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ヅカファンである悦び [ヅカってなんだ?的記事]

(ちょっと追記しました)

ヅカファンである悦びって、なんだろう。


頭をからっぽにして、きらびやかなもので心も体も満たされる、リフレッシュ感。

素晴らしいパフォーマンスを目の当たりにする有り難み。

男役芸やラブシーンにドキドキする高揚感。

スターさんが劇場いっぱいに満たすオーラに浸っているときの、椅子から浮き上がりそうな幸福感。

過酷な状況の中で健気に努力する生徒さんへの、心からの尊敬。

大好きな生徒さんと目が合ったり、お手紙を渡せたり、会話が成立したりしたときの、天にも昇る気持ち。

舞台上から客席に投げかけられるパワーと、客席から舞台に返す熱気とが、循環している、愛の挨拶のライブ感。

退団の発表を悲しみながらも、千秋楽までにはファンの人たちが両思い感に満たされている、あの不思議な切なさ。

素晴らしい作品に出会って、公演している劇場がその作品の世界そのものであるかのように錯覚するほどの陶酔感。

駄作でもなんとか面白みをみつけようと友人たちがネタにしているのを面白がって聞いているときの小気味良さ。

スターさんをキャラクター化して楽しんだり、ちょっとした悪口や噂をひそひそと話してたのにすぐ忘れてしまったりといった、変な内輪受け感。

次はどんな作品が、どんなスターが登場するんだろう、と感じているワクワク感。

劇場の中も外も、見知らぬファンのみならず、劇場スタッフや演出家や関係者の全てが、自分の家族であるような一体感。

自分がそんな素晴らしい夢の世界の一員であり、心のふるさとを持っているという、誇りと安心感。

それに恥じないよう、自分も頑張ろうと思うときの充実感。


…そんなものが、今あるだろーか(涙)。部分的にはあるけど…

でも、本当はまだあると信じたい。ただ雲に隠れて見えないだけで。

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紫吹淳コンサート MYSELF(ル・テアトル銀座 7/29 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

これまでのコンサートと違い、ダンス中心というか、歌う時も必ず振りがついていた。これは正解だなあ。リカちゃんはシンガーじゃないから、歌うときのスタイルがそんなに無い(その件については20周年コンサートの記事)。そのぶん、踊りも見せつつ、歌も歌いますよ、というのは方向性としては正しいと思う。

あと、衣装がすごい。これでもかと着替えて、10着ぐらい? どれもセンスいいし。これも正解だなあ。踊りも歌も衣装も、全体的に楽しんでよ、ということなんでしょう。かの越路吹雪のコンサートは衣装も見所だったというし(すみません、大先輩、大シンガー、大御所と比べるつもりはありませんー)。

特に、最初の戦隊ものみたいな、なのにベースはチュールで体のサイドが全部すけすけ、前面、背面はレースや羽やパールでごてごて…すごいセンス。アンコールの、ギリシャ神話の美少年みたいな白い短パンに、ステージの上から垂れてる布をからませて、っていうのも全体の絵がきれいだったし。スーツの上着の裾が丸くカットされてるのもオシャレだったなあ。ピンクのフリルたんまりドレスで、裾を階段にびらびらーっとたらすのは、『うたかたのオペラ』の黒ドレスの延長なんだろうけど、イメージががらりと違ってまたかわいい。

日替わりゲストは『源氏物語』でお父さん役だった駒田一。やった! この回のチケットにして得した! いやはや、素敵な人よねー。シンガーは歌うスタイルがあるんだよなあ…、としみじみ聞き入ってしまった。

好きだった場面は、社交ダンス! 最初は男リカちゃんが女性のダンサーと踊り、次にこの女性ダンサーが男性ダンサーと踊り、次に女リカちゃんが男性ダンサーと踊る、という趣向。特に女リカちゃんがとっても素敵だった。ちょっと恥じらいつつ、セクシーに踊っている様子が。ここでの衣装、髪型や髪飾りもかわいい。(また、ここで組んだ男性ダンサーが表情豊かで目が離せない)

あと、山口百恵の『プレイバックpart2』。マイクスタンド倒しながら歌う振りといい、歌もかっこよかった。この2つが最高に良かった。(リカちゃんてほんと、声質に合う歌が限られるんだよな…。)

そのあと、中森明菜の『愛の難破船』を輪っかのドレスで歌ってたし、マドンナの『マテリアル・ガール』もあった。やっと同世代であることを実感^^;

