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「劣情」の無い世界 [ヅカってなんだ?的記事]

スカステを解約したので、
最近は日本映画専門チャンネルとかで、
昔の映画をいっぱい見ています。

それでつくづく思うのが、
男性が女性をテキトーに喰っちゃう話が多いなあ、ということ。

たとえば『探偵物語』冒頭で、
大学をやめて外国に行ってしまう薬師丸ひろ子、
憧れの先輩が「最後だし、海でも行こうか」と誘ってくれて、
(でもその先輩には彼女がいて、しかもその彼女からお金を借りて海に行く)
このまま朝まで云々と言われて、いつのまにやら海沿いのホテルに、、、

あーー、
こういうの、自分にふりかかってきたわけじゃないけど、
もちろん、こんな男性ばかりじゃなかったと思うけど、
でもそういう価値観が普通ーに存在してた。

いや、今も存在している。
自分が年とって欲望圏内からはずれただけ。

女性といかにして接触するか(そして飽きたらもう接触しない)
という欲望=「劣情」を身に帯びた男性と、
それを全く否定しない価値観と、
そうした欲望を向けられることを
「モテ」もしくは「愛」と勘違いしてしまう女性。

うわぁ…


という目で、宙組を観たときのこと。



まぁくんがみりおんに一目ぼれして、
ぐいぐい押していくわけですが。
「君は僕に言葉を与えてくれる!」とか言って詩を書きなぐる、
ちょっと変人なんですが。


ああ、「劣情」がない。

男性が女性を口説いている場面なのに、
上記のような「劣情」が微塵もない。

いや、無いとか有るとかそういう次元じゃない。
そもそも全くあり得ない。

(だってこの人、女性なんだもん。
いや、女性でも男性でもない、男役という存在なんだもん)

人が死なない世界というぐらいに、あり得ない。

そのあり得なさが成立してる。


なんてうれしいんだろう。
なんて安心できるんだろう。


あーー、やっぱり私、
そういう「劣情」の世界は、好きじゃなかったんだな。

もちろん、性欲そのものを否定するわけじゃなく、
「劣情」によってできた様々な芸術を否定するわけでもなく、
むしろ昔は「劣情」も許容できる人間だと思っていたけれど、

でも、本当は、嫌いだったんだ。
若い女性がそうした欲に常にさらされている世の中から、
本当は逃げたかったんだ。


だからこそ、アジール宝塚にはまったのかもしれないな。


と、今更のことをあらためて思いました。


友人が、
「小林一三が、
女性から見た理想の男性像が結実するから、
女性が男役をやるのがいい、
って言ったそうだけど、
自分にとって理想の男性の条件は、そもそも男性ではないこと、なのだ!
……私、終わってますよね??」
と言っていました。

うん、終わってる。

でも、このあり得ない世界では、終わってないのよ!



(過去の記事。全く同じことを、初期にも書いてました)
http://www009.upp.so-net.ne.jp/ft2/koutenteki-zukafun/essey/asyl.html


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