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トップスター浴 [ヅカってなんだ?的記事]

星組公演を久々に1階S席、真ん中あたりのほぼどセンターで観劇。わたくし、じつはセンター大好き。多少後方でもセンターを選ぶ。もちろん、前方ならなお良し。それは、舞台全体を作者の意図どおりに見ることができるから、という理由だけではない。センターは、トップスターのオーラを全身に浴びることができるからなのだ!

舞台いっぱいに広がった組子が、中央にいるトップスターを見てる。思いが集中する。ヒエラルキーの頂点に立つものとして、歴史の重みがその人に集中する。きっと裏方さんだって、演出家だってそう。人々の思いが集まるトップスターという器。そこに立たされた一人の人間が、集まってきた思いを増幅させて、客席に返す。何倍にもなって輝いて返ってくるエネルギー。客席はその光を浴びて幸せになり、その幸せがまたトップスターを輝かせる。この循環!

トップスターが背負ってくる羽、昔はバカにしてたものでした。なんじゃ、ありゃ、と。でも今ならわかる。あれは太陽神みたいなものなんだよね。仏像の光背みたいなものなんだよね。エネルギーが集中し、光り輝くもの。その光の様を表しているんだ。

トップスターってすごい地位だと思う。一般社会だったら社長? 野球だったらピッチャー? いやいや、そんな卑俗なもんじゃない。だってトップスターは、この世では存在しえない、愛や優しさや美しさのイデアを、具現化しているんだもの。でもそれを、人間がやってるんだよね。人間であって人間でない人とでも言いましょうか。だから、その器に立つのは、常人にはありえないほどの苦労をして、乗り越えてきた人。そして、その人の努力だけでなく、立場がその人をまた輝かせる。まさに巫女だ。

トウコの自由自在な歌声や、視線、汗だくだけどいい表情、さくらでの神々しさ、ダグの男気をセンターで観てたら、そんなことを思った。日光浴ならぬ、「トップスター浴」だ。もちろん、端でも2階席でも日光は届くけど、1階センターはびしびし来る。ああ、大満足。

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小ネタまとめて [ヅカ的近況]

★お客さん報告

6/26の夜公演、ワタルと一緒に星組を観劇したぜい! 間近で見た女性版(?)ワタルはけっこう細かった。背は高くても、やっぱり女の子なのね、ワタルちゃん。わりと席が近かったので、ワタルの頭をチラ見しつつ舞台を観れて、緑豆大喜び。

そして2列センターには、初風諄様が! たぶん隣の方は『宝塚BOYS』で共演中の山路和弘さんでは? きゃー、カン様よー、もっとみんな騒がなくっちゃよ。

この日はお客様が多くって、じつはミッチーもいたのであった。OGと違って、みんな全然騒がずに、そ~っと、そ~っと見るのね。この違いはなんなんだ。間近で見たミッチーはけっこうガッチリしてた。やっぱり男の人なのね、ミッチー。でも、さすがに王子様だけあって、お肌がキレイでした。

★月組退団者

発表になった日。帰るなり緑豆にニュース速報。
「ショックなことが! 嘉月絵里と瀧川末子が……!!(言葉にならない)」

「へっ? なに? 嘉月絵里と瀧川末子ができてるって?」

……なんだそりゃ。脱力。
できてよーができてなかろーが、在団しててくれればなんでもいいのようぅぅ。

★『舞姫』

評判よかったね。。。観に行く気満々だったんだけど、専カレが発表になったので、そっちに交通費を回してしまうことに。だってどうせ景子タンだし。どうせ豊太郎はダメ男なんだろうし。ああ、その判断は間違っていたらしい! はぁぁ。

★ぎんがみが辻本茂雄に似てる件

『シークレット・ハンター』でピンクのズボンで髭つけてるぎんがみ(銀河亜未)は、辻本茂雄に似てる。断言。今まで誰も賛同してくれなかったけど、一人賛同してくれる人がいたので、書きます。髪型が? なんか体型が? 動きが?? とにかくぎんがみに、ダイヤ柄のヤクザ衣装を着て、「じゃまするでー」と言ってほしい。

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変身写真館(3・終) [変身写真館]

どどーん!!!

