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市民よ怒れ [ヅカってなんだ?的記事]

タイトルはもちろん、エリザベートの一節。

新型コロナウィルスの影響で、
2月29日に観るはずだった、シアターコクーンの「泣くロミオ、怒るジュリエット」、
3月7日に観るはずだった、世田谷パブリックシアターの「お勢、断行」が
観られなくなりました。

オリンピック中止か!? との報道があったとたん、
2月27日に政府が、1~2週間、イベントを自粛するように、
小中高も休校するように、と「要請」し、
それにどこか(記憶する限り、サッカー、パフューム、四季でしょうか)が応えたら、
ばたばたっとみんなならったからです。
訴えられたらやばいっていう判断なんでしょう。

宝塚は、3月9日から再開して、
星組のムラの千秋楽(みつるさん退団)は実施できたけど、
結局、また政府から10日ぐらいの自粛の要請が来たので、
12日から休止。

そして今日、雪組の東京千秋楽は実施する、
映画館での中継は無し、かわりにスカステで生中継、
ムラの花組は27日からと発表がありました。

ほかの劇場も、だんだん公演を再開しています。


何もかも、科学的根拠がありません。
検査の数は諸外国に比べて少なすぎ、
実際の感染者数はおそらく、誰も把握できていないと思われます。
休校や自粛の要請も、当初は専門家に相談してもいません。
休校は文科省の役人たちもニュースで聞いて驚いたというほどです。

3月9日の専門家会議の資料には、
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html
密閉された空間で、手が届く範囲に人がいて、会話する、の
3つがそろった状況が良くないという。

じゃあ、劇場内は会話しないのに、なんで休止してたの??
出演者のためか。それならわかる。

でも、じゃあ、展覧会はなんで自粛してたの?

学校はダメで学童はいいのはなんでなの
街中では若者が暇だからってうじゃうじゃ遊んでるよ?

あげくに、3月14日の首相の会見だと、「緊急事態ではない」。
はあああ!??
何もかもが、行き当たりばったり。

そもそも、希望する人が検査を受けれていない状況が
どうして発生していたのか、これからどうする方針なのか、
ダイヤモンドプリンセス号の対処はどう総括するのか、
1月から、ずっと疑問だったことの答えが、
いまだに、まったく示されていないんですけど??



長ければ2年ぐらいかけて準備して、
衣装も大道具も作って、役者さんの予定もあけて、
稽古して、努力して作り上げたものが、こうして根拠なくつぶれる。
「お勢」なんて、ゲネプロ当日に中止決定。一度も上演されない。

舞台関係、経済的に大打撃で、今後どうなるか。心配しかない。

野田秀樹や平田オリザが声をあげて、
松尾貴史やラサール石井、ケラリーノ・サンドロビッチはもちろん、
ノンポリに見えていた役者さん、舞台関係者もけっこう発言したけど、
それにつくコメント類は惨憺たる有様だった。

試算では、チケットの払い戻しだけで57億だという。
https://twitter.com/pichixxx/status/1237577715718303744
それ、トランプに言われて買ってる兵器よりも、全然安いよ??
加計学園にあげたお金よりも、全然安いよ??
(その後、払い戻しは5000億円という試算も出ました)

音楽家や演劇関係者への補償について、共産党の小池晃が言及したけど、
政府が出した結論は、
「フリーランスで休校のため仕事ができなかった人だけに一日4000円」
ってなんですか、それ。
その後の一律で12000円ってのも、その雑でチープな施策はなんですか。
何もかもが、「やってるふり」です。



なぜ宝塚ファンの間では、
休演の是非や、政府の補償について、議論されないのだろう。

ハッシュタグで、ジェンヌさんへの愛を伝えることはあったけど。
https://twitter.com/hashtag/%E6%84%9B%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%82%88%E5%AE%9D%E5%A1%9A%E6%AD%8C%E5%8A%87%E5%9B%A3

新型インフルのときは、入り出待ちはしなかったけど(たしか)、
お茶会はマスク着用(ジェンヌも)、握手なし、でやった。水さんのに参加した記憶がある。
新型コロナは、潜伏期間が長いとか、重症にならない人が多いという違いがあって、
種類の違う怖さだけど。
(あと、ヅカファンは高齢者が多いという特徴もあるけど)

