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オリンピック閉会式にトップスターが出演したこと [ヅカってなんだ?的記事]

友人から、怒ってる? と聞かれました。

え、むしろ納得してますよ。「あるある」じゃないですか。

数日前から文春に出てて、「いかにもありそうだなあ」と思いました。
だって、国体とかでの国歌斉唱とかよくやってますよね?

宝塚の生徒さんの日常が、「上級生の言うことは絶対」なんだから、
宝塚の体質全体が、「お上に従う」であることは自明のことです。

そもそも日中戦争中も海軍軍人の作った国策歌劇上演してたし、
お上に従わないなんて選択肢は無い、
むしろ喜ばしいことだという体質だと思います。

今コロナが心配なので、そんな中で生徒を出演させるなんて、という
ファンの心配はよくわかります。
そういうとき、生徒一人ひとりを大事にする劇団ではないと思います。正直。

大体、明らかにいじめがあったのに、おおやけにはついに、
指導だと言い張り続けたんだから、
「人権」とか「コンプライアンス」とか存在しない組織だって、
わかってることじゃありませんか。
(もうとにかく、劇団への不信感が半端ない私。地の底まで落ちてます)

だから、たとえば今後、黒塗りのショーをどうするんだろうとか、
女性差別的な場面をどうするんだろうとか、
全然、期待していません。
(『CONGA!!』に夢中になって通ったのはいつだっけ、と調べたら2012年、9年前かあ~
こういう意識は、急速に(良いほうに)変わってますね)


じゃあどうして自分は宝塚を好きになったんだろう?
とふと疑問に(笑)。

多分、そういう家父長制の元にできた、
お上に従うことを疑いもしない体制の中なのに、
いや、だからこそ?
作られた作品や舞台に、一瞬、
それらを転覆するような、逆転するような、何かが、
キラリと見えるから、かなあ。

大人しい少女として求められ、従順に従っているのに、
やってることはぶっ飛んでる、意識せずに逸脱している、
従順であろうとする体質と、逸脱しようとする力、
背反するものの共存が面白い(面白かった)、
ということなのかなあ。

…といったことを、ファンになった当初書いていたHP、
いつのまにかプロバイダがサービスを終了して読めなくなってしまいました~
(自分のバックアップは取ってるのですが)

あ、それって今私がよく見に行ってるストリップでも、
似たようなことを魅力だと思っているのかも…


ちなみにですが、オリンピックについては、
東京に決まったときから、
「アンダーコントロール」「温暖な気候」って嘘ばっかり、と思っていたし、
直前にIOCがひどいぼったくりであることがわかったりしたことも、
怒りながらも、どんどん明らかになればいいと思っていました。
だからオリンピックは一切見ていないのです。
(もともとスポーツには、特定の種目をのぞいて興味がないし、
国ごとに応援するとか、気持ち悪く感じてしまう)

本当は検証のために見なくちゃいけないんだけど、今は精神的に耐えられなくて…
いつかはちゃんと検証のために見たいと思います。
森山未来の踊りは見てみたいし。


東京に決まった日、ちょうどムラで入り待ちに参加してて、
みんなで「7年後どうなってるかねえ」って言い合ったのを覚えています。
ありがたいことにファンの集いは続いていて、
でもコロナでこんなだし、社会全体がますますひどいことになっちゃってるよー
と、7年前の自分に教えてあげたいです。トホホ。




(追記)

こんなニュース記事がありました。
https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0809/srb_210809_3403642112.html

「コロナで国や都はさんざん『エンタメなんか不要不急』といって圧をかけてきました。それなのにまあ、ぬけぬけと閉会式にタカラジェンヌを利用するなんて腹が立ちます」

そうだよねえ~~!
ファンよ、怒ろう!
怒って怒って怒れば変わるかも!

あ、でも、劇団に対して怒ることが、慣例になってしまっている、
という気もする…
昔の記事に書いてました。
↓ 「阪神教と宝塚教」
https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/2009-12-18

いじめ裁判についてはこちらをお読みいただけたら幸いです

https://pt-omoitsuki.blog.ss-blog.jp/archive/c2301186891-1


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衛生(赤坂ACTシアター 7/24 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

タイトルやポスターからは内容がよくわからず、スルーしていた公演。
夫が好きなラジオ番組複数(エレ片、荻上チキ)で紹介されていて、
面白そうだよ、ということで滑り込みで行ってみた。

とにかくシモの話で、その言葉を連呼したり、
やたら叩いたり、やたら合体ポーズがあったり、と、
中学生男子の悪ノリが全体をおおっていて、
これはそもそも赤坂ACTでやるもんじゃないよなあ、
キラキラミュージカルが好きな人はドン引きだよなあ、
と、空席の多い客席を眺めてしまう…

まあ、新感線のノリとも言えるので、
最後の大きな仕掛けは、やはり大きな劇場でやりたいんだろうなあ…

でも、新感線のような支離滅裂なストーリーや、騒音は
皆無だったので、自分的にはOK。
むしろ音楽はとても良いし、ストーリーもしっかりしてる。

というわけでじつは高評価。

後からじわじわくる、すごく面白い芝居でした。
ていうか、よく出来てるよ、これ!

