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2022年5~7月に観たもの [観劇メモ(ヅカ以外)]

〇「お勢、断行」 5/15昼 世田谷パブリックシアター

ゲネプロまでやったのにコロナで中止になった作品。
上演できて良かった-。
(これで、自分がチケット取ってた中で、コロナですべて中止になった公演のうち、
実現していないのは「チェーザレ」だけになりました)

倉持裕作。
「お勢、登場」という乱歩原作で数年前にやったものの続編。
乱歩の世界観で、大正末期の実在の猟奇事件を組み合わせたお話だという。

ぶっちゃけ、タイトルロールのお勢さんが必要ないお話だった。

話の軸は、後妻おその(大空ゆうひ)。
暴力夫を病院送りにする計画の顛末とそのきっかけの真相。
やつれて楚々とした後妻が、
急に怜悧に小姑(池谷のぶえ)を邪見にしだすところ、ゾクゾクしたあ~。

時制が行ったり来たりするのはそれほど効果的でもなく。
池谷さん、梶原善、江口のり子、千葉雅子、いずれもよくある役柄なんだけど、
戯画的で、さすがに上手い人たち。
お医者さん役や、探偵役の人も良かった。

乱歩らしさは、最後の、少女が家中の電気をつけて回るところかな。

お着物がどれも素敵。


〇「ひみつせん」6/18夜 シアターウエスト

主演の三浦透子が気になるのと、詩森ろば作なので観に行きました。

登戸にあった陸軍の研究所でタイピストをしていた女性。
その時制と、それを調べている2001年時点とが交錯する作り。

科学者としていろいろ実験できるのが楽しい、という「欲」と、
倫理観との葛藤。

牛を人工的に病気に感染させる兵器の話と、
捕虜を人体実験して殺す話とが、
平行して語られる。

葛藤を持たずにひょうひょうと生きていける人もいれば、
葛藤に耐えきれない人もいる。

欲を自覚して背負って生きていく人もいて、
主人公の女性がちょっとラブなのがそういう人、
というのがまあまあ面白い。

女性は、科学者になりたくて、でも女だから大学に入れない。
科学は、世の中をよくするためにあるものではないのか?
という問いをこの二人が語っているのが一番大事なところなんだろう。

でも全体的に地味なのは、女性が実験には関わっていないというところ、かなあ。
それは仕方のないことなんだけど。

2001年時点で調べているのが何かっていうオチは、わりとすぐわかっちゃうんだけど、
一応それでひっぱっている。

三浦透子は目力が強く、名前の通り透明感もあり、
大物女優誕生! という感じでこれからが楽しみ。


〇「わたしの恋人」7/9夜 本多劇場

のん(能年玲奈)の演技を生で観てみたい、ということで行ってみた。

かなり取っ散らかった話なんだけど、
渡辺えりと小日向文世だからとにかく上手い上手い。

まだ見ぬ恋人を追い求めて転生していく話で、
場面が行ったり来たりして、まるで詩のよう。
音楽が良くて飽きない。

転生の一つはナチスに殺されたユダヤ人だったり、
東日本大震災の津波が重要な要素だったり、
人間に踏みつぶされる火星人が登場したり。

多分「恋人」というのは、平和や人権が守られることそのものなんだと思う。
それを希求し続けること。

でも一緒に見た夫はそのテーマだとわからなかったという。ええ~。
比喩だよ、比喩。
(冒頭で「メタファー」「何それ」「比喩だよ、比喩、たとえ!」っていうやりとりがあったな)

原作も気になる。

のんちゃんは、ものすごくスタイルがよくて、スーツを着ていたりするとまるで男役!
演技も歌も粗削りだけどけっこうよくて、
研3で新人公演の主役に抜擢、すごいスターがあらわれたぞーーー
一体どんなトップスターに成長するんだろう、楽しみーーー
というふうにしか見えない元ヅカファン脳。
いやもうすでに大スターなんだけど。
ぶりっ子がいじめっ子に豹変するところとかすごく面白かった。
もっと舞台に出てさらに輝いてほしい。


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