衛生(赤坂ACTシアター 7/24 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
タイトルやポスターからは内容がよくわからず、スルーしていた公演。
夫が好きなラジオ番組複数(エレ片、荻上チキ)で紹介されていて、
面白そうだよ、ということで滑り込みで行ってみた。
とにかくシモの話で、その言葉を連呼したり、
やたら叩いたり、やたら合体ポーズがあったり、と、
中学生男子の悪ノリが全体をおおっていて、
これはそもそも赤坂ACTでやるもんじゃないよなあ、
キラキラミュージカルが好きな人はドン引きだよなあ、
と、空席の多い客席を眺めてしまう…
まあ、新感線のノリとも言えるので、
最後の大きな仕掛けは、やはり大きな劇場でやりたいんだろうなあ…
でも、新感線のような支離滅裂なストーリーや、騒音は
皆無だったので、自分的にはOK。
むしろ音楽はとても良いし、ストーリーもしっかりしてる。
というわけでじつは高評価。
後からじわじわくる、すごく面白い芝居でした。
ていうか、よく出来てるよ、これ!
戦後すぐ、汲み取り業者が、あくどいことをしながら、
だんだんのし上がっていって、町を支配する。
最後の場面は1980年の駅伝。
時代設定が細かくて、ちゃんと調べればいろいろ仕掛けがあるんだろう。
(駅伝はこのときはじめてテレビ放送されたんですね~)
場所は平塚、このピンポイントさも面白い。
脚本家の出身地の隣の市だそうだ。
(大阪公演、九州公演では伝わるかなあ、このニュアンス)
汲み取り業者の親子が古田新太と尾上右近。
この二人が悪の魅力を見せてくれないといけないんだけど、
右近さんは上品すぎた。ここは非常に物足りない。
相棒で有名な六角精児が、のらりくらりとした悪い政治家。
古田VS六角の、サウナでのタオル一枚巻いただけの、
悪いヤツ同士の対決ソングがすごかった。歴史に残る名場面(笑)。
政治家の秘書役、有名なのかな?
二幕では共産党から出馬して、それが六角さんへの愛だっていうのもおかしい。
彼ら悪い人たちに恨みを持っていて、殺そうとする人たちがいて、
その攻防が主軸なんだけど、
殺害未遂現場にいあわせた町の人たちが、
悪徳親子をかばう場面が秀逸。
ていうか、ここが一番言いたいことなのだと思う。
「自分の給料だけもらえればいい」「この会社のおかげで自分は生きてる」
「だから悪い人でもどうでもいい」「搾取され続けたい」
…今の社会と同じじゃん!!
「この奴隷たちから我々が搾取してあげるのが、彼らの幸せなんだ」
…竹中平蔵じゃん!! IOCじゃん!!
悪徳業者につぶされて恨みに思って復讐する一人に、ともさかりえ。
(ミュージカル初挑戦とのことで(上手い人だけど)やや小ぶりに見える。)
彼女の造形も、「おばかな人たちを導いてあげなくちゃ」と、
これまた「あるある」で興味深い。
住む市を変えれば世界が変わるわよ、っていう話は、
政治家が選挙区変える話だよね。
とにかくいろいろ面白いネタが詰め込まれてる。
この場面で、電柱を大勢で持ってくるくるする振り付けも面白い。
ともさかりえが惣菜工場でメンチカツとハンバーグを仕分けするナンバーとか、
六角さんが戦場でひどい目に遭うナンバーとか、
思い出すだけでも笑ってしまうナンバーがたくさんある。
特筆すべきは咲妃みゆ。
退団後はじめて観たが、もはや主役と思えるぐらいのうまさ。
1幕目では、岡山の村で夜這いの対象としてチヤホヤされつつ実質奴隷、
からの、抜け出して見世物小屋で修行を積んでたら、売られて、
悪徳業者の事務員兼おめかけさん。
だからやっぱりどこまで行っても奴隷なのね。
…という人生の果て、「命令する側は誰でも同じだから、
誰の嫁になってもかまわない、自分は決定権はない」
としれっと笑顔でいうのが、怖い怖い。
こんな設定なのに説得力を持たせられる演技力。
2幕目は、その娘で、母を殺された恨みをはらそうとする役。
つまり、女性の復讐の話とも言えるわけです。
1幕目の彼女は、「搾取されるのが幸せ」という町の人たちとリンクしているわけです。
うーん、深い!
