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春日野八千代様逝去…!! [ヅカ的近況]

100周年のイベントには出演するものと決めてかかっていたから、かなりショックだ。

よっちゃんは、「男役」の元祖と言われるけれども、本当にそうだったんだと思う。男役と娘役が未分化だった昭和5年ぐらいから、分化する昭和9年ぐらいの短い間に、スターになっていったよっちゃん。歌や踊りの実力ではなくて、華と色気、男役芸で勝負するというスタイルを、時代が作ったのか、それともよっちゃんが作ったのか、いずれにしてもその象徴であることは間違いない。

もちろん、晩年は「象徴」であって、舞台で男役芸を見せてくれるわけではなかったんだけれども。でも、ある人がただ現世にいるというだけで、心の支えになるってことが、あったんだなあ。。。と。何かぽかっと穴があいたように感じる。(うわ、これって天皇制みたいなものだね)

劇団葬がバウホールって、どうなの。なぜ大劇場でやらないのだ。天津乙女のときは大劇場でやったんじゃないっけ?? スケジュールをギチギチに入れてるからこうなるんだっつーの。現人神が死んだのだから、大々的にやらねばならん。すぐでなくてもいいのだから。(やっぱり、天皇制だなぁ〜)

…70年史をざっと見たら、天津乙女もバウホールでした。大劇場で劇団葬や送る会をやったのは小林一三や米三(一三の息子で理事長。)でした。公平もやったね。しかし、全然別の会場で劇団葬をやった理事長(not小林家)もいる…。うーん、やっぱり宝塚歌劇団っつーのは小林家の持ち物なんだなあ…。我々にとっての現人神ですら、小林家の手のひらの中の存在なのかのう。

いやいや、ファンの心の中ではそんなことはないのです。最後になったトークイベントで、おおらかなスターさんっぷりを見せてくれたのが本当にうれしかった。本当はお茶目で、いたずら好きで、鷹揚で、だからこそ大スターさんで、でも舞台には命をかけていて、品を忘れない。よっちゃんの魂よ、永遠に…。

はあ、なんだかますます宝塚の将来が不安に思えてしまう。。。
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サン=テグジュペリ/CONGA!!(宝塚大劇場 8/25 15:00) [観劇メモ]

飛行機野郎の夢と友情。情熱的な恋愛とその不和。星の王子様に書かれている、抽象的なもの、純粋なものへの憧れ。

……言いたいテーマがありすぎて、全部がバラバラやねん。

ひょっとしたら谷先生は「上手くできた」と思っているのかもしれない。星の王子様のエピソードを、サンテグジュペリの生涯にちょっとずつ入れ込めてはいる。コンスエロとの出会いが、ウワバミの絵を理解してくれたという理由。コンスエロが不仲になったサンテグジュペリとよりを戻そうとするきっかけが、キツネと王子様の会話とリンクしてる。サンテグジュペリを撃っただいもんが、蛇も演じる。等々。

そいでもって、出だしは、戦後(サンテグジュペリが死んだ後)、星の王子様を捧げられたレオン・ベルトのところに、ファンがやってきて、、、最後はじつはその人が…! と、オチはついてる。

でも、エピソードがつながってないねん。

そう感じるのは、いろんな場面が唐突だからなんだよねー。人物も。みーたんの役は、突然出てきて「いつまでも愛しています」みたいに言うけど、あんた、誰? 一花ちゃんの役は、愛人なの? 支援者なの? そのあとどーなったの? コンスエロとどうしてよりが戻ったの? レオンさんとはどういう友達なの? ぽかーん。ぽかーん。

それぞれのテーマも、それぞれには共感できるんだけども。夫婦の不和、お互い子供だからぶつかりあってしまうっていうのが激しいダンスで表現されてて、それはよーく理解できた。飛行機野郎の友情も、ふみかちゃんが長台詞で説明してたり、で、なんとなくわかった。ラストのゆうちゃんさんの台詞で、戦争は絶対良くない、としみじみした。でも、バラバラやねん。

