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美しき生涯 / ルナロッサ(東京宝塚劇場 7/10 15:30) [観劇メモ]

これが大石静にとってのタカラヅカなのか〜。

だとしたら私は一票、「賛成」に入れたい。(おずおずと。)

だってだって。勝気なヒロインに不器用な男、しかもイレギュラーな両思い。それだけで、ときめく。変な力関係に翻弄されるのが、たまらない。乙女心がピンクに染まる〜。すっかり茶々になりきって観てしまった。

そういえば私、大石静の『愛才』という自伝的小説がわりと好きだった。年の離れた夫がいるのに、愛人を作る脚本家の私。うーん、イレギュラーだよな〜。全然「乙女」じゃないよな〜。でも、そういうのが好きなのも、乙女特有の異常さだと思うなり。

演出が昔っぽい大芝居、なのに意外にテンポがいいのも新鮮。植爺の大芝居もテンポよくやってくれれば耐えられるのかもしれない。

しかし、「義」のくせに不倫ってのは、まあ理屈からしたら変だよなー。設定にときめきまくって、アラにすべて目をつぶってしまったけど、よく考えたら変だよなー。

「生きることを勧めるのが愛」ってのは現代的で面白い。三成が切腹しなかったエピソードって、ちょっと変わりものだっていうエピソード? それを「愛」に結びつけちゃうのが面白い。ただ、「民が豊かに暮らせるよーに」ってのは蛇足だ。言い訳がましい。

そして、役が全然ないのは、座付きだったら袋叩きだよなー。主役三人と専科様だけで成り立ってるもんね。まあ、マヤさんの秀吉はいいに決まってるし、美穂圭子さまの意地悪日本物も定番だし、ほんと、楽しかったんですが。

ユウヒのこういう男性像って本当に素敵。リックと並ぶ代表作。髪型の造形も、ほんと才能あるよねえ。最後のうすらヒゲと裸足が眼福でございました。

テルは思ってたより全然よかったなあ。トップになってもいいと初めて思った(←つねに上から目線)。そりゃ立ち回りは下手っぴで、とても忍者に見えないけどさー。若白髪が麗しいって、すごいことよ。役があっているんだよね。前回の軍曹は「あちゃー」だったけど、そこで鍛えられたのか発声がよくなってたし。

でも「光と影」って、「影と影」やろ、と思う。あの、三成と疾風が結託する場面は、唐突でついていけなかった。

話の流れ全体は特に文句はないのだけれども、強いて言えば、七本槍が実際に三成と衝突する場面がほしい。口で「あいつ気に入らない」と言われてもねえ。衝突する場面があれば、七本槍の面々も少しはやりがいのある役になったのでは。

あと、曲がアニメソングみたいなのも楽しかった。

その他箇条書き。
・大の青天! ともちんのヒゲ!
・妃宮さくらがよかった。これまでももっと使えばよかったのに。
・青いかつらと蛍光色の帯?はなんだったんだろう。

稲葉フトチのショーは、雪組のよりはマシだったけど、装置も小作り、ただどわーっと踊るだけ、の場面が多くて退屈だった。だいたい、プロローグであの装置を開かずにただ置いておくって、どういう料簡なんだ。ストーリーがあるってマジですか。全く感じられなかった。

マシだったのは選曲がよかったからかも。中詰めまでの歌いつぎ、その前の歌手デビュー、フィナーレ男役あたりは曲がよかった。

特に中詰めまでの歌いつぎは、「50年代のアメリカが夢に見た中近東」だと思えば楽しい。フトチはもうオギーの真似なんか諦めて、せめて三木ティレベルを目指してください。

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