SSブログ

堕天使の涙(11/21 東京宝塚劇場 18:30) [観劇メモ]

来た来た来た! アダルトチルドレンのオンパレード! 僕はお父さん(神)に愛されてないんだ、うえーん、よその子(人間)のほうがかわいいなんて言うんだもん、やだやだー、って叫んでる堕天使ルシファー。彼の写し身となる振付師ジャン=ポールは、僕はお母さんに愛されてないんだ、ちきしょー、不良になってやるー、って叫んでる。そのうえジャンポールの母ジュスティーヌは、はっきりと「あんたたちを愛してない」と断言しちゃう。あるある、あるある! この二人の会話、一瞬、私自身と母親の会話に聞こえちゃうよ、身の毛がよだつわ。

ただ、これまでの景子タンの作品だと、アダルトチルドレンの主人公(トップ男役)が結局は誰ともラブしないで終わってたんだけど、今回はちょびっとヒロインである(のよね?)リリスとラブっぽかったのがよかった。もういっそのこと、リリスが死ぬとき一緒にルシファーも昇天してもよかったんじゃないか。そこまでやってはじめて、トップコンビのラブラブが達成できるでしょ。絵的には『エリザベート』みたいになりそうだけど。

それにしても、や〜っぱり景子タンは、キャリアのために私生活をおろそかにする女性が好きなのねー。ジュスティーヌ、それにイヴェット。しかも、彼女らはあんなにわがままでイヤなヤツなのに、ちゃんと愛してくれる男性がいる! これこれ、これよねー。これこそが景子タンの定番。これこそが景子タンの願望。すなわちアダチル30~40代女性の願望。それはつまり私の願望(笑)。だって、イヴェットに振られたセバスチャン、素敵だもん。あのモッサリした上着がちょー好み。キムにはじめてときめいたかも。だって、キムに包容力があるなんて…! デニス以来の「実際に彼氏にしたいタイプ」だわぁぁ。…ってつまり私の思う包容力は、すなわち、わがままを許してもらえる、ということなんだにゃ。(あっ、キャリア女性が男性に尽くしてもらいたいって、つまりはオスカルに対するアンドレじゃん…!!)

しきりに神っていう概念が登場することには、特段違和感はなかったです。宗教に入ってないけど、神様の思し召し、とかはよく思うので。ルシファーの傍観者的態度も、よくわかる。あれって、自分が一番賢いと思ってる、さみしいいじめっ子の感覚だよね。きっと景子タンもそうなんだろうな。あたしが一番賢いのに、どうして愛されないの、プンプン。みんなのこと、見下してやるー。みたいな。ってあたしゃ、なんで景子タンの気持ちが手にとるようにわかるんだ、うきゃー。

かように、設定はすごーくツボだったけど、舞台作品としては特にいいというわけでもなかったっす。プロットをそのまま読まされている感じがしました。場面転換も特に目についたものはないし。台詞も陳腐なのが気になった。ラストのとって付けたような別れの場面など、無くてかまわないのでは。

ヒロインであるリリスは素晴らしくいい役だと思いましたね。いつだったかのグラフでまーちゃんの写真が聖母像に似てると思ったことがあったので、この役は私的にはすごいヒット。まーちゃんのひたむきな芸風あってはじめて説得力がある役だと思うな。あそこまで悲運でも、最後は自分の運命を受け入れて安らかに死んでいくなんて、自分もこんなふうに死ねたらいいなあ、なんて思いました。そのためには、ジュスティーヌやイヴェットに共感してたりしちゃぁ、ダメなんだけどねー。

あと「ほ〜」と思ったのは、振付師が全体の監督をするってところ。ヅカも最初はそうだったはず。あの時代はみんなそうなのかしらん。それと同等に名前が重要視されるのが作曲者なんだよね。「構成&演出」っていう考え方はいつからなんだろ?

景子タン関連記事→コチラ

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


nice!(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。