後天的ヅカファンのオモイツキ
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/
ヅカファンだった人が、観た舞台の感想をたまに書きます。
竜眼
2023-12-24T11:22:35+09:00
ja
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宙組生の死亡と大炎上(長文)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2023-12-24
すごいことになってますね。さすがに何か書かずにはいられず、出てきました。ついに死人が出てしまった。と思いました。96期裁判のとき、凄惨ないじめの実態を知った人の多くが、原告さんが自殺しなくてよかった、と思っていたと思います。しかも、数年前にも音楽学校で飛び降り事件があったとか。マジかよ!96期裁判のときと全然変わってないんだな。と思いました。記者会見の隠蔽体質、HPの「自分は悪くない」「我々は被害者だ」的な文言、知ってるー! って感じ。炎上ざまあみろ。とも思ってしまいます。あのとき、あんなに我々は抗議したのに。いや、観たい公演はチケット買ってたから骨抜きではあるんですが、(96期裁判の運営側の対応を理由として)友の会を辞める、スカステを辞める、抗議の手紙を劇団に出す、等々してきたのに、それを完全無視したからだよー、今、つけが回ってきたんだよー。ついに貸切公演の企業からも見限られつつあって、なんで96期裁判のときはそうならなかったんだろう、やっと時代が追いついたのか? 遅すぎ!あのとき「いじめなんてどこにでもある」と言って、気にせず観続けてた人たち、今どう思ってる? ひょっとして文春が悪い、死んだ人が悪いって思ってる?さすがに、今までの音楽学校生や演出家の加害とは違って、現役の生徒、しかもトップスターを含む名前が出てしまっているのは、有耶無耶にするのは無理でしょう。正直、名前のあがった生徒は退団し、宙組を解体する、ぐらいでないと再興できないのでは。いっそ、宝塚そのものが解散するかも。そうなってもいいとまで思います。レビューや歌劇は宝塚以外でだってできるのだし。(でも、舞台が好きなもう一人の私は、あれだけの豪華な舞台はほかでは難しいよな、とか、1つの公演がほとんどまるまる無くなってしまうことはかなりショックだな、周年なのに運動会が無いのかー、とか思ってしまう部分もあるのですが)(以下、雑談)報道で出てくる人名には、ゴシップ的な要素もあって、藤井大介アル中なんだ(苦笑)とか、小林公平、公一がいい人扱いになってるけど、そうかあ~?人事ごり押しとか、変な歌詞歌わせるとか、彼らもやってたじゃん?紅より北翔をトップにするのは正しい判断なのでは? とか思ったり。しかし上田久美子のパワハラや小池修一郎、野口幸作(+藤井大介)の性暴力は笑えないな。演出助手が上田久美子のパワハラで辞めて、お金で解決させられたというのは、何がなんでも裁..
ヅカってなんだ?的記事
竜眼
2023-12-24T11:22:35+09:00
さすがに何か書かずにはいられず、出てきました。
ついに死人が出てしまった。と思いました。
96期裁判のとき、凄惨ないじめの実態を知った人の多くが、
原告さんが自殺しなくてよかった、と思っていたと思います。
しかも、数年前にも音楽学校で飛び降り事件があったとか。
マジかよ!
96期裁判のときと全然変わってないんだな。と思いました。
記者会見の隠蔽体質、HPの「自分は悪くない」「我々は被害者だ」的な文言、
知ってるー! って感じ。
炎上ざまあみろ。とも思ってしまいます。
あのとき、あんなに我々は抗議したのに。
いや、観たい公演はチケット買ってたから骨抜きではあるんですが、
(96期裁判の運営側の対応を理由として)友の会を辞める、スカステを辞める、
抗議の手紙を劇団に出す、等々してきたのに、それを完全無視したからだよー、
今、つけが回ってきたんだよー。
ついに貸切公演の企業からも見限られつつあって、
なんで96期裁判のときはそうならなかったんだろう、
やっと時代が追いついたのか? 遅すぎ!
あのとき「いじめなんてどこにでもある」と言って、気にせず観続けてた人たち、
今どう思ってる? ひょっとして文春が悪い、死んだ人が悪いって思ってる?
さすがに、今までの音楽学校生や演出家の加害とは違って、
現役の生徒、しかもトップスターを含む名前が出てしまっているのは、
有耶無耶にするのは無理でしょう。
正直、名前のあがった生徒は退団し、宙組を解体する、
ぐらいでないと再興できないのでは。
いっそ、宝塚そのものが解散するかも。そうなってもいいとまで思います。
レビューや歌劇は宝塚以外でだってできるのだし。
(でも、舞台が好きなもう一人の私は、
あれだけの豪華な舞台はほかでは難しいよな、とか、
1つの公演がほとんどまるまる無くなってしまうことはかなりショックだな、
周年なのに運動会が無いのかー、
とか思ってしまう部分もあるのですが)
(以下、雑談)
報道で出てくる人名には、ゴシップ的な要素もあって、
藤井大介アル中なんだ(苦笑)とか、
小林公平、公一がいい人扱いになってるけど、そうかあ~?
人事ごり押しとか、変な歌詞歌わせるとか、彼らもやってたじゃん?
紅より北翔をトップにするのは正しい判断なのでは? とか思ったり。
しかし上田久美子のパワハラや小池修一郎、野口幸作(+藤井大介)の性暴力は笑えないな。
演出助手が上田久美子のパワハラで辞めて、お金で解決させられたというのは、
何がなんでも裁判にしたくなかった、
96期裁判で裁判記録が誰でも見られる状態になったのが、トラウマだったんだろうな。
真風→星風のいじめは、
なるほど! だから芝居がかみ合ってなかったんだ! と納得。
凰稀が厳しい「指導」をしてたっていうのも、
少なくとも包容力とかとは無縁で、
ベストアクトは『堕天使の涙』の新人公演のこじらせた役だったから、ちょっとわかる…
野口幸作の芝居は感情がないし、
小池修一郎のオリジナルは品がないし。
人柄や関係性って本当に舞台や作品に出るんだな、
自分が感じていたことは間違ってなかったんだ、
とちょっと驚いたり。
いやでも、それぞれの作品、パフォーマンスで秀でた点は確かにあったわけで。
上田作品で泣いたこともあるし、
小池の海外ミュージカルの翻案は確かに大きな転機だった。
だからと言って、小池修一郎が干されたら日本のエンタメはどうなる、とかは全く思わない。
レイプされたり自殺しなければいけないような人が一人でも減るなら、
それが一番。それ以上のことは無い。
エンタメ界には新しい才能が出てくるはず。
ただ、自分は悪いことしてないのに公演がなくなって収入がなくなる関係者のことは心配だ。
同じ「傍観者としての責任がある」とはいえ、
観客は自分の生活があるから、エンタメが無くなっても死ぬわけじゃない。
でも関係者は生活がかかっているものね…。
(雑談終わり)
戦前戦中ぐらいに活躍したジェンヌさんの自伝などを読んでいると、
先輩にいびられた話はけっこう出てきます。
でも、組織の仕組みとしてそれをやる感じではないように読めました。
変なルールとかも登場しません。
80年代入団のスターさんの話だと、音楽学校さぼってファミリーランドで遊んでた、
という話も頻出するし(たしか香寿たつきとか)、
00年代にコマ劇場でのOG公演シンデレラに出演した、
当時現役だった樹里咲穂と遠野あすかが、ベルばら時代のスターOGの、
自由さ、上下関係の無さにものすごく驚いて、喜んでました。
だから、報道にもある通り、阪神大震災以降、宙組作って以降、
儲け第一、過重労働になって、いろいろと厳しくなっていた、
というのは確かにそうなんだろうと思います。
スカステができたのも過重労働の一つでしょう。
でも、知人がかなり昔の話として、「高校時代の友人があこがれて入団したけど、
夢と現実は違うんですよねー、すぐ辞めました」と言ってたり、
島田歌穂がTCAプレスのインタビューで、母親が元ジェンヌだけど、
「あなたには合わない世界だから」と島田歌穂が入団しようとするのを止めた話をしてたり、
それらのニュアンスから、ブラックぽいなとは思っていました。
なぜそのときにもっと考えなかったんだ、自分…。
劇団幹部に物申した他組のトップスターに、
幹部が「俺がトップにしてやったのに」と言ったとか。
その家父長制的考え方! キモーーー!
そもそも小林一三は「お父さん」と呼ばれていたわけで、
昔の家父長制的考え方が、今もえんえんと生きている。
遊廓の経営者が「お父さん」「お母さん」と呼ばれていたのと同じで、
「家族的」という言葉は疑ってかからなければなりません。
家族という名前で搾取される上下関係が、
ジェンヌ同士、スタッフ同士の間にも生きているってことです。
OGの証言で「上になって下をいびるとストレス解消になる、
今までやられてたことの仕返し」というのがありましたね。
出演者をこき使い、競争させ、ストレスを与えるのだから、当然、いじめが起きやすくなる。
変なルールは、人をいじめるためにあるとしか思えません。
1期上と下に情報を伝達するルール「上げ」「下げ」とか、
そんなん一斉にLINE送信すりゃいいじゃん、アホかと。
典型的なブラック企業です。
ファンもファンクラブで競争させられ、お金を使わされています。
ファンクラブのスタッフさんの「献身」も、やりがい搾取そのものです。
湖月わたるが言っていた「(宝塚は)みんなで魔法をかけあっている」は、
夢のような世界になるように努力している、
つまり、たとえば、いじめたくなっても理性で止める、ということかと思っていました。
湖月さんはたしかにそうかもしれん。
でも多くの実態は、いじめがあっても無かったことにするという
「魔法」をかけていたのかもしれません。
あああ、「魔法は」、「自治」や「伝統」の名のもとの隠蔽だったのだ…。
「魔法」が成り立っていたのは、
我々ファンが、周辺の企業が、世間が、みんなが、
素晴らしいものだと賞賛し、消費してきたから。
自らの依存対象として、儲けの材料として、必要としてきたから。
歌舞伎もジャニーズも、スポーツも同じ。
でももう、魔法はとけてしまいました。
私にだけでなく、社会全体で。
昔の自分の書いたものを読んでたら、上に書いたこととほぼ同じでした(笑)。
このカテゴリとか。自分が、宝塚に対する未練が無くなってるとこだけが違う(笑)。
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演出家原田諒のセクハラパワハラについて
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2023-01-09
年末に原田諒のパワハラセクハラが報道されたので、出てきました。96期のいじめ裁判をずっと追ってきた身としては(このブログではこのカテゴリ)、宝塚の体質として当然こういうことはあるだろう、あっただろう、寺田瀧雄のときなんか完全スルーだったんだから、という感想しかないです。ただ、原田諒を辞めさせたのは、進歩だなあ、とは思います。96期の事件は、ブラック企業という言葉が広まる少し前だったと思うし、演劇界でのパワハラセクハラ、スポーツ界でのパワハラセクハラもまだそれほど話題になっていなかったので、世の中の変化に、宝塚が少し追い付いたのだろう、と少し感慨深いです。もちろん、公式HPの「今後はハラスメントの防止のさらなる徹底に努める所存」とか、「個人のプライバシー保護の観点から配慮を欠いた記事であり大変遺憾であるとともに、本件に関して弊団が隠ぺい等の不適切な対応や不誠実な発言を行ったかのような、事実と異なる内容や表現がございます」」とか、具体的にどうなのか全然明らかにしておらず、そもそも文春砲がなければ、しれっと退職を報告しなかった(もともと演出家の退団は公にしてないけど)ふしがあって、昨今のコンプライアンスからしたらダメダメではあります。せめて、対策ガイドラインの策定や、相談窓口の開設を実施します、ぐらい言わないと、本気だとは思えません。(そんなことするわけないですよね 苦笑)また、「辞めさせたからそれでいいでしょ」という発想は、96期のときに被害者や、とばっちりをくらった生徒を辞めさせようとしたのと変わってない気がします。(今回は加害者を辞めさせたからマシではあるけど)被害者意識丸出しな文章も、96期のときと全然変わってないですね。私が疑問なのは、ファンの人たちが怒っていることです。今ファンでいる人たちの多くは、96期のことを承知で、そういうものだと思って観ているのではないの?東小雪さんが、暴力的な構造になっているとずっと警鐘を鳴らしていたし(本の感想)。それでもかまわないと思って観ているのではないのかなあ? と不思議です。知らない人が多いのか、考えないようにしているのか。。。まあそれだけ宝塚は魅力的ですからね…あのときは加害者も被害者もジェンヌ(の卵)だったけど、今回は加害者は演出家、被害者は演出助手とジェンヌだから、加害者を批判しやすいのかもしれません。さらに、加害者が男性というのもあるかも。同じ共同体にいるとはいえ..
ヅカってなんだ?的記事
竜眼
2023-01-09T16:23:56+09:00
96期のいじめ裁判をずっと追ってきた身としては
(このブログではこのカテゴリ)、
宝塚の体質として当然こういうことはあるだろう、あっただろう、
寺田瀧雄のときなんか完全スルーだったんだから、という感想しかないです。
ただ、原田諒を辞めさせたのは、進歩だなあ、とは思います。
96期の事件は、ブラック企業という言葉が広まる少し前だったと思うし、
演劇界でのパワハラセクハラ、スポーツ界でのパワハラセクハラも
まだそれほど話題になっていなかったので、
世の中の変化に、宝塚が少し追い付いたのだろう、と少し感慨深いです。
もちろん、公式HPの「今後はハラスメントの防止のさらなる徹底に努める所存」とか、
「個人のプライバシー保護の観点から配慮を欠いた記事であり大変遺憾であるとともに、
本件に関して弊団が隠ぺい等の不適切な対応や不誠実な発言を行ったかのような、
事実と異なる内容や表現がございます」」とか、
具体的にどうなのか全然明らかにしておらず、
そもそも文春砲がなければ、しれっと退職を報告しなかった
(もともと演出家の退団は公にしてないけど)ふしがあって、
昨今のコンプライアンスからしたらダメダメではあります。
せめて、対策ガイドラインの策定や、相談窓口の開設を実施します、
ぐらい言わないと、本気だとは思えません。
(そんなことするわけないですよね 苦笑)
また、「辞めさせたからそれでいいでしょ」という発想は、
96期のときに被害者や、とばっちりをくらった生徒を
辞めさせようとしたのと変わってない気がします。
(今回は加害者を辞めさせたからマシではあるけど)
被害者意識丸出しな文章も、96期のときと全然変わってないですね。
私が疑問なのは、ファンの人たちが怒っていることです。
今ファンでいる人たちの多くは、96期のことを承知で、
そういうものだと思って観ているのではないの?
