怪人と探偵(KAAT 9/28 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
KAATがHEAD' UPに続いて? オリジナルミュージカルを作った。
よくできてるよー。
娯楽作品として最初から最後まで楽しめた。
伏線とか、なんでこのナンバーあるんだ? ってのが最後全部回収されたのがすごい。
深いことは特になんにもないんだけど。
まあ、中川あっきー主演でないと成立しないかもな。
怪人二十面相が、どこぞのお坊ちゃんにばけている、
というのが最初から観客にはわかっているんだけど、
そのお坊ちゃんの言動と、怪人としての行動が、
いつ合体するのか、それってすごい矛盾しないのか、
すごくハラハラしてた。
それを、ぐわあーーっとまとめて納得させてしまう、あっきーの狂気。
セリフが文学的なのがとてもとても良かった。
古き良き時代の空気があって、
でもテンポがいい。
時代設定もちゃんと明確で、
「北北西に針路を取れ」が公開されているとのことだから、1959年。
ということは、背景にある東京タワーは前の年にできたもの。
この時代が「怪奇」と思われるぐらい、時がたったのねー。
華族制度が崩壊して、元華族が困っている、という設定と、
乱歩の子ども向け二十面相シリーズが書かれていた最後の時期、ということだね。
しかし、この時代に「大東亜博物館」なんて名前の博物館はあっただろうか?
「大東亜」は忌避しそうだけど。
(https://www.tobunken.go.jp/materials/nenshi/5393.html
戦前に計画はあったらしい。)
ほかの出演者も豪華豪華。
じゅりぴょん、今さん、しっかり笑いをとってありがたい存在。
水田さん、ほんと色っぽい。
明智探偵役の加藤和樹、はじめて見たけど、テニミュ系?
身体の動きがすごくきれい。
例の咲良さんが出ているので観ましたが、
今まで出た中で一番メジャーかも。
ところで、私の勤め先の名前が登場してました。
1959年ということは、永田町はまだできてなくて赤坂。
5時で閉館って言ってたけど、1954年の閲覧案内を見たところ4時半まででしたので、
この1959年も4時半までだった可能性が高いです。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934288/16
(ご自宅からは見られず、「図書館送信」に参加している図書館でのみ閲覧可)
以上、重箱の隅でした…。
まあ、台詞としては「5時」のほうが言いやすいですね。
よくできてたし、スターさんの見せ場もいっぱいあるから、
東京のACTあたりで再演するといいんじゃないかなあ。
よくできてるよー。
娯楽作品として最初から最後まで楽しめた。
伏線とか、なんでこのナンバーあるんだ? ってのが最後全部回収されたのがすごい。
深いことは特になんにもないんだけど。
まあ、中川あっきー主演でないと成立しないかもな。
怪人二十面相が、どこぞのお坊ちゃんにばけている、
というのが最初から観客にはわかっているんだけど、
そのお坊ちゃんの言動と、怪人としての行動が、
いつ合体するのか、それってすごい矛盾しないのか、
すごくハラハラしてた。
それを、ぐわあーーっとまとめて納得させてしまう、あっきーの狂気。
セリフが文学的なのがとてもとても良かった。
古き良き時代の空気があって、
でもテンポがいい。
時代設定もちゃんと明確で、
「北北西に針路を取れ」が公開されているとのことだから、1959年。
ということは、背景にある東京タワーは前の年にできたもの。
この時代が「怪奇」と思われるぐらい、時がたったのねー。
華族制度が崩壊して、元華族が困っている、という設定と、
乱歩の子ども向け二十面相シリーズが書かれていた最後の時期、ということだね。
しかし、この時代に「大東亜博物館」なんて名前の博物館はあっただろうか?
「大東亜」は忌避しそうだけど。
(https://www.tobunken.go.jp/materials/nenshi/5393.html
戦前に計画はあったらしい。)
ほかの出演者も豪華豪華。
じゅりぴょん、今さん、しっかり笑いをとってありがたい存在。
水田さん、ほんと色っぽい。
明智探偵役の加藤和樹、はじめて見たけど、テニミュ系?
