できなかった。


● 8/10 座・高円寺 片づけたい女たち

6月の公演が中止になってしまった3軒茶屋婦人会が、
永井愛の脚本を朗読という形で上演。

脚本がいい。
それを男性がやるものもいい。

夕飯食べながら、楽しく観ました。

アラフィフの女性たち3人。
定食屋さんのおかみで、嫁の扱いに困っていたり、
会社で管理職になりつつあったり。

片付けられない一人の部屋を、
三人で片付けながら夜通しおしゃべりしてるだけなんだけど、
いろんな心情が語られてて、すごく共感できる。

時代設定は90年代半ばみたいだから、
その当時にしては少ないほうだよね、女性管理職。
(こういう芝居を見る人たちの層がよくわかるな。)
当時はアラフィフなんて相当、「年配」扱いだったかなあ。

でも今でも全然通じるんだよ。
ていうか、自分がもうアラフィフなんじゃん、わーお(怖)。


今、様子見で、公演やること自体直前に発表されて、
チケットも直前に発売だから、
応援したくても観られない場合が多い。
だから配信があるのはありがたい。
席数を減らしている分を、配信で料金取って埋めてくれてかまわない。

ただ、今まで演劇を観ていた人たちが、みんなそう行動するかわからないし、
(やっぱり配信はつまらない、と言う友人は多い)
今まで観なかった人を呼び込むことには至らないだろう。
まだまだつらい時期が続きそうだ。


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少女仮面(テアトルBONBON 2/22 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

7年前に観たときは、
途中から、その上ほとんど見えないという状態だったので、
やっと、いろんな意味で、全部を観ることができました。

しかも、はじめて、春日野八千代役を元 ジェンヌがやる!
しかも 月船さらら!
ぴったりじゃん!

いやーほんと良かったです。 
ていうか、元ジェンヌ以外が今までやってたことが、不思議。
まあ、そう思うのは私が元ヅカファンだからであって、
そうでない人からしたら、別に気にならないんたろうけど。

男役芸ができていて、それを客観視して、戯画化しなければいけない。
それができるのは元ジェンヌで、でも今そういう世界から遠い人。

カッコいいんだけど滑稽。
滑稽だけど美しい。

前に観たときは、役者の肉体と心の話だと思った。
役者に勝手に思い入れてその肉体を奪うファンたち。
この残酷さは、男役だからこそきわだつ。
だからこそ元男役がやるのが切ないのよー。

じつは私、2003年の『シニョールドンファン』だったかな、
前のほうの席に座ったとき、隣がさららんファン数人で、
「お手紙にここ座るって書いたから見てくれるかな~」ってきゃっきゃしてて、
そしたらほんとにさららんがいっぱい目線くれたんですよ。
ファンに優しいんだな、と好感度アップしたことを覚えてます。

だからこそ、ファンに肉体を奪われると嘆いたり、
ファンを愛おしく思ったりする、春日野八千代の悲しみが深く感じられちゃう。

で、今回は、これは女性全体の話なんだ、とも気付いた。
自分が年とったからわかるんだろうなあ。
男の視線で奪われ続けた自分の肉体。それが衰えたら、私、何も無い! 
だからこそ、老婆役がいるのね。手に「少女フレンド」を持ってるのが象徴的。

さららんは、前に舞台を観たとき
アングラ世界の男が望む女になっちゃってる面もある? と思ったけど、
この作品はそれらを認識したうえで超えて存在してる。のかも!?

俺、わし、私、あたし、たくさんの一人称。
男役だったり、いかにも大袈裟な女優しゃべりだったり、少女、恋する女、
次々いろんな面を見せる春日野八千代。
さららんは全てを一人の人物画として統べて演じていた。素晴らしい。

ほんと、この話って、腹話術、水道、戦争、満州、
いろんな象徴が全部意味があって連動してて、名作だー。

ボーイ役の人のテンションの高さも良かった。


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観たものいろいろ [観劇メモ(ヅカ以外)]

●「まじめが肝心」 恵比寿エコー劇場 1/24 夜

アーネストインラブのもとの戯曲。

宝塚では脱色されてたけど、これって階級をすごく意識した話なのね。
アーネストという名前にこだわる
くだらないことにこだわれる貴族を、面白がっている。
執事は裏でお酒をあおるし(相棒でヤクザ役で出てた人!)、
装置を動かす黒子さんは 労働者っぽい服装。

現代でもイギリスではそうだ、ということで舞台を現代にしてるんだけど、
貴族の服装が フツーで、インテリアもフツーで、貴族っぽく感じなかったのが残念 。 
現代はどうしても、誰でも似たような格好だから難しい?