音楽がすごく良かった。
多分その時代その時代っぽいテイストにしてるんだと思う。
あと、セットもレトロでかわいい。
冒頭に、シモの言葉連発でシャウトする人、誰だろう、
メチャ上手で、彼女のおかげで世界に入り込めた。
脚本家は『秘密の花園』を観てますね、私。
アングラが好きなのかな。
『俺節』もやってるのか。原作好きだから観たかったけど観られなかった。
男子の悪ノリを少し減らしてもらえるなら、また是非観たいです。
でもまあ、それをやりたいんだろうなあ(苦笑)。
夫が好きなラジオ番組複数(エレ片、荻上チキ)で紹介されていて、
面白そうだよ、ということで滑り込みで行ってみた。
とにかくシモの話で、その言葉を連呼したり、
やたら叩いたり、やたら合体ポーズがあったり、と、
中学生男子の悪ノリが全体をおおっていて、
これはそもそも赤坂ACTでやるもんじゃないよなあ、
キラキラミュージカルが好きな人はドン引きだよなあ、
と、空席の多い客席を眺めてしまう…
まあ、新感線のノリとも言えるので、
最後の大きな仕掛けは、やはり大きな劇場でやりたいんだろうなあ…
でも、新感線のような支離滅裂なストーリーや、騒音は
皆無だったので、自分的にはOK。
むしろ音楽はとても良いし、ストーリーもしっかりしてる。
というわけでじつは高評価。
後からじわじわくる、すごく面白い芝居でした。
ていうか、よく出来てるよ、これ!
戦後すぐ、汲み取り業者が、あくどいことをしながら、
だんだんのし上がっていって、町を支配する。
最後の場面は1980年の駅伝。
時代設定が細かくて、ちゃんと調べればいろいろ仕掛けがあるんだろう。
(駅伝はこのときはじめてテレビ放送されたんですね~)
場所は平塚、このピンポイントさも面白い。
脚本家の出身地の隣の市だそうだ。
(大阪公演、九州公演では伝わるかなあ、このニュアンス)
汲み取り業者の親子が古田新太と尾上右近。
この二人が悪の魅力を見せてくれないといけないんだけど、
右近さんは上品すぎた。ここは非常に物足りない。
相棒で有名な六角精児が、のらりくらりとした悪い政治家。
古田VS六角の、サウナでのタオル一枚巻いただけの、
悪いヤツ同士の対決ソングがすごかった。歴史に残る名場面(笑)。
政治家の秘書役、有名なのかな?
二幕では共産党から出馬して、それが六角さんへの愛だっていうのもおかしい。
彼ら悪い人たちに恨みを持っていて、殺そうとする人たちがいて、
その攻防が主軸なんだけど、
殺害未遂現場にいあわせた町の人たちが、
悪徳親子をかばう場面が秀逸。
ていうか、ここが一番言いたいことなのだと思う。
「自分の給料だけもらえればいい」「この会社のおかげで自分は生きてる」
「だから悪い人でもどうでもいい」「搾取され続けたい」
…今の社会と同じじゃん!!
「この奴隷たちから我々が搾取してあげるのが、彼らの幸せなんだ」
…竹中平蔵じゃん!! IOCじゃん!!
悪徳業者につぶされて恨みに思って復讐する一人に、ともさかりえ。
(ミュージカル初挑戦とのことで(上手い人だけど)やや小ぶりに見える。)
彼女の造形も、「おばかな人たちを導いてあげなくちゃ」と、
これまた「あるある」で興味深い。
住む市を変えれば世界が変わるわよ、っていう話は、
政治家が選挙区変える話だよね。
とにかくいろいろ面白いネタが詰め込まれてる。
この場面で、電柱を大勢で持ってくるくるする振り付けも面白い。
ともさかりえが惣菜工場でメンチカツとハンバーグを仕分けするナンバーとか、
六角さんが戦場でひどい目に遭うナンバーとか、
思い出すだけでも笑ってしまうナンバーがたくさんある。
特筆すべきは咲妃みゆ。
退団後はじめて観たが、もはや主役と思えるぐらいのうまさ。
1幕目では、岡山の村で夜這いの対象としてチヤホヤされつつ実質奴隷、
からの、抜け出して見世物小屋で修行を積んでたら、売られて、
悪徳業者の事務員兼おめかけさん。
だからやっぱりどこまで行っても奴隷なのね。
…という人生の果て、「命令する側は誰でも同じだから、
誰の嫁になってもかまわない、自分は決定権はない」
としれっと笑顔でいうのが、怖い怖い。
こんな設定なのに説得力を持たせられる演技力。
2幕目は、その娘で、母を殺された恨みをはらそうとする役。
つまり、女性の復讐の話とも言えるわけです。
1幕目の彼女は、「搾取されるのが幸せ」という町の人たちとリンクしているわけです。
うーん、深い!
音楽がすごく良かった。
多分その時代その時代っぽいテイストにしてるんだと思う。
あと、セットもレトロでかわいい。
冒頭に、シモの言葉連発でシャウトする人、誰だろう、
メチャ上手で、彼女のおかげで世界に入り込めた。
脚本家は『秘密の花園』を観てますね、私。
アングラが好きなのかな。
『俺節』もやってるのか。原作好きだから観たかったけど観られなかった。
男子の悪ノリを少し減らしてもらえるなら、また是非観たいです。
でもまあ、それをやりたいんだろうなあ(苦笑)。
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