身体の動きがすごくきれい。
例の咲良さんが出ているので観ましたが、
今まで出た中で一番メジャーかも。
ところで、私の勤め先の名前が登場してました。
1959年ということは、永田町はまだできてなくて赤坂。
5時で閉館って言ってたけど、1954年の閲覧案内を見たところ4時半まででしたので、
この1959年も4時半までだった可能性が高いです。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934288/16
(ご自宅からは見られず、「図書館送信」に参加している図書館でのみ閲覧可)
以上、重箱の隅でした…。
まあ、台詞としては「5時」のほうが言いやすいですね。
よくできてたし、スターさんの見せ場もいっぱいあるから、
東京のACTあたりで再演するといいんじゃないかなあ。
カリソメノカタビラ(浅草九劇 9/14 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
オギー作、水さん主演。
浅草九劇ってはじめて行った。すごく小さい劇場。
素晴らしい作品でした。
フランス革命の時代、女装してスパイをしていた、ボーモンという実在の人物。
これを、性同一性障害の女性(心は男性)という話に置き換えた。
水さんの生真面目さがいきたね。
色気と才覚で生きているけど、すごく真面目で、アイデンティティに悩んでいる。
自分が納得できる生き方がしたい。その葛藤に涙涙。
音楽もよくて、斉藤恒芳。
彼女を見出して王様に紹介する、劇作家として名を残した実業家ボーマルシェと、
紛れ込んできたイタリア人青年(カリオストロ伯爵と名乗る)。
二人とも、水さんのことを好きなんだけど、それは絶対かなわない。
三人での楽しい時間がまた切ない。
水さん的には、愛する女性との時間があり、最後は忠義を果たすために…
うう、泣ける。
女性が男性と同じように活躍できる世の中になるかも?
女性はやっぱり花に過ぎない?
今、我々が、こういう女性差別がなくならないかな、と思っていることが、
いろんな形で提示されている。
実際の当時はもっとすごかっただろう。
歴史的な事実や人物がうまく絡んでるのがいいよねー。
王様とか女王様とか次から次へと変幻自在の
植本純米(植本純さんが改名されたのね)、うますぎ、かわいすぎ!
マリーアントワネットなどを演じた笠松はる、遠野あすかみたいだな。
話もいいし、みなさん上手だから、
ソロを熱唱する横で、花びらを扇風機で飛ばす、
なんて演出が、笑いながらも感動できる。いやー、上質上質。
浅草ならではの見せ物感を意識してるのかな?
カリオストロ役の溝口琢矢、見たことあるような、と思ったら、
ヒストリーボーイズのアンダースタディ…ってつまり見てないってことか(笑)
ボーマルシェ役の坂元健児、安心のさかけん、
さかけんが出てればつまらないということはない。
そういえば、音楽がベルばらへのオマージュっぽく、
宝塚版もアニメ版も、ちょっとメロディー使ったりしてたな。
話自体も、オスカルの存在を、もっと深く今風にしたらこうなった、
と言えなくもない。
ラストのアントワネットの牢獄を訪ねる場面もね。
衣装がちょっとちゃちいが、最後には気にならなかった。
DVDも申し込んだぞ~。
オギーは最近、こういう小さな劇場で、少人数で、
ちょっとショーっぽい要素もある芝居、ってのが、いいなあ。
浅草九劇ってはじめて行った。すごく小さい劇場。
素晴らしい作品でした。
フランス革命の時代、女装してスパイをしていた、ボーモンという実在の人物。
これを、性同一性障害の女性(心は男性)という話に置き換えた。
水さんの生真面目さがいきたね。
色気と才覚で生きているけど、すごく真面目で、アイデンティティに悩んでいる。
自分が納得できる生き方がしたい。その葛藤に涙涙。
音楽もよくて、斉藤恒芳。
彼女を見出して王様に紹介する、劇作家として名を残した実業家ボーマルシェと、
紛れ込んできたイタリア人青年(カリオストロ伯爵と名乗る)。
二人とも、水さんのことを好きなんだけど、それは絶対かなわない。
三人での楽しい時間がまた切ない。
水さん的には、愛する女性との時間があり、最後は忠義を果たすために…
うう、泣ける。
女性が男性と同じように活躍できる世の中になるかも?
女性はやっぱり花に過ぎない?
今、我々が、こういう女性差別がなくならないかな、と思っていることが、
いろんな形で提示されている。
実際の当時はもっとすごかっただろう。
歴史的な事実や人物がうまく絡んでるのがいいよねー。
王様とか女王様とか次から次へと変幻自在の
植本純米(植本純さんが改名されたのね)、うますぎ、かわいすぎ!