うーん、どうしたらええのかのー。頑張って脳内補完はできるけども。。。

蘭はなの黒塗り、エルサルバドル原住民の子孫、情熱的って役は、悪くない。大人っぽいエキゾチックな女性ではなく、少女が大人ぶっている生生しさがある。一花ちゃんの金髪と前髪がかわいいなあ。ゆうちゃんさんの最後の台詞がいいしねえ、だいもんと重い芝居がいいよねえ。べーちゃんの滑舌はだいぶ改善されている(比:コードヒーロー)。壮さんのキツネがかわいくてかわいくて。まさしく、飼いならしたいです。

ところで、パイロットの皮ジャンはすっきりしてるのに、技師三人の皮ジャンがもっさりしてるのは何故。道具とか入れるポケットがあるのかしら。ふみか氏をなで肩と思ったことはなかったが、ひょっとしてなで肩なのか? と思ってしまう間抜け感があるお衣装だわ。。。

ショーは楽しかった! 大介のセオリー通りではあるんだけれども、曲がいいし、テンポ良く進んであっというまだ。みんなが、ものすごくノリノリで、「俺を見ろぉぉぉ!」「あたしを見てぇぇ!」ってガンガンに歌い踊ってるのが、劇場いっぱいに伝わる。

オレンジと水色っていう色合いが、鴨川清作の『シャンゴ』ってこんな感じだったのかな、と思った(写真でしか見たことないので)。あ、シャンゴが浮かんだのは、芝居のほうで「風の神」って言われてたからだね。

らんとむのシュピシュピっとした素早い動きが、ラテンに合ってねえ。目が離せない。うーん、ダンサートップさんはほんといいわあ。カノンも踊りまくってたけど、でもやっぱり作品全体として密度が濃いほうが、俄然その踊りも輝く。

途中、静かな場面と、コミカルな場面が1つずつぐらいあって、一応バランスも取れてるし。

ふみか氏の出番では、シャウトするソロがあったのが珍しいかな。ルパラのカフェの歌は、早口で手に汗にぎることもありましたが(今だから言う)、シャウトは意外に声質に合ってていいと思う。


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紫峰七海 お茶会(8/25 サン=テグジュペリ/CONGA!!) [お茶会報告]

着物! 青と緑のうすーい感じの(説明できひん)、浴衣かな? そんでもって下駄! つまり生足! 帯が龍の柄なのが、かっこいいっす。

(お芝居)
王様の衣装はなんと、『天使の季節』の春野さんのもの。(ああ、あれね!)早変わりなので…。っと、ここで肉布団についてお話します(突然「講義」が始まる)肉布団には二種類あって、体に着るタイプと、衣装についてるタイプとあるんです。着るタイプは、言うたらダウンジャケット何枚も着た上に衣装を着るわけだから、とにかく暑い! でも衣装についてるタイプは少し、、、少しだけですよ! 基本は暑いんですよ! でも比較したら、ちょっと涼しい。(暑いということは強調したいらしい)で、春野さんは青年とおじいさんの王様の早変わりだったので、衣装に着いてるんです、肉布団が。(それでなんとなくぶかっとした感じなんだねー)

ああいう衣装の常なんですが、とにかくみんながどんどんぶつかってくる(笑)。あと、お腹をぽんぽん叩かれる。人気者なので、とても楽しいです。ピンクのカツラもお気に入りで、あのカツラだけで楽屋にいると、まるでキューティーハニーなんです〜(さすがにちょっと照れている)(でも、たしかにかわいいです、あれ)。なので、一瞬しか出ないけど、王様はお気に入りです。

コルノーさんは実在の人物です。年は30ぐらいで妻子あり。じつは、メルモーズさんより先に死んでいて、北極あたりでSOSを出したのが最後らしい。コルノーさんは天才的な技師で、メルモーズさんがすごいのは、全部コルノーさんのおかげ(出た! 自分が一番えらい的発言)時系列が史実とは違うんですが、みわっちさんに「残された者たちを頼む」って言われると、花組で頑張っていこう、っていう気になりますね。ちなみに、コレットさんはあのあと本当に死んじゃうんですよ。(ええっ…)

