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絹の靴下(青山劇場 5/28 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

どうも『ガイズ&ドールズ』みたいな居心地悪さがつきまとう。あれだ、アメリカンジョークだ。一瞬、笑うところなのかわからなくて、思考がとまってしまう。舞台ではどんどんジョークが繰り広げられてる。何度も何度もそれでとまるから、流れにのれない。

しかも社会主義を笑うってのが、実感として無いし。スターリンがミッキーマウスになってる絵とか、どっかんどっかん笑うところなんだろうけど、客席はしーんとしてる。これはもう文化的な素地の問題で、いかんともしがたい。。。

樹里(樹里咲穂)の役のおバカさとかは、わかりやすいんだけどね。

コメディに見えて意外にシリアスなのも、まとまりを感じにくい理由かも。ソビエトの女性官僚がパリで自由を知り、男性にうまれてはじめて愛され、幸せだと思っていたのに、彼等に自国の文化をないがしろにされた。私、本当は愛されてない? バカにされてる? これはきっと祖国を裏切った罰なんだわ…。意外に重いよね、このいきさつ。

ラストは映画と違うと思うのだが、映画より唐突でなくてよかったな。

今村ねずみの身のこなしは、ただ立っているだけでスマート! 美しい! 燕尾服を着て美しい男性なんて(のぞく男役)、真島茂樹様以外で初めて見たわ。まるでフレッド・アステアじゃん! しかし芝居は…(笑) 歌も…(笑)あー、とにかくこの人には踊らせておけばいいのよん。どうしてもっとタップの場面がなかったのかしらん。

わたる(湖月わたる)はどうなのかなあ。でっかくて、かたくなで、そこが間抜けでかわいい、ソビエト女性官僚のおかしさが合っていたとは思うけど、ヅカファンじゃない人からしたらどうなのかなあ。

樹里のおバカなアメリカのセクシー女優。さすがに上手い。彼女の場面で、ぱあーっと劇場全体が明るくなる。しかし、歌を歌うと、歌が上手すぎて賢そうに見えてしまうね(笑)

マルコビッチ役の小宮健吾って、めちゃ上手い!! 渡部豪太はなかなか。三人組の神田恭兵、初めて見たけど、かわいいね。

映画では気付かなかったけど、個人的にはぐっと来る話かも。というのも、私、ソビエト出身なのかもしれない(もちろん比喩よ)。だって、めっちゃ抑圧された家庭で育ったんだもん。とにかく勉強ができなくちゃダメ、おしゃれや恋愛は御法度、演劇はチェーホフかシェークスピア、音楽はクラシック、エンターテイメントなんてもってのほか、テレビはNHKのみ、漫画は読んじゃダメ…これ、実話です。だから、ニノチカがストッキングを履く場面でウルウルしちゃった。母はレーニンの言葉「学び、学び、そして学べ」をよく口にしていたんだよね。うわー。(社会主義そのものがいけないってわけじゃないんですよ。それが形骸化して、恐怖政治になるのがよくないわけです。)

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