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エリザベート(東京宝塚劇場 7/28 18:30) [観劇メモ]

月組で一体何が起きてるんだろう。エリザベートという作品は一体どうなっちゃったんだろう。

冒頭、ルキーニがルキーニとして成立していないことに驚く。あの人、狂ってない。狂ってるふりをしてるだけ。そりゃ、役者なんだから本当に狂ってたら演技できないんだけど、「ふりをしている」と思わせたらダメだ。ルキーニはいかれた男だけど、それはチャラ男って意味じゃない。まさお(龍真咲)のチャラいキャラは、成長途上の男役としては面白い。チャラ男でキャラ立てしながら、実力をつければいい。今なぜルキーニをやらせなければいけないのか。

シシィが大人の女性じゃない。だからフランツがそんなに求め、重臣たちが「彼女はきれい」と歌い、民衆がその美貌に惹かれる様子が理解できない。カチャ(凪七瑠海)はかわいい。サファイア姫みたいにかわいい。でもそれは子どものかわいらしさだ。男役としてかわいすぎるからといって、じゃあ女役をやってみろと言ったって、子どものかわいらしさなんだから美貌の皇后は無理だ。そのうえ、存在感が薄い。新人公演で主役もやったことがなく、大劇場の空間を一人で埋めたことがない。アサコ(瀬奈じゅん)シシィが大人の女性としてきれいだったかというと疑問だが、でも、タイトルロールとしての存在感は十分だったじゃないか。

なんでこのキャストでやる必要があるんだろう。番手どおりにルキーニをやらせるか、組内の番手を完全に変えるか、適任を連れてくるか、さもなければエリザベートを上演しなければいい。

タカラヅカのエリザベートはキャストのバランスが難しい作品だと思う。本来はシシィが主人公なのに、タカラヅカのスターシステムとラブロマンスを取り込むために、死神がシシィに恋をするというレトリックを拡大解釈している。その結果、ちょっとでもキャストのバランスがおかしいと、矛盾が明らかになってしまう。私は、包み込むようにシシィを愛する麻路トートと、粘着質にシシィをつけまわす水トートが、タカラヅカ的ラブ解釈に叶っているように思えて好きなんだけど、かといってやりすぎると、「生き生きしてるシシィが好きなくせに、なんで死なせたいのか」という矛盾につきあたってしまう。だからこそ、トートとシシィのバランスは言うまでもないし、狂言回しのルキーニは重要な役所でもあるわけだ。

トートの解釈という意味では、アサコトートはシシィを全然愛していなくて、私の好みではなかった。退屈で退屈で、だからちょっとシシィにちょっかい出してみるか、ま、どうでもいいんだけどね、という態度。スカステの新人公演インタビューでみりお(明日海りお)が「トートってあんまりほかの人と絡まないんですよね」と言っていて、納得。そうか…麻路トートも水トートも、しつこくストーカーしてたから、そんなこと全然思わなかったよ…。ただ、存在感は十分あって、孤独で静かにたゆたっている美しい死神だった。だから矛盾は少ない。(一路トートに近いのかも?)シシィのこと退屈しのぎ的には気にかけているし。孤独でさみしいトート…、それはシシィやルキーニが全く力不足なところを一人で孤高に演じなければいけないところからも来ているのかもしれない…。

きりやん(霧矢大夢)フランツは予想通り上手いが、相手役であるシシィがシシィとして成り立っていないから、一人で芝居しているようで、もったいない。

はーあ。

ルドルフはもりえ(青樹泉)。やや田舎くさいが、弱々しい感じは悪くない、かなあ。役代わりのほかの二人はどうなんだろう。

意外によかったのが、あいあい(城咲あい)のゾフィー。ゾフィーって役をやってみたいと初めて思った(できませんがな)。私、とうのたった(悪い言い方でごめんね)娘役がやる女役って好きなんだ。「宮廷で唯一の男」というほどのオバサンには見えないけど、そこがいい。きれいだけど怖い女の人って作りが好み。

