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ファントム(宝塚大劇場 7/17 15:00) [観劇メモ]

2006年花組の新人公演の映像だけを100回ぐらい見ているために、「こんな場面あったっけ?」の連続で、全く客観的な見方ができていません。でも、こんなダンスあったっけ? こんな装置あったっけ? は、あながち間違いではないらしい。テンポよく、ダンスもらんとむに合わせて多めに、より見せるようになっているらしい。

バリバリ踊るファントム。だから、蘭寿エリックは屈強だ。地上に行っても生きていける。その才覚がある。なのになぜ地下にいるのか? わけあっての地下活動ではないのか? ってそれはビクター・ラズロw。だから、そんな青年が「ここが僕の森だよ」なんて言い出す奇っ怪さは、真の狂気に見えなくもない。かえって哀れさを誘う。一方、壮キャリエールは落ち着きはらっていて、ひょっとして確信犯? と思わせる。だからなんだか、違うお話に見えなくもない。それこそ、愛ゆえに二人は…みたいな。同期だからそういう関係性が匂うのかしら。

これまでは、銀橋で泣きそうになったけど、今回はなぜかエリックが死ぬところで泣いた。「本当のお父さん」がいてよかったね、と。直前に見た『灼熱の彼方』のせいなのか、「本当のお父さん」「本当のお母さん」「血のつながり」というものが、福音であった時代があったのだなあ、と。昭和30年代の少女マンガを読んでいると、本当のお母さんを捜すというストーリーがとても多い。『母を訪ねて三千里』とかもそう。私からすれば、血がつながってたって愛がない場合がほとんどじゃないか、と思うけれども。でもかつて、血がつながっているということが、本当の愛に直結する、それだけが救いである、という感じ方が存在したことはよーくわかる。ああ、私が死ぬときもこんな救いがあるだろうか。本当の親が名乗り出てくれるというような、思いもかけないすばらしい救いが。そんな気持ちでエリックの死を見送った。不思議な感情だなあ。

一花カルロッタがいい。タキさんの歌唱力とは別方向から攻めて、めりはりをつけたんだね。こういうのこそ芝居がうまいっていうんだよなあ。ふみか氏は小芝居が楽しそう。でもめりはりは…。役にのめりこんで熱く演じてしまうタイプだからなあ。従者がいちいちかっこいい。また詳細は東京で。


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福童

今回のファントムで最も顕著な演出の変更は、キャリエールがエリックからピストルを受け取ってポケットに納め、最後の場面でそのピストルを取り出してエリックを撃ってしまうというところじゃないでしょうか。(更に撃った後にそのピストルを再度ポケットに納めちゃった・・・・)
私は初日にそれを見て、何かの間違いじゃないのかと不審のあまり、出かけた涙が引っ込みました。
キャリエールの演出は、初代樹里・二代目彩吹のヘタレ型の方が涙を誘うと私は思います。
壮くん、ヘタレになってくれ~~~~と期待しつつ、何度か観ていますが未だヘタレにはなっていません(涙)
新公の真瀬キャリエールは伝統のヘタレ型キャリエールだったので号泣してしまいました。
是非、新公をご覧ください!
by 福童 (2011-07-20 00:56) 

竜眼

さすが福童さん、細かいところチェックされてますね〜
ひょっとして今回のは、わざとヘタレじゃないキャリエールを
狙ってるんですかねえ??
大沢ファントム観たとき、篠井英介のキャリエールがけっこう
ずるくて鋭い、確信犯的なキャリエールだったような気がします。
でも宝塚のキャリエールはヘタレで泣かせて、
カタルシスをもたらしてほしいですよね。
by 竜眼 (2011-07-30 13:49) 

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