マリーアントワネットなどを演じた笠松はる、遠野あすかみたいだな。
話もいいし、みなさん上手だから、
ソロを熱唱する横で、花びらを扇風機で飛ばす、
なんて演出が、笑いながらも感動できる。いやー、上質上質。
浅草ならではの見せ物感を意識してるのかな?
カリオストロ役の溝口琢矢、見たことあるような、と思ったら、
ヒストリーボーイズのアンダースタディ…ってつまり見てないってことか(笑)
ボーマルシェ役の坂元健児、安心のさかけん、
さかけんが出てればつまらないということはない。
そういえば、音楽がベルばらへのオマージュっぽく、
宝塚版もアニメ版も、ちょっとメロディー使ったりしてたな。
話自体も、オスカルの存在を、もっと深く今風にしたらこうなった、
と言えなくもない。
ラストのアントワネットの牢獄を訪ねる場面もね。
衣装がちょっとちゃちいが、最後には気にならなかった。
DVDも申し込んだぞ~。
オギーは最近、こういう小さな劇場で、少人数で、
ちょっとショーっぽい要素もある芝居、ってのが、いいなあ。
御披楽喜(本多劇場 9/14 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
柿喰う客で今まで見た中で、一番わからなかった。
ここまでわからないと、ちょっとつらい。
美術大学の同窓生が、恩師の13回忌に集まるという話。
美大あるあるなエピソードが、柿らしくグロテスクに誇張されていて、
それぞれは面白い。
芸術ってなんだろう的な(ごめん、陳腐な言い方しかできん)
深いテーマも垣間見える。
漫画家になった人と、版画家になった人が、
漫画で描かれる架空の同窓生たちの未来と、現実とで、
戦っているのかな?? で、結局美術館はどうなったの?
わからない。ううう。
アフタートークで、
分かりすぎるセリフは削っている、
理解に追い付かれないよう、走っている、と言っていて、
うまい表現だなと思った。
その疾走感が柿のいいところだ。
しかし、全く追い付けないと、つらいよ~。
田中穂先の存在感がますます増していた。
玉置は、才能ないからこそ美大に残って生き残ることにした、こずるい役で、
あまり似合う見せ場がなかったように思う。残念。
ここまでわからないと、ちょっとつらい。
美術大学の同窓生が、恩師の13回忌に集まるという話。
美大あるあるなエピソードが、柿らしくグロテスクに誇張されていて、
それぞれは面白い。
芸術ってなんだろう的な(ごめん、陳腐な言い方しかできん)
深いテーマも垣間見える。
漫画家になった人と、版画家になった人が、
漫画で描かれる架空の同窓生たちの未来と、現実とで、
戦っているのかな?? で、結局美術館はどうなったの?
わからない。ううう。
アフタートークで、
分かりすぎるセリフは削っている、
理解に追い付かれないよう、走っている、と言っていて、
うまい表現だなと思った。
その疾走感が柿のいいところだ。
しかし、全く追い付けないと、つらいよ~。
田中穂先の存在感がますます増していた。
玉置は、才能ないからこそ美大に残って生き残ることにした、こずるい役で、
あまり似合う見せ場がなかったように思う。残念。
今日もわからないうちに(シアタートラム 8/30 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
ゆうひさんが専業主婦をやっている。意外。
BSでやってた『在庫に限りはありますが』と同じ「た組」の作品。
テーマは似ている。
一見うまくいっている夫婦の不和。
すばやくかわされる、自然なようでいてかえって不自然な会話。
しれっと登場する暴力。
家だけを忘れてしまう専業主婦。
浮気していた夫も、反抗していた娘も、サポートに回る。
専業主婦の父親ってのが、お金をたかるしょうもないやつで、
女性を持ちものだと思っているようなやつ。
串田和美なんだけど、ほんとに反吐が出るような役作りですごかった。
娘の役の池田朱那、テンション高くて勢いがある。
この子の存在が、話を前向きにしていた。
夫役の鈴木浩介、ひょうひょうとした感じも、怖くて面白い。
ゆうひさんが主婦なんて似合わないような気もしたけど、
だんだん記憶をなくしていって呆然としたり、
しれーっとお父さんを見ていたりするその「冷たさ」が、
ああ、ゆうひさんらしいなと思った。
BSでやってた『在庫に限りはありますが』と同じ「た組」の作品。
テーマは似ている。
一見うまくいっている夫婦の不和。
すばやくかわされる、自然なようでいてかえって不自然な会話。
しれっと登場する暴力。
家だけを忘れてしまう専業主婦。
浮気していた夫も、反抗していた娘も、サポートに回る。
専業主婦の父親ってのが、お金をたかるしょうもないやつで、
女性を持ちものだと思っているようなやつ。
串田和美なんだけど、ほんとに反吐が出るような役作りですごかった。
娘の役の池田朱那、テンション高くて勢いがある。
この子の存在が、話を前向きにしていた。
夫役の鈴木浩介、ひょうひょうとした感じも、怖くて面白い。
ゆうひさんが主婦なんて似合わないような気もしたけど、
だんだん記憶をなくしていって呆然としたり、
しれーっとお父さんを見ていたりするその「冷たさ」が、
ああ、ゆうひさんらしいなと思った。
人形の家part2(紀伊国屋サザンシアター 8/17 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
あの人形の家の続編を、ごく最近書いたもの。
よくできてる。
当時のノルウェーの女性は、自分からは離婚できなかったんだって!