しかし、あいあいがゾフィーって、単体ではいいけど番手としては変だよねえ。。。

番手どおりにして、配役を硬直化させろと言ってるわけじゃない。どうしても若手を抜擢しなければいけないなら、れおん(柚希礼音)のときみたいにがらっと変えて宣言してほしい。トウコ(安蘭けい)お披露目で完全二番手格になってたでしょ。でも、今回のエリザは、階段降りはルキーニが3番手格なのに、フィナーレの「闇が広がる」ダンスでは、あひ(遼河はるひ)とそのか(桐生園加)が学年順に3番手、4番手として入ってるわけ。なんじゃそりゃ。たしかに、中堅スターが育ってないというのは同感だけど、だからといって、実力未発達の若手を抜擢しても、逆効果じゃないのか? どうすれば中堅スターを魅力的にするかを考えたほうがいいんじゃないのか?

娘役トップも固定せず、番手も狂わせ、かといって配慮はなく、しなくてもいい特出までさせて、間違ったキャスティングで、過去の名作を無理やり再演する。なんなんだ、これ。何がしたいんだ。

→2007雪組エリザの記事。大劇場東京水トート語り。ゾフィーは女のヒステリックさがほしいとか書いてますね。

ほかのキャストや楽しいツボについては、別記事に。できるといいな。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::

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コメント 4

はるすかえ☆

あ~、なんかスッキリしました、ありがとうございます。
観たかったんですよ、エリザベート。何が観たかったのか?
それは新公のみりおしずくコンビの公演が見たかったんです、それだけ。
本公キャストにはどうしても魅力を感じなくて、配役も役替わりもちぐはぐで、どうして今上演するのか全く理解できませんでした。
もしや新公コンビをたたき上げるための演目選出だったのかとさえ思いましたよ。
だいたい適任の娘役がいないから、カワイイ系男役にタイトルロールやらせようなんて、イケコは娘役をなめとんのか。(激怒)
女だから娘役が出来ると思ったら大間違いだぞ、座付きなら分かるはずじゃろ!
シシィあってのトートですから、シシィ適任がいなければやはり上演すべきではないと私も思います。
スペース拝借して愚痴ってしまい申し訳ありませんでしたが、
竜眼さんの感想で私も、自分の新公一点興味が解決できました。
良かった良かった。
あ、わたしもトウのたった娘役、娘というより女役、大っ好きです。
by はるすかえ☆ (2009-07-30 19:46) 

雀

こんにちは。
竜眼さんと被る感想がいくつかあって、嬉しいです。
1)カチャは以前から「リボンの騎士」が似合いそうだと思ってました。
2)私はルキーニはマギーで観たかったです。
3)あいあい、低音部は苦しそうでしたが、芝居は上手かったですね。
 私もあいあいのゾフィーで初めて「自分もゾフィーやってみたい!」と思いました(^^;
 特に「皇后の勝利」は重臣たちとの息もぴったりで、面白かったです。
では、他のキャストのご感想も楽しみにしています。
ちなみにゾフィー以外では、私はマダム・ヴォルフがお気に入りです。
by 雀 (2009-07-30 22:05) 

竜眼

はるすかえ☆様、こんばんは!
新公のみりお、評判よかったみたいですね。私も観たかった〜。(しずくは……??)カチャも、予想よりは歌えてたし、二幕の老け演技もそれっぽかったんですけどねえ。
こんなキャスティングは、何か大きな力が働いたとしか思えません。イケコが最近外部の仕事が多いのは、それでイヤになっちゃったんじゃ?(すんません、贔屓にいい役つけてくれたから、ついイケコに甘くなっちまって)
女役好き仲間宣言、ありがとうございます! おすすめ女役さん発見したら教えてくださいねー。
by 竜眼 (2009-07-31 23:03) 

竜眼

雀さま、お久しぶりです〜。ご賛同いただける点があって、うれしいです!
カチャで本気で「リボンの騎士」を上演するべきだと思います。
私もルキーニはマギーで観たかったです。シュヴァルツェンベルグもかっこいいけどぉ。
ゾフィーって衣装もシックで素敵ですよね。変身写真館でゾフィーの格好(あのカツラも!)やってみたいです。そんな衣装置いてないか(^^;
マダム・ヴォルフもセクシーでたまりません。沢希理寿、美人だし。
他キャストも忘れないうちに書きますね★
by 竜眼 (2009-07-31 23:10) 

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