でもやっぱり、知らない曲が多いんだよなあ。これまでの舞台の歌とかジャズとか宝塚時代の歌はわかるんだけど。『Mr PINSTRIPE』で歌った欧陽菲菲みたいなの、どうしてやらないのかなー。レディーガガの歌とかあったみたいだけど、どうも私の好みは、世間とずれているらしく、さっぱりわからなかった。

ラストがなんと、退団コンサート『L/R』のオープニングの曲だった! 衣装もあのデニムみたいなスーツにピンクの文字とバンダナ。いやー、テンション上がる上がる。客席のノリも違う。あの頃の自分はどんなだったかなあ、って思い出して、切なくなってしまった。7年間、いろんなことがありましたなあ…。リカちゃんは、男役のごてごてさに女優のごてごてさを振りかけたようなスタート地点から、元男役と今女優がうまく練り込まれてきたというか、全体的にこなれてきたのではないでしょうか。アンコール曲でウルウルしながら、ファンへの感謝の気持ちを歌ってくれたのが、恥ずかしいような、うれしいような。
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嵐が丘(赤坂ACTシアター 7/23 1:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

河村隆一ってなんて声がきれいなんだろう。涼しい少年の声。ずっと聞いていたい。なのに、しゃべらないときは棒立ち。そして、歌うと演歌。見た目はちょっと鹿賀丈史。ううーむ。

ヒロインは安倍なつみの回。わがままな感じもかわいかった。楽日だったようで、ファンの「なっちーーー!」という熱いコールが面白い。幕間に「俺のキャシー!」とか盛り上がってるファンの様子も微笑ましい。(他業種ファンをつい観察してしまう)

お目当てのいっくん。いっくんが出て来ると舞台がバラ色になるわ〜。ファンの欲目かしら。でもちょっと、首が短く見える。ヅカファンは衣装の着こなしに厳しいのだ。

もう一人のお目当て、ツレちゃんの娘! メジャーなミュージカルに出るのって初めてでは? いやー、顔そっくり。なのに小さい! そして歌えてる!(笑) 派手な顔だけど、芸風は控えめな役に合ってるのかしら? また観たいなあ。

で、作品としては。赤坂ACTのような大きい劇場でやるタイプのものではないような。ミュージカルというよりは、音楽劇というか(まあ、宝塚も大半がそうなんだけど)、感情を吐露するところだけが歌で、それ以外はふつーのお芝居というか。肝心なところをカリンチョさんのナレーションで誤摩化してしまっているようにも感じたし。かなり暗い話なので、もっとスケール大きく、「不幸」をもっと大げさに演出することもできたんじゃないかなあ。

個人的には、浅はかなヒロインには著しく感情移入できるので、それなりに楽しかったけれども

ところで、ヒースクリフって絶対山羊座だよね。
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ファントム(宝塚大劇場 7/17 15:00) [観劇メモ]

2006年花組の新人公演の映像だけを100回ぐらい見ているために、「こんな場面あったっけ?」の連続で、全く客観的な見方ができていません。でも、こんなダンスあったっけ? こんな装置あったっけ? は、あながち間違いではないらしい。テンポよく、ダンスもらんとむに合わせて多めに、より見せるようになっているらしい。

バリバリ踊るファントム。だから、蘭寿エリックは屈強だ。地上に行っても生きていける。その才覚がある。なのになぜ地下にいるのか? わけあっての地下活動ではないのか? ってそれはビクター・ラズロw。だから、そんな青年が「ここが僕の森だよ」なんて言い出す奇っ怪さは、真の狂気に見えなくもない。かえって哀れさを誘う。一方、壮キャリエールは落ち着きはらっていて、ひょっとして確信犯? と思わせる。だからなんだか、違うお話に見えなくもない。それこそ、愛ゆえに二人は…みたいな。同期だからそういう関係性が匂うのかしら。

これまでは、銀橋で泣きそうになったけど、今回はなぜかエリックが死ぬところで泣いた。「本当のお父さん」がいてよかったね、と。直前に見た『灼熱の彼方』のせいなのか、「本当のお父さん」「本当のお母さん」「血のつながり」というものが、福音であった時代があったのだなあ、と。昭和30年代の少女マンガを読んでいると、本当のお母さんを捜すというストーリーがとても多い。『母を訪ねて三千里』とかもそう。私からすれば、血がつながってたって愛がない場合がほとんどじゃないか、と思うけれども。でもかつて、血がつながっているということが、本当の愛に直結する、それだけが救いである、という感じ方が存在したことはよーくわかる。ああ、私が死ぬときもこんな救いがあるだろうか。本当の親が名乗り出てくれるというような、思いもかけないすばらしい救いが。そんな気持ちでエリックの死を見送った。不思議な感情だなあ。

