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音楽学校のおかしなルール廃止という報道について [ヅカってなんだ?的記事]

宝塚音楽学校が、おかしなルールを廃止する、
という報道がありました。

ほほう、いいことだな
と思う一方で、
え、10年前にあんな事件があったのに、
まだ改善してなかったんかい!

とも思いました。

津田大介のネット番組に東小雪さんが出ていたのも聞きました。
(あいちトリエンナーレ以来、津田大介のことは全面的に信頼しています。
金髪の変なオジサンじゃないのよ)

とても良かったです。

96期のことは、本科からのこともあるから、すべてはつまびらかになっていないのではないか、
なぜ今なのかはわからない(何か事件が起きたのではないか、と津田大介。私もそう思いました)
誰が何をしたかとかではなく、暴力的な構造に巻き込まれた一人として向き合う必要がある、
といったことが印象的でした。

気になったのは、広報のコメント(私は読んでいない)では、
舞台を一体として務めるために必要なことは続ける、と言っているそうで、
それでは変わらないのではないか。という指摘。

そしたらなんと!

音楽学校側は、別にそんなこと決めてはいないという報道が。

なんと、最初の記事は、完全な「飛ばし」だったんですねええ。


いやはや、これはいい飛ばし記事だったんじゃないですか。
だって、もう今後、これにまつわる事件があったら、
「おいおいおい、パワハラやめたって言ってたじゃん、どうなってるの?」
って目が注がれます。

「いや、やめたつもりないです」と言い張っても、
「にしてもパワハラでしょ」となる。

10年前の裁判、あと数年後だったら、
スポーツ界でのパワハラも問題になったから、
もっともっと叩かれただろうな、
その前で、ほんと運が良かったね(棒読み)、と思ってました。

でもさすがに今、その目が注がれるようになった。
東さんのブログ等は「全く炎上していない」そうです。全く!
世の中が変わってきたことを、素晴らしく思います。


ただ、ファンやOGのSNSでの発言を見ていると、
変わっていない人も多いみたい。

「愛ある指導もあるはず」「部外者に何も言われたくない」
「伝統は大事」「それがなくなったら宝塚じゃない」

これって、児童虐待や家庭内暴力、スポーツパワハラの加害者と
まったく同じ。笑っちゃうぐらい同じ。

「家庭の中に入り込むな」「これは愛だ」
「伝統的な家庭の在り方はこれしかない」


「愛」とか「伝統」は一番警戒しなきゃいけない言葉。
虐待を見かけたら、誰だって通報義務があります。

本当に「愛」のある指導なら、
それは下級生に対して「敬意」があるかどうか、で判断してみてはどうですかね。
下級生が「やめてください」「これはできません」と言ったときに、
話を聞けるかどうか。相手に敬意があれば、話を聞いて、相談し合えますよね。
そもそも下級生が「やめてください」と言えないような状況なら、
それは、「愛」ではない。


私は、宝塚の特色は、「少女ならではの閉鎖的な空間」だと思っています。
だからこそ、あの面白い仕組みや芸があり、
だからこそ、暴力の温床になる。

関わる誰もが不幸にならないように、
つまり、暴力の温床にならないように、最大限気を付けながら、
面白い仕組みや芸の良いところを残すことは、
意識を変えれば、絶対にできるはず。


今回の「飛ばし」記事がそれを少し推進してくれたのなら良いな、と、
もはや完全な部外者だけど、思います。




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信長の犬(帝国劇場 9/11 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

リカちゃんが藤沢朗読劇に出るというので、急いでチケットゲット。

藤沢朗読劇で帝劇ってはじめてなのでは。
大きな劇場で8人出演。
結果的にソーシャルディスタンスが確保できてて良かったし、
全然広すぎるとは思わなかった。

藤沢朗読劇だからもう安心して観てたんだけど、
犬ですよ、犬。
動物物に弱いの。
特に、ご承知かと思いますが(誰も承知してないか)、
私、昨年の5月に猫を亡くしまして。
犬同士しゃべったり、飼い主としゃべったりするのよ。
犬だから忠義に厚いのよ。
涙涙で、ろくに感想も書けないレベル(笑)。

犬が登場人物としてめいっぱいしゃべるのは、朗読ならではだよねー。
諏訪部さん、井上和彦さん、有名な声優さんは、ほんとすごい!
犬ってわかるしゃべり方なんだよ(って意味不明 笑)

語り手的な立場は、犬好きで有名な大名で、
そこに、秀吉が「信長が飼ってた犬がいるだろう、見せてほしい」とやってくる。
で、どういう経緯でその犬を飼いはじめて、
どういう経緯で今そこにいるのか、が時制を行ったり来たりしながらわかってくる。

