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1789(東京宝塚劇場 6/27 15:30) [観劇メモ]

(ネタバレあります)

2008年の『スカーレット・ピンパーネル』以降、ベルばら以外のフランス革命ものが増えて、フランス革命を多角的に見れるのは良いですね。

これはご本家フランスのミュージカルで、アンシャンレジームに復讐を誓う農民が主人公。彼が、王太子の世話係の女性と、立場を超えた恋をするという趣向で、二人が出会うきっかけなどが凝っていて面白い。主人公がバスチーユの入り口をあけるために壁を登ったというのも、なかなかドラマティックな設定。

ただ、それ以外の登場人物も多くて、基本、群像劇であります。サブタイトルは「バスティーユの恋人たち」だそうです。でも、バスティーユと関係ないアントワネットの書き込みも多いです。

それで、主軸が無いということになっちゃった。えーっと、これは誰の物語なんだっけ??

いや、それは私が主演の人をあまり視界に入れていないというせいもあるのかもしれないんだけど。(好きな人、ごめんなさい。どうしても、どうしてもなんです)

って、私が宝塚の体裁にとらわれすぎてるのか?

いやいや、アントワネットをトップ娘役が演じることで、もともとの作品と比重が違うのかもしれないし。

どうしてトップ同士で恋愛させないんだろうねえ。アントワネットをやれる女役がいないということなのかな。ちょっと前だったら、あーちゃんか、彩星りおんなら演じることが可能だっただろうなあ。上級生でヒロインぽい役ができる娘役がいないとは、こういうことなのだよなあ(すーさんのことはもちろん好きよ)。で、アントワネットをトップがやるから、ヒロインは目立ちすぎてはいけない→役替わりにしよう→ヒロインだけ役替わりだと露骨だから、ほかの役も役替わりにしよう、ということなんだろう。まあ、それで早乙女わかばがヒロインをできたのだから、良いのだが(そういえば、バウでアントワネットやってたね~)。

そういうわけで、最後はバスチーユで主人公が死ぬことでオチとして、登場人物ほぼ全員が何もない舞台に集合して歌うんだけど、えーーー、「フランス革命大変だったよー」ってそりゃそうだけど、大きく括りすぎやろ。群像劇ならせめて、それぞれにふさわしい設定で歌わせてよ、と思った。よくあるじゃん、正塚作品とか大野作品で、最後主演の人が出てくるとき、チームになって小芝居してるあんな感じだったらいいのに。

というわけで、元がそうなのか、宝塚での改変が不自然なのか、まとまりがなく感じてしまいました。

あと、音楽もロックすぎて、BBAの自分には若干ノリきれなかったし。

けど、部分部分では楽しいことがいろいろありました。

アントワネット登場のルーレットに模したでっかい衣装が面白い!

フィクションだろうけど、ルイ16世がギロチン装置の模型で楽しそうに遊ぶのが、皮肉で面白い設定。

そうそう、主人公が農民で、革命を起こそうとしている人たちを「お前らはブルジョワのインテリで、俺たち農民のことなんか理解できないんだ!」って怒るのが良かった。そうそう、革命側が全員一致団結していたわけじゃないんだよねえ。

…小池修一郎お得意の舞台装置駆使! みたいなのはあんまり感じなかったなあ。

演者では、なんといっても、愛希れいかが1作品ごとにめざましく成長しているのが驚嘆に値する。もともとあまり好きなタイプではなかったけど、そんなことが吹っ飛んでしまうほどのパフォーマンス。アントワネットのソロに号泣。

美城れんのルイ16世も、愚かなんだけど善良で、切ない。もっともリアリティを感じるルイ16世の造形。

ネッケルがそれに次いで苦悩のあるいい役だったな。光月るうがいい役者になってました。

…王室側のほうが苦悩があるね。

コマとみくちゃん(これも役替わりの役)、芝居巧者がカップルになってるのがうれしかったな~。みくちゃんは主人公の妹なんだけど、父親が殺され、兄も家出しちゃったから、食べれないから娼婦になるしかなかったという…ソロが素晴らしかった。

マギーは安定の悪役。ソロが楽しそう。みやるりも悪役で、こちらは耽美派。ただ、戯画的に演じようとしつつも、どうしても元からの繊細な役作りが見えてしまって、どちらかに徹底したほうがいいのではないかと思った。うわ、えらそー、ごめん、好きだからこそ期待してしまうのよ。フィナーレで銀橋わたってて驚愕。がんばれー!