ぎゃーーーっ! 美しくなーい!

…それにしても、誰だ? コレ。よく見ると自分なんだが…。顔も違うし、スタイルも自分が思ってるのよりずうううっと悪い。ジェンヌ比だもんね、欠点が目につく目につく。ずんぐりむっくり…頭でかすぎ…5頭身だよ…フェイスラインはたるんでるし…団子鼻だし…。うがー。誰かに似てると思うんだけど、誰だろう。毬丘智美?(←毬丘さんに失礼デス)

なんつーか、「ジェンヌの真似しようとするなんて、勘違いしてて恥ずかしい!」「結果、やっぱコレじゃん!」と思う一方で、「いいじゃーん、遊びだよ、遊び!」と思う気持ちもあって。

お店のスタッフさんは当然、後者のノリでフレンドリー。特に、受付でオプションを選んでるときに「普通サイズの写真、どうですか~? 持ち歩いて時々見ると、癒されますよ~」とすごく勧められて、そのときは「? 友達に見せてネタにするのかな? なんで癒されるのかな??」と思ったんだけど、その意味が、終わってみてわかった。

だって、ヅカ友達に見せればみんな笑う。面白がってくれる。決して白い目でなんか見ない。あ、こういう恥ずかしいことしても、いいんだ。似合ってないのに好きだからって着てみちゃって、かなりみっともないけど、それでもいいんだ。こうして、仲間内でそれを許しあってる、この居心地の良さ。これが「癒される」って意味なんだ! 

味をしめたわたくしは、受け取ったA4写真を、携帯でとって劇場で友達に会うたびに見せております。みんな笑ってくれます。だからここにも載せます。読んでくださる方もきっと、「ぷぷぷ」と思う一方で、「でも自分もやってみたい」と思ってくださると信じて。あ、でも、もちろん、非ヅカファンの友人には見せません。友情にヒビが入ってしまいます、マジで。これが、被差別者であるヅカファン同士の連帯感。

そのうえ、不遜なことに「今後は男役のメイクに挑戦したいな」などと思ったり。男役の衣装は、短足が強調されそうで怖いけど、トートなら上着があるからOKかしら? うーん、でもせっかくなら羽しょってみたい気も。だって、重さを実感してみたい(本物よりずっと軽いんだろうけど)。あと、スタジオに最近の作品の衣装が少ないのがちょっと残念でした。それと、ラテンの衣装とか、日本物(新撰組とか)もあったらいいのに。でも、化粧法がかなり違うから無理なのかも?

なんにせよ楽しかったので、スタッフさんありがとうございましたー。みなさんも是非やってみて! そして連帯感を強めるために、ブログに写真を載せてね!

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『宝塚BOYS』に関する言説と、ヅカに対する偏見についていろいろ [ヅカってなんだ?的記事]

藤本真由さんの『宝塚BOYS』についての記事が気になる。→オフィシャルブログhttp://daisy.eplus2.jp/article/45542516.html

「「清く正しく美しく」とは何も、「清く正しく美しくない」ものを排除して成立する概念ではない。それは、「清く正しく美しくない」ものを超えてなお「清く正しく美しく」あろうとする精神、すなわち、一見「清く正しく美しくない」ように見えるものからも「清く正しく美しく」あるものを見出そうとする精神なのである。」

いいこと言うなあ!

で、『宝塚BOYS』が「「清く正しく美しくない」ものを排除して成立する概念」のほうを描いていたかどうか、は私にはわからないけれど、気になったのは次のところ。

「このあたりの取り違えこそ、世間一般の宝塚歌劇団に対するもっとも大きな誤解に他ならない。」

ほー。私はかつてヅカファンでなかった頃も、この二つが取り違えられているとは思っていなかったんだよねー。世間はタカラヅカのことを、一方で「お嬢様の集まり」=「清く正しく美しく」として褒め称え、一方で「変な集団」とさげすむ。この二つは糸で結ばれているけれども、全然別ものとして離れて存在して、まるで糸がぴーんと張った状態のように思ってた。でも、同じことの表裏一体なのかもしれない? とはじめて気がついた。

