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グランドホテル(赤坂ACTシアター 4/17 12:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

GREENチームを観劇。

大好きな演目です。
頭の中で曲がぐるぐる鳴ってます。

ヤンさんが素晴らしかった!
突然あらわれた年下の男に口説かれているときの、
困ったような、バカにしたような、でもうれしそうな表情!
「踊りたいの」と言い出したときの晴れやかな笑顔!
こ、これが元祖ツンデレなのね…!

私が知り合ったヅカファンのお友達って、
圧倒的に元シメさんファンか、元ヤンさんファンが多いんですよ。
訴求力を実感。


10年前にリカちゃんがフレムシェンで出演した、
国際フォーラムでの公演に何回か通ったので、
それとの比較で観てしまうのですが。

なんと、2時間で休憩なし。
ぎゅっと詰め込んでいる感じ。
複数のやりとりが同時進行するんだけど、
わざと台詞がかぶさるようにしている。
(国際フォーラムのとき絶対にそうでなかった、
というほど記憶が良くないのですが)

そういうわけでか、
ちょっとしたエピソードが省かれている? もしくは伝わっていない?
お医者さんが、第一次大戦でけがしてモルヒネを使って生きながらえている、
ということは、よく考えたらわかるけど、はっきりそうは言っていなかったよね?

あと、やりとりが交差している。
舞台の左側と右側で話している組み合わせがいて、
同時に、舞台の奥と手前で話している組み合わせがいる、
つまり、目線がクロスしている。これがとてもわかりにくい。

セットの、左右にある階段や、中央の階段の上などを使えば、
もっとわかりやすく処理できたのでは?

椅子やカウンターをどんどん動かして、その上でやりとりするのも、
面白いけどせわしない。もっとじっくり見たい。

そういうわけで、余韻があまりなかったのは残念。
「おおお、そこがそうなるか!」という間もなく進んでしまう。

でも、それが、たった数日間の出来事であった、
ということを表しているのかな。


男爵の宮原浩暢、初舞台だそうで。
顔は怖いし背が高すぎるけど、
声が素敵、歌もめちゃウマ。
歌うますぎて退屈するタイプかと思ったが、そうでもなかった。

オットーは中川あっきーで、かわいいんだけど、
ちょっとファンタジックすぎたかな。
本当のオジサンにやってもらいたいところ。

フレムシェンは昆さん。歌声や演技はしっかり者なので、
そんなにおバカに見えなかった。
童顔なのは良かったな。
ちなみに、リカちゃんは相当なおばかキャラだった。
(そして私的には、かなり好きな役だった)

そうそう、国際フォーラムでは、グルーシンスカヤは前田美波里だったんだけど、
感情的に「踊りたくない」と言っている感じだった。
でも、ヤンさんが「踊れない」と言うと、
ああそうか、本当に、踊れないんだな、と思う。

ラファエラの樹里ぴょんも良かったよ。
この役は、元男役で、でも出すぎない演技ができる人でないと、と思う。
難しい役だよねえええ。
あれっ? 国際フォーラムのときは諏訪マリーで、
髪型は断髪ではなかった。
けど、宝塚では天海さんが断髪だったよね?
もともとはどうなんだろう。
この時代の断髪の女性=新しい女性=同性を愛することもある、
という文脈で、断髪のほうが理解しやすいけど。

ホテルマンのエリックがけっこう大きな扱いだった。
藤岡くんなのか。困り顔がデフォルトだから合ってた。

プライジングは戸井さん。苦労人な感じ。
せわしなくない演出で、
この人の哀愁をもっと味わいたかったなあ。

そして、いまっちをすぐ見分けられる自分。

そうそう、ワタルのスペシャルダンサーが良かった。
健康的でおおらかなわたるさんではなくて、
パッサージュのダルマの退廃的なほう。(オギーはやっぱりすごい)
女性に戻ると、なぜか魔物っぽいよねえ。
つまりは、男爵を死に導くトートなんですわ。
最初っから、男爵のことを狙っているの。
(国際フォーラムのときは社交ダンスのカップルが踊ってて、
男爵との絡みはなかったはず。)


国際フォーラムのときの感想
http://pt-omoitsuki.blog.so-net.ne.jp/2006-01-12
http://pt-omoitsuki.blog.so-net.ne.jp/2006-01-14
http://pt-omoitsuki.blog.so-net.ne.jp/2006-01-21



---以下ネタバレ----



ラストが、GREEN版の結末というやつなのか、
ホテルの従業員が、客たちをボコボコにしてしまう、という。
ヒットラーの演説なのかな? が流れ、
従業員がハイルヒットラーのポーズをしているのが後ろのほうに見える。
面白いは面白い。

1928年は確かに世界大恐慌の前の年。
ナチスが躍進する直前。
冒頭から従業員たちの鬱屈が歌われるし、
途中でヒットラーの演説が流れるのも、背景としてはいい。

国際フォーラムのときのパンフを読むと、
ナチスの台頭をにおわせるのは、もともとある設定とのこと。
(REDバージョンでは一切無しにしたのかな??)

でも、従業員が客をボコボコにするのは、やりすぎじゃないか。

だって、この話のミソは、
従業員と客とに、じつはそれほど差はないだろう、
という部分だから。

男爵だってグルーシンスカヤだってプライジング社長だって、
セレブだけどお金に困ってる。
ましてや、オットーとフラムシェンは、経済的には従業員たちと変わらない層。
それがグランドホテルに入り込んでくる。
仕事として。はたまた、有り金はたいて。
だからこそ、男爵がオットーを友人として遇し、
エリックがオットーを「旦那様」と呼ぶようになり、
男爵のシガレットケースがオットーを経由してエリックに手渡されるのが、
感動的なんじゃん。
その素敵な部分はなんだったのよ、と。

ナチスドイツへの流れを表現するなら、
従業員が客をボコボコにするというのではない形で表現してほしかった。






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