たま様は相変わらずがっちりムキムキで素敵。暁千星は綺麗でまだ情けなくて役に合ってるけど、フィナーレの衣装にスパンコールつき。そこまで上げなくてもいいのでは。宇月颯のダンスが神の域に達してた。紫乃小雪は文化祭で見たときよりも全然綺麗になってた。

あれ? 琴音和葉って退団なのにエトワールじゃないの?

メアリー・スチュアート(パルコ劇場 6/19 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

従妹で、対照的な二人の女性、メアリー・スチュアートとエリザベス1世を、二人芝居で演じるという作品なんですが。

この二人、現実では一度も会ったことがないそうですね。

芝居の中では、メアリー・スチュアートを中谷美紀が演じる間、神野三鈴はその侍女を。神野三鈴がエリザベス1世を演じる間、中谷美紀はその侍女を演じています。これが結果的に、メアリー・スチュアートとエリザベス1世が対話しているように見えなくもないという! 「エリザベス様からのお返事はまだ来ないの?」とメアリー・スチュアートが聞くと、侍女が「これこれこういう理由で書いてくれないと思います」と答える、それがエリザベス 1世が答えているように見えるというわけ。すごーく面白い構造。

一つ一つの場面はとても短くて、次から次へと、メアリー主体の場面、エリザベス主体の場面、と変わります。でも、たとえばメアリーが激昂して赤い 薔薇の花束をむしって暴れた直後、エリザベスが「サンバルテルミーの虐殺は…」と全然違う場面になるのに、赤い薔薇が血の比喩になっている…。そ うした転換の連続。

かっこいい! めちゃめちゃかっこいい!! 

こういうのって、お芝居でしかできないよね! 

舞台装置は、背後に鏡。二人が合わせ鏡であることを象徴しているんですね。音楽は、効果音みたいなのがかっこよく流れている上に、生のリュートがのっかる。これもかっこいい。とにかく、すべてがかっこいい。

テーマはもちろん、女性であること、です。「結婚するぐらいなら1000回死んだほうがマシよ!」と叫ぶエリザベス1世。理知的で、恋愛はゲームだと完全に割り切っている。なんで子ども産め産めって強要すんのよ、うるさいわよ、と。母親アン・ブーリンが、ヘンリー8世に都合よく捨てられたからこそ、女性ゆえの
不利益をこうむらないように、強固な意志で身を固めている。わかるなー。でも自分には絶対無理だな(笑)。

メアリー・スチュアートは(すんません、直前に予習するまでメアリー・テューダーと混同してました。メアリー・テューダー=レディ・ベスでハマコがやった役ね)、今の言葉で言うなら「だめんず」なのですね。賢くて、きれいで、教養ある貴婦人なのに、選んだ男はダメダメで、そこからケチがついて、坂を転がるように悪い男に利用されてしまうという。25歳から、処刑される44歳まで、ずーっと幽閉されていたんだって。

どっちにもちょっとずつ共感。ただ、予備知識が足りないのもあり、あとカトリックとプロテスタントの対立というどうしてもピンと来ない話が避けて通れないため、のめりこむほどではなかったかな。

中谷美紀がだめんずメアリーで、神野三鈴が理知的なエリザベスというのは、一見「逆だろ」って感じなんですが、お互いの中に自分を見出してい る、という感じで二人の関係性が見えて効果的でした。

中谷美紀は舞台で観るのははじめて。全然良かった。映像中心の女優さんが舞台に出ると、動き方がわかってないとか、やりすぎていたいたしいとか、が多いけれども、全く問題なし。年とってから(といっても44歳だけど…)の声が驚くほど素敵。神野三鈴は言うまでもなく、ものすごい迫力。二人とも、次から次へと場面が変わっても、どんどん引きこんでくれる。

カーテンコールで二人がとっても幸せそうな顔をしていたのが印象的でした。メアリーもエリザベスも、とても幸せとは言えない人生だけど、、、生き抜いたという意味では幸せなのかなあ。
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加齢、もとい、華麗なるヅカトーク [ヅカ的近況]