そしたら緑豆が「あたりまえじゃん! そんなの、世間だけじゃなくて、ヅカファンだってそうだよ」と言う。「男がヅカを観ることだってさ、ライトなファンになることは一応歓迎するくせに、ディープなファンになることは忌み嫌うじゃん。」え? なんの話? 「清く正しく美しいから、男女平等っぽくしてるけど、やっぱり清く正しく美しい世界だからこそ、男はファンクラブとかに入ってくるなって言う人多いじゃん。それは表裏一体なんだよ。」…日ごろのうらみつらみが噴出してますが…「ましてや、舞台に立つなんて絶対だめなんだよね…」ま、まるで、BOYSたちが乗り移ったかのようです、落ち着け落ち着け。

宝塚プレシャスの記事にも気になるところが。
http://bbkids.cocolog-nifty.com/takarazuka/2007/06/post_dc13.html

文中の「少女歌劇いいだしっぺの小林でさえ、心のどこかで「女性だけの宝塚では、おんな子どもの芸の域を抜け出せない」 という引け目があったのだろうか?」が気になって。少なくとも、創立時には引け目を感じるわけがない。そんな対象がほかには存在しないんだから。少女歌劇こそが最先端。だから、「引け目」とは言わないと思う。

でも、一三が少女歌劇を愛しながらも、物足りないと思っていたことは確かだ。男女混合のミュージカルをずっと夢見ていた。戦前も男性を加入させてた。で、戦争直前には、東宝で男女混合のミュージカルが実現していた。じゃあ、やっぱり戦後の男子加入の頃は一三は少女歌劇に「引け目」を感じていたんだろうか??? 

そういえば、女子どもの芸だって、いつから言われてたんだろう??(戦前にもあったと思う)  いつから「男を排除してる」って非難されてたんだろう?(戦前にもあったと思う) 「清く正しく美しく」が世間で使われるとき、どんなニュアンスだったの? 変遷はあるの? 結局のところ、私の興味の対象は、世間(過去の私)が(今の私が好きな)ヅカをどう思うか、なのだな。

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変身写真館(2) [変身写真館]

じゃじゃーん!

目だけね。

本来のまつ毛と、つけまつ毛がまったく別の方向を向いてます。遠くから見られるためのメイクなんだなあ。。。

いよいよ衣装を着せてもらい、撮影。背景は大階段画像か、ベルサイユ宮殿画像かが選べます。アクセサリーや小道具も役にあわせて用意されてます。自分で用意してもいいんだろうけど、それじゃあ気合入りすぎで恥ずかしいだろうな…。

ポーズは、適切な形が決まってるらしく、スタッフさんに「胸のあたりで手をこうやって」などなど指導してもらいます。ちなみに、私は背が低いので、台に乗って衣装の裾で台を隠して撮影しました。男役のときはどーすんだろ? 裾あまりまくりで「殿中でござる~」状態よ、きっと。

撮影後は、衣装を脱いで普段着に戻り、同行のUさんの撮影を見学。でも顔はヅカメイクのまま。。。普段着にヅカメイクの変な状態なのだが、慣れてしまってそのへんの衣装や小道具をつらつらと見て回る(触ってはイケマセン)。いつのまにか、ほかのお客さんが入ってきて、ぎょっとされる(^^;) 

輪っかのドレスが無造作に床に置いてあるように見えるけど、輪の中に入ってスポンと着るためにそうしてあるのだと気がつく。特に、Uさんが着たアントワネットの衣装は、金属の輪っかが何重にもなってて重そう! 実際、歩けないぐらい重かったそうです。そのうえ鬘もつけるし。この重さで、踊ったり歌ったりするわけですよ。しかも大階段で。信じられません。タキ組長なんて、アドリブで「イナバウアー」やってたんですよ。尊敬ものです。