震災のときは、伝染するってわけじゃないから話違うけど、
余震があること、電気が少ない、しかも「不謹慎」ムード(これも最悪)で、
上演するかどうかの決断だった。
結局、それなりに上演したんだよね。
(そのころの時系列は『宝塚イズム』16号にまとめました。
https://books.google.co.jp/books?id=SIpxDgAAQBAJ&pg=PT105&lpg=PT105&dq=%E5%AE%9D%E5%A1%9A%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%80%80%E9%9C%87%E7%81%BD&source=bl&ots=hYDkMKEnkm&sig=ACfU3U0iQFeqghbGq61VeVJsH0na3LJmpw&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjPosLe_YToAhWJwZQKHQZJCNcQ6AEwAnoECAYQAQ#v=onepage&q=%E5%AE%9D%E5%A1%9A%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%80%80%E9%9C%87%E7%81%BD&f=false
今回のことも誰かどこかにまとめてー)

もちろん、何がなんでも上演すべきだとは言わない。

でも、どうして自粛を要請したのか、正しかったのか、どうして今再開してもいい雰囲気になってるのか。
科学的根拠や検討過程の公開がなされていないことは、どう考えてもおかしい。
(そもそもちゃんと検討してないということなのだろう…)

少なくとも、文化的活動の維持のために国が補償すべきでは?

台湾では50億が準備され、
ドイツでは首相の声明で、文化の大切さに言及したという。
なのに日本は。

なぜみんな怒らないの???
生命や権利や文化を守るために怒ることは、悪いことじゃない。
怒るべきときに怒らなかったら、ないがしろにされ続けて、
私たちの大好きな「文化」が無くなってしまうよ?

(…まあ、ヅカファンがいろいろ声をあげない最大の理由は、
ジェンヌという人質を取られているから、なんだけどね。)



この記事なんか、最低だと思う。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202003110000558.html
御用記者だろうに、なぜこんな書き方を? 何か裏があるのか?
あ、そうか。中止せよって声が多かったってことを、
ほかのファンに伝えたいのか。

しかし、「時期を読み間違えた」って、
感染者が出たならともかく、
自粛の要請に科学的根拠がないんだから、
間違いかどうかなんて、わからない。
単に、「ほかと足並みを揃えなかった」だけでしょう。

日本では、「ほかと合わせない」ことが最大の悪であって、
客観的にどうか、科学的にどうか、なんてことは、
どうでもいいってことだ。

いじめ裁判のときだって、倫理的には、
どう考えてもいじめが悪なのに、
「裁判起こすなんて、上に逆らうのは悪」って声が大きかった。
この記事で言ってることが近いです)

間違っていることに抗議しても、
「和を乱す」とか言われる世界。



つらい状況にけなげでに耐える。
宝塚ワールドで、私はいつも「けなげさ」に感動していた。

もちろん、今も、やるかわからない5月以降の公演のチケットも積極的に買った。

けど、けなげに耐えるだけ、けなげにチケット買って応援するだけでいいんだろうか。
こんなに経済が衰退した国で、
文化も人権も生命すらも大事にしない国で、
科学的な根拠を示すこともできず、行き当たりばったりの施策しかできない国で、
「これからも私たちが支えよう」という「けなげさ」だけで、
エンタメを続けていけるだろうか?






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少女仮面(テアトルBONBON 2/22 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

7年前に観たときは、
途中から、その上ほとんど見えないという状態だったので、
やっと、いろんな意味で、全部を観ることができました。

しかも、はじめて、春日野八千代役を元 ジェンヌがやる!
しかも 月船さらら!
ぴったりじゃん!

