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スカーレット・ピンパーネル(赤坂ACTシアター 10/22 17:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

パーシー、マルグリット、ショーブランの三人の力が拮抗して、
ビシバシと火花を散らし合って、
それを素晴らしい歌唱力で訴えかけてくるもんだから、
ものすごい満足感が得られました。

宝塚版では、群衆がいて、
その背景を背負って、ショーブラン<マルグリット<パーシー
という壮大なピラミッドができていたけど、
宝塚は出演者がたくさんいるから、そう改変したんでしょう。
(もちろん、それはそれで奥行があってよかったです。)

でも、もともとは、メインの三人の心情を中心にしていたんですねえ。
パーシーのマルグリットに対する疑い、
マルグリットのパーシーに対する幻滅、
ショーブランのマルグリットに対する執着、、、

石丸さんのパーシーに、トウコのマルグリット、
絶対すごいものになるとわかってたけど、
なんとしてでもチケットを取ろうと思ったのは、
石井一孝さんがショーブランだから!
ショーブランの苦しみが、切なすぎて、、、最後かわいそすぎて、胸が痛かった!

CD出ないかなあ~


以下、宝塚版との違いのメモ。


宝塚版は、冒頭で、群衆がマダム・ギロチンを歌って、
その中で、ピンパーネル団がすでに活躍してる場面がある。
群衆を出すためもあるし、この場面があることでわかりやすくなってる。
元の版ではこの場面はなくて、いきなりマルグリットが劇場で歌っている場面。

この場面を入れた結果、
元の版では、この作品の中でピンパーネル団が発足するけど、
宝塚版では、最初は3人で活動していて、あとから人数が増えることに。


マルグリットが元娼婦で、
娼婦だったことをパーシーにばらすと、
ショーブランに脅されて、サンシール公爵の居場所を教えてしまったこと。
当時の女優は当然そういうものなのに、
宝塚版だと貴族と同級生ってことになってて、疑問に思っていました。
すみれコードに反するから改変したのはよくわかる。
あと、なんで重要な秘密をショーブランに教えてしまったのか、
説得力がいまいち足りなかったけど、元がそういうことだと知って、納得。

すみれコード関連だと、
パーシーとマルグリットが知り合って6週間で、
まだ清い関係だということも。
宝塚版だと、当然、大人の関係だという前提で観てた。
「清い」を明確にすると、かえってすみれコードに反するから、明確にしなかった、
逆に、清くないことになってた、という面白い例。


一番違うのは、
ルイ・シャルルが出てこないこと!
救いに行くのは、ルイ・シャルルではなくアルマンだったのねー。
そのうえ、助けに行ったマルグリットもつかまっちゃう。
(トウコの、やや蓮っ葉で無鉄砲な感じが合ってた。
元パーシーでなくても納得のキャスティング)

宝塚版だと、アルマンは若手有望株がこの人ですよ、
と示すためだけの役だったよね。。。

マルグリットが下層の暮らしをしてたということが明確だからこそ、
弟と苦労して暮らしてたんだろう、助けに行くのも無理はない、と感じる。


で、ルイ・シャルル。
宝塚版では、ルイ・シャルルを通じて、
パーシーがスカーレット・ピンパーネルだとマルグリットに伝わる、
そして、ルイ・シャルルを通じて、
「ひとかけらの勇気」という宝塚版のための新曲が
マルグリットに伝わり、それをマルグリットが歌うことでパーシーに愛が伝わる、
という、ミュージカルならではの仕掛けがあるわけだけど。
そこでものすごいうっとり感が得られるんだけど。

このクライマックスは、あらためて、
小池天才!! と絶賛せざるを得ない。

元の版だと、これがないので、
クライマックスがちょっと早く来ちゃうの。

クライマックスは、マルグリットがパーシーを裏切っていなかった、
ということをパーシーが知って、ソロを歌う場面。
これも素晴らしくって、うっとりするカタルシス。テンション上がるー!
それまで、パーシーが間抜けだったこともあって、
かっこいいい、目がハート、になる。

ただ、二幕のわりと早い段階で来ちゃうので、そのあとが物足りない。
そのあとのアルマン救出劇で、
どうやって救出するんだろうというワクワクはあるけれども、
クライマックスー、うっとりーー、っていうんではなくなっちゃうのよね。


あと、宝塚版だとアルマンの恋人になってたマリーが、
全然、そういうキャラではなかった。
マリー・グロショルツ、じつは、
蝋人形で有名なマダム・タッソーの名前と旧姓なんですね。
知らなかった!

