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トップスターは人格者、という夢 [ヅカ的近況]

きりやんがいなくなって、ユウヒもいなくなった。シューマッハ全員退団した。うわ〜、さみし〜。思いのほか、喪失感を味わっております。

『大海賊』のフレデリックの美しさ、『プロヴァンスの碧い空』の下手っぷり…思い出を語りだしたらいろいろあるけど、ユウヒの魅力についてはどうも上手く語れない。なので、違うことを書く。

最近は歌劇もグラフも、チラ見しかしてないんだけど、ユウヒファンに「読め!」と言われて、サヨナラ企画の出版物などを、そこそこ読んでおりました。そーすると、けっこう、「組替えで来たユウヒさんは、いきなり私を愛称で呼んでくれたんです」的な、「トップとしてあるべき姿を実践しようとする」ユウヒ像があり、ちょっとウルっと来たりしました。

ああ、これこれ、これだよ、トップ退団ってのはさあ。きりやんの、「自分を見習ってみんなが自主練するようになった」ってのも、感嘆したなあ。

誰と限ったことじゃないんだけど、トップスターってのは、芸だけじゃなく、人格的にも素晴らしい人なんです。これは、私がトップスターにそうあってほしい、という意味でもあるし、タカラヅカの修辞としてそうやって持ち上げるのってよくあるよね、という意味でもあるし、実際に、トップを極めた人には大なり小なりそういう人格的に優れたものがあるであろう、という意味でもあります。それが、宝塚の「夢」の一つなんです。(もちろん、トップさんだけじゃなく、どの生徒さんにもそうであってほしいんだけど、一組一人だけの地位はまた特別ということで)

退団するという最後の最後に、トップさんの人格的に素晴らしい話、苦労したけどそれを乗り越えた話をたくさん聞いて、舞台上では、「マンハッタンを20年かけて北上したんだ」なんて台詞にそれを重ねておいおい泣いて。

タカラヅカって、芸を観るものというよりも、そして娯楽であるというよりも、美徳を観るものなんだよ! 少なくとも私にとっては!

身体をはって美徳を体現してくれたユウヒをはじめ、数々のトップさんたち、ありがとう。これからもそんなトップさんが生まれますように。。。

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サンセット大通り(赤坂ACTシアター 6/30 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

もう大阪公演も終わってしまいましたが、、、

『桜の園』といい、年をとってしまった女の悲哀話が続いております、私の観劇生活。

折しも、視力が落ちてコンタクトの度数をあげたんですよ、そしたら近いところが見えなくなりましてね。携帯電話をすこし離さないと見えないんですよ。ひょっとして、ひょっとして、これって例の……ザ・老眼! OH MY GOOOOOD!!! 顔のたるみ、二の腕の肉、何故昔のスペックに戻れないのでしょうか、この煩悩をどうしたらいいのでしょうか、神様。

主演のトウコとは同学年ということもあり、しみじみしてしまいます。そりゃあ、私はトウコのようにトップスターでもなんでもないし、主人公ノーマのような過去の栄光なんて何にもない、でも、でも、でも、でも、気分的にはよーーーっくわかる。

サイレント映画時代の大女優が、過去を忘れられずに生きていて、執事以外と会わないのにすっげー豪華な衣装着てたりして。転がりこんだ若い男に恋をして軟禁、自分のカムバック作品が撮影されると勘違い、、、

前半は、ひじょーにバランスが難しい内容だと思いながら観てました。ただの怖いおばあさんに襲われたホラー、という作りにも出来ちゃうし、一方、それをコメディにすることもできちゃう。トウコは笑いを取りがちだし。けどまあ、ホラーとコメディは紙一重だから、いいのかな(例:楳図かずお)。

が、後半になると、ホラーもコメディも遠のき、人間ドラマとして魅せられました。演出が鈴木裕美だと後から知って納得。ロイド=ウェーバーの素晴らしい音楽に流されない、きちんとした作りでした。

ラストはかなり衝撃。自分を16歳だと思って「本当の私を見て!」と言うノーマ。だけど、みんなが見ている本当のノーマは…。でももう一回ひっくり返ると、あの格好で輝いているノーマはやっぱり16歳なのかもしれないな。

それに、映画(や演劇)という世界そのものを描き出してもいるんだね。みんなが勝手に夢を描いて、勝手におしつけあっている。上手く行く人もいるけど、大半はそうはいかない。なのにしがみついている有象無象たち。

この話に説得力を持たせるためには、ノーマがある程度老けてなくちゃいけない。だけど、観客の共感を得るためには、ある程度可愛らしさや美しさもなくちゃいけない。そして何しろ、歌唱力が必要とされる。そこそこの年の女優さんなら、誰しも挑戦したい役でしょうなあ。トウコは立派に大女優でした。特に、久々に撮影所に行ったときのソロが素晴らしかった。泣けた。

ユミコは22歳ってどうなのと思ったけど、違和感なかった。ベティという役は、ノーマの対照で、映画界で自分のできる範囲で生きて行こうと思っている、とてもクレバーな人なんではないですか。え、もっと嫌味な女設定? うーん、ユミコの持ち味なのか、素直で賢い子だな、と思ってしまいました。

田代万里生は体調が悪かったそうで、アフタートーク欠席でしたが、舞台では全く遜色なかったです(ちょっと鼻声かな?とは思ったけど)。すごいなあ、歌ウマさんて。ジョーという役は、下手するとただのチャラ男だろうから、これぐらい生真面目な持ち味の人で、かえって良かったんじゃないかと思いました。

鈴木綜馬の執事マックスがとっても素敵。(アフタートークでのおちゃめキャラがまた大大大素敵)眉毛を薄くしているのかな? その下の目が、ノーマとジョーの成り行きを嫉妬ぎらぎらでしずかーに見つめているのがたまりません。でも、これは元々の設定だけど、元夫だったっていうのはちょっとやりすぎでは。

ベティの婚約者は、『愛と青春の宝塚』の兵隊さんなのねー! 戦国鍋テレビにも出てるし、立派になったねー。遠目に見るとなぜか吉本新喜劇の伊賀に見えるが(笑)。

それにしても、戸井さんと福麻さんの使われ方はもったいなかった。

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