東小雪さんが、暴力的な構造になっているとずっと警鐘を鳴らしていたし(本の感想)。
それでもかまわないと思って観ているのではないのかなあ? と不思議です。
知らない人が多いのか、考えないようにしているのか。。。
まあそれだけ宝塚は魅力的ですからね…
あのときは加害者も被害者もジェンヌ(の卵)だったけど、
今回は加害者は演出家、被害者は演出助手とジェンヌだから、
加害者を批判しやすいのかもしれません。
さらに、加害者が男性というのもあるかも。
同じ共同体にいるとはいえ、演出家、男性、は
自分たちの花園の正規メンバーではないという感覚はたしかにあります。
完全に余談だけど、
2011年の「ニジンスキー」の男性同士のラブシーン
(今回の事件の被害者は男性という説もありますね)、
演出は完全にジェンヌがやってて、「原田君は顔真っ赤にして見てるだけだった」
と複数のお茶会で聞きましたが、
いつのまに、ジェンヌに暴言吐くような「お偉い」演出家になってたんですねえ。
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2022年秋以降に観たものとこれから
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-12-20
なかなかこちらを更新できていません。「夜の観劇」のほうも下書きがたまる一方ではあるのですが、そもそも「夜」じゃない観劇が、「夜」におされて減ってきています。でもまあ、自分のためのメモとして。2022年、劇チョコのあとに観たお芝居は、・イキウメ「天の敵」(9/18 本多劇場)DVDで何度も観ているのを生で観れた~マクロビの元祖桜沢如一がモデルと思われる、現代のヴァンパイアの話。これはみんな言ってるけど、食べるという行為は誰でも共通だから、自分のこととして考えやすいです。さらに今の自分には、老いる覚悟のようなテーマがひしひしと伝わってきました。若返っても、食べられない、飲血やめたら一気に老ける、そこまでして若さがほしいかどうか。そもそも「完全食」を求めてたらそこに行き着いたわけで、健康への固執というのは結局、老いるという天の摂理に抗うってことなわけですよね。あと、中央の、庭に出るような通路は、あの世との出入口だと思いました。「ゲゲゲの先生」でもそういう構造だったかもしれません。前回と違って、アシスタントが二人うろうろしていましたが、どういう意味だったんだろう。・二兎社の「歌わせたい男たち」は、2005年に見てすごく楽しかったし、イキウメの大窪人衛さんが出るのでチケット取ってたのですが、コロナで中止~~・配信で「阿修羅のごとく」。ドラマは名作だと思ってるんだけど、今、演劇でやると、すごーーく古い話だなあと思ってしまう。この数十年で、女性の生き方の選択肢はすごく増えた。一方で、男性陣は、今と変わらないなあと思ってしまう。向田邦子が生きていたらどんな作品を書いただろうか。三女に接近する探偵がすごくうまいと思ったら、岩井秀人だった。(なんと四女の彼氏役もやっていた…!)…えっ、これだけ!? うわーお、2022年は宝塚を全く観てないよ!!(年始に花組で優波の退団公演を観るつもりだったのがコロナで中止に…)月城かなとさん、「ソルフェリーノの夜明け」新人公演でにわにわのおじさん役をやってむちゃくちゃ上手かった、その人がトップになっている、これは是非観たい、と思ってるんだけど、気付いたときにはチケット売り切れてるんですよね。。特に、正塚信者だったので、ブラックジャックは観たかった。。。今の宝塚はけっこう売れてるみたいで、熱意がないと全然チケット取れないですね。あと、礼真琴さんとか、朝美さんとか、上手いなあと思っている人は観たいけども..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-12-20T16:13:31+09:00
「夜の観劇」のほうも下書きがたまる一方ではあるのですが、
そもそも「夜」じゃない観劇が、「夜」におされて減ってきています。
でもまあ、自分のためのメモとして。
2022年、劇チョコのあとに観たお芝居は、
・イキウメ「天の敵」(9/18 本多劇場)
DVDで何度も観ているのを生で観れた~
マクロビの元祖桜沢如一がモデルと思われる、現代のヴァンパイアの話。
これはみんな言ってるけど、食べるという行為は誰でも共通だから、
自分のこととして考えやすいです。
さらに今の自分には、老いる覚悟のようなテーマがひしひしと伝わってきました。
若返っても、食べられない、飲血やめたら一気に老ける、
そこまでして若さがほしいかどうか。
そもそも「完全食」を求めてたらそこに行き着いたわけで、
健康への固執というのは結局、
老いるという天の摂理に抗うってことなわけですよね。
あと、中央の、庭に出るような通路は、あの世との出入口だと思いました。
「ゲゲゲの先生」でもそういう構造だったかもしれません。
前回と違って、アシスタントが二人うろうろしていましたが、
どういう意味だったんだろう。
・二兎社の「歌わせたい男たち」は、
2005年に見てすごく楽しかったし、
イキウメの大窪人衛さんが出るのでチケット取ってたのですが、
コロナで中止~~
・配信で「阿修羅のごとく」。
ドラマは名作だと思ってるんだけど、
今、演劇でやると、すごーーく古い話だなあと思ってしまう。
この数十年で、女性の生き方の選択肢はすごく増えた。
一方で、男性陣は、今と変わらないなあと思ってしまう。
向田邦子が生きていたらどんな作品を書いただろうか。
三女に接近する探偵がすごくうまいと思ったら、岩井秀人だった。
(なんと四女の彼氏役もやっていた…!)
…えっ、これだけ!?
うわーお、2022年は宝塚を全く観てないよ!!
(年始に花組で優波の退団公演を観るつもりだったのがコロナで中止に…)
月城かなとさん、「ソルフェリーノの夜明け」新人公演で
にわにわのおじさん役をやってむちゃくちゃ上手かった、
その人がトップになっている、これは是非観たい、
と思ってるんだけど、気付いたときにはチケット売り切れてるんですよね。。
特に、正塚信者だったので、ブラックジャックは観たかった。。。
今の宝塚はけっこう売れてるみたいで、熱意がないと全然チケット取れないですね。
あと、礼真琴さんとか、朝美さんとか、上手いなあと思っている人は観たいけども。
3番手以下ぐらいの人たちはまったくわからなくなってしまいました。
ここだけの話なんですが、
96期の件があっても、紫峰七海様がいたから観続けていたし、
2015年末の退団後も、東京宝塚劇場公演を一回は必ず観ていたのですが、
それが途絶えたのは、
2017年はじめの紅ゆずるのトップ就任からだったと思い出しました。
なんとその公演だったかで、公演パンフの解説執筆依頼が来たんですよ。
(!! 職場の媒体に(団体名義だけど)戦前のレビューについて書いていたので)
祝う気になれんと思って断るほど、苦手だったんです。
龍真咲も苦手だったのですが、ちゃぴちゃんが良かったのと、
みやるりを観たかったので、がんばって観ていた。。
(礼真琴さんは絶対トップになるから、あとで観られるだろうと思っていたし、
綺咲は96期というのを差し引いても、それほど好きではなかった…)
そのあたりから、ごろごろっと坂を転げ落ちてしまった気がします。
苦手なトップがいるっていうのは、(主役なだけに)なかなかつらかった。
もちろん、全体的に薄味になったというのも大きいです。
そんな古巣に関するブログ、いい加減閉じてもいい気もするのですが、
最近、大昔の宝塚について、また調べ始めたりしていて、
それをアップするかもしれないので、一応残しておきます。
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生き残った子孫たちへ 戦争六(8/17-9/4 東京劇術劇場)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-09-09
劇団チョコレートケーキが3週間ぐらいで6作品を一挙上演。役者さんもかわるがわる出てて超ハードスケジュール。ほぼ全部観たので、週2で池袋に通ってました…特に印象深いのは「追憶のアリラン」。戦前の朝鮮で裁判官をしていた日本人が主人公。罪に問われるんだけど、罪の程度やそれを周りがどう思うかに、いろんなグラデーションがあって、丁寧に描かれていた。彼の部下だった朝鮮の人が、ちょっと夢物語みたいな誠実さなんだけど、浅井伸治がリアルに演じているので、夢物語が本当の希望に感じられたのが特に良かった。あと、初期の短めの作品。初期だけに、また若者がやっているので、テーマがダイレクトに、鮮烈に伝わってくる。一つ目は特攻を開発しちゃった二人の青年が、実験中に窒息死する話。「〇六〇〇猶二人生存ス」つらい…技師がナレーターとして登場して、美化しない仕掛けになっている。二つ目は原爆乙女とよばれる、アメリカでケロイドの手術を受けた女性たちの話。「その頬、熱線に焼かれ」これもいろんな反応の女性がいて、繊細に描かれていて良かった。新作「ガマ」。沖縄戦でガマに籠った数人のドラマ。この上手いおじいさん誰だと思ったら、大和田獏だった…!!松井岩根を描いた「無畏」は、ちょっと話が見えすぎていたかなあ。結局、「上司は思いつきで物を言う」なんだなあ、というのは興味深い。あとですね。劇団チョコレートケーキって、女性の描き方がどうしても、いわゆるセクハラとは逆方向なんだけど、リアリティが無いというか、美化しすぎている作品が多くて、そこだけいつも不満だった。もちろん、演者がリアリティを付加してくれているんだけど、劇中の役割として、「無垢な聞き役」に徹していたり(「帰還不能点」)、「癒し役」であったり(「追憶のアリラン」なんと月影瞳!)、「ヒーロー」であったり(「一九一一年」)。その点、「ガマ」の軍国主義少女は、よろしくない面をバンバン出してくる役だったし、原爆乙女にも、意固地になって意地悪してしまう女性がいたので、かなりうれしかったですね。
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-09-09T16:11:16+09:00
役者さんもかわるがわる出てて超ハードスケジュール。
ほぼ全部観たので、週2で池袋に通ってました…
特に印象深いのは「追憶のアリラン」。
戦前の朝鮮で裁判官をしていた日本人が主人公。罪に問われるんだけど、
罪の程度やそれを周りがどう思うかに、
いろんなグラデーションがあって、丁寧に描かれていた。
彼の部下だった朝鮮の人が、ちょっと夢物語みたいな誠実さなんだけど、
浅井伸治がリアルに演じているので、
夢物語が本当の希望に感じられたのが特に良かった。
あと、初期の短めの作品。初期だけに、また若者がやっているので、
テーマがダイレクトに、鮮烈に伝わってくる。
一つ目は特攻を開発しちゃった二人の青年が、実験中に窒息死する話。
「〇六〇〇猶二人生存ス」つらい…
技師がナレーターとして登場して、美化しない仕掛けになっている。
二つ目は原爆乙女とよばれる、
アメリカでケロイドの手術を受けた女性たちの話。
「その頬、熱線に焼かれ」
これもいろんな反応の女性がいて、繊細に描かれていて良かった。
新作「ガマ」。沖縄戦でガマに籠った数人のドラマ。
この上手いおじいさん誰だと思ったら、大和田獏だった…!!
松井岩根を描いた「無畏」は、ちょっと話が見えすぎていたかなあ。
結局、「上司は思いつきで物を言う」なんだなあ、というのは興味深い。
あとですね。
劇団チョコレートケーキって、女性の描き方がどうしても、
いわゆるセクハラとは逆方向なんだけど、
リアリティが無いというか、美化しすぎている作品が多くて、
そこだけいつも不満だった。
もちろん、演者がリアリティを付加してくれているんだけど、
劇中の役割として、「無垢な聞き役」に徹していたり(「帰還不能点」)、
「癒し役」であったり(「追憶のアリラン」なんと月影瞳!)、
「ヒーロー」であったり(「一九一一年」)。
その点、「ガマ」の軍国主義少女は、
よろしくない面をバンバン出してくる役だったし、
原爆乙女にも、意固地になって意地悪してしまう女性がいたので、
かなりうれしかったですね。
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劇団イキウメ 関数ドミノ(5/29昼 シアターイースト)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-07-16-5
2005年の初演は見たことがなくて、2008年版はDVDで何度も見ました。今回の観劇後、2014年版と2017年の寺十吾版のDVDを入手しました。今回の特徴はまず、最初と最後に、真壁本人の談として、「スーパーヒーローがすごいこと(壁をよじのぼったり)をしている」というナレーションがあること。すごい力がある人がそんなことしかしないんかい、ってことかなあ。これ自体、真壁本人のことなのか、真壁がドミノでなくなったあとのことなのか、解釈がいろいろありうる。んだけど、形として「わかりやすくしますよー」って枠組みに見えてしまい、勢いを削いで、説教臭くなってる、気が、する。あと、安井順平が真壁役であること(2014年版もそうだけど)。前回の「外の道」もそうだけど、安井順平を主人公にするのは実力があるから、わかる。わかるけどーーーファンとしては(ファンなのか、ファンなのだ)、安井順平が本当に輝くのは、茶々を入れるところなんだよー、と思う。2008年版では保険調査員 横道役。信じているのか信じていないのかスタンスを明らかにせずに、ちょっとずつ茶々を入れていく、そのおかげで観客はこの不思議な設定との距離感が取れたわけです。オカルトに笑いはつきもの(ホラー漫画家はギャグ漫画も画く、みたいな)「聖地X」の兄にしても、「地下室の手記」の主人公にしても、イキウメにとって、安井の「茶々」や「笑い」がどんなに重要なことか!!真壁という役の設定はどんどん年を取っていって、最初は親に心配されるフリーターだったのが、今や、元官僚。2014年版からは、看護婦さんの役ができて、マザーテレサのようなことを言うのも象徴的。「本当に幸せを願っているのか?」という問いが、個人的なものから社会全体へ、「世の中を良くしたいと本当に願っているのか?」に移ってきている。前川さんの変化だろうし、それは世の中全体の変化とリンクしているのかも?それはさておき、ちょっとした比較など、つらつらと。2014年版だと左門森魚役(浜田信也)が奇異な動きをしていたけど、それは今回は無し。前川さんのツイッターによると、マチズムやパターナリズムを「笑えるよね?」とわざと表現していたけど、今回はわざとやるのはやめたと。それは正解だったと思うけど、そうすると最初と最後のまとめはどうなのか、という…。土呂役が盛隆二に戻ったのは良かった。2014年版で土呂役が森下創だったのは、森魚と年齢が違い過ぎて..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-07-16T17:14:04+09:00
今回の観劇後、2014年版と2017年の寺十吾版のDVDを入手しました。
今回の特徴はまず、
最初と最後に、真壁本人の談として、
「スーパーヒーローがすごいこと(壁をよじのぼったり)をしている」
というナレーションがあること。
すごい力がある人がそんなことしかしないんかい、ってことかなあ。
これ自体、真壁本人のことなのか、真壁がドミノでなくなったあとのことなのか、
解釈がいろいろありうる。
んだけど、形として「わかりやすくしますよー」って枠組みに見えてしまい、
勢いを削いで、説教臭くなってる、気が、する。
あと、安井順平が真壁役であること(2014年版もそうだけど)。
前回の「外の道」もそうだけど、安井順平を主人公にするのは
実力があるから、わかる。わかるけどーーー
ファンとしては(ファンなのか、ファンなのだ)、
安井順平が本当に輝くのは、茶々を入れるところなんだよー、と思う。
2008年版では保険調査員 横道役。
信じているのか信じていないのかスタンスを明らかにせずに、
ちょっとずつ茶々を入れていく、
そのおかげで観客はこの不思議な設定との距離感が取れたわけです。
オカルトに笑いはつきもの(ホラー漫画家はギャグ漫画も画く、みたいな)
「聖地X」の兄にしても、「地下室の手記」の主人公にしても、
イキウメにとって、安井の「茶々」や「笑い」がどんなに重要なことか!!
真壁という役の設定はどんどん年を取っていって、
最初は親に心配されるフリーターだったのが、今や、元官僚。
2014年版からは、看護婦さんの役ができて、
マザーテレサのようなことを言うのも象徴的。
「本当に幸せを願っているのか?」という問いが、
個人的なものから社会全体へ、
「世の中を良くしたいと本当に願っているのか?」に移ってきている。
前川さんの変化だろうし、それは世の中全体の変化とリンクしているのかも?