40代以上向けのサイトで、宝塚とは全然関係のない記事を書かせてもらっているのですが、このたび、ヅカネタの期間限定連載をしています。

http://dosuru40.com/takarazuka-fantalk/31844/

完全にこじらせている私ですが、この記事ではすっかり初心にかえっていて、自分でも意外^^;

いろいろな意味で対照的で面白い視点の方と、尊敬する編集長との、3人の座談会です。

40代以上の方、ご覧いただけたらうれしいです。

あ、別にこの記事の内容は何歳でも大丈夫なんですが(だってヅカファンはみんなフェアリー)、サイト全体はお若い方にはピンと来ないかと~


大海賊 / Amour それは…(神奈川県民ホール 6/13 11:00) [観劇メモ]

「みっ様おめでとう!!」という感慨と、「『大海賊』ってどんな話だったっけ」というドキドキと、いろんな思いがよぎって大変な時間でした。(注:私は紫吹さんのファンで、本格的に通うようになったのが『大海賊』からだったのです)

結論:『大海賊』は名作だ。

感情のつじつまがちゃんと合ってる! 

初演も今回も、そりゃあ洗練されてないし、単純な話だということは認める。でも、野口幸作の『ガーシュイン』とか、原田諒の『白夜の誓い』とか、 場面場面は洗練されてても、感情のつじつまが全く合ってない、もしくは感情が存在しない作品に比べたら、大傑作だと言ってもいいぐらいだ。

これって、時代劇だよね。義賊ねずみ小僧が自由を謳い、ねずみ小僧の名をかたって悪事をはたらく公権力を倒す、という時代劇「あるある」じゃん。

わたくし、ヅカにはまるまで、大衆娯楽らしい大衆娯楽は漫画しか知らなかったのですが、宝塚から派生して、映画、演劇、テレビドラマ…と観るようになって、それで今ならわかる。『大海賊』は時代劇だ。っていうか、大衆娯楽の王道を踏まえてるんだ。

ちょいちょい、いい話がはさまるのも上手い。ラッカム船長とアンが実の親子じゃない、とかね。ドクター、聞き耳、拝み屋、ウミネコ…船員たちの背景が見えるのもいいよね〜。

初演との大きな違いは…。みっ様には、リカちゃん(←紫吹さんの愛称ね、念のため)のような「受」要素が無い!(笑) ああ、そうか、リカちゃんって「受」要素がめっちゃめちゃ強い人だったんだなあ〜。子ども時代、海賊にやられそうになるところ、最後にエドガーと対決するところ、みんなして、ハラハラドキドキ、萌え萌えしていたんだなあ〜。(当時はブログもまだなくて、ファンサイトの掲示板で語り合っていました…懐かしい)

みっ様は安定も安定、何の心配もなく時代劇の世界にひたることができました。ふうちゃんもとっても上手。ただ、ショーを見ていると、ふうちゃんは大人っぽい役のほうがもっと魅力的かも?

あ、あと、曲がけっこう変わってた(多分著作権の関係)。


ショーも懐かしの岡田敬二作品。大劇場作品を担当しなくなって久しいけど、昔は「退屈」ってけなしてたけど、ごめん! やっぱりたまに見るとすごくいいわ! 

だって「うっとり」するもん!  「アムール、それは〜」とか「ラモーナ〜」とか、うっとりする〜。最近のショーはうっとりが足りない。芝居でベタなラブシーンが少ないのと同じように、ショーでもベタなうっとり場面が足りん。

もちろん、ただパステルカラーのドレス着てひらひらしてるだけは、退屈だよ。そこから「うっとり」に飛躍するのはなんだろう。

ポイントは、音楽かなあ。正直、『宝塚ファンタジア』に乗りきれなかったのは、音楽が好みでなかったからだと思うんだけど、懐かしのショーだと、 うっとりできる音楽が多い。楽器編成や編曲の違いかなあ。

みっ様の余裕あふれる「タメ」があるからかなあ。『大海賊』もそうだけど、こういうテイストを成り立たせるのはやっぱりスターの力なんだよなあ。

初演はあまり覚えてないんだけど、みっ様が60年代のアメリカンな歌を歌い継ぐ歌謡ショー場面が新設されていて、楽しかったー! これからも、 みっ様にがんがんに、そして余裕たっぷりに歌ってほしいな〜。