(司会さん:バーでアルベールさんを慰めているとき、どんなお話をしてるんですか?)みなさん、そういうこと知りたがりますよねー。(そりゃそーですよ)ほんと、たわいもないことしか話してないんですよ。あ、でも基本、芽吹幸奈ちゃん(カウンターの中にいる店員さんね)がオチなんです。彼女がちょっと声がガラガラのときがあって、その声がまるでオカマみたいだったんで(笑)、オカマのママっていう設定でやったり…今はもう声が治ったんで違うんですけど、ほんとくだらない、例えば(コルノー)「血液型何型?」(アルベール)「A型ですう」(あきらの役)「おれ? B型!」(コルノー)「ママは?」(ママ)「あたしぃ? ………、にいがた?(なんじゃそらーーーーー)ま、こんなふうに、ママが必ずオチをつけてくれるんで、そこを見逃さないようにしてください。

(ショー)
塗りは好きですね。でも久々なんで、スチール撮る前に、夜中にてきとーに調合して、暗いからよく見えなくて、朝みたら一晩置いたカレーになってて。とりあえずそれを塗ったんですけど、黒塗り初めての子もたくさんいて、みんな色がバラバラなんですよね。赤かったり、灰色だったり。なんでか、暗すぎると灰色になっちゃうんです。そうしたら先生が、「ふみかとじゅりあに合わせて」…私とじゅりあが基準色なんです!! でもてきとーに作った色だから、再現が難しくて、しかも、肌に優しくないものとかも入れちゃったんで、、、肌荒れしながら頑張ります。

(司会さん:どの場面が好きですか?)もし自分がファンとして見ていたら…(ヅカファン的視点で見る、がマイブームだとスカステで言ってましたね)蘭ちゃんのしゃちほこの場面と、あと海賊ですかね。海賊のおらおらおら〜って、ありそうでなかったですよね。あ、でも、『ラ・ノーバ』っていうショーに似た場面があって、ヤンさんがあの場面振り付けなんですけど、ヤンさんに『ラ・ノーバ』意識されてるんですかって聞いたら、そうだって。ヅカファンの面目躍如。(←こんな語彙は使ってなかったのですが、意味的に)

ゲームで当たった人が、なんでも好きなことをふみかちゃんにしてもらえるというコーナー。前回(近松)の東京のお茶会でもあったんですが、報告忘れてました。「後ろからハグしてください」とかみなさん大胆で、、、、今回も、「プロポーズしてください」「「いいこだな」って言って頭なでなでしてください」と、素晴らしい申し出がありました。はぁ〜、笑った笑った。よくまあ、そんなこと考えついて、そして、よくまあ、本当にやってくれますよねえ。会場が「ぎゃぁ〜」と歓喜と照れと笑いのるつぼになるのが、楽しかったです。

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大江戸緋鳥808(明治座 8/18 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

花組観て、ふみか茶参加してきたのですが、とりあえず真央様の舞台。これすらももう千秋楽迎えてるんですね。更新が追いつかない……遠征報告は間もなく間もなく…(って何かの芝居でマヤさんが言ってた台詞のような)

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『女ねずみ小僧』並みのものを期待してしまったのだが(同じ演出家岡村俊一だし)。

昔の少年漫画! って感じで、楽しい一面もありつつ、いまいちついていけなかった。

花魁がじつは元くのいちで、幕府転覆をはかる忍者軍団と闘う。しかし軍団のかしらは彼女の父親だったのだ! by石ノ森章太郎

⇒要素を分解すると、「悪の軍団!」(少年漫画よりもっと前にルーツがありそうだけど)「とりあえず手下がバタバタ死ぬ!」「その呪われた娘!」「でも正義の味方!」「その悲しみ!」(サイボーグ009やん。…あっ、サイボーグものって忍者ものの延長線上にあるのか)「ヒロインは強いけどモテモテ!」「でも男にはなびかない!」(これはキューティハニーだな。原作者違うけど)

いかんせん、類型的すぎて…。このあらすじ以外に、目新しい要素があまりなく…。

演出はけっこうかっこいいから、こういう世界が好きな人なら、すごーく楽しいんだと思う。ヅカだって、「突然恋に落ちる!」とか、ついていけない人は全くついていけないよね。