ラストのパーシーとショーブランの対決が、
蝋人形を使ってだます、というもので
(宝塚だとちょっと生々しいからやめたんだろう)
その人形を作るのが、マリー。
マリーのフィアンセの苗字がタッソー。

今回はなんと、あの96期の人なのですよ。
娘役にしてはゴツイと言われていたけど、
宝塚以外では全くゴツくなく、アンサンブルとして馴染んでた。
キムの相手役させられたのは本当に気の毒だった。
でも、女性の役で二番手というには、すごく綺麗というわけでもないし、
いや、まあ、宝塚ほどの美貌は求められないからいいのか、
逆に、個性的なおばちゃんの役というには、
若すぎるし、すごく演技が達者というわけでもない。
マリーが、どういうポジションの役か、ますますよくわからない。
彼女は歌がすごく上手いということだからソロがあるかと思ったら、ないし、
どういう意図のキャスティングなんだろうか?? 素朴に疑問。
(いや、この件に関しては心が凍ってしまって、
完全にプレーンには見れていないのかも。
彼女が一番に悪いわけではないと知っていても。)


そうそう、石丸さんのパーシーは笑いがややすべっていて、
笑いはトウコのパーシーのほうが上手かったな(笑)
ま、そのおかげで、かっこいいパーシーとの対比が効果的なんだけどね。




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エリザベート(東京宝塚劇場 10/12 18:30) [観劇メモ]

真風フランツのあまりのヘタレっぷりに、
全身がわなわなするような喜びに襲われました。
こんな弱いフランツ見たことない。
なのにかっこいい。困ったもんだ。

みりおんシシィは現代的で元気な女の子。
大鳥れいのシシィに似ている。
だから皇室でうまくいかないのはよくわかる。
でも狂気はそれほど感じられない。

まあくんトートは俺様風でありながら、
じつはけっこういい人。
家族思いのヤンキーあがり、みたいな。
みりおんシシィのわがままを、乱暴に扱っていながら、
じつはすごく優しく見守っているような。

いろんな動作が、わかりやすくて、ありがたかった。
少年ルドルフが「猫を殺した。でもちょっとかわいそう」って言ったとき、
「おいおい」って動作をしてたよ。

だから、二人の組み合わせはすごく良かったな。

でも、エリザベートを観た、という気はあんまりしない(笑)。

ルドルフはずんちゃん。
こちらはシシィの子というよりは、フランツの子という印象。
弱いのに、かっこいい。困ったもんだ。

愛ちゃんのルキーニは思ったよりも良かったな。堂々としてたし。
あの不思議な声が、むしろ狂気を感じさせた。

せーこちゃんのゾフィは
元男役の力強さがあって安定感ばっちり。

うらら様のマダム・ヴォルフは、思ったよりも歌えていて、ほっ。

しかし、リヒテンシュタインとかスターレイとかが、
確認しないと、名前がわからない。
知ってるジェンヌさんが、減っていく一方だ。


もんちがビンディッシユで驚いた。

演出か小柳先生って初?