それはさておき、ちょっとした比較など、つらつらと。
2014年版だと左門森魚役(浜田信也)が奇異な動きをしていたけど、
それは今回は無し。
前川さんのツイッターによると、マチズムやパターナリズムを「笑えるよね?」と
わざと表現していたけど、今回はわざとやるのはやめたと。
それは正解だったと思うけど、そうすると最初と最後のまとめはどうなのか、という…。
土呂役が盛隆二に戻ったのは良かった。
2014年版で土呂役が森下創だったのは、
森魚と年齢が違い過ぎて、友達になる説得力が薄い気が。
新田役が森下創なのはちょっと切迫感が無い気が。
新田役は、ヤンキーっぽいほうが勢いがあっていいと思うなあ。
(森下さんに合う役って…)
陽一(大窪人衛)の役が2014年版だとイキってて面白い。
人衛さんだからめちゃ上手いけど。でも似合ってない、笑。
その彼女の役が今回、総合職で働く女性っていうのはすごくいいね。
陽一が兄である森魚から自立しようとする背景として生きている。
温水洋一が横道役っていうのは、悪くないけど、もったいなさすぎやろ、という気が。
ついでに寺十吾版の感想も。
これは2017年の公演だけど、ベースは2014年版ではなく2008年版。
真壁役の瀬戸康史が華がありすぎ!
柄本時生の森魚役はぴったり。
ふられちゃう田宮役(池岡亮介)がイケメンすぎて驚き。
でも、こんなイケメンなのになぜ…やっぱ森魚はドミノなんだという説得力はある。
彼がふられた腹いせに、泉ちゃん(八幡みゆき)を悪く言うのはとても良い。
泉ちゃんが不思議ちゃんキャラのほうに振れすぎていて、
田宮君がそんなに好きになるだろうか? と思った。
横道役の勝俣さんが全然生きてなかった。
全体的に似たようなハンサムさんが多く(同じ事務所の人たちなのね)、
最初は見分けがつきにくい。
また、特に当初は、会話のテンポに余裕がなく、
ほぼ全員が怒鳴り続けているように見えてしまう。
土呂さん(山田悠介)の口説きの場面あたりから良くなった。
前川さんの演出は、(安井順平の魅力と同様)
茶々を入れるとか笑いとかをすごく意識しているんだろうな。
すごく理知的な「間」。(「わかりやすさ」では無い)
そういうところも、自分がイキウメを好きだと思うところなのかも。
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ガイズ&ドールズ(帝国劇場 6/12夜)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-07-16-4
(最初に書いておくと、紫吹ファンとして思い入れありまくりで、かつ、フランク・レッサーの超名曲も大好きなので、話の内容が古いのはわかりつつ、細かいことまであれこれ言わずにはいられません)キャストはやはりぴったりというわけにはいかず、んんーと思うところも多かったけど、なんといっても、はじめて歌詞を聞き取れた!(笑)それでわかったことがたくさんあった。ナイスリーは作品の枠組みなんだ!コミカルな役でありつつ、超重要なナンバーをうたっている。冒頭の、どの馬に賭ければいいかという超くだらないナンバーで、世界観を示し、タイトルナンバーも担い、さらに「舟が揺れる」というある意味、結論的なナンバー。「舟が揺れる」が結論だということはよく言われているけど、今回はじめて実感したよ。みんなで信仰を持つことが大事なんだよ、という…いや、やっぱりよくわかってないかもだけど(笑)。万里生の歌唱力と、すっとぼけたキャラに感謝。とはいえ、本当は太ってコミカルないわゆるコメディ役者がやる役なんだろうな。全員歌詞聞き取れて、それでいてアメリカンミュージカルらしいキャストって、日本だと無理なのかなあ…(苦笑)浦井くんのネイサン、かーわーいーいー!さすがに、なんでもできる人だよね。芳雄のスカイは、ギャンブラーには見えないが、この人を起用した成果?面白味は、「女神よ今夜だけ」がまるで現代劇だったこと。すごい緊張感。ストレートプレイで極限状態を演じているみたいだった。芝居は現代劇、歌唱力はミュージカル。面白い人だ。だいもんは普通にうまくてかわいい。みりたんは、切れ者で孤独。芳雄もだけど、お互いに切れ者で孤独。だから惹かれ合うって設定なのか?いやいや、全然ケミストリーが起きていない!全然、恋物語に見えなかった。これが致命的。満足感が無い。りかくらのウエットさ、みちふうのホットさが懐かしい。アーバイドにソロがあった。サラが孤児だったのだなとわかる。未沙のえる様(宝塚初演のナイスリー)はカートライト将軍。笑いとってた、さすが。石井一孝さんはブラニガン警部。素敵~。もっと観たいんだけど。ビッグジュールがかわいくなかったな。ビッグジュールはかわいげがないと。なので、あの賭けの場面がダレまくってた。アデレイドのショーでの最初のナンバーが農場の牛だったのが驚いた。どういうコンセプトなんだろう。当時はよくあったんだろうか。気になる。2幕冒頭のナンバー「もってけミンク」は、最..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-07-16T16:59:55+09:00
かつ、フランク・レッサーの超名曲も大好きなので、
話の内容が古いのはわかりつつ、細かいことまであれこれ言わずにはいられません)
キャストはやはりぴったりというわけにはいかず、んんーと思うところも多かったけど、
なんといっても、はじめて歌詞を聞き取れた!(笑)
それでわかったことがたくさんあった。
ナイスリーは作品の枠組みなんだ!
コミカルな役でありつつ、超重要なナンバーをうたっている。
冒頭の、どの馬に賭ければいいかという超くだらないナンバーで、世界観を示し、
タイトルナンバーも担い、
さらに「舟が揺れる」というある意味、結論的なナンバー。
「舟が揺れる」が結論だということはよく言われているけど、
今回はじめて実感したよ。
みんなで信仰を持つことが大事なんだよ、という…
いや、やっぱりよくわかってないかもだけど(笑)。
万里生の歌唱力と、すっとぼけたキャラに感謝。
とはいえ、本当は太ってコミカルないわゆるコメディ役者がやる役なんだろうな。
全員歌詞聞き取れて、それでいてアメリカンミュージカルらしいキャストって、
日本だと無理なのかなあ…(苦笑)
浦井くんのネイサン、かーわーいーいー!
さすがに、なんでもできる人だよね。
芳雄のスカイは、ギャンブラーには見えないが、
この人を起用した成果?面白味は、
「女神よ今夜だけ」がまるで現代劇だったこと。
すごい緊張感。ストレートプレイで極限状態を演じているみたいだった。
芝居は現代劇、歌唱力はミュージカル。面白い人だ。
だいもんは普通にうまくてかわいい。
みりたんは、切れ者で孤独。
芳雄もだけど、お互いに切れ者で孤独。
だから惹かれ合うって設定なのか?
いやいや、全然ケミストリーが起きていない!
全然、恋物語に見えなかった。これが致命的。満足感が無い。
りかくらのウエットさ、みちふうのホットさが懐かしい。
アーバイドにソロがあった。サラが孤児だったのだなとわかる。
未沙のえる様(宝塚初演のナイスリー)はカートライト将軍。笑いとってた、さすが。
石井一孝さんはブラニガン警部。素敵~。もっと観たいんだけど。
ビッグジュールがかわいくなかったな。ビッグジュールはかわいげがないと。
なので、あの賭けの場面がダレまくってた。
アデレイドのショーでの最初のナンバーが農場の牛だったのが驚いた。
どういうコンセプトなんだろう。当時はよくあったんだろうか。気になる。
2幕冒頭のナンバー「もってけミンク」は、
最近バーレスクやストリップ観てる目からすると、
その手のナンバーなのね!!
つまり「脱ぐ」ナンバー。
はじめて理解した!
しかも、「結婚するまではそういうことしないから! ひどい!」とかいいながら、
自分で脱ぐ。「持ってけ」という名目で。
かなり倒錯してる。面白い。
訳が岩谷時子ではなく、植田景子。景子タンそんな仕事してるんだ。
分かりやすくなってた。
ナイスリーのナンバーが理解できたのはそのせいもあるかも。
そうそう、飛行機に乗ってハバナに行く場面もあった。
宝塚版では、ハバナって日帰りできるの? って最初思ったし、
サラが飛行機に乗ったことがない、旅行とかしたことないってことがわかって良い。
あと、スカイの衣装が地味だよねえ。ギャンブラー全員、衣装地味
サラとアデレードの最後の場面、急に仲良くなった違和感はなかった。
これは同期だとこっちがわかっているからか、
本当に同期の親密感が出ているのか。
「古い話ですよ」ということで、冒頭にスクリーンで「1936年」と明記して、
オープニング映像をいかにも映画という作りにしている。
だけど、「女らしく」とかよりもまず、「結婚しないと!」ってところが、
私は20年前から気になっていたし、今はもっと気になる。
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篠原演芸場で劇団美山を観た
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-07-16-3
大衆演劇は、一度観たことがあります。そのときは観光地だったから、一見さんがほとんどだったけど、今回は東京の劇場。ここのところすっかりはまっているという友達に連れられて行きました。靴を脱いで地べたに座るのですが、桟敷を区切る橋みたいなのはありません。2階もあるみたい。こじんまりした劇場。でもちゃんと花道はあります。通っている人がほとんどみたいで、アットホームです。(中に喫煙所があるのは、完全にアウト)前半はお芝居、後半はショー。この日はゲストで他劇団の人も出演していました。友達のご贔屓の里見こうたさんは、しゅっとしたハンサムで、女形がとってもきれい!私がついつい見てしまうのはゲストで出ていた劇団暁の女性。(やはり女性が好きなのね、私。それか、見慣れているからか)三咲愛羅さん、垂れ目でいかにも私好みの顔。若いのに、芸がもう完全にできています。小さいころからやってるんだろうなあ。そう、女性もいるんですよね。ドロンジョ様的な役割の女性とか、かっこいい。お芝居は、花魁が、策略のせいで、いろんな客をいっぺんに相手しなくちゃいけなくて、部屋を行ったり来たりして嘘をついてドタバタ。吉本新喜劇っぽい。本当に愛してくれるのはすごく寡黙な人だった、っていう純愛オチ。でも、吉原の遊女が身を投げて自殺するなんてできるだろうか? 堀に囲まれて出られないのに? いろいろ気になることがある脚本でした。ショーは和洋ごちゃまぜで、みんな身体能力がすごい!歌舞伎の演目を次々やるやつがすごかったなあ。チップを渡す行為を頻繁にしていて、なんと千円札じゃなくて万札なんですよ。髪留めみたいなもので着物にはさんだりする。(ポチ袋に入れても良いので、それなら千円札でも可能か?)「お花をつける」というそうな。張り合い出すと止められなさそうだねえ。お金が無尽蔵にある人がやる遊び。でも、着物につけるとき、二人だけの世界になれるのが、本当に楽しそう。やばいやばい。チケット代が安くて、舞台装置は簡素だけど、でも着物とかそれなりにお金かかってそう、それは「お花」で賄ってるんだろうねえ。この人たち全然休みなしで毎日公演してて、しかもほぼ毎日違う演目みたい。一体いつお稽古するんだろう?いわゆるブラックな労働形態。若いからできるんだろうけど…、前見たときはけっこう年の人もいて、素敵だったけど。
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-07-16T16:57:13+09:00
一度観たことがあります。
そのときは観光地だったから、一見さんがほとんどだったけど、
今回は東京の劇場。
ここのところすっかりはまっているという友達に連れられて行きました。
靴を脱いで地べたに座るのですが、
桟敷を区切る橋みたいなのはありません。
2階もあるみたい。こじんまりした劇場。
でもちゃんと花道はあります。
通っている人がほとんどみたいで、アットホームです。
(中に喫煙所があるのは、完全にアウト)
前半はお芝居、後半はショー。
この日はゲストで他劇団の人も出演していました。
友達のご贔屓の里見こうたさんは、しゅっとしたハンサムで、女形がとってもきれい!
私がついつい見てしまうのはゲストで出ていた劇団暁の女性。
(やはり女性が好きなのね、私。それか、見慣れているからか)
三咲愛羅さん、垂れ目でいかにも私好みの顔。
若いのに、芸がもう完全にできています。
小さいころからやってるんだろうなあ。
そう、女性もいるんですよね。
ドロンジョ様的な役割の女性とか、かっこいい。
お芝居は、花魁が、策略のせいで、いろんな客をいっぺんに相手しなくちゃいけなくて、
部屋を行ったり来たりして嘘をついてドタバタ。吉本新喜劇っぽい。
本当に愛してくれるのはすごく寡黙な人だった、っていう純愛オチ。
でも、吉原の遊女が身を投げて自殺するなんてできるだろうか?
堀に囲まれて出られないのに?
いろいろ気になることがある脚本でした。
ショーは和洋ごちゃまぜで、みんな身体能力がすごい!
歌舞伎の演目を次々やるやつがすごかったなあ。
チップを渡す行為を頻繁にしていて、なんと千円札じゃなくて万札なんですよ。
髪留めみたいなもので着物にはさんだりする。
(ポチ袋に入れても良いので、それなら千円札でも可能か?)
「お花をつける」というそうな。
張り合い出すと止められなさそうだねえ。
お金が無尽蔵にある人がやる遊び。
でも、着物につけるとき、二人だけの世界になれるのが、本当に楽しそう。やばいやばい。
チケット代が安くて、舞台装置は簡素だけど、
でも着物とかそれなりにお金かかってそう、
それは「お花」で賄ってるんだろうねえ。
この人たち全然休みなしで毎日公演してて、しかもほぼ毎日違う演目みたい。
一体いつお稽古するんだろう?