強いて目新しいと言えば、ワタルの役かなあ? 将軍の娘なんだけど、男の格好をしてて、武術に秀でてて、、、あんたが次の将軍になれれば、お世継ぎ問題もないのにねー、という役。清々しかったです。(とはいえ、こういう役も少年漫画にあるような気がしないでもない)

かしちゃんは町娘で、キャピキャピしてて、…うーん。顔がきれいだからそう扱いたいのはわかるが、持ち味とは違う。途中、「術」(笑)にかかって、ドスのきいた声でしゃべる当たりは本領発揮。あと、みんなを説得する長台詞も良かった。

しかし、フィナーレでかしちゃんは「トップ娘役が若手娘役引き連れて歌い踊る」風情の場面なのに、ワタルは男衆引き連れて男の格好で踊るという、、、同じ元男役トップなのにこの違いは…(笑)。

退団後初舞台のマヤさんは長屋の大家さん。すんなり馴染んでました。でも、マヤさんの持ち味はこうした「チャキチャキ」ではないような気がする。もう少し「間」を大切にする役どころも観たい。

東幹久が、絵師としてヒロイン真央様に惚れて(でも、かしちゃんの彼氏)、描ききった絵(ポスターのあのきれいな絵)がラストシーンを飾る、という重要な役。声はいいんだけど、早口すぎて何を言っているか聞きとれない。彼の目線で我々はヒロインを観たいんだけど、どうも上手く機能しなかった。

原田龍二も出てたけど、あんまり目立たなかったなあ。去年御園座で観たときのほうが、役的に目立ってて、周囲のジジババが「助さん、助さん」言ってたんだけど。それから、よくみる上手い人がまたいるな、と思ってチェックしたら山崎銀之丞。⇒金八先生の遠藤先生!? 『鈴子の恋』の駆け落ち邪魔したお父さん!? うわー、わかんないわー。

いやあ、それにしても大地真央さまは本当に「ザ・座長」でさあ、マツケンとの結婚生活もそりゃあダメになるよな、と思ったり。吉本新喜劇の未知やすえさんが、夫が座長だから自分は座長にはならない、一家に座長が二人いるのは無理って言ってたことを、しみじみ思いだす。

お衣装が素敵だったなあ。座長のはどれもこれもすごくてねえ。街着でも、すっごく鮮やかな色の縞模様だったりして、目の保養。名前「緋鳥」にあわせた、緋のかんざしがとっても素敵、売店でグッズとして売ればいいのに!

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ロミオとジュリエット(東京宝塚劇場 8/16 18:30) [観劇メモ]

この役替わりには無理がある。雪組のときにも書いたけど、主役二人が役替わりするのは、ダメだ。ラブストーリーに入りこめない。

そもそも10代の少年少女が、会ったその日に「結婚する!」と言い出す話には、「おいおい」と突っ込みたくなってしまうもの。それを「うっとり」にするには、よほどの歌唱力か(宝塚でそれは無理)、よほどの見た目のバランスか(今回はジュリエットの背が高すぎる)、さもなければ「この二人は唯一無二のトップコンビなのだ」という前提がないと不可能。

ラブストーリーだけでなく、友情や家同士の結束もいまいち感じられなかった。ロミオ・ベンボーリオ・マキューシオが子供の頃から友達でやんちゃしてたという一体感が、無い…。青チームや赤チームが、「ロミオが俺たちの若き棟梁なんだ!」「ティボルトが俺たちの若き棟梁なんだ!」と思う気持ちが、薄い…。マキューシオとティボルトの、喧嘩し続けてきて、最後はほぼ同時に死ぬという「絆」が、感じられない…。

観たのは明日海ロミオ、龍ティボルト。どちらも合っている役だと思うのに、深めきれてないように思う。もっとじっくり一つの役を深められたらよかったのに。ティボルトが死ぬ動作が段取りに見えてしまったし。みんなみんな、もったいない。

役替わり以外について。

思わぬ人が思わぬ歌唱を発揮してた。特にあーちゃん。あんな低音で、子音をきかせて歌うあーちゃんを初めてみた。マギー、今までどちらかといえば、がなってしまう歌い方だったけど、語るように歌ってた。歌で芝居してた。マギーが一皮むけたと思った。

