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WEST SIDE STORY(国際フォーラム 1/13 15:00) [観劇メモ]

映画、大好き。何度も見た。
舞台は、劇団四季のを一回観たことがある
宝塚版は、98年月組版を生で観たことはない(←お察しください)。

体育館のダンスからマンボ、そして二人が出会うシーンの流れは、
今の言葉で言うなら、まさに神!

今回、生で、日本語で、観れて良かった~~
特に、宝塚で観れて良かったかも。

宝塚でWSSって、68年の初演当時は特に、
女の子があんなアクションシーンを、
という懸念があったらしい。
確かに、ほそっこいな、という気はする。
でも手足長いから10代後半の男の子には見えたよ。
喧嘩のシーンは、ダンスと殺陣の中間だから、
力が足りなくてやや段取りに見えてしまうけど、
ダンスだと思えばまあいい。

むしろ、若いってことがぴったりだな、と思った。
しかも、宝塚という閉鎖的な世界で、
理不尽なこと、嫌な感情にたくさん襲われながら、
懸命に生きている彼女たちが演じることで、
なんか不思議なリアリティを感じた。
10代の男女の演者でやってみるのもいいと思うけど(劇団四季は老けすぎ 笑)
宝塚という変なカンパニーならではっていうのを強く感じた。
これは、宝塚に夢だけ観ていたときなら感じなかったことかもなあ。

あと、普通なら、トニーが間抜けでかっこわるくて、
マリアはわがままでいまいち感情移入できなくて、
主役二人が、わりを食っちゃう話だけど、
宝塚のスターシステムで二人がクローズアップされているから、
ちゃんと二人に感情移入できた。

シマを荒らされたから、相手が挑発してきたからって
闇雲に喧嘩したら、取り返しのつかないことになる。
武器は持ってはいけない。
馬鹿だと思われても、対話をすべき。
…というメッセージがちゃんと伝わった。今、目の前にある話じゃん!
真風が最後の挨拶で「愛と平和」って言ってた。

真風の、シャツにネクタイ姿が良かったなあ。
あの胸板から腰のまっすぐ具合がいいわあ。
たまきちの場合は胸と肩のガチムチ感がいいけど、
真風の場合はストーンとしてるのがいいよねー。
(変態…)

真風とまどかの組み合わせは、
ヴァンパイアで全然いいと思わなかったし、
今も別にいいとは思わないけど、
今回のように人種が違うと、とてもいい効果が出ている。

キキちゃんのベルナルド、
もともと好きな役だし、リカちゃんがやってたから、
いろいろ比べちゃいそうだったけど、
全然良かった! ときめいたよ!
もともとスタイル超絶いいしね、頭の形がふみか様に似てるしね、
健やか系が多かったけど、
2番手時代にこういう黒い役やるのが、大事よね。

アニタはね…
自分がミュージカル女優だったらやりたい役(なんだそれ 笑)、
映画のリタ・モレノ最高、
だから厳しくなっちゃうけど、
顔と声が男役すぎた。女の色気が無いー。
ダンス、歌の技術は素晴らしかったけど。
リーダーの女という感じがしなくて、
肝っ玉母ちゃんになってしまった。
そのぶん、マリアのために犠牲を払おうとするくだりは合ってた。
じゅりぴょんはきゃしゃで声も高かったから、女っぽさがあったんだよね。

あ、96期だからっていうのはそれほど感じなかったな。
秋音光もほんと芝居が上手いよねえ。
裁判所で見た防犯カメラの映像は脳裡にちらつくけど、、
下っ端や傍観者にはそれほど罪がないと思っているのかな、自分。

えびちゃんが超かわいかったなあ。
ヴェルマって役で、リフの彼女、、、あれ? 
リフの彼女はグラジェラじゃないんだっけ?

リフのずんちゃん、華も技術もあるうえに、
今、少年ぽさがまだ残っている時期にやれたのも良かった。

じゅんちゃん(英真なおきさんね、念のため)がドク、、、
ロミジュリの神父様が同じポジションの役だー。
真風にとっては元組長さんで心強いんだろうなあ。

ところで、今、鈴木大介というライターの
振り込め詐欺とかに関するノンフィクションを読んでるんだけど、
「クラプキ巡査」のナンバーって、まさにその世界なんだね。
このナンバー、どちらかというと退屈な曲だと思ってたけど、
歌詞をちゃんと聞くと深い!
親はヤク中、アル中で、学校にも行かず、少年院では、家庭裁判所では…。
でも本当は頭がいい子も多いし、みんな情に厚い。
って、振り込め詐欺やってる子たちと全く一緒じゃん! 
ていうか本当に普遍な問題なのだ。格差の犠牲になる子供。
現代、振り込み詐欺をしているような少年少女たちを登場人物にしたら、
現代版のWSSになるだろうか???
うーん、、少年たちの背後にいる大人がキモかも。
WSSには、そういう悪い大人が警察以外出てこないけど、
本当(1950年代のニューヨークの裏社会と少年)はどうだったんだろう。
リフやベルナルドたちは、何をして生活してたんだろう。



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ネリ

そうそう、「少年ぽさ」があって、若さゆえの閉そく感が、現実(!)と相まって、よい表現として表出してると思いました。その中でのアニータのあり方が本当に難しい。マリアがあそこまで少女だと、どっちに寄せるか(姉妹か保護者かor女性か男性か)。。
来日版は、フィナーレがなく、(トニーの死体を囲んで)静かなままで終わってしまうので、ちょっと消化不良感がありました。その点、宝塚版はいいですね!
by ネリ (2018-01-22 10:22) 

竜眼

ネリさん、確かに! マリアが少女少女してましたね。98年は月も星も大人っぽいトップ娘役だったし、映画もわりとしっかり者。今回は、アニタとマリアが(義理とはいえ)姉妹関係には見えなかったですね。
そうそう、フィナーレぽいカーテンコールがあるのは救われました。98年はフィナーレを付けたくてもつけられなかったと聞きましたが、今回はここまでならOKになったんだ、と思いました。
by 竜眼 (2018-01-28 15:38) 

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