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Coco(グリーンホール相模大野 7/25 16:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ツレ様に一生ついていきます!

そう思わせる役者はそうそういない。これ、ツレちゃん(鳳蘭)あってのお芝居だよねえ。自己主張が強く傲慢で横柄、だけどチャーミング、かっこよくて、かわいくて、いいこいいこしてあげたくて、でもむやみに近づいたら怒られそうで。ツレちゃんっていうとフレンドリーでハッピーな印象だけど、ココは声を低めに設定して、男役っぽさも感じさせてました。ココ・シャネルか、鳳蘭か、境目がないぐらいにリアルに目の前にいる、その魅力的な女性! 

引退状態だった70歳のココ・シャネルが、現役復帰しようとする1953年前後の話。時代はディオールが提唱するAラインなんかのニュールックが全盛で、シンプルでマニッシュなシャネルのスタイルは時代遅れと言われている。。。だが、アメリカのバイヤーがシャネルに味方した!

という話を作ったのは、1969年のアメリカ。んも〜、んも〜、フェミ魂にがんがん来る話なんだ、これ。70年代ウーマンリブの時代に突入しようとした頃の作品だって知って、納得。シャネルの人生に登場した様々な男たちが、回想シーンで現われるんだけど、その一人一人を私はぶん殴ってやりたくなった。「子どもがほしいな〜、子どもはいいよ〜」とかって、お前の自己満足だろ、っつーの。「化粧はするな、髪を切るな、香水つけるな」って、いちいち指図すんなっつーの! 「仕事するな、家にいろ」って、お前は何様のつもりなんだっつーの!

身勝手な男どもを、手玉にとりつつ、愛しつつ、シャネルはやっぱり仕事を選ぶ。貧しく生まれたシャネルには、結婚して不自由な奥さまになるよりも、働いてお金と名声と自由を得るほうが、幸せだってわかっていたからだ。今の我々はこういう女性たちの苦労の上に生きているのだよ。ほんとに。働いて、好きなもの買って、一人でぷらぷら観劇しに出かけられるのは、彼女らのおかげ。パンツスーツ着て、ジャージ着て、ショートカットにして、イミテーションのパールつけて、これみんな、シャネルのおかげ。

そんなすごいシャネル様が主人公なので、どうしてもツレちゃんの比重が重く、ほかの役の比重が軽くなる。仕方がないんだけど、ちょっと残念。岡っち(岡幸二郎)はアシスタントデザイナー。すっごくあくの強い役で、ばっちりアピールしてくれたけど。鈴木綜馬はツレちゃんを支える会計士。愛人と妻を同時に愛するダンディなフランス紳士なんだけど、やっぱり書き込みが少ない役だよねー。今陽子はシャネルのアシスタント。娘が次々とダメ男(毎回違う)の子どもを産むのを電話で心配している、という設定が面白い。このあたりも、フェミっぽい。ノエル(湖月わたる)の恋人に大澄賢也。これまた踊らなくてもったいない。まあ、悪い印象を与える役なので、賢也ぐらい名があってチャーミングなほうが、中和されていいのかなあ。

で、ワタル(湖月わたる)のノエル。シャネルが惚れこんで後継者にと思った若いモデル。ヅカファンは、ツレちゃんがワタルのことかわいがってるってことを知ってるから、膨らませて観ることができるけど、そうでない人には納得いかない部分もあるのでは。シャネルがなぜそんなにノエルに入れ込むのかが、わからない。ま、長身でモデル体形ってのはあるけど。。。仕事の面でも何かすごい才能があったの? そして、ラスト。なぜノエルがその行動をとるのかがわからない。もっと悩んでいる様子を描いた場面が必要だと思う。だって、ノエルのその行動は、フェミ文脈から出てきたと思うから。シャネルのようなすごい女性が、女性の権利の地平を広げてくれたけど、そうできない女性もたくさんいたんだよ。。。そういう意味でしょ? 

ツレ様の体力さえあれば、是非(ノエルの場面追加のうえ)再演していただきたい舞台でした。

**
ところで。出待ちをしましたところ、ワタルのファンの皆様はスクワットのガード。ツレちゃんのファンの皆様は、わやわやっとツレちゃんを取り囲んで歩いていく。現役時代の出待ちのルールがそのまま続いているんだろうなあ。よっちゃんの出待ちを見ることができたら、もっと古い形が残されてるんだろうか??

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