肝心のジュリエット。やっぱり背が高すぎるんだが…、メイクが良くなったね! パンダ目にしていて、鼻ぺちゃ顔をかわいく見せることに成功している。そして、これまでの「娘役芸を頑張ってやっている感」がなくなり、自然になっていた。「媚」のないまっすぐなジュリエットで、好感が持てた。

乳母の役作りが、今までと違う完全な「道化」。メイクもわざと不細工にして、動作も一人だけ戯画的。こうしたことで、途中までジュリエットの恋を応援していた乳母が、突如「やっぱりパリスと結婚したほうがいい」と翻ることが、すんなり納得できた。「ああ、考えの浅い人なのね」と。いや、しかし、そうすると、美穂姐さんの素晴らしい歌唱で流した我々の涙はなんだったんだ、返せ! となる。あの歌での感動は、考えの浅い人に対するものではない。…そもそもが矛盾している役ってことなのかなあ?

越リュウパパの髭が良かったなー。召使とほんとにいちゃいちゃしてた!

キャピレット母のすーさんは、ちょっと柄違いか。すーさんの熟女は魔女っぽくなってしまって怖い。「本当にティボルトが一回やっちゃったんだろうな」ぐらいの現役感がほしい。

大公は歌も上手いけど、ちゃんとオジサンしゃべりも出来てた。研4だなんてすごい。

愛は、踊りは優雅で素晴らしい。が、表情が企んでる。せし子の慈愛の表情とどうしても比べてしまう。

死は、まるでビジュアル系バンドの人だった。この作品世界をつかさどっている人ではない。顔突っ込んで伴奏して楽しんでる、といった趣。

んで、みやるり! 一人で重〜い芝居をしていて、目が釘付け。特に、死ぬまでの喧嘩のところで、ロミオがやってきて「あちゃー」と顔を覆ったり、いちいち心情が伝わってくる。狂気の表情もいいねえ。ああ、みやるりマキューシオをもう一回観たいよ〜〜(あとマギーベンボーリオ)。

そうそう、肝心の新トップさんね。大階段にあらわれたとき、髪型のせいか、トシちゃん(宇月さんじゃないよ、たのきんトリオのほうだよ)に見えた! 自分の好みではないけれども、ある意味、ビッグなスターだわ、この人。

最後に演出について。ピンスポットでシルエットを背景に映し出す(例:バルコニーにいるジュリエットのシルエットをロミオが見つける)のが、良かった。


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双曲線上のカルテ(日本青年館 8/11 15:00) [観劇メモ]

チギが自分で注射する場面に、鼻血ぶー。今まで多かった熱血漢ではなく、ニヒルで違法行為連発で、でも本当は優しいお医者さん、という役が、チギにとても合っていた。ロン毛に眼鏡に開襟が、これまた素晴らしいビジュアル。

…というのがほぼ全て、な作品でしたが。それだけで終わるのもなんなので、その他感想。

石田の医療ものというと、臓器移植は素晴らしい! のおしつけになるんじゃないかと身構えていたんだけど、そういうおしつけがましさはなかったです。良かった。それに、医療にもいろいろあるのねーー、ということも伝わったし。これは、原作があるおかげなのかな。(原作知らないんです、すみません。中居くんドラマも見てないんです、すみません)

まあ、天使とか、看護婦がチャリティコンサートで歌って踊ってるとか、石田テイストは健在だったけども(笑)。

しかし、恋人が難病であることを知らされず、突然死なれるって、どうよ。死ぬ側からしたら「愛する人の笑顔をずっと見続けていたい」と思う気持ちは、わからないでもない。でも…死なれる側からしたら、「信用されてない」感じがして、相当ショックだと思うよお? 

それに輪をかけているのが、ヒロインの幼さ。。。お馬鹿で幼い女だから、真実を伝えなくてもいいのだ、というふうに見える。ものすごーく失礼なことをされてる気になる。せめてヒロインを、高貴で汚したくない女、として描いていたら、真実を伝えてもらえない失礼感が払拭されたかもしれないのに!