しかも、自分ひとりでは仕事の契約をしてはいけないんだって!
家出をしたあと、夫が離婚の手続きをしていなかったと知らず、
ひとりで仕事をしてきたノラが、
そうした法律違反で訴えられそうになり、
久々に家に戻って、夫に離婚してくれるよう頼む、という話。
ノラはあのあとどうしたんだろう、と誰もが思うよね。
このお話では、作家になっているのだ。
そして女性たちの共感を得ていると。
でもやっぱり制度の足かせ、世間の目がある。
登場人物はほかに、乳母と夫と娘。
それぞれとの会話がどれも面白い。
特に娘。
娘は、いわゆる普通の結婚をしようとしている。
だって私は家族がほしかった、母親がいなかったから!
となじられると、ノラも言い返せない。
この娘の役の人がうまかった。
那須凛というそうだ。
低くてよく響く声が、得体の知れなさを感じる。
夫の山崎一がけっこう素敵で、
ああ、そういえば、前に見た人形の家ではあっくんがやってて、
それまたある意味素敵だったわよね…としみじみ。
暴力もふるわないし、浮気もしない、基本いい人、
でもでもでもでも、なのよねえ。
夫が最後折れて離婚してくれるんだが、
上から目線でほんとムカつく、そこがミソ。
肝心のノラ役の永作博美が、噛みつくような発声と、
いかり肩っぽい姿勢が気になり、
セリフがなかなか頭に入ってこなかった。
ノラが外に出て頑張ってきた結果こうなったのだろう、と思えなくもないが、
もう少し、緩急のある芝居で見たかった。
よくできてる。
当時のノルウェーの女性は、自分からは離婚できなかったんだって!
しかも、自分ひとりでは仕事の契約をしてはいけないんだって!
家出をしたあと、夫が離婚の手続きをしていなかったと知らず、
ひとりで仕事をしてきたノラが、
そうした法律違反で訴えられそうになり、
久々に家に戻って、夫に離婚してくれるよう頼む、という話。
ノラはあのあとどうしたんだろう、と誰もが思うよね。
このお話では、作家になっているのだ。
そして女性たちの共感を得ていると。
でもやっぱり制度の足かせ、世間の目がある。
登場人物はほかに、乳母と夫と娘。
それぞれとの会話がどれも面白い。
特に娘。
娘は、いわゆる普通の結婚をしようとしている。
だって私は家族がほしかった、母親がいなかったから!
となじられると、ノラも言い返せない。
この娘の役の人がうまかった。
那須凛というそうだ。
低くてよく響く声が、得体の知れなさを感じる。
夫の山崎一がけっこう素敵で、
ああ、そういえば、前に見た人形の家ではあっくんがやってて、
それまたある意味素敵だったわよね…としみじみ。
暴力もふるわないし、浮気もしない、基本いい人、
でもでもでもでも、なのよねえ。
夫が最後折れて離婚してくれるんだが、
上から目線でほんとムカつく、そこがミソ。
肝心のノラ役の永作博美が、噛みつくような発声と、
いかり肩っぽい姿勢が気になり、
セリフがなかなか頭に入ってこなかった。
ノラが外に出て頑張ってきた結果こうなったのだろう、と思えなくもないが、
もう少し、緩急のある芝居で見たかった。