一花カルロッタがいい。タキさんの歌唱力とは別方向から攻めて、めりはりをつけたんだね。こういうのこそ芝居がうまいっていうんだよなあ。ふみか氏は小芝居が楽しそう。でもめりはりは…。役にのめりこんで熱く演じてしまうタイプだからなあ。従者がいちいちかっこいい。また詳細は東京で。


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灼熱の彼方 コモドゥス編(宝塚バウホール 7/17 11:00) [観劇メモ]

聞きしに勝る学芸会脚本…。うぅーむ。オデュセウス編よりマシだよ、と聞いて驚き。

たとえば、回想シーン以外にも、時系列どおりに話が進まない(理解が難しいわけではない)。んだけど、なんの効果を狙ってそうしたのか、さ〜っぱりわからない。

たとえば、さらさ、カレン、あたりがつまらない造形の役で気の毒。姉はどうしてあんな性格なのか。大体、暗殺団はどうして暗殺をたくらむようになったのか。などなど、2時間半もあって、人数こんなに少ないんだから、それぐらい書きこもうよ!!

なんと「お父さんが、兄弟同然の別の子を可愛がるから、僕は悪い子になったんだい!」「しかもお父さんは本当のお父さんじゃなかった!」という話だった。おおお、こういう話は感情移入しやすいはずなんだがな。これこそ植田景子のお家芸じゃないのか? 景子タンならもっと繊細に書くんだろうなあ。「本当のお父さんじゃない『だから』愛してくれなかったんだ」って、それこそ昭和30年代までの発想でしょう。あっ、だから植爺の弟子なんだ…。うーん、納得。かといって、植爺みたいにケレン味があったり、フィナーレが神だったりするわけじゃないからなあ。トホホ。

翔ちゃんがまた、真ん中慣れしてないのが…うくく。がんばれー。叫ぶ声がどうしても割れちゃうし(歌はそうでもないのに)。でも、翔ちゃんの美しさだけでもっている、と言えなくもない。

真ん中に立つのはさすがに彩風咲奈のほうが一日の長。しかし、かぶりものが似合わないなあ。

メモカ、もとい、夢華あみは確かに声はきれいだ。芝居も前より良くなったように思う。でも、いかんせん見た目がね…。だって、かわいないもんー(新喜劇の安尾さんの口調で)。だから、かわいこぶりっこにしか見えないんだよね。ヒロインの星乃あんりは、見た目がちょっとアリス系?

謀反を起こす大臣?たちも最後立ち回りすればいいのに。朝風さん、ヒゲ素敵なのに。ほたてはおじさん役者になるのかなー、ワクワク。のあちゃん、かわいいのに役は貫禄系なのね。レオは声が顔や芸風となんか合ってない。でも、声がガイチに似ているような気もする。そして、月城かなとくんをやっと認識、うまい! そして、まなはるをもっと使ってーー!

それにしても、主演者でも、着たきりすずめなのね。しくしく。


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ハウ・トゥー・サクシード(梅田芸術劇場 7/16 12:00) [観劇メモ]

誰にも感情移入できなーい。

もし、感情移入できるストーリーにするなら、ずるい手を使っていたことを最後に反省して、あの本を捨てて、いちからやり直す、というストーリーにするんだろうなあ。

けど、これはこれでいいのかも。感情移入なんかしないで、一歩離れて見る話なのかも。出世しか頭にない狡猾な男、結婚しか頭にない浅はかな女、会社の言うなりの勤続20年の男、社長の顔色ばかりうかがう重役、お色気ノータリン秘書、に鼻の下をのばす男性社員、コネ入社を鼻にかける愚かな男。あーもう、ほんっとバカばっかだなーーー。と、笑いながら観るものなのかもしれない。

とは言っても、当時のアメリカなら笑えたのかもしれないけど、今、しかも日本だと、ぴんとこないことが多いよね。なんと、初演の真矢みきのときは、げらげら笑えたらしい。うーん。これは、演出のせいか、演者のせいか…???

