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その後観たものまとめて。2021年11月 [観劇メモ(ヅカ以外)]

●阿佐ヶ谷スパイダース「老いと建築」

30代頃抱いていた希望が、
あれ? そんなつもりじゃなかったのに……
というのは、よくわかる。
ましてや70にもなると、体も動かないし、記憶もあやふや。
人生、全然違ったよね……となる。

それを家の建物を中心にして表現するという。
もう2階に上れないとか、暖炉を使わなくなったとか。
切ない!

時制が行ったり来たりして、場所も錯綜する。
演劇でしかできない表現。

村岡希美さんは顔も声も好きで、
「マダム・メルヴィル」(成宮くんと石田ゆり子が主演!)以来、
ちょこちょこ観ているけど、老婆役も本当に良い。
これから本当に老婆になっていったら、どんな演技を見せてくれるだろうと楽しみ。

●二兎社「鴎外の怪談」

劇チョコの「一九一一」観た人はぜひ、とツイートされてて、
それなら、とチケットを取った。
同じく大逆事件を扱った作品。
鴎外が、弁護側にも、体制側にも関わっていたとは、知らなかった!

今もまさに起きていることなんだよね。
非人道的なことが、
「次から直せばいいじゃん」「これを機会に〇〇協会を立ち上げればいいじゃん」
と言いくるめられていく。
現場にいる人は、抵抗しようとするが、だんだんと絡め取られてしまう。

高校の教科書に『舞姫』が載っててて、
女子は全員「鴎外サイテー」と思ってたと思う。
だからろくに作品を読んだこともなかったよ、ごめんよ、鴎外。

明治の価値観の姑と、
若くて小説も書いちゃう嫁。
遊び人だけど体制に批判的な後輩、永井荷風。
大逆事件の弁護を担当する熱血漢の後輩、平出修(一九一一にも登場!)。
軍医として出世したけど、常に葛藤している鴎外。
体制におもねるのがデフォルトの友人(舞姫の相沢のモデルだとか)。

そして、庶民を代表するような女中。

葛藤してるけど、体制から抜け出すほどの勇気はない、
エリスのことが好きだけど、駆け落ちするほどの勇気はない。
あるよね、そういうこと。
松尾貴史が、体格が良くて威厳があって、
でもいざというときすごーーく弱い鴎外をやってて、
そしてちょっと色気もある?

ただ、一九一一は下っ端役人だったからもろに感情移入できたけど、
軍医はすごいエライさんだからなあ、
そこまでは感情移入できなかったかな。

でも、妻の目を通して、
愛すべき人として見ることができるのが上手い。
あと、最後ちょっとした救いもあるのもありがたい。

荷風役が味方良介で、Take Me Outの映像でしか見たことなかったが、
あのちょっと早口な感じもいいね。
この荷風が、年とって、空襲で家焼け出されて、
戦後はストリップ小屋に入り浸りか~、と容易に想像できた。

●「ハウトゥーサクシード」

咲良さんがアンサンブルで出ているので観ました。
バリバリ踊ってて、アメリカンな雰囲気に合ってる!

作品は、古臭いのもここまでくると古典だなあ、と。
むしろ、日本が変わったから(もしくはアメリカ人の演出家が演出したからか)
これってむちゃくちゃ皮肉なんだ、とうっすら理解できたかも。

それか、宝塚ではないからなのかも。宝塚は精神的美徳を求めちゃうから。
主役のジャニーズの人がある意味すごく上手くて、
表面的にふるまうっていうのが成立してた。

雛形あきこが下手だし貧相だし、で、
セクシー美女に翻弄されるという部分は、成立していなかった。
もっとセクシーな人いるでしょう。
(ストリップ見てるからそう思ってしまうのか??)

オサさんが出てるのは感慨深い。新人公演主演だもんね。

役員洗面所の場面は本当に素敵。
黒須洋嗣さん、イケオジなうえにダンスも上手い。あ、もともとダンサーなのか。

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