全部終わったら、最後はメイク落とし。これまた試練が待っている。拭くだけコットンみたいなのを渡されるのだが、1袋使いきる勢いで消費。だって、落ちないんだもん! 拭いても拭いても、まだついてくる! アイラインは粉ごなになって床に落ちるし、口紅はいつまでたっても落ちない。ガーガーこすってたら、肌はヒリヒリに。うえーん。ジェンヌは毎日こんなのやってるなんて、しかも化粧替えのある公演なんか、一日4回もこれを繰り返すわけで、ほんと尊敬。

写真の仕上がりは30分後。お茶して待つ。さてさて、仕上がりは…。

待て、次号!(ひっぱるなー)

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変身写真館(1) [変身写真館]

忘れないうちに書いておかねば。エリザ観劇のためにムラに行った際、大劇場併設のサロン・ド・タカラヅカで、ヅカメイク&ヅカ衣装を体験してまいりましたのよ!

前前からやりたいとは思ってたんだけど(あ、もちろん、ヅカメイクの研究のためね。衣装着て似合うとか勘違いしてないですから。>と断るところがすでにイタイ)、一人でやるのも恥ずかしいので、エリザ遠征予定のUさんを口説いて同行してもらいました。ありがと~!

いやぁ、見るとやるとでは大違い。百聞は一見にしかずとはこのこと。やれば絶対ジェンヌを尊敬する。ヅカメイクの観察眼も養われる。そして、かなり笑える。とにかく皆様も一度やってみそ!

まずは受付で、衣装の写真を見ながら自分が着る衣装を選びます。写真のサイズや、オプション(テレカも作れちゃう! Uさんはシール作ってた!)を決定。私は、『ダル・レークの恋』のカマラ姫を選びました。うっふん。

早速、用意された肌着に着替えて、メイクをしてもらいます。

 公式ページでのメイク解説はこちら。これ開きながら、つづきを読んでね。→http://kageki.hankyu.co.jp/salon/make4.html

1.肌色を塗る

男役は暗め、女役は明るめの色を塗るそうなのですが、今回私はインド人の役なので、暗めの男役の色を塗ってもらいました。

これが、油っこい! ぎと~~っとしてるの。一塗りしただけで「我慢、できなーい♪」って感じ。

2.ノ-ズシャドウを入れる

なんと、薄い紫色。茶色じゃないんですねえ。

3.髪の生え際を塗る

これは真っ赤! 女役だからかもしれないけど、額やこめかみが真っ赤です。かなり変な様相です。

4.もう一度肌色を塗る

今度は水で溶いたようなものを上から塗ります。ノーズシャドウや生え際の真っ赤は、一見隠れてしまうけど、よく見ると下から浮き出ている感じ。

5.ラインを入れる

普通のメイクだと、アイラインはまつげの生え際を埋めるように、などと言うけれど、そんなのどこふく風。目の周囲2~3ミリを塗りつぶしていきます。乾くまで、じーっと目を閉じていなければなりません。その間、6,7の工程を同時進行。

6.まぶたに影を入れる

これまた真っ赤でした。陰にオレンジを使っていたみたい。同行してくれたUさんはアントワネットだったので、赤とピンクでした。男役だと違うのかな?

7.眉毛を描く

インド人の役のせいなのか、私の地眉が太いせいなのか、かなりくっきりと。鉛筆状のもので描いてたみたいだけど、目をとじていたのでわからず。

8.つけまつ毛を付ける

ばっさばさ! 重い! 邪魔くさい! 視界がいつもさえぎられてる。目にゴミ入ったからこすらなきゃーって思っちゃう。シュウ・ウエムラのつけまつ毛なんて、糸くずみたいなもんだね。よくまあこんなもんつけたまま、目の演技とかやってるよ。

9.再度ラインを入れる

つけまつ毛との兼ね合いを見て、目じりのラインや、下まつげを描いていきます。しかしさー、下まつ毛も、つけまつ毛のジェンヌがいるじゃん。ほんと邪魔くさいだろうねえええ。

10.口紅を塗る

赤かピンクかを聞かれ、赤にしました。とにかくデカイ! デカく描く! 自分の元のリップラインはどこ~~?? 遠目に見てもニッコリに見えるように描くのだそーです。

で、完成品は…、待て、次号!

