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タカラヅカはタカラヅカという世界を楽しむもの [ヅカってなんだ?的記事]

外部のロミジュリは、タカラヅカのロミジュリより退屈しなかった。じつは。

でも、一方で、まっったく陶酔できなかった。

これは一体どういうことなのか。

ロミジュリは元から、歌手が歌いあげることが主眼の作品だから、かな(ミュージカルの大半はそうだという気がするが)。もちろん、役柄に合っているかどうかとか、演技力があるかどうかも大事だけど、それ以上に、一曲一曲を歌い上げればOK。ストーリーは誰もが知ってるから、そんなに説明する必要ないし。外部は歌ウマさんばかりだし。

一方、タカラヅカだと。歌ウマさんばかりじゃないから手に汗握る。それに、一曲一曲が終わったところで、ブツ切れに感じてしまう。途切れた、という感じがしてしまう。同じ作品なのに。

ということは。

タカラヅカは一つの閉ざされた架空の「世界」だということです。歌ごとに途切れてほしくない。歌と芝居の継ぎ目が目立ってほしくない。流れるように一つの世界を綴ってほしい。現実が入りこむ余地を一切なくしてほしい。

そして、「世界」の中では、多くの登場人物が生き生きと存在していてほしい。別の角度から見れば、それぞれの物語が作れるぐらいにキャラクター付がされていてほしい。タカラヅカの下級生はアンサンブルでもなんでもない。一人一人が大切な生徒。

なのに海外ミュージカル全般では、アンサンブルはアンサンブルでしょ。メインキャストとは明確に線がひかれている。そんなんじゃ、「世界」じゃない。

そのうえ、外部は当然のごとく多くの役がダブルキャスト。だから、どんなに仲良さそうにしていても、この舞台にいる人たち以外にもこの役の人がいるんだ、と思うと、物語にのめり込めない。ほかの作品ならともかく、ロミオとジュリエットで、4パターンのロミオとジュリエットがいるなんて、それはちょっと恋物語に陶酔できないなあ。恋とは、その一瞬、唯一の相手に燃え上がることでしょう。

タカラヅカではキャストは固定。モンタギューの三人も、キタチギの社交ダンス(ケンカのシーンのことを彼らはそう呼んでいた)も、この人たちだけのもの。恋物語にも、ダブルキャストでない期間のみだけど、ものすごーーく陶酔できた。(メモカ休演で一気に陶酔できるようになった私→この記事)。

だから、外部のロミジュリは、途切れたからといって退屈はしないけど、恋物語や友情に陶酔できない。タカラヅカのロミジュリは、途切れて退屈するけど、恋物語や友情に陶酔はできる。

タカラヅカとは、現実とはパラレルに存在する、全く別個の完成された世界。作品ではなく、世界を観るものなんだな。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::

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コメント 8

カッチコ

竜眼さんは私の心が読めるのでは・・・?というくらいに私が思っていても言葉に出来なかったことを書いてくださいます!

宝塚を好きになってから初めて「宝塚外」の舞台を観たのはエリザベートだったのですが、見ごたえもあったし面白かったのに全くのめり込めなくて・・・。
嘘に入り込めなかったんですよね~。

嘘の世界にも関わらず、メインやアンサンブル、ダンサーと線がきっちり引かれ、それぞれがそれぞれのことしかしないことにとても違和感を感じました。
あまり「町の人」みたいな役もないですし・・・(笑)
周りでザワザワしているの役でもその役を一生懸命やっていて、その小さな芝居を発見するのが楽しいのが宝塚だと思うのです。

ダブルキャストだと、舞台の一体感というものが薄くなってしまいますよね。
劇団四季を見ているといつも思います。
なんだか演者同士の心のつながりが無いように見えたり、かみ合ってなかったり・・・・。
あまりコロコロ変わらないでほしいものです。。。
by カッチコ (2011-09-14 15:08) 

hanihani

確かに退屈はしないけど、のめり込めないものを感じました。

あと、ストリート系とかなんというかコンテンポラリーダンス系の女性って
どうして皆同じ化粧で、色黒系、アイライン命なんだろうと思った。

それと自分がおとめちっくなものが好きだと自覚しました。
出ている人の色合いがちっともきれいじゃないから。

というのも昆さんが全然可愛く感じないのよぉ~
歌はうまいけど、演技での初々しさというものは無い。
たんに舞台馴れしてないだけで、一ヵ月後にはこの空気はないだろうと
思ったくらいです(初日みたからね)

