So-net無料ブログ作成

The Musical AIDA(東京国際フォーラム ホールC 9/2 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

キムシン(木村信司)作品の、役名もない下級生のその他大勢アンサンブルって、ちゃんと意味があったんだ!!!(驚愕)(驚愕)(驚愕)だって、人数が少なすぎる! 迫力が全然ないのー。コーラスもものたりなーい。戦士とかが少ないってだけで、「えー、これ戦場じゃないじゃん」って思ってしまう。

セットも、ピラミッド状のものを上手に使っていたけど、ゴンドラのような「なんじゃこりゃあ」な衝撃はなく。アムネリス様の衣装がさほど豪華ではないのは、アイーダを主役にしなければいけないからなのか。ターコイズをメインにしたのはきれいでまとまりはあるけど、なんじゃこりゃあ感は少ない。舞台全体がタカラヅカより、奥行きも高さもあるので、ますますスカスカ感がある。キムシンらしいケレン味というのが、全然伝わってこなかった。

むしろ、寒々しかった…。

えー、なんでこんな陳腐なセリフをしゃべっているんだ、とゆう。。。トウコ(安蘭けい)が歌う歌詞も、聞き慣れているものなんだけど、やや空々しく感じてしまう。ましてや、トウコ以外の人なら、なおさら。

あーーー、私の大好きな『王家に捧ぐ歌』は、タカラヅカでしかできないものだったんだ。。。つまりは、脚本の粗やセリフの陳腐さを、人海戦術で、セットや衣装で、埋めていたんだね、キムシン。

いや、それだけじゃない。タカラヅカという様式だ。

タカラヅカという様式の中であれば、あの陳腐さもまた心地いいのかもしれない。オグリみたいな絵空事は、タカラヅカ以外ではできないと思うもの。平和! 愛! 超人オグリ! よそでは信じられない平和や愛も、タカラヅカの様式美の中で、豪華なしつらえの中で、ヅカファンが築きあげた共同幻想の中で、架空の男女が歌うのなら、信じられる。それが私たちの陶酔。

でも、タカラヅカ以外ではちょっと白けてしまうのよ(*)。もっと人間関係が複雑で、セリフも高度で、深〜い芝居なら、違うんだろうけど、ここまでストレートだとちょっと…。「清く正しく美しく」が、世間で冗談のように言われることと似ているのかも。そうだったらいいな、と思いつつ、真顔で言ったら嘲りの対象になってしまうかも、という恐れがある。ああ、そんなふうに他人のそしりに怯える自分が恥ずかしい。でも、でも、世間てそうでしょ? そんな感覚に常におそわれてしまう3時間でした…。

あと不満だったのが、伊礼彼方がラダメスに見えないこと…。だって、かっこよすぎる。ほかにも彼女いっぱいいそう。ラダメスってのは、「平和のために戦争して何が悪いの?」な単細胞な男が、戦場のシーンで突然その残虐さに気付く、っていうところがミソでしょう。なのに、伊礼彼方はもともと賢い子に見えるので、落差が少ないの。ラダメスはもっと愚直で、猿とか猪みたいでないと!(わたるファン、ごめん。最大限誉めてます) 歌が上手すぎるのも問題なのかしら…(←歌下手に慣れすぎたヅカファンのたわごと)。四季の母音法みたいに聞こえるのが、なんか企んでいるふうなんだよなあ。体が「見せるために鍛えました」的なのも、ちょっと…。(ケペル、メレルカの「鍛えた結果こうなりました」的な体のほうがまだいい…)肩が前に来ちゃってるのも、将軍ぽくないし。男役芸ってやっぱりすごいことなんだなあ。

「愛し合ったのよ、私たち」ってセリフがあるじゃないですか。あれを聞いたとき、「え、やってないじゃん、あんたら」と思った。(わー、下世話な話でごめんなさい、こういう人なんです、私)わたるラダメスのときは、そうは思わなかった。「月の満ちる頃」で絶対やったと思ってた。でも、こっちのラダメスとアイーダは「月の満ちる頃」ではやってない! 単に逃げる約束をしただけ。場面として時間が短かった? 違うよね??? タカラヅカって、ラブシーンもすごく充実した様式があって、それをとことんまで深めているんだなあ。。。生身でやっちゃうと、生々しすぎるから避けたのか? 逆説的だよなあ。女がやってる男役のほうがラブシーンが濃厚で、男がやってる男性だと全然薄味なの。面白いね。

