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座頭市(新宿コマ劇場 12/8 13:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

哀川ファンやサダヲファンと思われる若者がいっぱい来てた。コマには珍しい客層(笑)。

マリコさん(麻路さき)の初のヅカ以外出演、女役(狸でアホなお姫様やってるけど)ということで、期待と不安に胸膨らませ…。

無問題っすね。贔屓目? 贔屓目? 二人の男に愛され迷い、役者として生きるか女として生きるか迷う、とてもおいしい役どころ。いわゆる時代劇の色っぽい女性とは違うけど、気っ風がよくてリーダーシップがあって、ちょっとかわいくて、そしてなぜか清潔な色気があって。無問題無問題。劇中劇の台詞を言いながら死ぬところなんか、かっこよすぎ、美しすぎ。これがタカラヅカの底力だ〜って誇らしく思ったよ。ま、若干高い声での台詞回しはぎこちなかったかな。

阿部サダヲがすごいテンションで舞台を動かし、遠藤憲一と長門裕之が人間の愚かさ、哀しさを演じて胸をいっぱいにさせ、RIKIYAは体当たりで陰間の運命を見せつけ、マリコさんが女の恋心を美しく散らせ、そのうえに、どっかと哀川翔アニキが杖をついて立っている。意外にも実直で優しい市。それぞれ違うジャンルの人たちだけど、いい組み合わせだったな。

肝心の三池監督の演出は…、まずは暗転多くて転換に間がありすぎ(と思うのはヅカファンゆえだろうけど)。

そして陰惨。ま、昔の時代劇ってのはけっこう陰惨なものだけどね、そういえば。ヅカも人がたくさん死ぬけど、あくまでも美しい死に方だし、立ち回りもダンス的にしちゃう。男の美学という点では、時代劇とヅカはそっくり同じだけど、テイストはかなり違うんだなあ。だって、男二人、突然斬りつけ合うんだよー。必然性ないでしょー。「暴力」そのものが呈示されちゃう。男の美学のためではなく。マリコさんがスカステでしきりに「タカラヅカ好きのみなさまにはちょっと抵抗あるかもしれませんが」と懸念を示していたのは、こういうことなのねん。

でも、ストーリーは案外ヒューマン(笑)。救いはないけど、根っこはヒューマン。目の不自由な人(「めくら」をわざとそう言い換える面白い場面があった)、役者、ヤクザ、スパイ、娼婦、陰間、墓堀…、底辺の人たちの苦しみ、悲しみ。それを理解しようとしてできない、少女の役が絶妙。個々の台詞は冗長だが、設定はなかなかいい。「ありもしねえ穢れに怯え、ありもしねえお宝に踊らされ…それで目が見えてんのか!」みたいにタンカ切るのは、勝新バージョンでもあったっけ、底辺を見た人だけが言える真実だと、ひしひし伝わってくる。

歩き巫女の松浦佐知子がいい声だったな。

後日追記:意地悪なお茶屋のおかみが汐夏ゆりさだったとは! すげー意地悪で上手かった! 現役時代にあそこまで芝居してるの観たことないよ。頑張ってるんだね。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


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