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オーシャンズ11(シアターオーブ 6/20 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

花組版を何回も観たせいでセリフとか頭に入っちゃってるだけに、ちょっとした違いがムズムズして、最初は恥ずかしかったです。

え? なんで恥ずかしい?? …香取慎吾@ダニーと観月ありさ@テスが、舞台の上で「役」として立っていることにそもそも慣れてなくて、決められたセリフと決められた動きをしている、という感じで、それがすごくこそばゆいんだよ~~。ド下手っていうほどではなく、セリフの抑揚がそれっぽいだけに、こそばゆい。二人ともスタイル抜群なのになあ。特にしんごちゃんは、映画やドラマで下手だと思ったことがなかっただけにショック。大人っぽく見せようとしているのか、動きや表情がすごく少ないのも不自然。だんだんオジサンの年齢になっているのに、声だけ若いのも、太川陽介みたいで違和感あり。観月ありさは、そもそも手をどうしたらいいのかわからないという感じ。

その点、ラスティ@山本耕史はダントツに輝いてた。ジョンソン医師も大ウケ。舞台の上で自由自在。ダンスも上手い。家に帰ってその話をしたら、夫が「で、前髪前線はどうだった!?」と聞いてくる。いや、そこは全然気づかなかった(笑)。「映像だとそこがすごく気になるんだよ!」…舞台だとそういう細部は全然気にならないですね(笑)。

つくづく、舞台と映像って、違うんだなあ。『新撰組』の近藤さんと土方さんなのになあ。

サカケン@イエンは筋肉を活かしてアクロバットを見せるだけじゃなくって、こちらも演技指導(アドリブなのかな?)でのすごい中国語の羅列が面白い。ずっと同じ言葉をそれっぽく言ってるだけなの。

橋本さとし@ベネディクトも、きりやん@ダイアナも、安心して観られる。(それだけに、もっと新曲とか書いてあげて! という気も。)

やっぱり舞台は舞台の人で観たいよ~。

その他のキャストについては…

我らがルーベンさんは、芋洗坂係長。この方、『ゾロ』のガルシア役で上手いなあと思っていたのですが、今回も期待通り。かわいいオジサンでした。「了解!」の言い方、良かったなあ。

ソールの斉藤暁は『踊る大捜査線』に出てる人だね、ドクトルゼルガの場面で、ロシア語の「ダー」を、日本語の語尾の「だ」と兼ねてるのが面白かった。

リビングストンの水田航生はテニミュの人らしい。ウォーリーを探せみたいなスタイルでオタクっぽいのがまず有利、でもってブレイクダンス?がすごい上手い! 

フランクの角川裕明はどこかで観たことあると思ったら、『アイーダ』に出てたのか。この人は踊らないのかな? 歌が色っぽくてかっこよかったなー(つーか、フランクって映画だとどでかいおじさんだけど、舞台ではイケメン枠なのね)。

ライナス役のジャニーズの子は、歌も踊りも芝居もできて、顔も整ってる。ただ、足が短いという(笑)。まさにジャニーズ。

ポーラは大根(舞台に慣れてないというよりも、棒読みなタイプ)なんだけど、スタイルがめちゃめちゃいいよ~。かわいくて色っぽい~。と思ったら、フランク莉菜だった。

スリージュエルズは、横に大きい人、縦に大きい人、ちっちゃい人という組み合わせで、こういうのも外部ならでは。ちっちゃいのが、いまっち。おとぼけ顔の美少女という感じで、可愛かった!

リカルド役のおじいさんも可愛かったな。

キャストについてはこんなところで。主役二人以外は、それぞれ役に新しい息を吹き込んでいて、楽しかったです。やっぱり、もともとが「スターさん出ました!」×11というつくりのお話なので、それぞれのキャストの嵌り具合、役作り、そういうものが面白いかどうかが大事ですよ。

宝塚作品を宝塚以外でやる、ということの違和感とかはそれほどはなく。ニュアンスとしては、ラスティってこういう、とことんチャラい人だったのね、とか、エル・チョクロってストリップ小屋なのか、とか、生々しさが少しあったけど、それもまた一興。あとは、男性ダンサーの跳躍力はすごいな、とか。