いわゆるブラックな労働形態。若いからできるんだろうけど…、
前見たときはけっこう年の人もいて、素敵だったけど。
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2022年5~7月に観たもの
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-07-16-2
〇「お勢、断行」 5/15昼 世田谷パブリックシアターゲネプロまでやったのにコロナで中止になった作品。上演できて良かった-。(これで、自分がチケット取ってた中で、コロナですべて中止になった公演のうち、実現していないのは「チェーザレ」だけになりました)倉持裕作。「お勢、登場」という乱歩原作で数年前にやったものの続編。乱歩の世界観で、大正末期の実在の猟奇事件を組み合わせたお話だという。ぶっちゃけ、タイトルロールのお勢さんが必要ないお話だった。話の軸は、後妻おその(大空ゆうひ)。暴力夫を病院送りにする計画の顛末とそのきっかけの真相。やつれて楚々とした後妻が、急に怜悧に小姑(池谷のぶえ)を邪見にしだすところ、ゾクゾクしたあ~。時制が行ったり来たりするのはそれほど効果的でもなく。池谷さん、梶原善、江口のり子、千葉雅子、いずれもよくある役柄なんだけど、戯画的で、さすがに上手い人たち。お医者さん役や、探偵役の人も良かった。乱歩らしさは、最後の、少女が家中の電気をつけて回るところかな。お着物がどれも素敵。〇「ひみつせん」6/18夜 シアターウエスト主演の三浦透子が気になるのと、詩森ろば作なので観に行きました。登戸にあった陸軍の研究所でタイピストをしていた女性。その時制と、それを調べている2001年時点とが交錯する作り。科学者としていろいろ実験できるのが楽しい、という「欲」と、倫理観との葛藤。牛を人工的に病気に感染させる兵器の話と、捕虜を人体実験して殺す話とが、平行して語られる。葛藤を持たずにひょうひょうと生きていける人もいれば、葛藤に耐えきれない人もいる。欲を自覚して背負って生きていく人もいて、主人公の女性がちょっとラブなのがそういう人、というのがまあまあ面白い。女性は、科学者になりたくて、でも女だから大学に入れない。科学は、世の中をよくするためにあるものではないのか?という問いをこの二人が語っているのが一番大事なところなんだろう。でも全体的に地味なのは、女性が実験には関わっていないというところ、かなあ。それは仕方のないことなんだけど。2001年時点で調べているのが何かっていうオチは、わりとすぐわかっちゃうんだけど、一応それでひっぱっている。三浦透子は目力が強く、名前の通り透明感もあり、大物女優誕生! という感じでこれからが楽しみ。〇「わたしの恋人」7/9夜 本多劇場のん(能年玲奈)の演技を生で観てみたい、ということで行ってみた..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-07-16T16:47:50+09:00
ゲネプロまでやったのにコロナで中止になった作品。
上演できて良かった-。
(これで、自分がチケット取ってた中で、コロナですべて中止になった公演のうち、
実現していないのは「チェーザレ」だけになりました)
倉持裕作。
「お勢、登場」という乱歩原作で数年前にやったものの続編。
乱歩の世界観で、大正末期の実在の猟奇事件を組み合わせたお話だという。
ぶっちゃけ、タイトルロールのお勢さんが必要ないお話だった。
話の軸は、後妻おその(大空ゆうひ)。
暴力夫を病院送りにする計画の顛末とそのきっかけの真相。
やつれて楚々とした後妻が、
急に怜悧に小姑(池谷のぶえ)を邪見にしだすところ、ゾクゾクしたあ~。
時制が行ったり来たりするのはそれほど効果的でもなく。
池谷さん、梶原善、江口のり子、千葉雅子、いずれもよくある役柄なんだけど、
戯画的で、さすがに上手い人たち。
お医者さん役や、探偵役の人も良かった。
乱歩らしさは、最後の、少女が家中の電気をつけて回るところかな。
お着物がどれも素敵。
〇「ひみつせん」6/18夜 シアターウエスト
主演の三浦透子が気になるのと、詩森ろば作なので観に行きました。
登戸にあった陸軍の研究所でタイピストをしていた女性。
その時制と、それを調べている2001年時点とが交錯する作り。
科学者としていろいろ実験できるのが楽しい、という「欲」と、
倫理観との葛藤。
牛を人工的に病気に感染させる兵器の話と、
捕虜を人体実験して殺す話とが、
平行して語られる。
葛藤を持たずにひょうひょうと生きていける人もいれば、
葛藤に耐えきれない人もいる。
欲を自覚して背負って生きていく人もいて、
主人公の女性がちょっとラブなのがそういう人、
というのがまあまあ面白い。
女性は、科学者になりたくて、でも女だから大学に入れない。
科学は、世の中をよくするためにあるものではないのか?
という問いをこの二人が語っているのが一番大事なところなんだろう。
でも全体的に地味なのは、女性が実験には関わっていないというところ、かなあ。
それは仕方のないことなんだけど。
2001年時点で調べているのが何かっていうオチは、わりとすぐわかっちゃうんだけど、
一応それでひっぱっている。
三浦透子は目力が強く、名前の通り透明感もあり、
大物女優誕生! という感じでこれからが楽しみ。
〇「わたしの恋人」7/9夜 本多劇場
のん(能年玲奈)の演技を生で観てみたい、ということで行ってみた。
かなり取っ散らかった話なんだけど、
渡辺えりと小日向文世だからとにかく上手い上手い。
まだ見ぬ恋人を追い求めて転生していく話で、
場面が行ったり来たりして、まるで詩のよう。
音楽が良くて飽きない。
転生の一つはナチスに殺されたユダヤ人だったり、
東日本大震災の津波が重要な要素だったり、
人間に踏みつぶされる火星人が登場したり。
多分「恋人」というのは、平和や人権が守られることそのものなんだと思う。
それを希求し続けること。
でも一緒に見た夫はそのテーマだとわからなかったという。ええ~。
比喩だよ、比喩。
(冒頭で「メタファー」「何それ」「比喩だよ、比喩、たとえ!」っていうやりとりがあったな)
原作も気になる。
のんちゃんは、ものすごくスタイルがよくて、スーツを着ていたりするとまるで男役!
演技も歌も粗削りだけどけっこうよくて、
研3で新人公演の主役に抜擢、すごいスターがあらわれたぞーーー
一体どんなトップスターに成長するんだろう、楽しみーーー
というふうにしか見えない元ヅカファン脳。
いやもうすでに大スターなんだけど。
ぶりっ子がいじめっ子に豹変するところとかすごく面白かった。
もっと舞台に出てさらに輝いてほしい。
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OSK レビュー春のおどり(新橋演舞場 3/26夜)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-07-16-1
和ものは日舞の家元3人の競作。特に3つ目の尾上菊之丞作が、ややスピリチュアルぽくて抽象的、動きも音楽も面白かった! 2つ目の場面(藤間勘十郎作)の、花魁の場面での城月れいさんや、今回退団の愛瀬さんがすごく良かった。今の二番手さんは、すごく若いのね。トップの楊さんといい、一気に若返ったね。桐生さんが登場すると、本当に神が登場したんじゃないかというオーラ。かといって楊さんを食わないよう、場面を配慮してあっていいバランス。洋ものはオギー。待ってました~~!オギーのショーが見られるのはOSKだけなんだよ!しかも新橋演舞場なら盆が回るんだよ!ぞくぞくするような場面があって本当にうれしい。トップ娘役? 舞美りら(華美ゆうかちゃん(ヅカ86期ね)みたいなお顔)、ダンスがめちゃ上手い。そのうえなんか異形(褒めてる)。花魁からぱっと黒燕尾になるのが、魔ものとしか思えない。女性らしいラインの黒燕尾なので、度肝を抜かれた。 これは宝塚だと難しいかも。男役至上主義だから。うーん、なんかすごく気になる。少女歌劇の在り方を引っ掻き回すような仕掛けだと思う。とても魅力的。全体的には、100周年記念なので、オギー色全開というよりは、OSKならではの曲や場面を多めにしてあるみたい?でもリピートしたいぐらいでした。
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-07-16T16:42:22+09:00
特に3つ目の尾上菊之丞作が、ややスピリチュアルぽくて抽象的、
動きも音楽も面白かった!
2つ目の場面(藤間勘十郎作)の、花魁の場面での城月れいさんや、
今回退団の愛瀬さんがすごく良かった。
今の二番手さんは、すごく若いのね。トップの楊さんといい、一気に若返ったね。
桐生さんが登場すると、本当に神が登場したんじゃないかというオーラ。
かといって楊さんを食わないよう、場面を配慮してあっていいバランス。
洋ものはオギー。
待ってました~~!
オギーのショーが見られるのはOSKだけなんだよ!
しかも新橋演舞場なら盆が回るんだよ!
ぞくぞくするような場面があって本当にうれしい。
トップ娘役? 舞美りら(華美ゆうかちゃん(ヅカ86期ね)みたいなお顔)、
ダンスがめちゃ上手い。そのうえなんか異形(褒めてる)。
花魁からぱっと黒燕尾になるのが、魔ものとしか思えない。
女性らしいラインの黒燕尾なので、度肝を抜かれた。
これは宝塚だと難しいかも。男役至上主義だから。
うーん、なんかすごく気になる。
少女歌劇の在り方を引っ掻き回すような仕掛けだと思う。とても魅力的。
全体的には、100周年記念なので、オギー色全開というよりは、
OSKならではの曲や場面を多めにしてあるみたい?
でもリピートしたいぐらいでした。
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2022年1月から3月に観たもの
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2022-07-16
今年1月から親の介護が始まってしまい、忙しくてまったく更新していませんでした。このさい、閉じようかとも思ったのですが、ひとまず感想は書いてあったので、今更ですが、載せていきます。 〇1/15夜 「ブルーレイン」博品館劇場 コロナ後はじめて観た舞台の再演。ヒロインが水夏希ではなく彩乃かなみに。より翻弄されて不幸に見える。長男役がどうしても好みではなくて残念。ちょうど親の介護が始まった段階で、前回よりも次男に感情移入した。次男は父親に「お前ならできる」と言われるんだけど、それが虐待っていう。自分自身が親のために病院から何度も呼び出されることと重なってつらかった。飛沫防止パーテーションが無くなっていると思ったが、あった! 飛沫防止というよりは、人物同士の距離の比喩として使われているみたい。あと、水槽の壁なんだね。 〇1/21夜 柿喰う客「空鉄砲」スズナリ著名な作家とその愛人(元男娼)と息子(いずれも男性)、作家の死を映画化するための俳優。作家の役を演じる俳優と、作家本人を、同じ田中穂先がやっていて、あれ、今どっちなんだ?っていうのがすごく楽しい。ほかの役も、次々入れ替わったり、場面も前後したり、「語り」中心の柿ならではの仕掛けがぞんぶんに楽しめる。作家がどうして死んだのか、が最後に明かされるのでどんどん引っ張られる。玉置玲央の男娼役もぴったり。しかもちょっととうがたっているという設定。だけど、男どうしの愛憎や、男らしさへの固執に、自分の中にまったくとっかかりがなくて(苦笑)、すごく面白いけど、刺さるって感じではなかった。 〇2月に配信で「モンローによろしく」「ある王妃の死」「フェイクスピア」「モンローによろしく」はマキノノゾミの初期作品だそうで、初日一日だけやってコロナで中止になってしまった。幸い、初日の映像を撮っていたので配信に。第二次大戦中から赤狩りの時代のハリウッド。最初は人気があったけど不器用で干されていく俳優と、最初は抵抗していたけどだんだん世慣れして出世していく監督と、素人から人気女優に、そしてマリリンモンローに座を譲るヒロイン、の三人の友情の話らしく、いかにもアメリカ映画っぽいせりふのやりとりがとてもおしゃれ。なんだけど、女優役の那須凛が一人勝ちで、監督役は「東京原子核クラブ」で良かった石川湖太朗なのでまだいいのだが、人気俳優役がいまいちで、三人のバランスが悪くて、何が主眼なのかよくわからない感じになって..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2022-07-16T16:36:13+09:00
忙しくてまったく更新していませんでした。
このさい、閉じようかとも思ったのですが、
ひとまず感想は書いてあったので、今更ですが、載せていきます。
〇1/15夜 「ブルーレイン」博品館劇場
コロナ後はじめて観た舞台の再演。
ヒロインが水夏希ではなく彩乃かなみに。より翻弄されて不幸に見える。
長男役がどうしても好みではなくて残念。
ちょうど親の介護が始まった段階で、前回よりも次男に感情移入した。
次男は父親に「お前ならできる」と言われるんだけど、それが虐待っていう。
自分自身が親のために病院から何度も呼び出されることと重なってつらかった。
飛沫防止パーテーションが無くなっていると思ったが、あった!
飛沫防止というよりは、人物同士の距離の比喩として使われているみたい。
あと、水槽の壁なんだね。
〇1/21夜 柿喰う客「空鉄砲」スズナリ
著名な作家とその愛人(元男娼)と息子(いずれも男性)、作家の死を映画化するための俳優。
作家の役を演じる俳優と、作家本人を、同じ田中穂先がやっていて、あれ、今どっちなんだ?
っていうのがすごく楽しい。
ほかの役も、次々入れ替わったり、場面も前後したり、
「語り」中心の柿ならではの仕掛けがぞんぶんに楽しめる。
作家がどうして死んだのか、が最後に明かされるのでどんどん引っ張られる。
玉置玲央の男娼役もぴったり。しかもちょっととうがたっているという設定。
だけど、男どうしの愛憎や、男らしさへの固執に、
自分の中にまったくとっかかりがなくて(苦笑)、
すごく面白いけど、刺さるって感じではなかった。
〇2月に配信で「モンローによろしく」「ある王妃の死」「フェイクスピア」
「モンローによろしく」はマキノノゾミの初期作品だそうで、
初日一日だけやってコロナで中止になってしまった。
幸い、初日の映像を撮っていたので配信に。
第二次大戦中から赤狩りの時代のハリウッド。
最初は人気があったけど不器用で干されていく俳優と、
最初は抵抗していたけどだんだん世慣れして出世していく監督と、
素人から人気女優に、そしてマリリンモンローに座を譲るヒロイン、
の三人の友情の話らしく、
いかにもアメリカ映画っぽいせりふのやりとりがとてもおしゃれ。
なんだけど、女優役の那須凛が一人勝ちで、
監督役は「東京原子核クラブ」で良かった石川湖太朗なのでまだいいのだが、
人気俳優役がいまいちで、三人のバランスが悪くて、
何が主眼なのかよくわからない感じになってしまっていた。
「ある王妃の死」は題材が閔妃暗殺事件なので、見てみた。
二手に分かれた舞台装置と、チェロの音楽が素敵。
オッサンたちが、朝鮮を占領してウハウハしてて、
本当に嫌な気分にさせられて、よくできている。
王妃役が演技は高貴なんだけど、声や見た目がイメージと違った。
「フェイクスピア」は評判が良かったので配信チケットを買ったけど、
野田秀樹を配信で見るのは全く無理があった。途中で脱落。
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その後見たものまとめて。2021年12月
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-12-25-2
●KAATで「アルトゥロ・ウイの興隆」ヒトラーをギャングに置き換えた、ブレヒトの1941年の作品を、現代に、ファンクミュージックでノリノリにして上演する、という白井晃演出。ヒトラー、ギャング、音楽の時代、と3つの層があるので、最初ちょっとついていけるか不安だったけど、大丈夫だった。ノリノリの音楽で、最後、「ヒトラー(に相当する役)に賛成の人~~!」って聞かれて、ハイルヒトラーを客席がやらされる、これがマジ怖い。やらない人が当然いるので、そうすると、銃声が飛ぶんですよ。3階席だったので、手をあげなかったけど、あげる人はどういう意識だったんだろう。ノリなんだろうか。まさか本気で賛成しているわけではあるまい。手拍子も、しないと悪いかな、みたいに思ってしまう。でもそれって、「同調圧力」そのもので、ヒトラーに賛成してなくても、場の雰囲気で、手あげちゃう、手拍子しちゃう、っていう心理を、上手くついている。にしても、ヒトラーのやってることって、ほんとギャングなんですね。脅迫、言いがかり、罪のなすりつけ…でも、銃殺こそしてないけど、今の日本だって、警察、司法、マスコミを完全に支配してて、わいろ送りまくっても罪に問われなくて、方向性としては、これと同じだよね?最初と最後に、これは遠い国のお話ではないんですよ、と繰り返される。これが上演できる日本はまだマシなんだろう。なお、ヒトラーに相当する役の草彅剛、マイケル・ジャクソンみたいなダンスが上手くて、ずっとその調子で歩いてて、セリフはそう上手いわけではないから、イキってる変な人にしか見えない。なのになのに、センターに立つことにまったくてらいがない(さすがアイドル)。その、センターにいるのに何もない、空洞な感じが、いかにもダメで支配欲しかない権力者という感じで、底知れぬ恐怖を感じる。 ●星組「柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!」長い原作を縮めた難があって、え!? という部分はあった。でも、全体として、すごく良かったなあ~~。なんといっても、虐げられた女性への目線がすごく優しい!それを少女歌劇でやるのって、ほんと正しい!大野拓史、万歳!!敵方の男たちに家族を殺された女性たちが、団結してかたき討ちをする。それを指導する伝説の剣士。男に利用された女性が、はじめて自発的に好きになる、それが伝説の剣士。「女たちを殺さなければならないんだったら、徳川家なんてつぶれて結構!」「公」より「私」が大事。な..