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ダル・レークの恋(神奈川県民ホール 6/16 18:00) [観劇メモ]

10年前の星組公演を、じつは観てます。ヅカファンになる前のことでした。むちゃくちゃ深くて、い~いお話だと思いました。けっこう感動しました。なのに、連れて行ってくれた友人以外、誰も私に賛同してくれません。10年たった今も、誰も賛同してくれません。

  緑豆「だって、よくある話じゃん。」

違うのよぉ、まことの愛はどこにもないっていうお話なのよぉ。人間は、身分とか肩書きとか見た目とか、人の噂とかに惑わされちゃって、本当に人を愛することなんて、出来ないのよねぇぇぇ。

  緑「だから、よくある話だっつーの。」

しかもさー、そんな愚かな女に復讐するために、「やらせろ」って言うなんて、恋愛は権力闘争にほかならないってことを明らかにしてるのよ。「悪魔!」とか言いながら、最終的にはうっとりしているカマラ…、性こそ権力闘争そのものなのだわぁぁ。

  緑「たしかにタカラヅカでは珍しいけどね。でもよくある話だよ」

翌朝のラブラブっぷりもいいよねー。百姓の娘ですって言っておきながら、バレちゃうとこが切ないよねー。

  緑「結局さあ、あの丸ベッドがいいわけでしょ?」

でも、ラッチマンはカマラが「詐欺師だ」ってデマに踊らされた時点でもう、別れを決意してるわけで…

  緑「結局さあ、あの帯グルグルがいいわけでしょ?」

そんなんでHするのは、男の人はかえって燃えるんですかねえ?

  緑「って、聞かれても困ります!!!
    …まー、テーマは一貫してるから、『ジャワの踊り子』よりはマシだったかな。」

やっぱり賛同を得られません。よくある話だってんなら、似たような話を持って来ーい!

10年間ずっと「深いお話だわぁ」とばかり思ってきたけど、改めて生で観ると、ラッチマンのかっこよさをとことん追究した作品でもあるのね。育ちがよくて品がいい、けどイカサマ詐欺も得意で、ケンカが強くてパリの無頼漢、軍服が似合って、ターバンも似合っちゃう、浅黒い肌のイイ男。そして最後は男の美学を貫いて、女と別れる。いやぁ、男の中の男。こういう、現実には絶対いないカッコイイ男の人を描くのが、タカラヅカだよねーん。ペペルもうさんくさくて、昭和の香りプンプンでいいわぁ~。

一方でカマラ姫やリタ姫はちょっとお馬鹿さんに見えがちな話だけど…、でも、王子様はパリで無頼漢もできるけど、お姫様はそうはいかないものね。王子様は、身分の低い女を妾にできるけど、お姫様はそうはいかない。だから、ラッチマンのほうが振る舞いの自由度が高いのは、仕方の無いことだよね。

ところで、初演はよっちゃん(春日野八千代)主演でよっちゃん演出。今回は酒井澄夫潤色とのことですが、どのあたりが潤色なんでしょ~? そもそも、ほぼ50年前の話ですぜ。1幕に縮められないんでしょうか? いくらなんでも、展開がタルイのよ。初演時は二本立てだけど、当時は公演時間がやたら長かったから、たぶん『ダル・レーク』だけに関して言えば時間的には今とたいして変わらないと思う。それで併演を端折って芝居の一本立てにしちゃったんだろうけど、それってどうなの。

特に、全国ツアーなんだから、一本立てじゃないほうがいいと思うなあ。全国ツアーにいらっしゃる地方のお客さんには、これでもかーっていうレビューにワクワクする人も多いんじゃないのかなあ? そりゃ、昔の作品をやることで、昔ヅカファンだった人を引き戻すとか、レトロな作品のほうが地方では受ける、っていう見方は間違ってないと思う。かなりイイと思う。けど、ショーやレビューもついてたほうがいいと思うよぉ。

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宝塚BOYS(テアトル銀座 6/13 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

友人に、男の子たちがわやわや言ってるお話が好きだ、という人がおりまして、『木更津キャッツアイ』とかが大好きで、そんな彼女にこの舞台は絶対オススメだな、と。男の子って、どうしてあんなにしょっちゅう喧嘩して、女の子取り合ったりして、それでも仲良しで、固い絆で結ばれているんでしょう。にぎやかで楽しくて、そして切ない7人の男子の物語。すっごく良かったです!