そうそう、新曲が2つ。ダニーとラスティが歌う、仲間を集めるときの歌(これ、かっこいい!)と、ラスティがポーラに「俺は結婚に向いてない」とかほざく歌。これらも太田健なんだよね? 太田先生、外部って初めてかしら? 外のミュージカルでも評価されるといいなあ。


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ちょいとお知らせ [近況]

宝塚とは関係のないサイトなのですが、『どうする?over40』というサイトに書かせてもらっています。

先日、『若き日の唄は忘れじ』について書きました。
http://dosuru40.com/aphorism/20635/

せっかくなのでヅカファンの方に読んでいただけたらうれしいです。(なお、それ以外の私の記事はR40指定です~。それ以下の人が読んだらびっくりしちゃうと思う^^;)

それから、『宝塚イズム』28号(6/1発売)で、『ラスト・タイクーン』の公演評「『ラスト・タイクーン』は勧善懲悪の物語か?」を書いています。過去の記事でもにゃもにゃ言ってたことを整理しましたので、お読みいただければ幸いです。

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ベルサイユのばら(中日劇場 6/15 15:30) [観劇メモ]

べるばらに感情移入とか、ストーリーの整合性とかを求めてはいかん。名場面の羅列だと思うしかない。

ということを、ファン歴12年目にしてやっと悟ることができてきました。

となると良し悪しはただただ、その場面場面の完成度。となると一番重要なのは役者。

つーわけで、唐突な場面をいきなり成立させる力があるのは、ダントツじゅんこさんメルシー伯爵なのでした。次にすごいと思ったのがだいもんアンドレ。いきなり熱量がっと上げて植田歌舞伎に入れてて、びっくりしました。ふじぴージェローデルも良かったな。芝居上手い人だから当然ですが(ソフィアに注目する小芝居してたし)。

逆にきつかったのがキキちゃん。等身大の少年って感じの演技で、オスカルというよりは少年。少年がフェルゼンに恋してるから、なんかゲイっぽかった。バスティーユは良かったです。蘭ちゃんは芝居の仕方も持ち味も、高貴じゃなくて王妃にみえんかった。これは私の好みかもしれないが、アントワネットは丸顔で、生まれてからこの方、一切不自由したことない、みたいなのが好きです。

あ、もちろんふみかちゃんプロヴァンス伯爵は大芝居で貢献してました。奥さま方を従えてる図は、どこのエロじじいかと。みつるさんに「越後屋、お主も悪よのう」っていつ言われるかとワクワクしちゃいました。

で、トップお披露目のみりお。おとなの包容力あるトップさんではなくて、かといってトップとしてダメってわけでは全然なくて。お稚児さんのように美しく、そのために重責を背負って、舞台の神様に我が身を捧げんと、ただただ集中してるって感じの風情が、なんか見たことあると思ったら、そうだ、コムちゃんだ。これはこれで、集中っぷりが気持ちよいです。相手役にもガッツリ集中してラブ目線注いでたし。わたくし、はじめての学年が下の「うちのトップさん」です(実年齢とかじゃなくて、ご贔屓さんから見てっていう意味ね)。どうかなーと思ってたけど、大丈夫でした(上から目線ですまんー)。まあさすがに、「ゆけフェルゼン」のとこは、いっぱいっぱいだった。あのへんてこ場面は、ツレちゃんとかワタルとか、客席をがーっと持ってくおおらかさのあるタイプでないと無理だよね。

花乃まりあが次の娘役トップなの? 芝居してるのはじめてみたけど、声が悪くない。発声が昔のアイドル?女優さんみたい。大芝居に向いてるかも。顔はいまいちだけど(綾瀬はるかを美人だとはどうしても思えない)。大人っぽいから役を選ぶかしら。みりおと合うかどうかも疑問だけど。

デュガゾンの子、『アンドレア・シェニエ』でもしゃべってたけど、声ができてていいねー。と思ったら矢吹くんなのか。ダンスだけじゃないのねー。

まきしむのアランも一瞬だけど頑張ってたなー。いぶちゃんのお母さんも良かったな。なみお先輩のオルタンスが誰だかわらかんかった(なみお先輩はああいう格好をしないと思い込んでいる)

それにしても、優波がいないと本当に心やすらかに観劇できることよのう。
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ぢいさんばあさん(国立劇場 6/13 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

