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ビリー・エリオット(赤坂ACTシアター 10/12 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

有名なので一度は観なければ、と思って春のチケットを取ったらコロナ。
延期とはいえ、上演できて本当によかったです。
少年の「今」は、今しかないからね。

とにかくナンバーが、特に振り付けが良いですねえ!
おばあさんの回想シーン、すごい! 
上手から次々あらわれては消えていく、夫の幻影。
誰それの妻、でなかったら私の人生どうだっただろう、って、泣く。
こういう女性が、いっぱい、いっぱいいたんだよ。いや、今もまだまだいる。

自分としては、お父さんと先生に感情移入した。
橋下さとしと、トウコちゃんの二人が、とてもとても良かった。
過去の自分を清算して、新しい世代を応援しなければいけない、
その心情、わかるわ~~~。
ぶつかり合いながらも協力することになるのもいい。
『あまちゃん』の薬師丸ひろ子と小泉今日子だよね(と、突然思った)。

お兄ちゃん、おばあさん、友達、いろんな人のいろんな人生がある。
その中核にいるのが、ビリーという少年。川口調くん。

児童なんとか法違反なのではないかと思うぐらいの活躍。
もちろん、演技がこなれているわけではないんだけど、
その素朴さも、少年らしくて良い。
ダンスも歌もすごく上手!
お子さんがたくさん観劇してた、みんなバレエ習ってるのかな?

イギリスの炭鉱ストライキは有名で、
フル・モンティとかもそうだよね(見てないけど)。
でも、日本で、たとえば安保闘争が設定の、感動作ってあるかな? 
社会派作品はそりゃあるけど、家族で見られる感動作で安保が出てきたり、しないよね。
サッチャー批判に相当するような政治の話題も、出てこないよね。
そこが、なんだかなあと思う。

この舞台で言われていること、演者や観客はどれくらい理解してるんだろう。
今、日本で起きていることなんだよ!
「俺たちは仕事を奪われるんだ」って怒ってる、その「仕事」は、
炭鉱だけじゃなくて、舞台に出演することなんだよ!!!

…俳優の労働組合すら、実質、無いからなあ、日本は。
本当なら、終演後に俳優の労働組合の募金活動があっていいはずだ。
コロナでたくさんの舞台が中止になって、なのに全く補償されていないのだから。

ビリーが学校を受験したとき、
明らかに階級が違う層に「スト、頑張ってくださいね!」って笑顔で言われて、
びみょーな空気になる場面、
あれ、日本だったら「スト、頑張ってくださいね」すら言われない。
「ストなんて迷惑」って言う人が多いじゃないですか。

炭鉱は確かに堀りつくしたらなくなっちゃうけど、
だからといって、ストは無駄なことじゃない。
働く人が不当にクビになったりしないように、ブーブー言うことで、
ほかの仕事の人が働きやすくなる。
それは、ビリーに「希望」を託すのと、同じことなんだよ。


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