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モダン・ミリー(新国立劇場 4/22 17:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

『NEVER SLEEP』と同じ1920年代のニューヨークを舞台にしているとはとても思えません。こちらは、田舎から出てきて上層にのぼるには、タイピストになって社長と結婚、THE 玉の輿! とゆうお話なのです。なんというご都合主義!  リカちゃんが1年前に『グランドホテル』でやったのは、同じ1920年代のベルリンで、上層の泊まるホテルにやってくる下層のタイピストという役(当時は若い女性が働くならタイピストしかないのね)で、玉の輿どころかセクハラだぜ、おい、っつー話だったよねぇ。最初に人身売買されちゃったエセルちゃんはどうなったんだろう…

と、いろいろ突っ込みつつも、やっぱりこういうミュージカルは楽しんじゃうんだな。

ナンバーひとつひとつがとっても楽しいの。口述筆記の仕事を得るテストでの、苦情を早口で歌う歌。内容は慇懃なビジネスレターなんだけど、オペラ調に歌い上げるおかしさ。そのメロディーが最後の事件解決で再度使われるのも絶妙。庶民の生活を味わいに来たお嬢様と、玉の輿を狙う貧乏な主人公が、「あたしは貧乏になりたい」「あたしはお金持ちになりたい」「あたしたち最高の友達ね」と腕を組んで歌う、よく考えたら変な歌。ミュージカルナンバーの良さって、ほかの何とも比べられないもの。ストーリーから割り出された面白い場面に、ぴったりの歌とぴったりの踊り。いろんな条件がすべて揃ってはじめてできる傑作のナンバーたち。

ずっと笑ってたような気がします。天然お嬢様の樹里ぴょん、おかしすぎる。イヤミがないのは樹里ぴょんだからこそ、だよねー。岡っち、うますぎる。やっぱすごい、この人。そしてまたリカちゃんは岡っちにふられる役なのだ。今さんも、またまたリカちゃんの義母役なんだなあ。がんっがんに歌い上げるけど、篤実でほっこりとします。そしてビバリ! VIVA!美波里!! 最初っから最後まであのいかがわしい犯罪者オーラに圧倒。

そんな濃いメンツ、濃いキャラ(主人公以外はデフォルメされている、とプログラムで演出家が言ってた)の中で、ふつーの人の役で主演をするとゆうのは、かなり大変なことだと思います。そして、ちゃんと主演してました、紫吹さん。贔屓目?? なんか、ちゃんと女優さんでした。くるくると表情が変わって、イキイキしてました。肩幅がゴツイのも気にならなくなってました(そこかい)。やっぱり男役ってリフトとかで肩の筋肉すごいついてたんだなあ。肩出しドレスもOK、髪型もあの時代のはとっても似合っててOK、セクシー場面も全然OK。なんたって初日から一週間でこんなに出来上がってるなんて…(笑)。ヅカ時代は初日から楽まで何ヶ月もあったからねぇ。女優さんとして、鍛えられてるんだなあ、としみじみしました。1幕最後の歌がちょっと心もとなかったけどNE。とってもかわいいいミリーちゃんでした。

万人が楽しめるミュージカル。もうちょっと値段が安かったら、いろんな人にオススメしたいんだけどなあ。フジテレビ、最近ミュージカルいっぱいやってくれるのはいいけど、高いよ~。

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