観劇メモ
竜眼
2021-12-25T18:28:40+09:00
ヒトラーをギャングに置き換えた、ブレヒトの1941年の作品を、
現代に、ファンクミュージックでノリノリにして上演する、という白井晃演出。
ヒトラー、ギャング、音楽の時代、と3つの層があるので、
最初ちょっとついていけるか不安だったけど、大丈夫だった。
ノリノリの音楽で、最後、「ヒトラー(に相当する役)に賛成の人~~!」
って聞かれて、ハイルヒトラーを客席がやらされる、
これがマジ怖い。
やらない人が当然いるので、そうすると、銃声が飛ぶんですよ。
3階席だったので、手をあげなかったけど、
あげる人はどういう意識だったんだろう。ノリなんだろうか。
まさか本気で賛成しているわけではあるまい。
手拍子も、しないと悪いかな、みたいに思ってしまう。
でもそれって、「同調圧力」そのもので、
ヒトラーに賛成してなくても、場の雰囲気で、手あげちゃう、手拍子しちゃう、
っていう心理を、上手くついている。
にしても、ヒトラーのやってることって、ほんとギャングなんですね。
脅迫、言いがかり、罪のなすりつけ…
でも、銃殺こそしてないけど、今の日本だって、
警察、司法、マスコミを完全に支配してて、
わいろ送りまくっても罪に問われなくて、
方向性としては、これと同じだよね?
最初と最後に、これは遠い国のお話ではないんですよ、と繰り返される。
これが上演できる日本はまだマシなんだろう。
なお、ヒトラーに相当する役の草彅剛、
マイケル・ジャクソンみたいなダンスが上手くて、ずっとその調子で歩いてて、
セリフはそう上手いわけではないから、イキってる変な人にしか見えない。
なのになのに、センターに立つことにまったくてらいがない(さすがアイドル)。
その、センターにいるのに何もない、空洞な感じが、
いかにもダメで支配欲しかない権力者という感じで、
底知れぬ恐怖を感じる。
●星組「柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!」
長い原作を縮めた難があって、え!? という部分はあった。
でも、全体として、すごく良かったなあ~~。
なんといっても、虐げられた女性への目線がすごく優しい!
それを少女歌劇でやるのって、ほんと正しい!
大野拓史、万歳!!
敵方の男たちに家族を殺された女性たちが、
団結してかたき討ちをする。
それを指導する伝説の剣士。
男に利用された女性が、
はじめて自発的に好きになる、
それが伝説の剣士。
「女たちを殺さなければならないんだったら、
徳川家なんてつぶれて結構!」
「公」より「私」が大事。
なんて素晴らしいヒーロー…!
それをやる礼真琴さんが、上手くてねえ。
ほんと、実力に裏打ちされた余裕があって。
粗野な仕草、粗野な台詞、でも心根は優しく、お父さんには弱い、
それを全部、きちんとした技術でやってるんですよ。
ノリとか持ち味とかじゃなく。
なんとありがたい。
かつてのディープなヅカファン時代だったら、
原作読んで比較して10回ぐらいリピートして、
さんざん語るところだな。
キャラ一人ひとりについても深めたい。
白妙さん、大輝さんがすっかり重鎮になってて、
みっきーが準主役っぽいし、
かわいい娘役さんがいると思ったら、はるこちゃんだった(笑)
そういうところも楽しい。
ショーは懐かしい岡田敬二作品。
昔は「かったるい」と思っていたけど、ここまでくるとむしろ懐かしくて心地よい。
ところで、衰退していたと思ってた「キザり」がちょっとある?
突然雄たけびあげたり、すごいタメる部分があったり。
これは、星組だから? 昔の作品だから?
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その後観たものまとめて。2021年11月
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-12-25-1
●阿佐ヶ谷スパイダース「老いと建築」30代頃抱いていた希望が、あれ? そんなつもりじゃなかったのに……というのは、よくわかる。ましてや70にもなると、体も動かないし、記憶もあやふや。人生、全然違ったよね……となる。それを家の建物を中心にして表現するという。もう2階に上れないとか、暖炉を使わなくなったとか。切ない!時制が行ったり来たりして、場所も錯綜する。演劇でしかできない表現。村岡希美さんは顔も声も好きで、「マダム・メルヴィル」(成宮くんと石田ゆり子が主演!)以来、ちょこちょこ観ているけど、老婆役も本当に良い。これから本当に老婆になっていったら、どんな演技を見せてくれるだろうと楽しみ。 ●二兎社「鴎外の怪談」劇チョコの「一九一一」観た人はぜひ、とツイートされてて、それなら、とチケットを取った。同じく大逆事件を扱った作品。鴎外が、弁護側にも、体制側にも関わっていたとは、知らなかった!今もまさに起きていることなんだよね。非人道的なことが、「次から直せばいいじゃん」「これを機会に〇〇協会を立ち上げればいいじゃん」と言いくるめられていく。現場にいる人は、抵抗しようとするが、だんだんと絡め取られてしまう。高校の教科書に『舞姫』が載っててて、女子は全員「鴎外サイテー」と思ってたと思う。だからろくに作品を読んだこともなかったよ、ごめんよ、鴎外。明治の価値観の姑と、若くて小説も書いちゃう嫁。遊び人だけど体制に批判的な後輩、永井荷風。大逆事件の弁護を担当する熱血漢の後輩、平出修(一九一一にも登場!)。軍医として出世したけど、常に葛藤している鴎外。体制におもねるのがデフォルトの友人(舞姫の相沢のモデルだとか)。そして、庶民を代表するような女中。葛藤してるけど、体制から抜け出すほどの勇気はない、エリスのことが好きだけど、駆け落ちするほどの勇気はない。あるよね、そういうこと。松尾貴史が、体格が良くて威厳があって、でもいざというときすごーーく弱い鴎外をやってて、そしてちょっと色気もある?ただ、一九一一は下っ端役人だったからもろに感情移入できたけど、軍医はすごいエライさんだからなあ、そこまでは感情移入できなかったかな。でも、妻の目を通して、愛すべき人として見ることができるのが上手い。あと、最後ちょっとした救いもあるのもありがたい。荷風役が味方良介で、Take Me Outの映像でしか見たことなかったが、あのちょっと早口な感じもいいね。この荷..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2021-12-25T18:11:49+09:00
30代頃抱いていた希望が、
あれ? そんなつもりじゃなかったのに……
というのは、よくわかる。
ましてや70にもなると、体も動かないし、記憶もあやふや。
人生、全然違ったよね……となる。
それを家の建物を中心にして表現するという。
もう2階に上れないとか、暖炉を使わなくなったとか。
切ない!
時制が行ったり来たりして、場所も錯綜する。
演劇でしかできない表現。
村岡希美さんは顔も声も好きで、
「マダム・メルヴィル」(成宮くんと石田ゆり子が主演!)以来、
ちょこちょこ観ているけど、老婆役も本当に良い。
これから本当に老婆になっていったら、どんな演技を見せてくれるだろうと楽しみ。
●二兎社「鴎外の怪談」
劇チョコの「一九一一」観た人はぜひ、とツイートされてて、
それなら、とチケットを取った。
同じく大逆事件を扱った作品。
鴎外が、弁護側にも、体制側にも関わっていたとは、知らなかった!
今もまさに起きていることなんだよね。
非人道的なことが、
「次から直せばいいじゃん」「これを機会に〇〇協会を立ち上げればいいじゃん」
と言いくるめられていく。
現場にいる人は、抵抗しようとするが、だんだんと絡め取られてしまう。
高校の教科書に『舞姫』が載っててて、
女子は全員「鴎外サイテー」と思ってたと思う。
だからろくに作品を読んだこともなかったよ、ごめんよ、鴎外。
明治の価値観の姑と、
若くて小説も書いちゃう嫁。
遊び人だけど体制に批判的な後輩、永井荷風。
大逆事件の弁護を担当する熱血漢の後輩、平出修(一九一一にも登場!)。
軍医として出世したけど、常に葛藤している鴎外。
体制におもねるのがデフォルトの友人(舞姫の相沢のモデルだとか)。
そして、庶民を代表するような女中。
葛藤してるけど、体制から抜け出すほどの勇気はない、
エリスのことが好きだけど、駆け落ちするほどの勇気はない。
あるよね、そういうこと。
松尾貴史が、体格が良くて威厳があって、
でもいざというときすごーーく弱い鴎外をやってて、
そしてちょっと色気もある?
ただ、一九一一は下っ端役人だったからもろに感情移入できたけど、
軍医はすごいエライさんだからなあ、
そこまでは感情移入できなかったかな。
でも、妻の目を通して、
愛すべき人として見ることができるのが上手い。
あと、最後ちょっとした救いもあるのもありがたい。
荷風役が味方良介で、Take Me Outの映像でしか見たことなかったが、
あのちょっと早口な感じもいいね。
この荷風が、年とって、空襲で家焼け出されて、
戦後はストリップ小屋に入り浸りか~、と容易に想像できた。
●「ハウトゥーサクシード」
咲良さんがアンサンブルで出ているので観ました。
バリバリ踊ってて、アメリカンな雰囲気に合ってる!
作品は、古臭いのもここまでくると古典だなあ、と。
むしろ、日本が変わったから(もしくはアメリカ人の演出家が演出したからか)
これってむちゃくちゃ皮肉なんだ、とうっすら理解できたかも。
それか、宝塚ではないからなのかも。宝塚は精神的美徳を求めちゃうから。
主役のジャニーズの人がある意味すごく上手くて、
表面的にふるまうっていうのが成立してた。
雛形あきこが下手だし貧相だし、で、
セクシー美女に翻弄されるという部分は、成立していなかった。
もっとセクシーな人いるでしょう。
(ストリップ見てるからそう思ってしまうのか??)
オサさんが出てるのは感慨深い。新人公演主演だもんね。
役員洗面所の場面は本当に素敵。
黒須洋嗣さん、イケオジなうえにダンスも上手い。あ、もともとダンサーなのか。
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その後観たものまとめて。2021年8月~10月
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-12-25
●KAAT 花組「銀ちゃんの恋」マイティの銀ちゃん、いいなあ~。この役、ニンじゃないと思われてる人が、えいやってやるからこそ、架空のスターとして成立するんだよね。つかさっちのヤス、今までで一番バランスがよく歌も上手い。何より、元インテリっぽさがある。小夏も、今までで一番やさぐれてる(笑)。いろいろ改変されてるらしいが、撮影で人が死んでもいいっていう価値観は、今は、ちょっと「無い」なあ。じゃあ、すごく昔の話ですよってことにすればいい。けど、なんかちぐはぐで、ローラースケートしてたり、ブランドの袋持ってたり、なのにウエストサイドストーリー踊ってたり、一体、何年設定なの??と思いつつも、やっぱり、すごい作品だなと思う。こういう変な人たち、あまりにも特殊。普通はいない。でも、こういう心情って普遍なんだよね。この異常な三角関係も、支配欲も、依存心も。●赤坂レッドシアター「楽屋」清水邦夫の有名な作品でずっと観たかった。ゆうひさんが出るので観たけど、へー、こういう話なのね。女優さんが、「かもめ」のニーナ役をめぐって、争ったりしている。そのうち何人かはすでにあの世のもので、妄執で楽屋をさまよっているのだ。「女優」の執念とは。現代だと、「女優」に特別な意味を持たせすぎだと感じてしまう。男優にして上演してみたらどうよ? 笠松はるの熱量がすごかった、オギーの「カリソメのカタビラ」でマリー・アントワネットやった人だ。●配信で「砂の女」砂にうずもれる家のセットがキモなんだけど、配信なので、暗くていまいち見えなくて、入り込めなかった…。多分、生で見たらすごい良かったと思う。とはいえ、オリンピック後の感染拡大期間だったので、配信をしてくれてとてもうれしかった。●あやめ十八番という劇団の「百夜車」「Take Me Out」の音楽を担当した吉田能がやっている劇団とのことで、はじめて観てみた。すごい密度のミュージカル。こんなん作ってる人たちがいるんだー。能とか和歌とか、古典をふまえて、現代に置き換えて、例の、さえない女性が次々男性を殺したという事件が題材。そもそもの原因(トラウマ)や、男性が死んだ理由がそれ!? っていうのもちょっと意外で面白い。ただ、詰め込み過ぎで誰が主人公かわからなくなっている。いろんな話が錯綜するのはすごく有機的でいいけど、メインの二人が後退してしまっていた。あと、歌詞が聞こえないーー。音の数が多すぎるのでは。でもまた観てみた..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2021-12-25T18:06:08+09:00
マイティの銀ちゃん、いいなあ~。
この役、ニンじゃないと思われてる人が、えいやってやるからこそ、
架空のスターとして成立するんだよね。
つかさっちのヤス、今までで一番バランスがよく歌も上手い。
何より、元インテリっぽさがある。
小夏も、今までで一番やさぐれてる(笑)。
いろいろ改変されてるらしいが、
撮影で人が死んでもいいっていう価値観は、今は、ちょっと「無い」なあ。
じゃあ、すごく昔の話ですよってことにすればいい。
けど、なんかちぐはぐで、
ローラースケートしてたり、ブランドの袋持ってたり、
なのにウエストサイドストーリー踊ってたり、
一体、何年設定なの??
と思いつつも、やっぱり、すごい作品だなと思う。
こういう変な人たち、あまりにも特殊。普通はいない。
でも、こういう心情って普遍なんだよね。
この異常な三角関係も、支配欲も、依存心も。
●赤坂レッドシアター「楽屋」
清水邦夫の有名な作品でずっと観たかった。
ゆうひさんが出るので観たけど、へー、こういう話なのね。
女優さんが、「かもめ」のニーナ役をめぐって、争ったりしている。
そのうち何人かはすでにあの世のもので、
妄執で楽屋をさまよっているのだ。
「女優」の執念とは。
現代だと、「女優」に特別な意味を持たせすぎだと感じてしまう。
男優にして上演してみたらどうよ?
笠松はるの熱量がすごかった、
オギーの「カリソメのカタビラ」でマリー・アントワネットやった人だ。
●配信で「砂の女」
砂にうずもれる家のセットがキモなんだけど、
配信なので、暗くていまいち見えなくて、入り込めなかった…。
多分、生で見たらすごい良かったと思う。
とはいえ、オリンピック後の感染拡大期間だったので、
配信をしてくれてとてもうれしかった。
●あやめ十八番という劇団の「百夜車」
「Take Me Out」の音楽を担当した吉田能がやっている劇団とのことで、
はじめて観てみた。
すごい密度のミュージカル。
こんなん作ってる人たちがいるんだー。
能とか和歌とか、古典をふまえて、
現代に置き換えて、例の、さえない女性が次々男性を殺したという事件が題材。
そもそもの原因(トラウマ)や、男性が死んだ理由がそれ!?