宝塚歌劇団に男子部があって、大劇場で男女合同のミュージカルに出ることを夢見てた。でも夢は叶わず、8年で解散してしまう。「運がいい悪いって言わないでほしい」って台詞が、ぐっとくる。終戦直後が舞台なだけに、戦争とシンクロした表現が多いんだけど、戦争で死んだ人と死ななかった人、大劇場に立てた人と立てなかった人、「運の良し悪し」なんて一言で言ってほしくない。彼らはみんな、ただ懸命に生きただけ、がんばっただけ。

それにしても、ドキュメンタリーをよくここまで楽しい物語にしたなぁ、と原作本を読んでいた者としては驚きです。なるほど、「物語」というのはこういうふうに作るのだな、と思ったり。禁を破って女子生徒にラブレターを出した事件、男女合同公演の準備稿が出来て盛り上がる、寮のまかないのおばちゃんがじつは昔のスターetc. ちょっとした事件をちりばめていくのね。

それに、7人(史実では25人もいた)の男子生徒たちそれぞれが、みんな魅力的で。人間が描かれるってこういうことなんだ、と思った。中島敦彦ってすごい脚本家だなぁ。この人の脚本は毎回観に行かなくちゃってぐらい。鈴木裕美の演出もまた大当たりなんだと思う。(→事前の期待記事はこちら。)

ラストにはなんと、タカラヅカ風のフィナーレ! 階段もあり! 小さいけど羽しょって、シャンシャンも持って。これが笑えるの。だって、全然かっこよくないんだもん(除く、吉野圭吾)。前田清実の振り付けとはとても思えない(笑)。でも、すーっごく愛おしいの。だって、みんなあんなに練習したんだもんね。実際の男子生徒のみなさんの魂は、これでむくわれたかな、なんて思うと、目頭が。。。そして最後は、「さよなら皆様」をバックに、みんなが稽古場を去って行く。いつも劇場で、追い出しソングとして流れてる「さよなら皆様」、いつも楽しい気分でしか聞いたことがないこの曲が、こんなに悲しいなんて、切ないなんて。

吉野圭吾と佐藤重幸しか知らずに見ましたが、みんなイケメンばかりで(笑・ちょっとウソ。プログラムのブロマイド風写真は詐欺だよねぇ)ステキでした。佐藤重幸は、こーちゃん(越路吹雪じゃなくて汐風幸ね)に似てる。佐藤と柳家花緑が意外に男役ダンスだった。須賀貴匡て人がハンサムね。始まる前から全公演ほぼ完売らしいけど、7人それぞれがファンを持ってるからなんでしょうね。我らがカンさま(初風諄)の、娘役芸と歌声が披露されるのも感涙ものです。

そうそう、事前の懸念だった「追い出した形になっちゃったこと」は、「小林一三が気まぐれで罪な人だった」っつー結論になってたような気がします(笑)。でもたしかに、矛盾をいっぱい抱えてるからこそビッグな人物だった、小林一三。台詞では「ここが宝塚だったから(夢が叶わなかったん)だ」って言ってたけど、宝塚だったからこそ、こういう勉強ができた、とも言えるわけで。マイナスイメージというよりは、「一三に振り回されちゃった」という感が強い。それは、悪者になりそうな一三役や女子生徒役を一切登場させなかったというのもあるかも。上手いですね。

もう一度観たいけど、チケットは無し…。DVDは絶対買うぞ~! 男声で軍歌調の「おお宝塚」とか「モンパリ」が耳から離れません。。。

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大坂侍-けったいな人々-(日本青年館 6/10 15:00) [観劇メモ]

石田昌也のことを、セクハラだの女性蔑視だのカワウソくんだのとけなしている私ですが。決して嫌いなわけではないんです。ていうか、石田のこと、絶対に嫌いにはなれないと思う。だって宝塚は、娯楽で寸劇大会でお笑いだから。石田作品こそが、それを徹底してるから。

というわけで、『大坂侍』は、『銀ちゃんの恋』、『殉情』に次ぐ大ヒットだ~!!