いやーほんと良かったです。 
ていうか、元ジェンヌ以外が今までやってたことが、不思議。
まあ、そう思うのは私が元ヅカファンだからであって、
そうでない人からしたら、別に気にならないんたろうけど。

男役芸ができていて、それを客観視して、戯画化しなければいけない。
それができるのは元ジェンヌで、でも今そういう世界から遠い人。

カッコいいんだけど滑稽。
滑稽だけど美しい。

前に観たときは、役者の肉体と心の話だと思った。
役者に勝手に思い入れてその肉体を奪うファンたち。
この残酷さは、男役だからこそきわだつ。
だからこそ元男役がやるのが切ないのよー。

じつは私、2003年の『シニョールドンファン』だったかな、
前のほうの席に座ったとき、隣がさららんファン数人で、
「お手紙にここ座るって書いたから見てくれるかな~」ってきゃっきゃしてて、
そしたらほんとにさららんがいっぱい目線くれたんですよ。
ファンに優しいんだな、と好感度アップしたことを覚えてます。

だからこそ、ファンに肉体を奪われると嘆いたり、
ファンを愛おしく思ったりする、春日野八千代の悲しみが深く感じられちゃう。

で、今回は、これは女性全体の話なんだ、とも気付いた。
自分が年とったからわかるんだろうなあ。
男の視線で奪われ続けた自分の肉体。それが衰えたら、私、何も無い! 
だからこそ、老婆役がいるのね。手に「少女フレンド」を持ってるのが象徴的。

さららんは、前に舞台を観たとき
アングラ世界の男が望む女になっちゃってる面もある? と思ったけど、
この作品はそれらを認識したうえで超えて存在してる。のかも!?

俺、わし、私、あたし、たくさんの一人称。
男役だったり、いかにも大袈裟な女優しゃべりだったり、少女、恋する女、
次々いろんな面を見せる春日野八千代。
さららんは全てを一人の人物画として統べて演じていた。素晴らしい。

ほんと、この話って、腹話術、水道、戦争、満州、
いろんな象徴が全部意味があって連動してて、名作だー。

ボーイ役の人のテンションの高さも良かった。


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El Japón―イスパニアのサムライ/アクアヴィーテ!!(東京宝塚劇場 1/4 15:30) [観劇メモ]

前言撤回。

大野作品良かった。まだ私はヅカファンかもしれない(笑)。

大切な人を失ったまま生きていく人たち。
『花のいそぎ』『睡れる月』、大野たっくんの作品は本当にそういう優しさに満ちている。
和賀城の戦いが前提にあるってことは、
『アテルイ』を生き延びた人、なのか。

みんなに役がある。これ最高。

家来が「自分は混血だから」って言うじゃん(あれ、希峰かなたくん?)
そういうちょっとしたところにまで、愛があるんだよねーー。

奴隷として連れてこられた日本人女性、
こういう働き方もあったんだ。
(女主人になった人もいたらしい)

イスラム教徒を働かせないことにして労働力が足りなかったとか、
知らないことばかりだー。

一人一人に役の人生があって、
歴史の小ネタがいっぱいあって。

自分は、『いだてん』や『この世界の片隅に』がすごく好きで、
一人一人にドラマがあることと、
歴史のコネタがちりばめられていること、
それを調べながら、そうかそうか~って二度三度味わうことが好きなんですが、
大野作品はまさにそれだったんだな。

リカちゃんがやめるとき、
柴田、正塚、荻田、大野作品がある限り、宝塚を観るだろう、
と思ってたけど、
その通りになっているなあ。

スポットライトがあたる人以外の人
(舞台で言えば主役、歴史で言えば市井の人々、宝塚で言えば脇役)
にまで思いが至って、しっかり調べて描いているってことは、
オタクとして小ネタ調べが楽しだけじゃなくて、
一人ひとりの権利を大切にして、尊重し合うっていう、
すごく大事なことにつながっていると思うから。

宝塚は、そういう場所だと思っていたんですよね、私。

違ったけどね。
でもそういう面が全くないわけではないんだろうな。

一方で、主役にばばーんとスポットライトがあたる、
大衆芸能らしさもあって、
その両立が面白いって思っていたんだな、自分。

遠のいてはじめて、わかった気がする。

真風さん、この役、すごく似合ってる。
別にトップになりたくてなったわけじゃないし…っていう「憂い」ね(笑)。

ききちゃん、出番少なさすぎと思ったら、最後めちゃくちゃおいしかった。

ずんちゃん、似た役が続くがまあいい。

雰囲気をがらっと変えてしまうすごい演技で、
でも若い人がいるけど誰かと思ったら、
英真なおき様だった(笑)