これは星乃あんりのつたなさによるのだろうか(去年のバウよりはマシになっていた)。それとも原作からそうなのか、石田の演出なのか。渡辺淳一も石田昌也も女性蔑視バリバリだからなあ。。。せし子の役も、あんまり描かれてないからわからないけど、「軽く遊ぶつもりだったのにしつこくつきまとう、お高くとまったイヤな女」が病気で改心した、ってことなの? だったらまたまた女性蔑視だよなあ。

そうだ! 石田には『傭兵ピエール』で、原作では高貴だったジャンヌ・ダルクをただのお馬鹿に仕立てた前科があるのだった! しかもお花様に、「とつげきぃぃ」なんて言わせてたんだった! 女が馬鹿に描かれる作品なんて、ヅカファンは誰も見たくない! (って、昔っから言われてるのに、治らないんだよね…)

演出上、肝心な死ぬ場面を描かなかったのも、失礼感を増していると思う。

ほかの出演者。

ともみんが、真面目なお医者さんで、しかも真面目すぎて笑いを取る、というのが本領発揮。『愛するには短すぎる』初演での、盆が回りながらのてくてく歩きで、この人はすごいコメディエンヌかも! と思ったものですよ。それに、チギとの組み合わせがとってもいいね。同期がいる組に異動、という昨今よくあるパターンだけど、頑張ってほしいなあ。美麗な並びに、キャラの違いもちょうどいい。(あ、そうすると、コマの立ち位置はどうなるんだ…)

せし子は、転向直後と思えない美しさ。しかし、声が渋い。にわにわの結婚指輪にドキドキ。亡くなった妻を今でも愛しているのね〜。朝風れいが、美麗なおじいさんで、代表作になるんじゃないか? 天舞音さらのアイドルも、代表作になるんじゃないか? (やっぱりこういう宛書は石田のいいところなんだよね)月城かなとくんは笑顔がキタロウくんに似てる(賛同は求めません)。夢華は、40〜50代のバーのママさん役。すごい貫禄で、適材適所。これをヒロインにしようと思った小林公平はやっぱり判断力がおかしくなってたんだな、と痛感する。研3にしては上手かったが、やはり台詞が上滑りな感はある。
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若いけど熟してる、それが魔法の力 [ヅカってなんだ?的記事]

そうなったらいいなと思っていたけど、無理なのかなとも思っていたので、とにかくめでたいです。壮&あゆっちトップ。

最近の若返り政策があまり私の好みではなかったので、熟した学年の二人であるというのも、うれしいです。ていうか、娘役は本来、これぐらいでトップ就任するのがベストだよね? 若すぎると、もったいない感じで辞めることになっちゃうよね? キャリエールを演じきれるような生徒が、トップになる。真っ黒い服で男を「妊娠したのよ」と脅すような怖い女性を演じきれるような生徒が、トップになる。いいじゃん、いいじゃん!

宝塚歌劇は、若くてきれいな女性が舞台に立つのを楽しむものなのか。若いことイコール「華」なのか。

否。少なくとも私にとっては。

宝塚は常に、全く正反対の要素をあわせもっているところだと思います。プロ、なのに、アマチュア、とか。男役、なのに、女装、とか。その正反対の引っ張り合う力が、舞台の上に、この世ではありえない幻を見せてくれる。このマジックを起こす力は、小林一三の矛盾ばかりの文章ととてもよく似ています。

だから、若い女性であることが前提なのに、ただ若いだけじゃ全然つまらない。むしろ、若い範疇の年でありながら、熟して熟して、大人の芸を見せられるようになったとき、初めて、魔法が起きる。私はそういう宝塚が観たいんじゃあああ。

まあ、銀橋でいたずら小僧のように客席を挑発してくる、やんちゃな壮さんと、ぷくぷくほっぺの可愛いあゆっちなら、じゅうぶん「若い」キャラだけどね^^;

それに、『若き日の唄は忘れじ』は映像で見て、いい作品だなあと思っていたので、とても楽しみです。たっくんの久々の日本物演出だし。(あと、まっつのTCA2003再びのブラックジャック!! あすかのピノコが見たいぜ!)(ベルばらは?ベルばらは?)(…)
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