幕末の大阪にいて、ほとんど無価値になりつつある武士道にこだわる主人公の「男のロマン」。だがじつは、大阪のコテコテの金の力で転がされてただけだった。って、すっごい力が抜けてて、味わい(?)のある話じゃないですか~。てっきり、彰義隊に入って死にに行くところで終わりかと思って、でもそれじゃあ、武士道が商人魂に勝っちゃうしなあ、といぶかしがっていたら、ちゃんと大阪万歳! なオチがあって良かった。

カネカネカネって、言葉だけだとダーティなイメージがあるけど、この話の中だと、肩肘はってる何か(男のロマンだったり、ときにはすごい「悪」だったり)を、無にしてしまう明るい力が感じられる。マヤさん(未沙のえる)演じる剣術の師匠が、このお話を象徴するような人。剣術の免許を金で買っただけなので、じつは全然、剣術は上手くない。そんな変な人だけど、若者を叱る言葉にはすごく重みがあって、ほんとは中身がちゃんとある。こんなふうに、お金が楽しく明るいものに見えるのは、ひょっとしたら、タカラヅカっていう夢の世界だから実現できることなのかもね。

それに、大阪という土地に対する思いもあるのかも。私はずっと関東人で、関西のことはまったく馴染みがないんだけれども、最近、NewOSKの大阪に対する愛情に触れたり(ちょびっとですけれども)、吉本新喜劇を毎週見たりで、なんとなーく、大阪って川や橋がいっぱいあって、商売人がすごく頑張ってるところなんだろうなぁと。吉本新喜劇ってほとんど必ず、個人営業のお店が舞台で、しょっちゅう借金の話が出てくるでしょ。取引先の人が登場したり。そんな素地があったから、ああ、これが大阪なのね~、ってなんだかますます大阪に親しみが涌いたなぁ。

で、この話はカネの明るい力を利用して、とことん娯楽なのがいいよね。歌謡ショーみたいな場面も、舞台度胸満点の 麻華りんかちゃんはもちろん、もりえ(青樹泉)がカラオケで練習した甲斐あって、大爆笑。もりえもやるじゃないかー。そうそう、マチオ(北嶋麻美)であんなに笑ったのも初めてだし、やっぱり石田は生徒の使い方は上手いよねえ。

もちろん、マヤさん、チャルさん(箙かおる)の力は大きい。二人が登場するだけでリピーターが笑ってるから、初見のこっちも期待して、そして期待以上のことをお二人がしてくれる。チャルさんは、商人のあこぎなところと、優しくて娘思いのところが、この人なら二面あってもおかしくないなあって思わせるものがある。マギー(星条海斗)の悪役、嘉月絵里のすっごいアイメイクの極道、瀧川末子はんの専科みたいな貫禄、ああ、なんて贅沢な配役。あーちゃん(花瀬みずか)は芸者が似合うし、彩央寿音はずいぶん立派になったし。

そして、霧矢大夢。わたし的には、史上最高に色気のあるきりやんだった! 今まで、なんか色気が足りない足りないと思ってきたんだけど(やっぱヅカはエロでないと)、この役はいいね~。『オクラホマ』のジャッドを経たせいなのかしら。器用な人だから、逆にストイックにおさえた役のほうが色気が出るのかも?? 「寒い~」ってヒロインに迫られても、抱きしめないで着物かけたりするシーンに、胸キュンだわん。ああいう、大真面目なタイプって、ちょっと好みだしー。終始、カネに転がされてる主人公だけど、きっちりかっこよく見えるのが、ヅカとして満足度高かったです。