プログラムに岡田敬二が、暴力とかドラッグとかそういうのは不要、宝塚は美しく、というようなことを書いていた。なるほど。いや、それに100%賛成はしないけど、趣旨はよくわかる。

ほかのメンツは…、音波みのりちゃんがアン役。かわいいかわいい。礼真琴は完全3番手。地方のいまいちな音響でも、歌声がほんっとに甘くて、滑舌 もよくて、とにかくすごい武器だな、と思った。しーらんの聞き耳はきりやんよりも、よりコミカル。 夏樹れい様(ついに「様」がついた)が、あの美貌におヒゲだったのよー。マジときめいたー。



それにしても本当に、みっ様、おめでとうございます!!! 宝塚にはまだ良心があった! と友人たちと泣いて喜びあいました。実力も人気も兼ね備 えた人がトップになる、時間をかけて熟成された人がトップになる、そんな当たり前のことが、今の効率優先の世の中では、なかなか通らなくなってい ると思います。宝塚以外でも。そんな中、みっ様がトップになったということは、大きな大きな「希望」なのです。
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紫峰七海お茶会(6/7@カリスタ東京) [お茶会報告]

ピンク系のお花の柄パンに、白いジャケット。さわやか~。

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ムラのお茶会では出なかったお話を中心に…

Q.あのあと、総督一家はどうなると思いますか?

A.人民裁判は避けられないでしょうね~。イザベラだけは生き残ってほしいけど…ベルトラムも貴族だからダメか。

(おっと、現実的。愛革の議長さん=自分が「死刑!」って言うのかなあ…)

宝塚ファンはフランス革命のお話しをいろいろ知ってるから、この裏でこういうことがあったんだー、って感慨深いですよね。一方その頃オスカルは! 勲章をはずして啖呵切ってた! 一方その頃アンドレア・シェニエは! 一方その頃まさおくんは! 

(「一方その頃」をたたみかけるように言うのが面白いのです)

Q.つかまったあと、みなさんで何話してるんですか?

A.今日は、たその髪の毛が、ぴよんって立ってたので、何かと交信してるんじゃないの? って話になって、たそが「…もうすぐお嬢様が失恋します…」とか予言しだすという。くだらないですよねーー

あそこにいる兵隊さん二人は、最初のパーティの場面にもいるんですよ。だから、寝返ったってことですよね? 「おい、ピエールじゃないか!? 寝返ったのか?」って話しかけてます。ピエールとか名前つけてあげたんです。最初は「ぴ、ぴ??」とかぴよってたんですが、最近はちゃんと返してくれるようになりました。

(副組長の実地指導ですね!)

Q.アニータ(美穂さん)、ヴェラ(じゅりあちゃん)、セシリア(きらりちゃん)の中でやりたい役は?

A.なんで上から3人なの!? アリシアとかシモーヌはないのー? うーん、アニータはまだ無理だと思うからー、あっ、「まだ」とかおこがましいですね、めちゃくちゃおこがましいですね。

(やたら照れて、手をぶんぶん振る。かわいい)

じゃあ…セシリアでお願いします。

(将来、アニータのような役をされる日を楽しみにしてをります)

Q.ロベルトはどうして突然カルロを助けることにしたんですか?

A.ベルトラムが持ってきた手紙が鍵なんですよ! あの手紙、なんて書いてあるか気になるじゃないですか。稽古中にキキちゃんに聞いたら「大石先生に 聞いたんだけど、そんな難しいこと考えなくていいって言われた」そうです!

(なんだよそれーーー。考えようよーーー。)

(一方その頃、ショーのお話しでは。)

A.プロローグが一番しんどいです。出入りが激しくて、走ってばかり。踊るのよりも走るほうがつかれるって知ってます?(知らないです)

羽扇も風圧が、あれ? 風圧?(風の抵抗、ですかね)が強くって大変なんです。

黒燕尾はKAZUMI-BOY先生の振付で、右に回って、左に回って、みたいなのが特徴なので、燕尾のシッポがからまっちゃうんです! からまずにできたときは、よっしゃ! って思う。

(そのほかの質問。)

Q.最近食べておいしかったものはなんですか。

A.……(長考)……すごく昔のことなんですけど、あまりにおいしくて、どうしても忘れられなくて、って、なんだか昔の恋みたいですね!

