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仮面のロマネスク / Apasionado!!2(中日劇場 2/11 15:30) [観劇メモ]

1960年のフランス映画『危険な関係』が好きで、ジャンヌ・モロー演じるメルトゥイユ夫人に「大人になったら、あんな女性になりたい!」と、本気で憧れていました。(おかしいなあ、予定と違っちゃったなあ〜。)

で、ヅカファンになって『仮面のロマネスク』を映像で見てびっくり。ラストが純愛物語になっている!! いや〜、映画の悲惨な最後もかっこいいけど、これはこれでいい。共犯者としてのかけがえのない存在であることを、最後に二人が確認し合えたのがうれしくて。そのうえ、高嶺ふぶき様のしたたる色気と、お花様の光輝く高貴さが、まばゆくてねえ。

そんなわけで、初演を生で見てもいないのに思い入れのある作品、再演とあらば名古屋なんてひとっ飛びですよ。

生だと、さらにぐっと来ますなあ。さすがに、古い作りの作品ではあるんだけど(景子先生はあんまり改変しなかったのね)、そのゆったり感が、タメにタメて、ラストシーンでドドーン、みたいな。じらしてじらして、悶々とさせる、みたいな。まさにヴァルモンの手口だわ…。ヴァルモンがトゥールベル夫人に本気になりつつあることも、でもメルトゥイユ夫人を一番大事に思っていることも、それがわかっていながらやっぱり納得がいかないメルトゥイユ夫人がダンスニーに手を出すことも、全てが、全てが切ない〜〜。

さて、ユウヒのヴァルモンは、高嶺様の「攻め」のヴァルモンと違って、かなり保護欲をそそる男。ちょっと映画のジェラール・フィリップを思わせる(映画では最後泣き落しでトゥールベル夫人を落とすんです)。母性本能くすぐり系で、ドギマギしちゃいました。新曲で「俺、トゥールベル夫人に本気かも」的なこと歌ってるのも、心情がわかりやすい。

すみ花のメルトゥイユは、演技で仮面をつけているんだな、ということがよくわかって、かえって切ない。違った立場に生まれたら幸せになれたかもね、という。そうそう、「貴族の女は15歳で政略結婚させられる」というような台詞が追加されていて、ここもわかりやすくなったと思います。

藤咲えりのトゥールベルは、もうね〜。星奈優里様は、そこにいるだけで「触れなば落ちん」なんだけど、えりちゃんは一見地味。それが、ヴァルモンに迫られるたびに、どんどんどんどん色っぽくなる。うわあぁぁぁ、なんてエロなんだ。彼女は声もいいしねえ。期待以上でした。柴田作品のファンだって言ってたような。辞めるなよーー、これからが女役としての花盛りだぞーー。

全体的には、初演のハッタリ度は減って、きめ細かい芝居になっている印象。脚本の変更のせいか、植田景子の演出のせいか、演者のせいか…、全部なんだろうな。

ダンスニーは本来間抜けな役だから、あれでいいのかなあ。ほっくんは、笑いを取ろうとするときっちり笑いを取れてしまう人なのよねえ。スターさんとしていいのだろうか、とちと心配。(むしろ、トドさんがダンスニーをやったことが不思議だ)

セシルとダンスニーは、自分たちも十分楽しんだくせに、最後は被害者づらする、ある意味卑怯な人たち。でもそこは宝塚版ではそれほど描かれない。そのかわり、時代設定を原作のフランス革命前夜から、7月革命に移して(ちなみに映画は現代)、誇り高い貴族社会と、礼儀もわきまえない新興勢力の対比という構造にしてみせた。これはすごく上手いと思う。だからこそ、初演にあった、ダンスニーが新勢力側で戦う、という台詞は落としてほしくなかったなあ。

ジェルクール将軍は初演よりずっと軍人らしくてかっこよかった。司祭さまって、初演のナガさんのときも不思議だったけど、じつはけっこう企んでるのかしら〜。ナガさんも風羽さんも企み系だから、かんぐっちゃう。カチャ様が悪くなかった。このポジでこの頑張りなら、アリだ。相変わらず研7ぐらいにしか見えないけど。

ユウヒの髪型は私はけっこう好き。モミアゲだけは高嶺さんリスペクトなのが、また素敵。

ショーは、藤井大介が絶好調の階段をのぼりはじめたときの作品(という認識。自分的には)なので、まだちょっともたくたしているようにも思う。けど、赤と黒のダーク路線はやっぱりいいわ。デュエットダンスが変更になって、それがまたヴァルモンとメルトゥイユみたいで、たまりません。お花ちゃんズの後のすみ花の「来てよ顔」も、さらにノリノリで、たまりません。

小間使い役で、蒼井美樹に似た怖そうな顔の子がいるなと思ったら…

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