話自体は面白く、くだらない内容を大真面目にやればやるほど、笑える。 

お目当ての采澤靖起が本当に安心して観れる。滑舌、テンポすべてよし。

もう一人のお目当ては、人形の家パート2で良かった那須凛。
テンション高い!
存在しない二階席に向かって芝居してるように見えたので、
もう少しコントロールてきたらなおいいなあ。
セシリイ役の人もいかにもセシリイで良かった。

●「メアリ・スチュアート」レッドシアター 2/8 夜

前に 観た神野三鈴と中谷美紀が良かったのでチケット取った。

きりやんがメアリ・スチュアートで、保坂千寿がエリザベス1世。

きりやんがキャラ違いだと思ったな。
きりやんは明るく賢い。
魅力的でもてるのはわかるけど、ダメな男に惚れ込む とは 思えない。
ていうか、 メアリ・スチュアートはそもそも難しい。
中谷美紀もちょっと違うけど、
儚いので、愚かな行動しちゃうんだろうな、と 。
別の作品だけど、「不徳の伴侶」のかなみがぴったりだったのもあり。

エリザベス1世のほうが、まだ感情移入しやすくね? 
「結婚するぐらいなら1000回死んだほうがマシよ!」とかさ。
保坂千寿は貫禄あって良かった。

二人は同じ衣装で、対になる動作が多い。
女優が演じているという枠組がある。
だから、女性の連帯の話でもあるのかな。
でもちょっとつたわりにくかった。

●「オルレアンの噂」 レッドシアター 1/11 夜

オルレアンの噂って、あれです、
ブティックの試着室からさらわれて売られるというやつ。

それを メインに、噂の様々なイメージで綴られたショー。 

小さい小屋で、少人数でオギーのショー。
なんて贅沢なのー。こういうのもっと観たい!

かなみが麗しくセンターで。
トシちゃんが怪しい美女になってたのに驚いた。
オギーのショーって現役時代に出たことないよね?
こんなに世界観が合うとは!

ゲストで 三井聡が出てた。
マジーのショーで上手いと思ったけど、今や大御所なのね。
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獣の柱(シアタートラム 5/19)、終わりのない(世田谷パブリックシアター 11/2) [観劇メモ(ヅカ以外)]

だいぶ前なのに感想を書いていない感想がある。
それは5月のイキウメ公演「獣の柱」。
じつは、これを観た前の日に、猫が天国に行ってしまったのだ。

チケットあるけど、猫の看病で行けないな、と思っていて、
だけどちょうど前日に。。
(詳細はここに書きました)

獣の柱は再演で、前のとはだいぶ変わってた。
謎の柱が天から降ってきて人間に災いをもたらすんだけど、
なぜ降ってくるか、気象現象なのか、神のようなものなのか、宇宙人なのか、、、
再演で少しそれを明らかにしつつ、謎は深まる、という。

猫を看取るのは初めてで、
死というのはどういうことなのか、ものすごく考えさせられていた。
息をしているけど心臓は動いていない、みたいな状態が最期にあって。
生と死の間ははっきりとは分かれていないのではないか? とか、
そんなことを考えていたのと、
イキウメとは、あまりにもマッチする。

夫と観劇後、三茶をうろうろしながら、
涙目でうるうるしながら、ずっとそんなことを話した。

なので、公演の細部をあまり覚えていないんですよね。
初演のDVDはあるので、再演のDVDを買っておさらいしないとね。
(イキウメの過去公演のDVD、ほぼコンプリートしております!)


で、次のイキウメは11月の「終わりのない」。

これまた偶然なんだけど、この公演を観た翌日に、
新しい猫がやってきたんです。

しばらくは喪に服すつもりだったんだけど、
友人の友人宅のガレージで野良猫が子猫を産んだとのことで。

「イキウメ」と猫がリンクするのは、つくづく象徴的だと思う。
猫は、人間が制御できない自然や、時間や、生命を、
私に教えてくれる存在。
「イキウメ」は、時間や生命の不思議を、オカルトっぽく、哲学っぽく提示してくれる。

「終わりのない」は「イリアス」をモチーフに、量子力学をからめ、
今ココ、とパラレルにある別の今ココに主人公が飛んだり、
過去? や未来? に飛んだりすることで、「意識」とは何なのかを考える話。

主役の山田裕貴、かわいい顔立ちなのに声がしっかりしていて、
すごく舞台向きでいい。
この演技で何かの賞をとってましたね。

印象的だったのが、未来の宇宙船の中で、
人間型のAI端末が、マザーコンピューターから切り離されたところで、
「個人」としての「意識」を持ち出すところ。
鳥肌が立った。

つくづく、浜田信也のロボット感が、
「イキウメ」のSFにリアリティを与えているんだよなあ。


というわけで、今は生後4か月の子猫二匹が家の中を走り回っております。
まったく、制御できません(笑)。

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私たちは何も知らない(東京芸術劇場シアターウエスト 12/6 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

永井愛が青踏を題材にした! 観ないわけにはいかないです。

私は事実婚なのですが、
なんでそうしたのか訊かれる場合は、
平塚らいてうに憧れてたからです、と答えることにしています。
まあ、たいていは「??」という顔をされるんですがね。
らいてうが奥村博と同棲するときに両親にあてた手紙っつーのがかっこよくて、
これを真似したい! と思ったんですよー。