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入江薫メモリアルコンサート [観劇メモ]

ふみかちゃんが退団してから約1年。
OG公演に出るよ、と聞いたら、


何も考えずに、チケットを申し込む。


この条件反射はなんざんしょ~。


「もう舞台立たないかも、とか言ってなかったっけ?」とか、
「すごい女子でショック受けたらどうしよう」とか、

微塵も考えませんでした(笑)。


羊飼いに呼ばれたら、
条件反射で羊が集まっちゃうってことだな、きっと。



久々にお会いした、ファン仲間のみなさんとも、
時間が経ったなんて思えないほど自然に合流できる。
不思議な安心感がありました。



さすがに客席に着くと
「変わったかしら、変わってないかしら」
「どんな感じで上級生と絡むのかしら」
と、ちょっとドキドキしましたが。


あとの記憶は、強烈な上級生の方々の印象でいっぱいで。
肝心のふみか様のことが、かすんでしまうぐらい、
カオスな世界でした(笑)。



作曲家入江薫、
我々世代のファンだと、ベルばらのバスチーユの場面のアレ、
風共の「ふるーさとーはー」ってやつ、
ノバボサの「オーラーラオーレレー」
あたりが有名でしょうか。

作品的に有名なのは『霧深きエルベのほとり』
スカステで、順みつきの再再演を見て、名作だわぁぁぁと感動しました。
10年ぐらい前のTCAスペシャルで、ワタルがやっててピッタリでした。
あと『花のオランダ坂』、これは蝶々夫人みたいな話なんですよね?
再演しにくいのもわからないでもない。
いずれも菊田一夫。

知ってるけど、すごい知ってるってわけでもない、
でも聞けばわかる曲もそこそこある。
きれいなメロディーが多いんですね。

大正の半ば生まれで、戦中に音楽を勉強していて、
20代前半をまるまる戦争にとられていたという。
戦後、学校の音楽の先生を経て、宝塚の稽古ピアノ、作曲、、
ちょっと『宝塚BOYS』を思い起こさせる経歴です。


最初はショーちゃん(とよばせていただく)がババーンとでてきて、
テンションあがるー!
私、狸組、好きだったのよー
(狸組=2001年から10年ぐらい、ツレちゃん中心のOG公演のこと)

以後、次から次へとメドレー。


ふみかちゃんは、コーラスとして、
あとは司会(というか台本読む形)で
絵莉さん、ひじりん、ゆめみさんと登場。


途中、笹潤子さんとカン様が、
昔の映像を見ながらのトークもあった。
カン様がヅカファンモード発揮してたのがかわいかった。
笹潤子さん、名前しか存じ上げませんでした、
歌唱指導もされてるそうで歌ももちろんだけど、
トークがめちゃ上手かった。

歌が上手いという意味では、オトミさんとねったん。
オトミさんは歌い方が洒脱でかっこいい~。
私、CD持ってるんだった。
ねったん、現役時代も好きだったけど(声の低い人が好き)、
さらに素敵になってない? 見せ方も上手い。

いくつになっても娘役で品があるなあ、という意味では、
カン様と大原ますみさん。
70代とは思えない可憐さ。

ぶっとんだのは、
郷ちぐささんと風さやかさん。
時空を超えてた。
いやー、すごいね。

現役時代をバリバリ知ってる
しいちゃん、やっぱスターさんだなあ。
るいるい、やっぱかわいいなあ。

そうそう、オスカルトークってことで、
ショーちゃん、オトミさん、シメさんのトークもあり。
シメさんがひたすら腰が低くて、
珍しいものを見せてもらいました(笑)。

シメさんはさあ、
春日野八千代の表の後継者が轟理事なら、
裏の後継者がシメさんだよね。
存在自体がね。
だって全然変わらない!
まさに神!


しかし…
バリバリ芸能活動しているOG、
宝塚の世界観の中で活動してるOG、
結婚子育てが終わってから芸能活動に復帰するOG、
いろんな方がいて、
いろんな年の取り方がある。。。

現役時代、青春時代、全盛期、の、
「そのあと」を生きるって、どういうことかのう。



あっというまの3時間でした。

あ、で肝心のふみか様ね。
後ろのほうでコーラスをしているのがメインだけど、
ちょこっと歌うフレーズもあって、
ポーズをとったときの手の美しさとか、
手足の長さとか、声の低さとか、
変わっていなくて、うれしかったです。
いや、そもそも、ふみかちゃんが、目の前に、存在している、
ということ自体が、とてもうれしかったです。


きっと客席にいる方たちもみな、
入江先生の音楽がそこにある、
好きだったスターさんがそこにいる、
それだけで幸せなんだろうなあ。


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