人生初の1人歌舞伎観劇。

20代の頃、たとえば職場の福利厚生とか、俳句教室の吟行会とかで観たことはあったのですが、全然良さがわからず。

それが昨年、たまたま誘われた演目に、中村扇雀さんが出るという(ヅカファン的には扇千景の息子よ)。オギーのショー『渋谷アリス』に出てた素敵なおじさまだ! ということで行ってみたら、案外理解できちゃった。

で、今回また扇雀さんが出るし、橋之助上手いし、ということで生まれてはじめて1人でチケットを買って行きました。

「社会人のための歌舞伎教室」ということで解説がついてることもあるし、演目が歌舞伎っぽくない、現代人にも理解しやすいものということもあって、すごく楽しかったです。

でも、思うに、きわめて個人的なことなんですが、かつて歌舞伎を理解できなかったのに今理解できている、その間にあったことといえば、そりゃーもう、宝塚にはまったことにほかなりません。宝塚にはまって、そこから大衆演劇とか、時代劇とか、新国劇とか、そういうものを親しみをもって感じるようになった目でみたから、歌舞伎をぜーんぜん、理解できたんだと思うんです。

そうか、ほんとに歌舞伎って、大衆娯楽なんだ。なんだそうだったんだ。

かつて自分にとって歌舞伎は高尚なもので、英文学を学ぶ人がシェイクスピア劇を観るように、ロシア文学を学ぶ人がチェーホフを観るように、観なければいけないものだと思ってたんですが、そのルートから行くより、宝塚のようなとことん大衆娯楽のルートから行ったほうが良かったんですね。演目、登場人物、様式的な大芝居、、、どれもなんだか身近に感じます。前回観た土蜘蛛には源頼光が出てくるけど、『大江山花伝』に出てきた人だよね、とか。歌舞伎教室でさわりだけ演じてくれた町人同士の斬り合いなんか、すげー観たことあるある感満載。いわゆるチャンバラじゃん。見得を切るのなんか、ベルばらじゃん。植田歌舞伎に慣れれば、全然大袈裟に感じないぐらいなのでした(笑)

と、ど素人の感想なので、全然間違ってるかもしれません。てへ。

で、メインの演目のお話。昭和26年初演の新しい作品で、そういうのってどうなんだろうと思ってたんですが、これが良かった。台本も一応無料で配られるのですが、見る必要全くないぐらい、台詞は普通に理解できるし、話の筋も共感できます。設定は江戸時代なので、もちろん現代からすれば制度的に理解しにくいところもあるにはあるが、麗しい夫婦愛に涙涙です。

なんでこれが歌舞伎なんじゃろ? と一瞬思わないでもない。

けど、コミカルな動作や、大泣きする動作なんかは、やっぱり様式美なんですよね。大袈裟すぎない程度に、型があって、間がある。多分。それが、ちょっとあり得ないぐらいに麗しい夫婦愛のイデアを表現するのにぴったりなのかなあ。女性が女方で生々しくないのも、いいよなあ。

ってそれは、宝塚に感じることとおんなじやん(笑)

というわけで、すごく質のいい脚本を、めちゃめちゃ上手い役者さんで演じた、植田歌舞伎的な様式がある、素敵な小品、という芝居でした。

扇雀さんはマジ好みなので、これからも追っかけます。(友人に言わせると、私の好みは一貫しているらしい。一見かわいらしいけど、目力利いてる人、、、だね(笑)

「社会人のための歌舞伎教室」は見るのは2回目。扇雀さんの息子の虎之介くんが担当。ちょっとおとなっぽくなっていて頼もしいです。

芝居のほうでも彼と、橋之助の息子も出てました。まあ二人はまだ若いからともかく。扇雀さんと橋之助以外は、素人をとりこにするほどの力はないなあ。そういうものなのかしら。これまた宝塚と一緒で、スターさん偏重という。あ、敵役の人は良かった。顔は歌舞伎っぽくないけど(小顔だし)、声がいかにも敵役って感じで素敵でした。

それにしても、一階席が3900円で、台本に歌舞伎全体の解説パンフレット(河竹先生!)までついてるなんて、ありがたや。伝統芸能には国の支援が大事だよ〜。
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