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サンセット大通り(赤坂ACTシアター 6/30 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

もう大阪公演も終わってしまいましたが、、、

『桜の園』といい、年をとってしまった女の悲哀話が続いております、私の観劇生活。

折しも、視力が落ちてコンタクトの度数をあげたんですよ、そしたら近いところが見えなくなりましてね。携帯電話をすこし離さないと見えないんですよ。ひょっとして、ひょっとして、これって例の……ザ・老眼! OH MY GOOOOOD!!! 顔のたるみ、二の腕の肉、何故昔のスペックに戻れないのでしょうか、この煩悩をどうしたらいいのでしょうか、神様。

主演のトウコとは同学年ということもあり、しみじみしてしまいます。そりゃあ、私はトウコのようにトップスターでもなんでもないし、主人公ノーマのような過去の栄光なんて何にもない、でも、でも、でも、でも、気分的にはよーーーっくわかる。

サイレント映画時代の大女優が、過去を忘れられずに生きていて、執事以外と会わないのにすっげー豪華な衣装着てたりして。転がりこんだ若い男に恋をして軟禁、自分のカムバック作品が撮影されると勘違い、、、

前半は、ひじょーにバランスが難しい内容だと思いながら観てました。ただの怖いおばあさんに襲われたホラー、という作りにも出来ちゃうし、一方、それをコメディにすることもできちゃう。トウコは笑いを取りがちだし。けどまあ、ホラーとコメディは紙一重だから、いいのかな(例:楳図かずお)。

が、後半になると、ホラーもコメディも遠のき、人間ドラマとして魅せられました。演出が鈴木裕美だと後から知って納得。ロイド=ウェーバーの素晴らしい音楽に流されない、きちんとした作りでした。

ラストはかなり衝撃。自分を16歳だと思って「本当の私を見て!」と言うノーマ。だけど、みんなが見ている本当のノーマは…。でももう一回ひっくり返ると、あの格好で輝いているノーマはやっぱり16歳なのかもしれないな。

それに、映画(や演劇)という世界そのものを描き出してもいるんだね。みんなが勝手に夢を描いて、勝手におしつけあっている。上手く行く人もいるけど、大半はそうはいかない。なのにしがみついている有象無象たち。

この話に説得力を持たせるためには、ノーマがある程度老けてなくちゃいけない。だけど、観客の共感を得るためには、ある程度可愛らしさや美しさもなくちゃいけない。そして何しろ、歌唱力が必要とされる。そこそこの年の女優さんなら、誰しも挑戦したい役でしょうなあ。トウコは立派に大女優でした。特に、久々に撮影所に行ったときのソロが素晴らしかった。泣けた。

ユミコは22歳ってどうなのと思ったけど、違和感なかった。ベティという役は、ノーマの対照で、映画界で自分のできる範囲で生きて行こうと思っている、とてもクレバーな人なんではないですか。え、もっと嫌味な女設定? うーん、ユミコの持ち味なのか、素直で賢い子だな、と思ってしまいました。

田代万里生は体調が悪かったそうで、アフタートーク欠席でしたが、舞台では全く遜色なかったです(ちょっと鼻声かな?とは思ったけど)。すごいなあ、歌ウマさんて。ジョーという役は、下手するとただのチャラ男だろうから、これぐらい生真面目な持ち味の人で、かえって良かったんじゃないかと思いました。

鈴木綜馬の執事マックスがとっても素敵。(アフタートークでのおちゃめキャラがまた大大大素敵)眉毛を薄くしているのかな? その下の目が、ノーマとジョーの成り行きを嫉妬ぎらぎらでしずかーに見つめているのがたまりません。でも、これは元々の設定だけど、元夫だったっていうのはちょっとやりすぎでは。

ベティの婚約者は、『愛と青春の宝塚』の兵隊さんなのねー! 戦国鍋テレビにも出てるし、立派になったねー。遠目に見るとなぜか吉本新喜劇の伊賀に見えるが(笑)。

それにしても、戸井さんと福麻さんの使われ方はもったいなかった。

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