戦後すぐ、汲み取り業者が、あくどいことをしながら、
だんだんのし上がっていって、町を支配する。
最後の場面は1980年の駅伝。
時代設定が細かくて、ちゃんと調べればいろいろ仕掛けがあるんだろう。
(駅伝はこのときはじめてテレビ放送されたんですね~)

場所は平塚、このピンポイントさも面白い。
脚本家の出身地の隣の市だそうだ。
(大阪公演、九州公演では伝わるかなあ、このニュアンス)

汲み取り業者の親子が古田新太と尾上右近。
この二人が悪の魅力を見せてくれないといけないんだけど、
右近さんは上品すぎた。ここは非常に物足りない。

相棒で有名な六角精児が、のらりくらりとした悪い政治家。
古田VS六角の、サウナでのタオル一枚巻いただけの、
悪いヤツ同士の対決ソングがすごかった。歴史に残る名場面(笑)。

政治家の秘書役、有名なのかな? 
二幕では共産党から出馬して、それが六角さんへの愛だっていうのもおかしい。

彼ら悪い人たちに恨みを持っていて、殺そうとする人たちがいて、
その攻防が主軸なんだけど、
殺害未遂現場にいあわせた町の人たちが、
悪徳親子をかばう場面が秀逸。

ていうか、ここが一番言いたいことなのだと思う。
「自分の給料だけもらえればいい」「この会社のおかげで自分は生きてる」
「だから悪い人でもどうでもいい」「搾取され続けたい」
…今の社会と同じじゃん!!

「この奴隷たちから我々が搾取してあげるのが、彼らの幸せなんだ」
…竹中平蔵じゃん!! IOCじゃん!!

悪徳業者につぶされて恨みに思って復讐する一人に、ともさかりえ。
(ミュージカル初挑戦とのことで(上手い人だけど)やや小ぶりに見える。)
彼女の造形も、「おばかな人たちを導いてあげなくちゃ」と、
これまた「あるある」で興味深い。

住む市を変えれば世界が変わるわよ、っていう話は、
政治家が選挙区変える話だよね。
とにかくいろいろ面白いネタが詰め込まれてる。

この場面で、電柱を大勢で持ってくるくるする振り付けも面白い。
ともさかりえが惣菜工場でメンチカツとハンバーグを仕分けするナンバーとか、
六角さんが戦場でひどい目に遭うナンバーとか、
思い出すだけでも笑ってしまうナンバーがたくさんある。

特筆すべきは咲妃みゆ。
退団後はじめて観たが、もはや主役と思えるぐらいのうまさ。
1幕目では、岡山の村で夜這いの対象としてチヤホヤされつつ実質奴隷、
からの、抜け出して見世物小屋で修行を積んでたら、売られて、
悪徳業者の事務員兼おめかけさん。
だからやっぱりどこまで行っても奴隷なのね。

…という人生の果て、「命令する側は誰でも同じだから、
誰の嫁になってもかまわない、自分は決定権はない」
としれっと笑顔でいうのが、怖い怖い。
こんな設定なのに説得力を持たせられる演技力。
2幕目は、その娘で、母を殺された恨みをはらそうとする役。

つまり、女性の復讐の話とも言えるわけです。
1幕目の彼女は、「搾取されるのが幸せ」という町の人たちとリンクしているわけです。
うーん、深い!

音楽がすごく良かった。
多分その時代その時代っぽいテイストにしてるんだと思う。
あと、セットもレトロでかわいい。

冒頭に、シモの言葉連発でシャウトする人、誰だろう、
メチャ上手で、彼女のおかげで世界に入り込めた。

脚本家は『秘密の花園』を観てますね、私。
アングラが好きなのかな。
『俺節』もやってるのか。原作好きだから観たかったけど観られなかった。

男子の悪ノリを少し減らしてもらえるなら、また是非観たいです。
でもまあ、それをやりたいんだろうなあ(苦笑)。


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