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めぐり会いは再び(東京宝塚劇場 6/25 15:30) [観劇メモ]

戦前の『歌劇』の公演あらすじを読んでいるような気分だ。

悪い人は一人も出てこない。ちょっとした勘違いでドタバタが起き、最終的には丸くおさまる。従来の体制を脅かすような結末にはならない。貴族は貴族、平民は平民。でも、思いやりとか、誠実さとかを学んで、みんなちょっとずつ成長する。そして何より、ロマンチックで可愛らしい。

…家族みんなで観られる少女歌劇だなあ〜。健全だなあ〜。

これがウケてるってことは、みんなもう「戦争」とか「革命」とか、ちょっとうんざりしているのかもね。

でも、これが植爺の演出なら、絶対に退屈なわけで。。。

何より、宛書きがピッタリだよね。たった1時間なのに、かなりたくさん役がある。そしてテンポがいい。もたくたしない、これ大事。小柳先生、大劇場デビューはまずまず成功だ。

ただ…、物語の結末をどうするか、どう解決するか、に期待を持たせておきながら、あんまり「おおお」っていう感じじゃなかったのが残念。結局、劇作家とお父さんの筋書きはどんなだったの〜? (私がバカなだけ〜?) 筋書きはこうこうこうで、でもここでこの人が先走っちゃって、やばいと思いきや、二転三転して上手くおさまった、みたいなドラマチックな何かがほしいなあ。肝心なところが杜撰で、もったいない。

あと、冒頭、旅廻りの劇団がやろうとしている物語と、この物語が、完全に混同されている演出が面白かったから、最後もその気の利いた工夫がほしかった。

・侍女リゼットの水色と黄色の衣装がチョーかわいい。
・ねねの侍女バージョンの髪型もかわいい。
・真風さんは眼鏡をかけると5割増しに見える。
・レオンやすずみんの髪型がおしゃれねー。時代設定無視でOK
・みやるりはあの衣装と髪型が似合いすぎ。
・しーらんが何気にヒゲのちょい悪オヤジでときめいた。
・副組長、役付き良すぎw

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ノバ・ボサ・ノバ(東京宝塚劇場 6/25 15:30) [観劇メモ]

ノバボサってこんなに哀しい話なんだ! 知らなかった…。

前回の月組版を観たときは、ディープなファンじゃなかったから、わからなかったのかな。ビデオを何十回見ても、生とは違うよね。

それとも、今回の演出が「初演に忠実に」だから気付いたのかな。

「初演に忠実に」の代表例が、フィナーレが無いことだと思うんですが、オールドファンのみなさまが「ノバボサにフィナーレがあるなんておかしい」ってやいやい言ってた意味が、初めてわかりました、すみません、今まで「?」でした。

正直、ビデオで何十回見ながら、「どうして中詰めのあと、一回静かになって、またすぐフィナーレになるのかな〜??」って思ってた。うわー、私、今思えばバカだ、ほんと。

カーニバルを頂点として、ソールとエストレーラの恋が終わった。その喪失感。恋人を殺してしまった罪悪感と、でも保釈された解放感、結局のところマールも絶望的な喪失感を味わっている。自分のせいで殺されてしまったブリーザを思うオーロと、片思いを続けるラビオーサ。…単なる静かな場面じゃないんじゃん、カーニバルの終わった後の哀しさなんじゃん。自分の読解力の無さたるや…トホホ。

だからこそ、そのあとにシナーマンなんだ。ブラジルには人が鳥になる伝説があるんじゃないかと思う。不自由な人間が、鳥のように自由になって自然に帰りたい! って、そういう場面なんじゃないかなって。カーニバルの浮かれようと、その後の哀しさと、そして鳥になりたいと叫んで終わるなんて、哀しいよ。ノバボサを見て、涙が出るとはね。

しかも、シナーマンって原曲は「罪人」って意味なのだそうだ。ほほ〜。(→http://blog.goo.ne.jp/earth12wind/e/6ffaf042f64062413d7a66842afa1821)罪深い人間だからこそ、鳥に憧れる。そう思うと、さらに泣けてくるやい。

・白華れみのブリーザが最高にかっこよかった。『太王四神記』のフィナーレでこの人の男前なダンスに惚れたんだけど、本領発揮だね。
・ともみんのマールがラテンのリズムを持っていてかっこよかった、見なおした。
・オーロはきっと誰がやっても私は不満だと思ってしまいそうだけど、ベニーのオーロは全然ダメだった。あの人はどうしてビシっとキザれないのだ? 芝居のほうのコミカルな役とか、これまで多かったキレたキャラとかは、全部を持って行くぐらいにすごいのに。
・ビーナスの礼真琴、かわいいね。しかし注目はヘソだ。ヘソ出しは珍しい? 要調査。
・副組長、黒塗りが美しい。さすがだ…。ゆらさんはネックレスを首にしてなかったっけ? 要チェック。
・シスターマーマがかなりルーア神父に迫ってたけど、あれは初演通りの演出なのか、じゅんちゃんのキャラなのか。

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