っていうのもちょっと意外で面白い。
ただ、詰め込み過ぎで誰が主人公かわからなくなっている。
いろんな話が錯綜するのはすごく有機的でいいけど、
メインの二人が後退してしまっていた。
あと、歌詞が聞こえないーー。音の数が多すぎるのでは。
でもまた観てみたいです。
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オリンピック閉会式にトップスターが出演したこと
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-08-09
友人から、怒ってる? と聞かれました。え、むしろ納得してますよ。「あるある」じゃないですか。数日前から文春に出てて、「いかにもありそうだなあ」と思いました。だって、国体とかでの国歌斉唱とかよくやってますよね?宝塚の生徒さんの日常が、「上級生の言うことは絶対」なんだから、宝塚の体質全体が、「お上に従う」であることは自明のことです。そもそも日中戦争中も海軍軍人の作った国策歌劇上演してたし、お上に従わないなんて選択肢は無い、むしろ喜ばしいことだという体質だと思います。今コロナが心配なので、そんな中で生徒を出演させるなんて、というファンの心配はよくわかります。そういうとき、生徒一人ひとりを大事にする劇団ではないと思います。正直。大体、明らかにいじめがあったのに、おおやけにはついに、指導だと言い張り続けたんだから、「人権」とか「コンプライアンス」とか存在しない組織だって、わかってることじゃありませんか。(もうとにかく、劇団への不信感が半端ない私。地の底まで落ちてます)だから、たとえば今後、黒塗りのショーをどうするんだろうとか、女性差別的な場面をどうするんだろうとか、全然、期待していません。(『CONGA!!』に夢中になって通ったのはいつだっけ、と調べたら2012年、9年前かあ~こういう意識は、急速に(良いほうに)変わってますね)じゃあどうして自分は宝塚を好きになったんだろう?とふと疑問に(笑)。多分、そういう家父長制の元にできた、お上に従うことを疑いもしない体制の中なのに、いや、だからこそ?作られた作品や舞台に、一瞬、それらを転覆するような、逆転するような、何かが、キラリと見えるから、かなあ。大人しい少女として求められ、従順に従っているのに、やってることはぶっ飛んでる、意識せずに逸脱している、従順であろうとする体質と、逸脱しようとする力、背反するものの共存が面白い(面白かった)、ということなのかなあ。…といったことを、ファンになった当初書いていたHP、いつのまにかプロバイダがサービスを終了して読めなくなってしまいました~(自分のバックアップは取ってるのですが)あ、それって今私がよく見に行ってるストリップでも、似たようなことを魅力だと思っているのかも…ちなみにですが、オリンピックについては、東京に決まったときから、「アンダーコントロール」「温暖な気候」って嘘ばっかり、と思っていたし、直前にIOCがひどいぼったくりであることが..
ヅカってなんだ?的記事
竜眼
2021-08-09T17:19:39+09:00
え、むしろ納得してますよ。「あるある」じゃないですか。
数日前から文春に出てて、「いかにもありそうだなあ」と思いました。
だって、国体とかでの国歌斉唱とかよくやってますよね?
宝塚の生徒さんの日常が、「上級生の言うことは絶対」なんだから、
宝塚の体質全体が、「お上に従う」であることは自明のことです。
そもそも日中戦争中も海軍軍人の作った国策歌劇上演してたし、
お上に従わないなんて選択肢は無い、
むしろ喜ばしいことだという体質だと思います。
今コロナが心配なので、そんな中で生徒を出演させるなんて、という
ファンの心配はよくわかります。
そういうとき、生徒一人ひとりを大事にする劇団ではないと思います。正直。
大体、明らかにいじめがあったのに、おおやけにはついに、
指導だと言い張り続けたんだから、
「人権」とか「コンプライアンス」とか存在しない組織だって、
わかってることじゃありませんか。
(もうとにかく、劇団への不信感が半端ない私。地の底まで落ちてます)
だから、たとえば今後、黒塗りのショーをどうするんだろうとか、
女性差別的な場面をどうするんだろうとか、
全然、期待していません。
(『CONGA!!』に夢中になって通ったのはいつだっけ、と調べたら2012年、9年前かあ~
こういう意識は、急速に(良いほうに)変わってますね)
じゃあどうして自分は宝塚を好きになったんだろう?
とふと疑問に(笑)。
多分、そういう家父長制の元にできた、
お上に従うことを疑いもしない体制の中なのに、
いや、だからこそ?
作られた作品や舞台に、一瞬、
それらを転覆するような、逆転するような、何かが、
キラリと見えるから、かなあ。
大人しい少女として求められ、従順に従っているのに、
やってることはぶっ飛んでる、意識せずに逸脱している、
従順であろうとする体質と、逸脱しようとする力、
背反するものの共存が面白い(面白かった)、
ということなのかなあ。
…といったことを、ファンになった当初書いていたHP、
いつのまにかプロバイダがサービスを終了して読めなくなってしまいました~
(自分のバックアップは取ってるのですが)
あ、それって今私がよく見に行ってるストリップでも、
似たようなことを魅力だと思っているのかも…
ちなみにですが、オリンピックについては、
東京に決まったときから、
「アンダーコントロール」「温暖な気候」って嘘ばっかり、と思っていたし、
直前にIOCがひどいぼったくりであることがわかったりしたことも、
怒りながらも、どんどん明らかになればいいと思っていました。
だからオリンピックは一切見ていないのです。
(もともとスポーツには、特定の種目をのぞいて興味がないし、
国ごとに応援するとか、気持ち悪く感じてしまう)
本当は検証のために見なくちゃいけないんだけど、今は精神的に耐えられなくて…
いつかはちゃんと検証のために見たいと思います。
森山未来の踊りは見てみたいし。
東京に決まった日、ちょうどムラで入り待ちに参加してて、
みんなで「7年後どうなってるかねえ」って言い合ったのを覚えています。
ありがたいことにファンの集いは続いていて、
でもコロナでこんなだし、社会全体がますますひどいことになっちゃってるよー
と、7年前の自分に教えてあげたいです。トホホ。
(追記)
こんなニュース記事がありました。
https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0809/srb_210809_3403642112.html
「コロナで国や都はさんざん『エンタメなんか不要不急』といって圧をかけてきました。それなのにまあ、ぬけぬけと閉会式にタカラジェンヌを利用するなんて腹が立ちます」
そうだよねえ~~!
ファンよ、怒ろう!
怒って怒って怒れば変わるかも!
あ、でも、劇団に対して怒ることが、慣例になってしまっている、
という気もする…
昔の記事に書いてました。
↓ 「阪神教と宝塚教」
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2009-12-18
いじめ裁判についてはこちらをお読みいただけたら幸いです
↓
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/archive/c2301186891-1
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衛生(赤坂ACTシアター 7/24 18:00)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-08-01
タイトルやポスターからは内容がよくわからず、スルーしていた公演。夫が好きなラジオ番組複数(エレ片、荻上チキ)で紹介されていて、面白そうだよ、ということで滑り込みで行ってみた。とにかくシモの話で、その言葉を連呼したり、やたら叩いたり、やたら合体ポーズがあったり、と、中学生男子の悪ノリが全体をおおっていて、これはそもそも赤坂ACTでやるもんじゃないよなあ、キラキラミュージカルが好きな人はドン引きだよなあ、と、空席の多い客席を眺めてしまう…まあ、新感線のノリとも言えるので、最後の大きな仕掛けは、やはり大きな劇場でやりたいんだろうなあ…でも、新感線のような支離滅裂なストーリーや、騒音は皆無だったので、自分的にはOK。むしろ音楽はとても良いし、ストーリーもしっかりしてる。というわけでじつは高評価。後からじわじわくる、すごく面白い芝居でした。ていうか、よく出来てるよ、これ!戦後すぐ、汲み取り業者が、あくどいことをしながら、だんだんのし上がっていって、町を支配する。最後の場面は1980年の駅伝。時代設定が細かくて、ちゃんと調べればいろいろ仕掛けがあるんだろう。(駅伝はこのときはじめてテレビ放送されたんですね~)場所は平塚、このピンポイントさも面白い。脚本家の出身地の隣の市だそうだ。(大阪公演、九州公演では伝わるかなあ、このニュアンス)汲み取り業者の親子が古田新太と尾上右近。この二人が悪の魅力を見せてくれないといけないんだけど、右近さんは上品すぎた。ここは非常に物足りない。相棒で有名な六角精児が、のらりくらりとした悪い政治家。古田VS六角の、サウナでのタオル一枚巻いただけの、悪いヤツ同士の対決ソングがすごかった。歴史に残る名場面(笑)。政治家の秘書役、有名なのかな? 二幕では共産党から出馬して、それが六角さんへの愛だっていうのもおかしい。彼ら悪い人たちに恨みを持っていて、殺そうとする人たちがいて、その攻防が主軸なんだけど、殺害未遂現場にいあわせた町の人たちが、悪徳親子をかばう場面が秀逸。ていうか、ここが一番言いたいことなのだと思う。「自分の給料だけもらえればいい」「この会社のおかげで自分は生きてる」「だから悪い人でもどうでもいい」「搾取され続けたい」…今の社会と同じじゃん!!「この奴隷たちから我々が搾取してあげるのが、彼らの幸せなんだ」…竹中平蔵じゃん!! IOCじゃん!!悪徳業者につぶされて恨みに思って復讐する一人に、ともさか..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2021-08-01T17:47:48+09:00
夫が好きなラジオ番組複数(エレ片、荻上チキ)で紹介されていて、
面白そうだよ、ということで滑り込みで行ってみた。
とにかくシモの話で、その言葉を連呼したり、
やたら叩いたり、やたら合体ポーズがあったり、と、
中学生男子の悪ノリが全体をおおっていて、
これはそもそも赤坂ACTでやるもんじゃないよなあ、
キラキラミュージカルが好きな人はドン引きだよなあ、
と、空席の多い客席を眺めてしまう…
まあ、新感線のノリとも言えるので、
最後の大きな仕掛けは、やはり大きな劇場でやりたいんだろうなあ…
でも、新感線のような支離滅裂なストーリーや、騒音は
皆無だったので、自分的にはOK。
むしろ音楽はとても良いし、ストーリーもしっかりしてる。
というわけでじつは高評価。
後からじわじわくる、すごく面白い芝居でした。
ていうか、よく出来てるよ、これ!
戦後すぐ、汲み取り業者が、あくどいことをしながら、
だんだんのし上がっていって、町を支配する。
最後の場面は1980年の駅伝。
時代設定が細かくて、ちゃんと調べればいろいろ仕掛けがあるんだろう。
(駅伝はこのときはじめてテレビ放送されたんですね~)
場所は平塚、このピンポイントさも面白い。
脚本家の出身地の隣の市だそうだ。
(大阪公演、九州公演では伝わるかなあ、このニュアンス)
汲み取り業者の親子が古田新太と尾上右近。
この二人が悪の魅力を見せてくれないといけないんだけど、
右近さんは上品すぎた。ここは非常に物足りない。
相棒で有名な六角精児が、のらりくらりとした悪い政治家。
古田VS六角の、サウナでのタオル一枚巻いただけの、
悪いヤツ同士の対決ソングがすごかった。歴史に残る名場面(笑)。
政治家の秘書役、有名なのかな?
二幕では共産党から出馬して、それが六角さんへの愛だっていうのもおかしい。
彼ら悪い人たちに恨みを持っていて、殺そうとする人たちがいて、
その攻防が主軸なんだけど、
殺害未遂現場にいあわせた町の人たちが、
悪徳親子をかばう場面が秀逸。
ていうか、ここが一番言いたいことなのだと思う。
「自分の給料だけもらえればいい」「この会社のおかげで自分は生きてる」
「だから悪い人でもどうでもいい」「搾取され続けたい」
…今の社会と同じじゃん!!
「この奴隷たちから我々が搾取してあげるのが、彼らの幸せなんだ」
…竹中平蔵じゃん!! IOCじゃん!!
悪徳業者につぶされて恨みに思って復讐する一人に、ともさかりえ。
(ミュージカル初挑戦とのことで(上手い人だけど)やや小ぶりに見える。)
彼女の造形も、「おばかな人たちを導いてあげなくちゃ」と、
これまた「あるある」で興味深い。
住む市を変えれば世界が変わるわよ、っていう話は、
政治家が選挙区変える話だよね。
とにかくいろいろ面白いネタが詰め込まれてる。
この場面で、電柱を大勢で持ってくるくるする振り付けも面白い。
ともさかりえが惣菜工場でメンチカツとハンバーグを仕分けするナンバーとか、
六角さんが戦場でひどい目に遭うナンバーとか、
思い出すだけでも笑ってしまうナンバーがたくさんある。
特筆すべきは咲妃みゆ。
退団後はじめて観たが、もはや主役と思えるぐらいのうまさ。
1幕目では、岡山の村で夜這いの対象としてチヤホヤされつつ実質奴隷、
からの、抜け出して見世物小屋で修行を積んでたら、売られて、
悪徳業者の事務員兼おめかけさん。
だからやっぱりどこまで行っても奴隷なのね。
…という人生の果て、「命令する側は誰でも同じだから、
誰の嫁になってもかまわない、自分は決定権はない」
としれっと笑顔でいうのが、怖い怖い。
こんな設定なのに説得力を持たせられる演技力。
2幕目は、その娘で、母を殺された恨みをはらそうとする役。
つまり、女性の復讐の話とも言えるわけです。
1幕目の彼女は、「搾取されるのが幸せ」という町の人たちとリンクしているわけです。
うーん、深い!