りんきら、もんち、このあたりが豪華でうれしい。
もんち最後なのか。
脇役万歳。

大介ショーも、安心感あって楽しかった。
ディスコっぽいのよね。2003年の『タカラヅカ舞夢』の男役祭りぽい。
(ただ、月組のタイのやつで似た場面あったような)
フィナーレのアンチェイントメロディーの昭和っぽさもすごく好み。
真風さんにも合ってる。

しかし、このテイストもそのうち、
我々が「岡田敬二のロマンティックレビュー、退屈だなあ」
って思っちゃうみたいに、
若い世代にはウケなくなるのかなあ。ていうかもはやウケてないのかなあ。

秋音光がタンゴで女役。
前から思ってたけど、ダンスも芝居もうまいよね。
もう少し踊りに毒があってもいいと思う。
…しかし、96期には、いろんな意味で思い入れ(笑)がある。
本名全部覚えてるなんて、96期しかいない(苦笑)。


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観たものいろいろ [観劇メモ(ヅカ以外)]

●「まじめが肝心」 恵比寿エコー劇場 1/24 夜

アーネストインラブのもとの戯曲。

宝塚では脱色されてたけど、これって階級をすごく意識した話なのね。
アーネストという名前にこだわる
くだらないことにこだわれる貴族を、面白がっている。
執事は裏でお酒をあおるし(相棒でヤクザ役で出てた人!)、
装置を動かす黒子さんは 労働者っぽい服装。

現代でもイギリスではそうだ、ということで舞台を現代にしてるんだけど、
貴族の服装が フツーで、インテリアもフツーで、貴族っぽく感じなかったのが残念 。 
現代はどうしても、誰でも似たような格好だから難しい?

話自体は面白く、くだらない内容を大真面目にやればやるほど、笑える。 

お目当ての采澤靖起が本当に安心して観れる。滑舌、テンポすべてよし。

もう一人のお目当ては、人形の家パート2で良かった那須凛。
テンション高い!
存在しない二階席に向かって芝居してるように見えたので、
もう少しコントロールてきたらなおいいなあ。
セシリイ役の人もいかにもセシリイで良かった。

●「メアリ・スチュアート」レッドシアター 2/8 夜

前に 観た神野三鈴と中谷美紀が良かったのでチケット取った。

きりやんがメアリ・スチュアートで、保坂千寿がエリザベス1世。

きりやんがキャラ違いだと思ったな。
きりやんは明るく賢い。
魅力的でもてるのはわかるけど、ダメな男に惚れ込む とは 思えない。
ていうか、 メアリ・スチュアートはそもそも難しい。
中谷美紀もちょっと違うけど、
儚いので、愚かな行動しちゃうんだろうな、と 。
別の作品だけど、「不徳の伴侶」のかなみがぴったりだったのもあり。

エリザベス1世のほうが、まだ感情移入しやすくね? 
「結婚するぐらいなら1000回死んだほうがマシよ!」とかさ。
保坂千寿は貫禄あって良かった。

二人は同じ衣装で、対になる動作が多い。
女優が演じているという枠組がある。
だから、女性の連帯の話でもあるのかな。
でもちょっとつたわりにくかった。

●「オルレアンの噂」 レッドシアター 1/11 夜

オルレアンの噂って、あれです、
ブティックの試着室からさらわれて売られるというやつ。

それを メインに、噂の様々なイメージで綴られたショー。 

小さい小屋で、少人数でオギーのショー。
なんて贅沢なのー。こういうのもっと観たい!

かなみが麗しくセンターで。
トシちゃんが怪しい美女になってたのに驚いた。
オギーのショーって現役時代に出たことないよね?
こんなに世界観が合うとは!

ゲストで 三井聡が出てた。
マジーのショーで上手いと思ったけど、今や大御所なのね。
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