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プラスチックにかける夢 [ヅカってなんだ?的記事]

『麗しのサブリナ』の「プラスチック! プラスチック!」のナンバーはかなり変。だって今の世の中、プラスチックなんて、安っぽいものの象徴だもの。

でもこの時代は、化学でできた物質に夢があったんだよね。少し後の時代だけど、60年代や70年代の古着はポリエステルで分厚くて重い。でもそれがかっこよかった。→SHOUT

しかもそれが、世界を豊かにする、平和にする、という建前でなされているのも面白い。

サトウキビからプラスチックを作る事業を展開する。そのために、サトウキビ畑を持っている事業家の娘と、自分の弟とを結婚させようとする。明らかに政略結婚。

でも、憤る弟に兄は言う。「プラスチック事業で、貧しい子どもたちが靴をはけるようになるんだぞ」

プラスチックという新しい物質だけでなく、事業を起こすことそのものに夢があるわけです。自分の夢じゃなくて、世界の夢。世界中を幸せにするという夢。それがたとえ建前、キレイゴトだとしても。

これが本来の起業家の態度じゃないの〜? 松下幸之助しかり、井深大しかり(よく知らないで書いてますが)、そして小林一三しかり。

テレビで、日本は不況なのに、社長の給料だけは2.5倍になっていると報じていた。ショップ99の社長が「資本主義なんだから社長が儲けてどこが悪い」と言っていた。100円ショップ大好きな緑豆は激しくショックを受けている。「より良いものをより安く、みたいなことがお店に書いてあるのに、単なる儲け主義だったの〜? ショップ99も〜? かなし〜いい」。

「ショップ99「も」」というのは当然、「より良いものをより安く」をモットーにしていたはずの、阪急を踏まえているわけで。

ライナスみたいな建前、キレイゴトを言う起業家はおらんのかのう。

儲けたいって気持ちはもちろん当たり前だけど、建前として「社会全体に貢献するかどうか」を判断基準にしなければいけないんじゃないの。技術を開発する人だって、研究意欲でついついいろんなもの開発するけど、ノーベルだって最終的には兵器を開発してしまった後悔でノーベル賞の設立を遺言したじゃないですか(話が大げさ?)。

小林一三がとなえた「女性や子供が安心して見られる健全な国民劇で、社会を良くする」なんて建前は、風前のともしび。だけど舞台の上では、素晴らしき建前「プラスチック!」が歌われている。

思いだそうよ。サブリナの時代のキレイゴトを。一三はじめ、様々な起業家が口にしてきた建前を。「プラスチック!」は笑っちゃうぐらい時代遅れなことを言ってるんだけど、その時代遅れなキレイゴトを大事に守ってきたのがタカラヅカなんじゃん!

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