音楽がすごく良かった。
多分その時代その時代っぽいテイストにしてるんだと思う。
あと、セットもレトロでかわいい。
冒頭に、シモの言葉連発でシャウトする人、誰だろう、
メチャ上手で、彼女のおかげで世界に入り込めた。
脚本家は『秘密の花園』を観てますね、私。
アングラが好きなのかな。
『俺節』もやってるのか。原作好きだから観たかったけど観られなかった。
男子の悪ノリを少し減らしてもらえるなら、また是非観たいです。
でもまあ、それをやりたいんだろうなあ(苦笑)。
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最近観たお芝居のメモ
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-07-22
宝塚全然観てませんね(苦笑)。●劇団イキウメ『外の道』シアタートラム 6/6 13:00昨年コロナで延期になった公演。楽しみにしすぎていたせいか、ちょっと??な気が。「無」が広がっていくことを、主人公二人だけが認識していて、ほかの人は認識していない、という、むちゃくちゃ怖い、イキウメ史上もっとも怖い話。それってコロナでおかしくなっている(おかしいことに気付きはじめた)今の世の中の象徴のようでもあるんだけど。イキウメを見て面白いと思っていたのは、そういうSFやオカルトっぽい事象が、全員に共有されている前提があってこそ、だったのだなあ、と。主人公たちだけ、というのは、求心力が無く感じた。前川さんは良くも悪くも別のフェーズに移行したのだろうか。あ、2月の公演のDVDを買えたので、『金輪町コレクション』の「丙」も見れました。「高速ジジババ」面白かったー! これは芝居だと速度を表現しにくいから、落語がぴったりですね。エンデの『モモ』と似た「時間」を効率化する話だけど、老夫婦が幸せそうなのが、意外。●『森フォレ』世田谷パブリックシアター 7/11 13:00『炎アンサンディ』がすごかったので、同じ作者の作品、難解そうだけどチケット取りました。『炎アンサンディ』が1世代分の話だけに強烈だったのと比較すると、6世代さかのぼる話なので、むしろ複雑で壮大でそこに迷い込む楽しさがありました。人物相関図が置いてあって、1回しか観ないのでネタバレ上等で幕間に予習。でも、相関図を見て想像したことの斜め上をいく展開!男性的な支配、暴力、に虐げられ、産む性として必死に生きていく女性たちの物語。最後に救いとなるのは、それらを融合するような存在。冒頭が1989年のモントリオール工科大学の女性だけ殺された事件なのが象徴的。個人的な家族の話でありつつ、背景としては社会の出来事とリンクしている。産むことが強調されすぎるのは、フェミ的に気になるけど、神話的でもあるので(ギリシャ神話やシェイクスピアを想起させる要素が多い)、そこはまあいいかな、とも。ほとんどファンタジーな部分もあるんだけど、緻密な構成と詩のようなセリフで、リアリティを感じる。不思議。3時間50分の上演時間、まったく退屈でなかった。家に帰ってからも相関図を見ながら、いろんな要素をメモしていって…もう1回観て確認したいぐらい。映像ないのかなあ。●劇団チョコレートケーキ『一九一一』シアタートラム ..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2021-07-22T20:10:27+09:00
●劇団イキウメ『外の道』シアタートラム 6/6 13:00
昨年コロナで延期になった公演。
楽しみにしすぎていたせいか、ちょっと??な気が。
「無」が広がっていくことを、主人公二人だけが認識していて、
ほかの人は認識していない、という、
むちゃくちゃ怖い、イキウメ史上もっとも怖い話。
それってコロナでおかしくなっている(おかしいことに気付きはじめた)
今の世の中の象徴のようでもあるんだけど。
イキウメを見て面白いと思っていたのは、
そういうSFやオカルトっぽい事象が、
全員に共有されている前提があってこそ、だったのだなあ、と。
主人公たちだけ、というのは、求心力が無く感じた。
前川さんは良くも悪くも別のフェーズに移行したのだろうか。
あ、2月の公演のDVDを買えたので、『金輪町コレクション』の「丙」も見れました。
「高速ジジババ」面白かったー!
これは芝居だと速度を表現しにくいから、落語がぴったりですね。
エンデの『モモ』と似た「時間」を効率化する話だけど、
老夫婦が幸せそうなのが、意外。
●『森フォレ』世田谷パブリックシアター 7/11 13:00
『炎アンサンディ』がすごかったので、同じ作者の作品、
難解そうだけどチケット取りました。
『炎アンサンディ』が1世代分の話だけに強烈だったのと比較すると、
6世代さかのぼる話なので、むしろ複雑で壮大でそこに迷い込む楽しさがありました。
人物相関図が置いてあって、1回しか観ないのでネタバレ上等で幕間に予習。
でも、相関図を見て想像したことの斜め上をいく展開!
男性的な支配、暴力、に虐げられ、産む性として必死に生きていく女性たちの物語。
最後に救いとなるのは、それらを融合するような存在。
冒頭が1989年のモントリオール工科大学の女性だけ殺された事件なのが象徴的。
個人的な家族の話でありつつ、背景としては社会の出来事とリンクしている。
産むことが強調されすぎるのは、フェミ的に気になるけど、
神話的でもあるので(ギリシャ神話やシェイクスピアを想起させる要素が多い)、
そこはまあいいかな、とも。
ほとんどファンタジーな部分もあるんだけど、
緻密な構成と詩のようなセリフで、リアリティを感じる。不思議。
3時間50分の上演時間、まったく退屈でなかった。
家に帰ってからも相関図を見ながら、いろんな要素をメモしていって…
もう1回観て確認したいぐらい。映像ないのかなあ。
●劇団チョコレートケーキ『一九一一』シアタートラム 7/18 14:00
(見事に三軒茶屋ばかり!)
念願の初 劇チョコです!
大逆事件を、裁く側から描いた作品。
幸徳秋水とか一切出てこず、被告人としては菅野スガ子だけ、
あとは全部、裁く側の男性がわんさか。
主人公は、予審判事といって、最初の裁判を行う判事。
じゃあ今の地裁? かというと全然違って、非公開で、取り調べのようなもので、
この結果が「証拠」扱いになるという、ひどい仕組み。
劇チョコは『記憶の記録』『熱狂』『帰還不能点』『国境の向こう』を映像で見てきただけだけど、
末端の公務員に何か思い入れでもあるんですかね?(笑)
私もそうなので、むちゃくちゃ感情移入しやすいです(笑)。
中間管理職的なポジションとか、
上からの命令に逆らえなくてひどいことしちゃうとか、
そういう題材が多い気がします。
社会で誰しも少なからず何かに加担してしまっている、
ということに、自覚的であろうということなんだと思います。
クライマックスがけっこう後のほうにあるのも特徴な気がします。
今回は、「官にいる君だからこそできることがあるんじゃないか」と弁護士に言われ、
ミラクルな案を思いついた! みんなをいいくるめられるぞ!
と思ったら、その手はすでに上に取られてたー、ってところかな。
ううう、つらい。
上の言うことをきくしかない、その上もさらに上の言うことをきくしかない、
これが、延々と続く、
っていう構造を表現するために、あれだけの男性の人数が必要なんだろうなあ。
舞台に壁として登場する机といすを積んだ状態のものは、
そういう構造を表しているのかな。
菅野スガ子の堀奈津美さん、色白で鼻がすっと高くて、
肝の据わった女性をすがすがしく演じていて、
この人がポスターにどどーんと使われていることに納得。
この人の存在が、救いなんだよね。
判決と処刑の場面は、演出もかっこよかった。
千秋楽ということで、最後に、劇団員三人がそれぞれ、
登場人物のスピンオフをちょっとずつ演じる、という美味しいおまけがありました。
「上」の象徴みたいだった平沼騏一郎(浅井さん)は、
第二次大戦後にA級戦犯になった場面。
そうだそうだ、そういえばそうだった、と身振るい。
主人公(西尾さん)は、一転してコミカルに、判事を辞めたあとの妻の怒りと職探し。
(「国際的運動会の警備員の募集があるよ!」ってセリフで客席爆笑)
重い内容のあとで、ちょっとほっとする。
「上」の一味の末広判事(岡本さん)は、はじめて中間管理職っぽい迷いを吐露。
これらがみんな役者さんのセルフプロデュースというからすごい!
次も楽しみだ~。
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「キザる」の衰退
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-04-17
一体いつから自分は宝塚を物足りなく思うようになったのだろうか。物足りない、を、いつも「薄くなった」と表現していたけど、具体的にはどういうことなんだろうか。2010年代はじめに、そのころファンになった人に、「紫吹さんとか湖月さんとかって、映像で観ると、濃すぎて笑っちゃいますよね」って言われて、へ~、と思った記憶がある。その人は、もっと薄いのが好きなのだそうだ。宝塚は、濃くてなんぼ、笑ってなんぼでは? と不思議だった。2004年にHPを作ったとき、「男役の色気」がきっかけだったと書いた。今、「男役の色気」ってあるかなあ?女性が男役をやるからこその、不思議なオーラ、は確かにある。こちらを誘惑するような、ドキドキするような、男役さんからの目線というのは、確かにある。と思う。あと包容力ね。けど、私が好きだった「色気」はあまり感じられないな。それこそが「濃い」ものなんだろう、多分。じゃあその「色気」って具体的にはどういうものを指すんだろう。不思議なオーラを土台としつつ、その上にある芸。と、いろいろ考えてみると、具体的には、ごく狭い範囲で言えば、「キザる」ってやつかもしれん。前述の、薄いのが好きだという人は、「カフスを直すとか、髪を撫でつけるとか、そういうキザる動作が好きではない」と言っていて、だったらなぜ宝塚を見ているんだろ? とまで思ったものです。「キザる」所作よりもう少し広い範囲で言えば、客席へのアピール、かな。表情とか目線とか。舞台から客席の一本釣りって、今もあるんだろうか。今、そういうのってほとんど見られない気がする。(たまにしか見ないので見落としていたらすみません、おすすめの人いたら教えてください)ふみか様(86期)はそれがある人だったけど、(でなかったらファンにならん)でも退団した2015年には、すでに少数派だった…「キザる」は、一体いつ消滅したのだろうか。トップさんで考えてみると、蘭寿さんにはあった。『ミスタースウィング』という作品名は、腰の振りから来ているわけだし。82期の蘭寿さん、壮さんにはあった。84期の北翔さんにもあった。でもそれ以降は…??(だいもん退団公演で確認したけど、歌うときのフリとして素敵なタメはあった。でも伝統的なキザる動作はなかった。唯一、中詰めの銀橋渡りで、だいもんとスターさん数人がウィンクしてたのが、客席へのアピールだな)振り付けとしてはあるけど、ショーの「間合い」でそれを積極的に繰り..
ヅカってなんだ?的記事
竜眼
2021-04-17T22:22:19+09:00
物足りない、を、いつも「薄くなった」と表現していたけど、
具体的にはどういうことなんだろうか。
2010年代はじめに、そのころファンになった人に、
「紫吹さんとか湖月さんとかって、映像で観ると、濃すぎて笑っちゃいますよね」
って言われて、へ~、と思った記憶がある。
その人は、もっと薄いのが好きなのだそうだ。
宝塚は、濃くてなんぼ、笑ってなんぼでは? と不思議だった。
2004年にHPを作ったとき、
「男役の色気」がきっかけだったと書いた。
今、「男役の色気」ってあるかなあ?
女性が男役をやるからこその、不思議なオーラ、は確かにある。
こちらを誘惑するような、ドキドキするような、
男役さんからの目線というのは、確かにある。と思う。
あと包容力ね。
けど、私が好きだった「色気」はあまり感じられないな。
それこそが「濃い」ものなんだろう、多分。
じゃあその「色気」って具体的にはどういうものを指すんだろう。
不思議なオーラを土台としつつ、その上にある芸。
と、いろいろ考えてみると、
具体的には、ごく狭い範囲で言えば、
「キザる」ってやつかもしれん。
前述の、薄いのが好きだという人は、
「カフスを直すとか、髪を撫でつけるとか、
そういうキザる動作が好きではない」と言っていて、
だったらなぜ宝塚を見ているんだろ? とまで思ったものです。
「キザる」所作よりもう少し広い範囲で言えば、
客席へのアピール、かな。表情とか目線とか。
舞台から客席の一本釣りって、今もあるんだろうか。
今、そういうのってほとんど見られない気がする。
(たまにしか見ないので見落としていたらすみません、
おすすめの人いたら教えてください)
ふみか様(86期)はそれがある人だったけど、
(でなかったらファンにならん)
でも退団した2015年には、すでに少数派だった…
「キザる」は、一体いつ消滅したのだろうか。
トップさんで考えてみると、
蘭寿さんにはあった。
『ミスタースウィング』という作品名は、腰の振りから来ているわけだし。
82期の蘭寿さん、壮さんにはあった。
84期の北翔さんにもあった。
でもそれ以降は…??
(だいもん退団公演で確認したけど、歌うときのフリとして素敵なタメはあった。
でも伝統的なキザる動作はなかった。
唯一、中詰めの銀橋渡りで、だいもんとスターさん数人がウィンクしてたのが、
客席へのアピールだな)
振り付けとしてはあるけど、
ショーの「間合い」でそれを積極的に繰り出す、
ということはほぼ無いのでは。
…映像で確認しなくちゃ。
仮説として、北翔さんの2017年の退団がひとつのメルクマールだった説をあげておく。
遅れての就任だったから、まさに「キザる」の残照。
ジェンヌさんのおばさまをしているおばさまが(変な日本語 笑)、
「旧音楽学校を使っていた世代と、そうでない世代で断絶がある。
85期は予科のとき旧で、本科のとき新だから、境目だ」と言っていた。
そうなのかもーーー!
今ものすごく実感している。
とてもさみしい。
ひしひしと、さみしい。
完全に滅亡してしまったのだろうか。
今どこに行ったらそういう芸が見られるのだろうか。
ひょっとして、タソが続けてくれているのだろうか。
(繰り返しますが、たまにしか見ないので見落としていたらすみません、
おすすめの人いたら教えてください。切実に! お願いします!)
で、思うに、
今私は元キャバレーの踊り子さんのやるショーや、
ストリップにはまっているのですが(→こちらのブログ)、
そこには「キザる」に類するものがあるんじゃないか。
踊り子さんがうっとりするときに、自分で自分の頬を撫でたりする、
そういう伝統的な所作があるんですよ。
(男役ではないけど)「キザる」に近いのではないか。
という気が、ちらほらと。
いや、ひしひしと。
しています。
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f f f-フォルティッシッシモ-/シルクロード~盗賊と宝石~(東京宝塚劇場 4/6 18:30)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-04-11
今日が千秋楽ですね。だいきほの雪組、人気すぎてほとんど観られなかったけど、イープラスの貸切があたったので、退団公演、観れました。上田久美子作の、史実とはちょっと違うベートーベンのお話。第九がどうやってできたか、謎の女は何の象徴かってので引っ張る構造なので、飽きずに観ました。謎の女は、情熱とか才能かと思ったらそうではなくて、なんと、不幸という「運命」。それを、愛したとき「歓喜」(=第九)が訪れる、というのは、とても好みなストーリー。外形的には、フランス革命後、自由主義者が魂の自由を音楽で実現する、みたいな話です。(宝塚的にはベルばらとエリザベートをつないでいる)つまり、貴族のためでもなく、民衆が楽になれるものでもない、音楽とは? ということも問うているわけ。それが芸術ですよってことなんだろうけど。でも、宝塚のスタンスって思いっきり、民衆が楽になるものだよね…。そこの自省がないから、ちょっと白々しくは感じる。二番手がナポレオンで、三番手がゲーテ。ベートーベンが影響を受けた二人。実際にベートーベンがすごく密に関係したわけじゃない二人が、大きく扱われているので、ちょっと精神世界の場面が多い。なんたって、死にそうになって見てる幻とはいえ、ナポレオンとロシアの雪原で「隊列と音符って似てるよね」って盛り上がるんだよ。すごいシュール。笑ナポレオンってEUみたいなこと考えてたの?それを武力で実現しようとしていたっていうのは、同じく上田久美子作品の、『フライングサパー』の独裁者と似てる。『フライングサパー』の最後で、面倒だけど民主主義しかないよね、と言ってた部分は、今回ゲーテが説明していて、その面倒をいきなり一人で引き起こしてるのがベートーヴェンと。EUとか、ゲーテがナポレオンに「遠くの情報が瞬時に手に入ればあなたは勝てるけど、今そうじゃないから、あなたが率いてない舞台は負けてるでしょ」って言うとか(これも幻なのかしら?)現代の情報通信技術の発展や、グローバル化の問題、イギリスのEU離脱までを踏まえてなのかなあ。それにしては、この話は結論が出ていなくて消化不良。歴史上の人物が上手いこと出てきて、生徒さんそれぞれ見せ場あるのはとてもいいね。天上界はファンシーで少女歌劇っぽすぎるかなあ。あとラストは蛇足だと思うが、退団公演だからアリ、というか必須なんだよね。主人公は、絶望したー、いや、でも生きたいーってむちゃくちゃ起伏の激しい人なんだけ..