真の主人公は秀吉なんだろうな。
アリとキリギリスのアリが、素晴らしかった。
卑屈になったり、尊大になったり、やたら陽気になったり、自在なの。
この人、写真も撮るし、もはや「ボキャ天」に出てた人、のイメージは遠い彼方だ。

犬好きの大名の水田くんが、まっすぐで、癒される。
この人の家臣ってのがまた忠義を象徴していて、
藤沢朗読劇はいつも、情のようなものが大事だけど、
今回は特に飼い主と飼い犬、だけでなく人間同士も含めて忠義がテーマだということだ。
もちろん明智光秀も出てくるよ。

そしてリカちゃんは信長…!
かっこよかった……!!!
プガチョフでしたよー、往年のファンのみなさんーー!!
プガチョフよりももっと高貴かな。
カテコまで役になりきっていて、あああう、ほれぼれしました。

事務所辞めたそうだし、もっと舞台に出てくださいよー。
舞台に出ないから会やめちゃったけど、舞台に出るなら入り直すぞ。

映像もあるらしい。
キャストはかなりの日替わりで、
単に行きやすい日を選んだだけなんだけど、
女性だけの日もあった(元ジェンヌ多数出演)ので、そっちも観たいな。


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FLYING SAPA -フライング サパ-(日生劇場 9/13 16:00) [観劇メモ]

4月に中止になった公演、観れて良かった。

昼と夜の時間が惑星の軌道で極端に違う…って、萩尾望都っぽい。
管理された社会と原始的な土地…って、イキウメの『太陽』っぽい。
宝塚でSFって珍しい?  そもそもあったっけか?

ただ、様式は聞いてたよりもずっと宝塚ぽく感じた。
番手とか、役付きが宝塚ルール。
画面が暗くて、主人公が(記憶がないので)自分探ししてるのが、
正塚芝居に似てると思う人もいるだろう。

でも、テーマは全然宝塚らしくなかった! これはすごい画期的!
冒頭、ヘイト発言をする人を罰して、でも記憶を書き換えちゃう、というエピソードがあり、
あ、そういう、今の社会で起きてることに対して、何か言いたいんだな、とわかる。
ビッグデータを収集してるとか、すごく現代を意識してる。

平和で穏やかでみんな一見幸せだけど、
そうやって管理されてて、記憶まで消されて、見せかけの幸せ。
強いて言うなら、ソ連とかの共産主義革命で全体主義になってしまった国。
独裁者は誰かな、ソ連ならスターリン、と思ったら
ゆうちゃんさんの声で、笑った(『ロシアン・ブルー』を見てね)。

そうなった原因がだんだんわかってくるわけだけど、
過程で「暴力」が真のテーマだとわかる。
暴力を起こさないためにすごい装置を発明して「みんなが幸せに暮らせる国」を作ったけど、
でもそれは暴力なしでは実現しなかった。
というか、そういう国家体制そのものが暴力だってことなのよ。
それは、今の日本が進もうとしてる姿なんだよ、とあからさまに言っている。
(読んでないけど、ネット情報によるとプログラムで、
今の日本は静かなディストピアが法制化されている、と書いてあるそうだ。私も同感)
ををを、うえくみ、攻めてる~。

宝塚で「暴力」をテーマにしたことってあったか?
ないよ、絶対ないよ。そういうの避けるでしょ、夢の世界だよ。
二番手娘役が投降してきた敵を撃ったのが、衝撃だった。
そんなん、宝塚で見たことない。

表現も新しかった。
二番手娘役(主人公の元カノだが主人公は記憶がない)とほにゃららして、
「お前は俺の体を知りすぎてる」って…、そんな台詞宝塚ではじめて聞いた(笑)。
ヒロインが、娼婦のように振る舞い、
やがて明るみになる過去では、少女時代にレイプされていたことがわかる。
暴力をテーマにするなら、それは避けて通れないことだ。
でも宝塚ではトップ娘役にそれはやったことないのでは。

全体主義は暴力である、
カビくさくても民主主義しかない。
その結論に至るのは当然だよね。

でもそれをどうやって実現するのか、
そこは  ほとんど描かれないのだ(笑)。
だって難しすぎるもんね…。

ただ、ラブシーンで「気持ちがびびっと伝わればいいのに」
「全然伝わらない(笑)」ってやりとりがあって、
ああ、それが大事なんだろうな、と。
独裁者は、好きだからわかってほしい、と言っていた。
好きだからこそ、相手とはわかりあえないって前提が、大事なんだよね。

って、スターさんにうっとりしてひれ伏して、劇場の一体感を楽しむ宝塚で、
連帯責任という暴力が美徳で伝統とされてきた宝塚で。
これ、理解されてるのかなあ?? されているといいな。


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