トウコのアイーダちゃんはもちろん見なれたアイーダちゃんで、それだけに周りが違う、違う違う違う! とそればかり思ってしまって、本当に、トウコにも、ほかの方にも申し訳ないような気分でいっぱいでした。王家を好きすぎるんだと思います、自分…。

アイーダを主役にするために、ソロが随所に追加。その内容が、平和を訴えるものではなく、ラダメスへの愛。だから、「それ言ったら絶対テロが起きるってわかってるのに、なんでお父さんに教えちゃうかなー」っていう、不可解な行動が、「ラダメスと逃げたいからなのね」とよく理解できるようになったのは良かった。でも、じゃあなんで冒頭にウバルドが自分たちのことを悔いている場面があったのか、よくわかんなくなっちゃった。

そうそう、曲がちょびっとづつ変わってて、歌いあげ系になってたのは、上手い人仕様なんだろうなあ。ケペルとメレルカの「そうだ、時代は変わった」っていうナンバーは歌詞は同じで曲が大幅チェンジ。確かにあの歌はちょっと間抜けだったから改変には賛成。

アイーダをいたぶるところは言葉だけになってて、生々しくなくてよかった。そうそう、「すごつよ」の振り付けがかっこよかった!

ANZAといい、伊礼彼方といい、顔が西洋人ぽい人をエジプト側に置こうという趣旨なのか? ANZAは檀ちゃんほどの威厳はないけれども、お姫様としての高慢さはよく出てた。

ウバルド(宮川浩)はかっこいいけど声が演歌歌手みたいだな。アモナスロ王(沢木順)は鳩ちゃんの場面でもっと狂ってほしい。低い声は素敵。ファラオ(光枝明彦)はチャルさんの役じゃ難しいだろうなと思ったが、さすがにベテランさん、歌いあげで威厳を示しておられました。王家で退団した陽色萌、今回は黒塗りじゃなくてエジプト側。セクシー場面でイケイケな役をやってましたが、こういうのはタカラヅカじゃ無理だからってことで追加したのかしらん。


* ストレートすぎないけどメッセージ性がある芝居というと…『歌わせたい男たち』とか? 国旗国歌を強制する教育委員会を揶揄した内容なんだけど、全然おしつけがましくなくて、誰が観ても笑えて、そのうえ切ないラブストーリーにもなってるの。これぐらいでないと、ダメなんだよなあ。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(2) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 4

マダム・ヤン

こんにちは。
同じ回の公演を観てらしたんですね。

私、実は「メルレカ(?)」役の角川さん・・・でしたっけ?・・・「こっちの人の方が将軍って感じだよね・・・」と思ってました。
なかなか思うようにはいかないもんですね。

by マダム・ヤン (2009-09-04 12:27) 

竜眼

マダム・ヤンさま、コメントありがとうございます^^
メレルカ役の人? 大きいほう(笑)、なかなかかっこよかったですねー。
小さいほうのスキンヘッドの人も、フットワーク軽そうでしたね。
ヅカファン的には、男性の裸体を見慣れないので、
ついついしげしげと見ちゃいました^^;
と、ところで、アイーダのキューピーちゃんなんか売ってたんですね!!
by 竜眼 (2009-09-04 23:07) 

hanihani

うちでもオットが観てきて、「ワタルさんのほうが全然ラダメスっぽかったよ。伊礼さんを何で上半身裸にしたのかな、かっこ悪いんだよね。宝塚のほうが全然良かった!」と言うので、
思わず「ああ、ワタルは上半身鍛えていてたくましいし」とうっかり考えてしまいました。違うーーー!

あと、宮川さんはちょっと微妙と。確かにちょっとおっさんというか
演歌系なおっさんではあるけれど。

で、アイーダのキューピーちゃんをお土産にくれました(笑)
そういえばチケット代金12000円払ったの、私だし。
キューピーで騙されたかも。
私は同じ日に歌舞伎に行っていて、このまま見ないで終わりそうです。
(ま、いいかな)
by hanihani (2009-09-07 15:46) 

竜眼

>「ああ、ワタルは上半身鍛えていてたくましいし」
爆笑ーーー!!
ほんと、そう思っちゃうんですよねえ。男役芸ってすごいですよね。
宮川さんは初めて認識したんですが、いろんなミュージカルに出てらっしゃるんですね。
キューピーちゃん、いいなあ。観劇当日は「ちがーう」byアモナスロな気分で、グッズまで見てませんでした、失敗!
by 竜眼 (2009-09-12 22:00) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。