観劇メモ
竜眼
2021-04-11T17:54:56+09:00
だいきほの雪組、人気すぎてほとんど観られなかったけど、
イープラスの貸切があたったので、退団公演、観れました。
上田久美子作の、史実とはちょっと違うベートーベンのお話。
第九がどうやってできたか、謎の女は何の象徴か
ってので引っ張る構造なので、飽きずに観ました。
謎の女は、情熱とか才能かと思ったらそうではなくて、
なんと、不幸という「運命」。
それを、愛したとき「歓喜」(=第九)が訪れる、
というのは、とても好みなストーリー。
外形的には、
フランス革命後、自由主義者が魂の自由を音楽で実現する、
みたいな話です。
(宝塚的にはベルばらとエリザベートをつないでいる)
つまり、貴族のためでもなく、民衆が楽になれるものでもない、音楽とは?
ということも問うているわけ。
それが芸術ですよってことなんだろうけど。
でも、宝塚のスタンスって思いっきり、民衆が楽になるものだよね…。
そこの自省がないから、ちょっと白々しくは感じる。
二番手がナポレオンで、三番手がゲーテ。
ベートーベンが影響を受けた二人。
実際にベートーベンがすごく密に関係したわけじゃない二人が、
大きく扱われているので、ちょっと精神世界の場面が多い。
なんたって、死にそうになって見てる幻とはいえ、
ナポレオンとロシアの雪原で「隊列と音符って似てるよね」って盛り上がるんだよ。
すごいシュール。笑
ナポレオンってEUみたいなこと考えてたの?
それを武力で実現しようとしていたっていうのは、
同じく上田久美子作品の、『フライングサパー』の独裁者と似てる。
『フライングサパー』の最後で、面倒だけど民主主義しかないよね、
と言ってた部分は、今回ゲーテが説明していて、
その面倒をいきなり一人で引き起こしてるのがベートーヴェンと。
EUとか、ゲーテがナポレオンに
「遠くの情報が瞬時に手に入ればあなたは勝てるけど、
今そうじゃないから、あなたが率いてない舞台は負けてるでしょ」
って言うとか(これも幻なのかしら?)
現代の情報通信技術の発展や、グローバル化の問題、
イギリスのEU離脱までを踏まえてなのかなあ。
それにしては、この話は結論が出ていなくて消化不良。
歴史上の人物が上手いこと出てきて、
生徒さんそれぞれ見せ場あるのはとてもいいね。
天上界はファンシーで少女歌劇っぽすぎるかなあ。
あとラストは蛇足だと思うが、退団公演だからアリ、
というか必須なんだよね。
主人公は、絶望したー、いや、でも生きたいー
ってむちゃくちゃ起伏の激しい人なんだけど、
それを、あ、今生きる気力が湧いてきたのね、
と納得できるのは、だいもんの歌唱力あってこそ。
頑固で変人だけど、じつは真面目で憎めないキャラ、
『オーシャンズ11』を思い出すなあ。
彩凪翔(予測変換したよ!)さん、すごく良かった。
今まで、力んだ感じがしていたけど、
ゲーテのセリフがむちゃくちゃ説得力あった。
最後の最後でいいもの見せてもらいました。
にわにわのひどいお父さん、
朝月希和の声(96期なので引いて見ていたが声はいい)
愛すみれさんのやさしさ、
笙乃茅桜ちゃんのキレのいい踊り(退団なんだね)…
ところで、最後に紹介されるナポレオンの、
セントヘレナ島で農夫からすきを借りて畝を作った、ってエピソード、
実在? どういう意味なんだろう。
地道に「耕す」ことの尊さ???
ショーは生田くんの初ショー。
シルクロードと言いつつ、チャイナ場面が、一番素敵だったな 笑。
バンドネオン! ふみか様の杜月笙が見えるーー。きゃー。
この場面、音楽もかっこ良かったな。
中詰めの衣装は南米っぽい気も。
アーサーのハレムの王様、素敵だった~。
煌羽レオのスーツ、超絶かっこいいな(この人も退団かあ)。
ブラックフェイスが問題視されるようになり、
数年前の月組のタイを舞台にしたやつも相当やばくて、
宝塚はこれからこの手の題材をどうするんだろう、と思っていたところで、
盗賊とか、王様とか…
歴史的な題材と言えばそうだけど…
3%ぐらい、気になった。
「奪う」ということを何度も繰り返していたのも、わざとなんだろうか。
最後のほうでちょっと現代的な戦いの場面があったのが印象的だった。
今までだったら、かっこいい戦い、英雄が登場する場面、
として描いていたと思うんだけど、
そうではないように見えた。
911以降のことを踏まえているのかな。
こういう場面のあと、今までなら、全員真っ白になって、
平和が訪れましたー、もしくは天国で幸せですー、みたいになるけど、
それは次期トップコンビだけがやって、
ほかの戦士は戦士の恰好のままだったのも、意味があるのかなと思った。
大階段でだいもんが取るポーズ、リカちゃんがやってたやつじゃん~
と思ってたら、そうか、だいもんの初舞台か!
初舞台観た生徒さんが卒業するってのは、感慨深いですねえ。
トップ娘役が芝居でもショーでも「象徴」の役だったのは興味深い。
これって、『宝塚ロマンチカ』の檀れいやん。
持ち味全然違うので、ちょっとショーでは物足りなかったけど、
芝居のほうでは、勝気ですねたりして、
ハキハキと不幸を名乗って、持ち味にとてもあってたな。
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イキウメの金輪町コレクション(配信)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-04-03-3
2月の公演を、3月に1週間だけ配信。しかも3パターン。見始めたとたんに、テトリスみたいに、いろんなものがおさまるべきところにおさまる。このすっきり感。イキウメの世界観がしっくりきすぎる。これだよ、これこれ!抽象的な背景に、SFやオカルトっぽい話が、理路整然と進みつつ、コミカルで、ちょっと情があって、役者さんがめちゃウマで。落ち着いたトーンの抽象画に、迷い込んでずっと出てこれない楽しさ。ただ、3つのプログラムを1週間で見るのは無理でした。甲乙をなんとか見終わって、よし次「丙」を買うぞ!と思ったら、チケット買う期限過ぎてた…ううう。DVDプリーズ…!過去の公演の再演で、前とは違う人がやってる場合が多いんだけど、全然真似ではなくって、でも成立してて、やっぱすごいわ、と。イキウメにしても劇チョコにしても柿喰う客にしても、脚本家の世界観を表現できる役者さんがそろってるって、すごいことなんだなあ。今回は、昨年の緊急事態宣言で舞台が中止になったときに、いつも舞台になる「金輪町」の設定を詳細に詰めていった結果の公演。その際に作られた地図などが公開されているので、オタクっぽく、この作品のこの場所と、この作品のこの場所が隣同士なのね、とか確認していく楽しみもある。うふふ。そして過去のDVDをまた確認する、と。うふふ。客演の松岡依都美さん、演じ分けがすごく上手い。自殺志願の人を演じてる「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」、何度も見てしまった。
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2021-04-03T18:00:38+09:00
見始めたとたんに、
テトリスみたいに、いろんなものがおさまるべきところにおさまる。
このすっきり感。
イキウメの世界観がしっくりきすぎる。
これだよ、これこれ!
抽象的な背景に、SFやオカルトっぽい話が、
理路整然と進みつつ、コミカルで、ちょっと情があって、
役者さんがめちゃウマで。
落ち着いたトーンの抽象画に、迷い込んでずっと出てこれない楽しさ。
ただ、3つのプログラムを1週間で見るのは無理でした。
甲乙をなんとか見終わって、よし次「丙」を買うぞ!
と思ったら、チケット買う期限過ぎてた…ううう。
DVDプリーズ…!
過去の公演の再演で、
前とは違う人がやってる場合が多いんだけど、
全然真似ではなくって、でも成立してて、
やっぱすごいわ、と。
イキウメにしても劇チョコにしても柿喰う客にしても、
脚本家の世界観を表現できる役者さんがそろってるって、
すごいことなんだなあ。
今回は、昨年の緊急事態宣言で舞台が中止になったときに、
いつも舞台になる「金輪町」の設定を詳細に詰めていった結果の公演。
その際に作られた地図などが公開されているので、
オタクっぽく、この作品のこの場所と、この作品のこの場所が隣同士なのね、
とか確認していく楽しみもある。うふふ。
そして過去のDVDをまた確認する、と。うふふ。
客演の松岡依都美さん、演じ分けがすごく上手い。
自殺志願の人を演じてる「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」、何度も見てしまった。
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帰還不能点(配信)
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2021-04-03-2
BSでやっていた『あの記憶の記録』『熱狂』を見て はじめて知った劇団チョコレートケーキ。『あの記憶の記録』は、ユダヤ人収容所で同胞を殺す役割をさせられた「ゾンダーコマンド」を題材にした作品で、重…っ。激重…っ。かわいい名前とは真逆。でも、だんだんいろんなことが明らかになっていくドラマチックさや、最後に少しだけ希望があったりとか、演劇ならではの面白さがあって、すごく良かったです。この劇団は、賞をたくさんとっているんですね。次に公演あったら絶対行こう!! と夫と話していたのですが、コロナ感染大爆発ですよ…。ビビりな夫が「配信があるなら配信で」と主張し、そうこうしているうちにチケットが売り切れ。次は心置きなく生で観たいなあ。帰還不能点というのは、飛行機が戻れなくなる、燃料が半分になったところ。日本の近代史では、対米戦の決め手となった昭和16年7月の仏印進駐を指すそうです。ちょうどその頃、各省庁から集められた若きエリートたちが、日本がこのまま戦ったらどうなるかを予測させられた「総力戦研究所」というのがあった。彼らは「アメリカには絶対に負ける」と予測したけど、そうはっきりは言えないので、それとなく上に伝え、東条陸軍大臣はご立腹だったそうな。そのメンバーが戦後5年経って、居酒屋に集まって思い出話をする、というお話です。なんと、直前にたまたま、『昭和16年夏の敗戦』という、「総力戦研究所」についての本を読んでいたことと、なんとなんと、私の勤務先のかつてのNo.2が、この「総力戦研究所」に所属していて、しかも、この舞台の主人公のモデルである!ということもあり、のめりこんで見ました。前半は、彼らが「どこが帰還不能点だったんだろうね」と、当時の大臣たちになってお芝居をする、という趣向。次々役を変えるので、ちょっとまどろっこしいし、個性が見えない、ちょっと教材ぽい(ていう感想をツイッターで見かけて、確かに)。でも、歴史上、そういうことがあったんだー、近衛文麿と松岡洋右ってそういう人たちだったんだ、戦争責任は軍人と天皇だけじゃなく、官僚の責任も大きかったんだなあ、と、勉強になる。とはいえ、さすがにこのまま続くわけなかろう、と思っていたら案の定。すでに故人となったメンバーは、なぜ死んだのか、という謎がだんだん明らかになっていきます。そして、主人公が突然、「あの日、広島にいたんです」と言い出す。そうなんです、彼は被爆してるんですよ。帰還不能..
観劇メモ(ヅカ以外)
竜眼
2021-04-03T17:56:13+09:00
はじめて知った劇団チョコレートケーキ。
『あの記憶の記録』は、
ユダヤ人収容所で同胞を殺す役割をさせられた「ゾンダーコマンド」を題材にした作品で、
重…っ。激重…っ。
かわいい名前とは真逆。
でも、だんだんいろんなことが明らかになっていくドラマチックさや、
最後に少しだけ希望があったりとか、
演劇ならではの面白さがあって、すごく良かったです。
この劇団は、賞をたくさんとっているんですね。
次に公演あったら絶対行こう!! と夫と話していたのですが、
コロナ感染大爆発ですよ…。
ビビりな夫が「配信があるなら配信で」と主張し、
そうこうしているうちにチケットが売り切れ。
次は心置きなく生で観たいなあ。
帰還不能点というのは、飛行機が戻れなくなる、燃料が半分になったところ。
日本の近代史では、対米戦の決め手となった
昭和16年7月の仏印進駐を指すそうです。
ちょうどその頃、各省庁から集められた若きエリートたちが、
日本がこのまま戦ったらどうなるかを予測させられた
「総力戦研究所」というのがあった。
彼らは「アメリカには絶対に負ける」と予測したけど、
そうはっきりは言えないので、それとなく上に伝え、
東条陸軍大臣はご立腹だったそうな。
そのメンバーが戦後5年経って、
居酒屋に集まって思い出話をする、というお話です。
なんと、直前にたまたま、『昭和16年夏の敗戦』という、
「総力戦研究所」についての本を読んでいたことと、
なんとなんと、私の勤務先のかつてのNo.2が、
この「総力戦研究所」に所属していて、
しかも、この舞台の主人公のモデルである!
ということもあり、のめりこんで見ました。
前半は、彼らが「どこが帰還不能点だったんだろうね」と、
当時の大臣たちになってお芝居をする、という趣向。
次々役を変えるので、ちょっとまどろっこしいし、個性が見えない、
ちょっと教材ぽい(ていう感想をツイッターで見かけて、確かに)。
でも、歴史上、そういうことがあったんだー、
近衛文麿と松岡洋右ってそういう人たちだったんだ、
戦争責任は軍人と天皇だけじゃなく、官僚の責任も大きかったんだなあ、
と、勉強になる。
とはいえ、さすがにこのまま続くわけなかろう、
と思っていたら案の定。
すでに故人となったメンバーは、なぜ死んだのか、
という謎がだんだん明らかになっていきます。
そして、主人公が突然、「あの日、広島にいたんです」と言い出す。
そうなんです、彼は被爆してるんですよ。
帰還不能点の責任は、
近衛や松岡や軍にだけあったわけじゃないんじゃないか、
広島で吹っ飛んだ街とものすごい数の死体を見たら、
自分たちに責任がなかったとはとても思えない。
あのとき、自分たちは負けるとわかっていたのに、なんで何もしなかったんだ。
現代にビシバシ来る話です。つらい…!
そこからの展開はウルウルしました。
この脚本の着想の始まりは、
「総力戦研究所にいて、しかも被爆したこの人は、
自分の責任をどう思っただろうか」
ってところだったと思います。
でも現実には、主人公のモデルになった人は、
この舞台と違って官僚を続けたわけです。
弱小のお役所とはいえ、No.2として乞われるほど出世した。
官僚らしいやり方で組織を立て直した、と言い伝えられています。
実在の彼は、昭和16年のあの夏のことを、
そして昭和20年8月6日のことを、どう思っていたんでしょう。
そして、この舞台では死んでしまっているメンバーも、
モデルとなった実在の人物は、日銀総裁にまで出世している。
どう思っていたんですかね。
現実の人間のほうが、より「複雑怪奇」なんだろうな、と
そのことにもしみじみしました。
役者さんたち、劇中劇をたくさんやっているので、
この舞台での姿が素だと思ってしまいそう。
(配信の最後についてる座談会のほうが、
現代人の役をやっているように思えるぐらい 笑)
外務省出身の役の二人が、いい声だったな。
みんなに愛着を持ちました。
劇チョコ、過去作品のDVDがあんまりないんだよなー、売ってくれー。
全部見たいー。
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