(またも、やたら照れる。「昔の恋」ってなんだよ~。)

(ちなみに「昔の恋」=「さんまの土鍋」でした。おいしそう!)

Q.幹部部屋はどうですか?

A.とにかく、らいちゃんがおかしいんですよ。ごはん食べに行くときの席順を相談してて、いつも学年順だとつまらないから、愛称の順とか。「ふ(ふみか)」と「ら(らいらい)」だから近いね、って言ったら、「私の愛称は「美少女戦士セーラームーン」だから、「び」」とか突然言い出すんですよおおお

ふーみんは、あ、私のことをらいちゃんは「ふーみん」って呼ぶんですけど、ふーみんって言ったら細川ふみえさんということらしく、「きょにゅうのふーみんは「き」」だって! え、きょにゅうじゃないですよ、ないですよ!(←聞いてません)

さおりさんも「う、うん…そ、それでいいんじゃないかな(呆然)」って。

(いろいろな意味ですごいですね…)

Q.きらりちゃんがこの公演で退団ですね。

A.きらりは、すごくしっかりしてるんだけど、舞台ではザ娘役で、組めるとうれしい娘役さんでしたね。あと、ファン時代が同じヤンみき世代なんです。二次会で(大劇場の打ち上げの二次会かな?)DVD大会でその時代のをたくさん見たんです。お店がビデオが見られないってことだったんだけど、「大丈夫、全部DVDに落としてあるから!」って。こういう方たちがいて、その花組にいられる誇りを、下級生にも持ってほしいと思って。

(をををを)

こないだ真矢みきさんが観にいらして、きらりちゃん、宝塚に入って一番良かったのは、真矢みきさんに会えたこと、とか言ってた(笑)

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最後にあらたまって。

会のスタッフの方、それにもちろんファンのみなさまへの感謝の辞を述べられました。ぴーちゃんと、それぞれお茶会で話そうね、と約束したそうです。

ウルウルしちゃいました

その中でおかしかったのが、

「私なんか、しゃべりのプロでもなんでもなくて、そのへん歩いてたら、ただのおばさん…? おじさん??

会場爆笑

そのへんに、こんなおじさん歩いてませんって!


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戯作者銘々伝(紀伊国屋サザンシアター 6/7 13:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

山東京伝や式亭三馬といった戯作者たちと、版元蔦谷重三郎の魂が、三途の川?であれやこれや楽しく語り合うという趣向。

ちょっとおかみを揶揄しただけで禁固刑になる世の中。そんな中で「書く」ってどういうことなんだろう。おかみの言うこときいたら、書き続けることができる? それとも首をはねられること覚悟で書くべき? 「ちょっとした笑い」とか「一瞬の楽しみ」に、364日をかけてしまう人たち。

こういう話は好きです。

1幕は、それぞれの戯作者のエピソードが2〜3。この内容はとてもよくて、じわっときます。

でも、それをつなぐ、みんなで語り合っている「地」の部分が退屈。なんでだろう。割り台詞(で合ってる?)になってるからかな? それぞれがキャラクターとして語っているのではなく、「語り」をみんなでちょっとずつしゃべっている。なんとも古臭く感じるし、過去形で語るばかりなので臨場感がな く、置いていかれてしまう。

また、最初に語りだすのは蔦谷重三郎なんだけど、彼の内面にフォーカスするのは1幕最後だけなので、誰が主人公かわからない。いっそ、読売役を完全なナレーターにしてしまったほうがいいのでは。

2幕は、山東京伝と花火職人の話。こちらは現在形の話で、山東京伝が主人公と明確なので、ぐいぐい引き込まれた。花火があがる場面では、泣いた。 泣いたよ。

山東京伝の北村有起哉が素晴らしい。っていうか、ヒプノゴギアでこの人すごいなあって思ったんだった。とにかく声がいいし。自由自在に役として生きている。

お目当ての、柿食う客の玉置玲央。1幕ではたいした役がなくておや?と思っていたら、2幕の花火職人だったという。思いつめた感じがよかった。 (この日、夜はふみか茶だったわけですが、ふみかちゃんの顔を見ていて、ああ! と気づいた。玉置は、ふみかさまに顔の骨格が似てるんだ、そうか、そういうことか(笑))。