以下、順不同で箇条書き。
・ちぎバドがママに電話するところが、とってもかわいい。バドは笑えるというよりも、かわいかった。
・コマのギャッチかっこいいじゃん。キスシーンはキムよりいいじゃん。
・キタロウくん、「木こり」って!! 似合いすぎる。しかし、マヤさんのような風情はさすがに難しいね。
・かおり、きれいだからあんな役でも下品にならない。宝塚の娘役マジックだよなあ。
・ヒメ、胴布団は無理があるけど、最後の歌がすげえ。
・まっつの不機嫌な顔が美しすぎる。
・ゆうちゃんさんとかおりの並びがいいなあ。
・あゆっちかわいいし、あの口調もうまいじゃん。
・オールバックは誰がやっても苦手だけど、なぜかひろみのは好きだ。
・みうと退団仕様なんだね(涙)。
・昇進の話が持ちあがると、後ろで「自分が自分が」って小芝居してるのがいいね。っていうか、基本小芝居しかすることないわけだけど。
・フランク・レッサーの曲はやっぱりいいよね~。ガイズがみたいなあ。いまの花組で!
・衣装はどれもかわいい。特に最後のミミのチェックのやつ。
・洗面所のシーンがいいのはもともとなんだけど。もういっこ、映画で好きだった女子社員の場面がなかったような。

外部で観たときの感想→http://pt-omoitsuki.blog.so-net.ne.jp/2007-05-05


美しき生涯 / ルナロッサ(東京宝塚劇場 7/10 15:30) [観劇メモ]

これが大石静にとってのタカラヅカなのか〜。

だとしたら私は一票、「賛成」に入れたい。(おずおずと。)

だってだって。勝気なヒロインに不器用な男、しかもイレギュラーな両思い。それだけで、ときめく。変な力関係に翻弄されるのが、たまらない。乙女心がピンクに染まる〜。すっかり茶々になりきって観てしまった。

そういえば私、大石静の『愛才』という自伝的小説がわりと好きだった。年の離れた夫がいるのに、愛人を作る脚本家の私。うーん、イレギュラーだよな〜。全然「乙女」じゃないよな〜。でも、そういうのが好きなのも、乙女特有の異常さだと思うなり。

演出が昔っぽい大芝居、なのに意外にテンポがいいのも新鮮。植爺の大芝居もテンポよくやってくれれば耐えられるのかもしれない。

しかし、「義」のくせに不倫ってのは、まあ理屈からしたら変だよなー。設定にときめきまくって、アラにすべて目をつぶってしまったけど、よく考えたら変だよなー。

「生きることを勧めるのが愛」ってのは現代的で面白い。三成が切腹しなかったエピソードって、ちょっと変わりものだっていうエピソード? それを「愛」に結びつけちゃうのが面白い。ただ、「民が豊かに暮らせるよーに」ってのは蛇足だ。言い訳がましい。

そして、役が全然ないのは、座付きだったら袋叩きだよなー。主役三人と専科様だけで成り立ってるもんね。まあ、マヤさんの秀吉はいいに決まってるし、美穂圭子さまの意地悪日本物も定番だし、ほんと、楽しかったんですが。

ユウヒのこういう男性像って本当に素敵。リックと並ぶ代表作。髪型の造形も、ほんと才能あるよねえ。最後のうすらヒゲと裸足が眼福でございました。

テルは思ってたより全然よかったなあ。トップになってもいいと初めて思った(←つねに上から目線)。そりゃ立ち回りは下手っぴで、とても忍者に見えないけどさー。若白髪が麗しいって、すごいことよ。役があっているんだよね。前回の軍曹は「あちゃー」だったけど、そこで鍛えられたのか発声がよくなってたし。

でも「光と影」って、「影と影」やろ、と思う。あの、三成と疾風が結託する場面は、唐突でついていけなかった。

話の流れ全体は特に文句はないのだけれども、強いて言えば、七本槍が実際に三成と衝突する場面がほしい。口で「あいつ気に入らない」と言われてもねえ。衝突する場面があれば、七本槍の面々も少しはやりがいのある役になったのでは。

あと、曲がアニメソングみたいなのも楽しかった。

その他箇条書き。
・大の青天! ともちんのヒゲ!
・妃宮さくらがよかった。これまでももっと使えばよかったのに。
・青いかつらと蛍光色の帯?はなんだったんだろう。

稲葉フトチのショーは、雪組のよりはマシだったけど、装置も小作り、ただどわーっと踊るだけ、の場面が多くて退屈だった。だいたい、プロローグであの装置を開かずにただ置いておくって、どういう料簡なんだ。ストーリーがあるってマジですか。全く感じられなかった。

マシだったのは選曲がよかったからかも。中詰めまでの歌いつぎ、その前の歌手デビュー、フィナーレ男役あたりは曲がよかった。

特に中詰めまでの歌いつぎは、「50年代のアメリカが夢に見た中近東」だと思えば楽しい。フトチはもうオギーの真似なんか諦めて、せめて三木ティレベルを目指してください。

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