そうしてみていたら、大鳥れいさんのロミオママの全体のシルエット
(首筋から肩、腕にかけて)やその佇まいが美しくて
歌声もきれいで、素敵なんで「私はこっちなんだ」と自覚した次第。
もう見なくてもいいかと思ったけど
山崎ロミオのチケット買ってあったのでした。
城田ロミオなら、夢華さんと組ませたら良かったんじゃないのだろうか?
by hanihani (2011-09-15 17:00) 

まゆまま

またまた、そうなの!そうなの!と竜眼さんに届けとばかりに東京中にこだまさせてしまいました。

真剣に没頭していた筈なのに、お茶会での話が活字になったり、出待ちで耳にしたりする公演の内容がその場に居たにも関わらず耳新しかったりする程、情けない私に悩んでいたけど、その世界に行っていたから自分の周りしか解らなかったんだ!って思うことが出来ました。

他の舞台はキラキラが足りないから楽しくないと思っていたけど…違う!世界が平面的だから入れてもらえないんだわとも。
by まゆまま (2011-09-16 01:33) 

福童

外部のミュージカルは確かに酔えないものがありますね。何故なんだろ?どう見ても日本人にしか見えない男優がロミオとかトートになってるからかな~?トム・クルーズが歌舞伎やってるような感覚なのかな~?

幼い頃に初めてロシアのバレエの公演を観て、男性のダンサーの美しさにビックリしたことがあります。「ああ、ライオンや孔雀と同じように人間も本当はオスの方が綺麗なんだ」と思ったんですね。
ところが日本のバレエは男性ダンサーがずんぐりの短足で綺麗じゃない。そういう違和感が外部のミュージカルにもずっとありました。
最近は日本の男優も随分綺麗になりましたが、宝塚にはまだ及ばないでしょうね。

宝塚の強みって、独特のフェアリー感だと思うんです。この世のモノではない感というか・・・・魔物感というか・・・・
最近のジェンヌはそういう感じが薄れて来てるかも知れません。化け物っぽい人が少ないんですよね。
by 福童 (2011-09-16 02:22) 

竜眼

カッチコさま、ご賛同いただけてうれしいです!
タカラヅカの良さって、通行人一人にも役名がついてたりして、
生徒が一生懸命設定を考えて演じてるところですよね。
外部だと、通行人はただの通行人って感じで、それが「嘘」に思える…
四季は、その日誰がやるかもわからないで劇場に行くってのが、
もう、バカにされているのかと(笑)
出演者同士の絆が、舞台の質にも反映されると思うんですがねえ。
by 竜眼 (2011-09-18 23:44) 

竜眼

hanihaniさん、「色黒系、アイライン命」って、
言われてみればそうですね! なんか笑える。
あれはどーいうジャンル名があるんでしょ。
なんか貧乏くさくて、私も好きくないです。
昆さんも可愛くないんですか…ヒロイン二人ともダメやん。
夢華あみのほうがマシだなんて、相当ですね。
(まだ彼女は色白だし)
OGの方々の佇まいの美しさは、
ヅカファンとしてはちょっと誇りに思えましたね。
by 竜眼 (2011-09-18 23:47) 

竜眼

まゆままさま、ありがとうございます!
あの閉ざされた美しい世界に、ファンも一緒に入っていけるのが、
タカラヅカのすごいところですよね。
自分も通行人の一人になったような気分で、観ています。
そのうえ「宝塚」というジャンルそのものが、
観るだけじゃなく、ファンとしていろいろ参加できちゃうのも
すごいなあって思います。

by 竜眼 (2011-09-18 23:51) 

竜眼

福童さま、子どもの頃に「ライオンや孔雀と同じように
人間も本当はオスの方が綺麗なんだ」って、すごすぎます…!(笑)
ストレートプレイでも、役名が白人名なのに、
どう見ても日本のオッサン、ってのが違和感あります。
タカラヅカなら、元がきれいだしメイクとかで工夫してるのに。
でも、おっしゃる通り、魔物的な人は今いないですね。
日本全体が平面的になって、そもそも
大スターが生まれにくこともあるんでしょうけど、
特に今のタカラヅカは見る目ないですからね…
裁判で明らかになった通り…
by 竜眼 (2011-09-18 23:56) 

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