山路和弘さんはいろんな役をやっていて、七変化。おばあさん役がけっこう綺麗だった(笑)。タニ主演の『写楽』では蔦谷重三郎だったよね。

客席の年齢層が高くて驚いた。「こまつ座」のファンってことなのかな。

後から調べたら、井上ひさしの短編をつないで新たに作った作品とのこと。それでつぎはぎなんだなあ。役者さんはどの人も上手いので、ちょっともったいなかった。もう少し練り練りして、地の部分を無しにできなかっただろうか。

カリスタの謎とツボ [観劇メモ]

ロベルトが最後、いきなり心変わりして、フランス側を攻めるのではなく、カルロを救出し、そこにナポレオンがやってきてハッピーエンド、というラスト。

ひじょーにわかりにくいです。「はぁっ!?」となります。この作品の唯一の瑕疵と言ってもいい。

お茶会で誰か種明かししてくれてないのかなあ。最近、お茶会のレポ禁が多くて困る。作品解釈に関しては禁止する必要ないと思うが(ツイッターのような短文は誤解されやすいっていうのもあるんですかねえ)。

重要な情報を教えてもらいました。ムラの最初には無かったが、途中から、ベルトラムが手紙を持ってきた際に、「アリシアが口走ったのと同じだ」→ベルトラム「ちゃうちゃう!」みたいな表情→ロベルト制止、さらにロベルトが立ち去るときにベルトラムに「うむ」とうなずく、というのが追加されているそうです。

なーるほどー。ベルトラムの手紙に書いてあったことで、ロベルトは考えを変えたのですね。手紙をみんなに「読むか?」と聞いているのは、仲間が字を読めないことを知っていてわざと聞いているってことか。

それにしたって、せめて台詞の一言ででも「お前の手紙を読んで考えが変わったんだ」というようなことを最後に種明かしすればいいのに。

(ナポレオンがやってきたのは、全く予期せぬことだったってことですよね。ナポレオンはカルロとの会談で「そんな暇ないしー」って言ってますからね。)

となると、気になるのは、手紙の内容。

問1:カルロがベルトラムに持たせた手紙にはどのようなことが書いてあったか。200字以内で答えなさい。(配点30点)

現代文の問題みたいで、考えるの楽しいです。

助けてくれ、なんてことは書いてないですよね、きっと。そんなこと書いてあったら、ロベルトはむっとすると思う。むしろ、カリスタを頼むみたいなことが書いてあるんじゃないかな。お友達が「アリシアを頼むって書いてあったかも」と言っていて、それはロベルトにはぐっとくるだろうなあ、と思ったり(いや、逆にむっとするかなあ??)。


その他のツボ。

総督夫人きらりちゃんがカルロをテラスで誘うときの、間男にする気満々な様子が好き。

エンリコ(らいらい)が下手花道から去るとき、一緒にいるのはタソなのね。プログラムには「フランス兵A」としか書いてないけど、バルドー曹長の20年前ってことだよね!? もみあげ一緒だし! 20年であんなに太っちゃったんだ(笑)

じゅりあちゃんがラブシーンの後に出ていく「あいよ」がすごいかっこいい。

ドレスを着たアリシアが腰のリボンを結んでもらうときの、カルロの「ゆるくするかい?」が、もーーーー。キュン死ってこうゆうこと?

アニータが「あきらめな」としきりに言うのは、アニータが恋人の死をあきらめてきたからなんだろなあ、と思うと切ない。

…こうして書いてみると、娘役の話題が多いなあ。やっぱり女性目線の脚本なんでしょうね。

だって、カルロとロベルトの間で萌えーとか、あるんですか? あまり聞きません。むしろ、カルロとナポレオンだよね? あー、そう考えると、キキちゃんにそういう不健全さが無いというのが原因なのか、良くも悪くも。


まあ、そんなこんなでカリスタをけっこう楽しんでます、という話でした。


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