ヒロインのお勢ちゃん役は、わがままで突拍子もなくて、楽しそうな役だよねえ。大阪のお嬢さんというと、春琴もやったら絶対楽しそう。あれっ? 私、石田と好みが似てる? うそー、やだわやだわ。でも、ヒロインはわがままで、主人公はヒロインを好きなのに手ぇ出さないところとか、やっぱりこれまでの石田作品と傾向は似てる…。あちゃー。そうか、私、認めたくないけど、基本は石田のこと好きなのかも…。ただセクハラがあるとイヤなだけなのかも…(なんと、『大坂侍』はセクハラ場面がないのだ!)。で、でも、どんなに春琴や小夏やお勢ちゃんが可愛くても、どんなに『大坂侍』が良くっても、『傭兵ピエール』でのジャンヌ・ダルクの造型だけは絶対に許しませんぞよ、カワウソくん。

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初心者をヅカに連れて行く [ヅカ的近況]

初心者と同行するとき、むちゃくちゃ緊張してしまうのは、私がかつてアンチヅカだったからなのでしょうか。

「オペラグラス持ってきましたか~?」
「おう、持ってきた持ってきた」
「これ、小林一三の銅像」
「ほう」
「えー、こちらが売店でー」
「お前、今日はやたら親切だなー。いつもと全然違うぞ」
「へっ!?」

いやーん、布教活動で意気込みすぎー。

しかし、職場の先輩(男性)はそれなりに面白がってくれたようでよかったです。入り口で写真を撮ったり、キャトルにも積極的に入って「ベルばらだ~」「キティちゃん買ってこうかな」等々。そっか、自分も初めて見に行ったときは、「ヅカなんか見ちゃうんですよー、ぷぷぷ、あ、でもこれって一応、社会勉強ですよね?」ってノリだった気がする。あれを思い出せばいいのね。てへ。

感想羅列。
◆トップって各組にいるの?
◆休憩が30分もあるの? 歌舞伎みたい。
◆やっぱり男役の人は男っぽい顔なんだね(トウコのこと)。
◆舞台化粧だと、みんな「下町の玉三郎」に見えちゃう。
◆プログラムに素顔写真が載ってないと、誰を贔屓にしたらいいのかわからない。(歌劇団様、プログラムに素顔写真を復活してちょ!)
◆芸名が全然読めない。昔は「有馬稲子」とか「乙羽信子」とか地味なのあったよね。(当時は「子」がつくのがハイカラだったのかも? あ、でも有馬稲子は戦前の叔母の芸名を継いでるんだった)
◆男役はけっこうちゃんと男に見える。
◆この人(レオンのこと)人気ありそう。
◆ヅカファンはみんな姿勢良く観劇するんだね。
◆「すみれの花咲く頃」って毎回歌うんじゃないの?(言われてみれば、イベントでしか歌わないですねえ)
◆えー、カーテンコールってないの?(私もそれは不満! どうしてなんだろう。次の公演がぎっしり詰まってるからかなあ?)
◆(出待ちの列を眺めつつ)歌舞伎ファンとヅカファンと腐女子て似てるでしょ。(おっしゃるとおりです。。。)
◆シャンテの地下って、降りるとすぐ吸い込まれるようにヅカグッズ屋なんだ。さすが東宝グループ。
◆王様役の人って何歳? ああいう人がいないとお芝居が成り立たないんだろうね。→日舞の人なんか70歳以上ですよ。→うそぉぉぉ!(椅子から転がり落ちんばかりに)
◆よく芸能人の女の子が、芸能人とつきあいたいから芸能界入ったとか言うじゃん。宝塚はそういうメリットないけど、入る動機はどういうのが多いの?(その視点が理解できません……)

あと、ヅカ=古典芸能という見方もあるみたい。フィナーレの男役総踊り(クンバンチェロのとこね)を「つかこうへいのアンコールでタキシード着て一斉に踊ったりするのは、ヅカのパクリなんだね!」と驚いてました。へ~、つかこうへいってヅカリスペクターなのか。そりゃそっか、娘がジェンヌになるぐらいだもんね。ヅカってほんとに、いろんな劇団、いろんな芸能に、引用されているのだなあ。えへん。(←イタい)

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