という程度には青踏に思い入れがあるので、
あー、これってこういうことだったんだー、とか、
こんなぴったりのキャスティングすごい! とか、
終始楽しく、興奮しながら観ました。

たくさんいる青踏メンバーの中で、数人だけのセレクション、
これがなかなか絶妙。
しかもキャスティングがほんと素晴らしい。
らいてう役の朝倉あきは、「書く女」の一葉の妹役だね。
伊藤野枝役の藤野涼子は、今時こんな田舎っぽい人、よく見つけたな、と。
岩野清役の大西礼芳、「民衆の敵」の長女役だったのか、
声といい顔といい、岩下志麻じゃないですか、素晴らしい。
奥村博役は「いだてん」で国旗マニアで登場した人。
ハンサムなんだけど声が高くて、とにかく不思議ちゃん。
ああ、奥村博ってほんと、こういう感じだったんだろうなあ、と。
それぞれのファッションも、現代の服なんだけど、個性に合ってる。

らいてうが国粋主義みたいになっちゃうのとか、どーすんだろうなあ、と思ってたけど、
最後に、未来を予見する、という形で挿入される。
これは今の我々への警告。

しかし…、
もともとあまり興味のない人(たとえば、女優さん目当てとか)からしたら、
どうだったんだろうなあ。
青踏のことは知らないけど、現代の女性差別には意識的、という人も、
どんなふうに観たんだろうなあ。
「ああ、こういう人たちがいたから、今があるんだ」って思ったかな?
「今も昔も同じなんだ、同志よ!」って思ったかな??
自分には、客観的に判断することができない。

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鎌塚氏、舞い散る(本多劇場 11/30 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ヘッズアップとかの脚本家倉持裕が、
ずっと三宅弘城を主役にしてやっているシリーズらしい。
ゆうひさんが貴族の未亡人役ででるので、友人に誘われて観た。

現代だけど貴族制度がある、
執事は残業200時間超えても気にならない、
とか、最初はなんだそれ、と思って入り込めなかったんだけど、

片桐仁と玉置孝匡のドタバタ場面で、
あ、これはコントなんだ、と理解したら、もんのすごく面白かった。
コントとしてよくできている。

そのうえ、三宅さんとともさかりえの、相思相愛なんだけど永遠にすれ違う、
っていうやつが、切なくて切なくて。

荒唐無稽な笑いは、リアリティのある脚本と演技の上にしか、成り立たない。

ともさかりえ、ほんといい女優さんになった。
小柳友くんも、でかい図体で情けない役で登場。
ゆうひさんは切ない恋心を秘めた未亡人役。
コント場面も頑張ってました。

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怪人と探偵(KAAT 9/28 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

KAATがHEAD' UPに続いて? オリジナルミュージカルを作った。

よくできてるよー。
娯楽作品として最初から最後まで楽しめた。
伏線とか、なんでこのナンバーあるんだ? ってのが最後全部回収されたのがすごい。
深いことは特になんにもないんだけど。

まあ、中川あっきー主演でないと成立しないかもな。

怪人二十面相が、どこぞのお坊ちゃんにばけている、
というのが最初から観客にはわかっているんだけど、
そのお坊ちゃんの言動と、怪人としての行動が、
いつ合体するのか、それってすごい矛盾しないのか、
すごくハラハラしてた。

それを、ぐわあーーっとまとめて納得させてしまう、あっきーの狂気。

セリフが文学的なのがとてもとても良かった。
古き良き時代の空気があって、
でもテンポがいい。

時代設定もちゃんと明確で、
「北北西に針路を取れ」が公開されているとのことだから、1959年。
ということは、背景にある東京タワーは前の年にできたもの。
この時代が「怪奇」と思われるぐらい、時がたったのねー。

華族制度が崩壊して、元華族が困っている、という設定と、
乱歩の子ども向け二十面相シリーズが書かれていた最後の時期、ということだね。
しかし、この時代に「大東亜博物館」なんて名前の博物館はあっただろうか?
「大東亜」は忌避しそうだけど。
https://www.tobunken.go.jp/materials/nenshi/5393.html
戦前に計画はあったらしい。)

ほかの出演者も豪華豪華。
じゅりぴょん、今さん、しっかり笑いをとってありがたい存在。
水田さん、ほんと色っぽい。
明智探偵役の加藤和樹、はじめて見たけど、テニミュ系?
身体の動きがすごくきれい。

例の咲良さんが出ているので観ましたが、
今まで出た中で一番メジャーかも。

ところで、私の勤め先の名前が登場してました。
1959年ということは、永田町はまだできてなくて赤坂。
5時で閉館って言ってたけど、1954年の閲覧案内を見たところ4時半まででしたので、
この1959年も4時半までだった可能性が高いです。
     http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934288/16
(ご自宅からは見られず、「図書館送信」に参加している図書館でのみ閲覧可)
以上、重箱の隅でした…。
まあ、台詞としては「5時」のほうが言いやすいですね。

よくできてたし、スターさんの見せ場もいっぱいあるから、
東京のACTあたりで再演するといいんじゃないかなあ。

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