SSブログ

悲しき口笛 [近況]

BSでやってたので見てみました。美空ひばりの初主演映画。なんと10歳(実際は12歳?)。子どもながらに、ステッキを持った黒燕尾姿を披露するのが有名な、アレです。

お話は単純な娯楽もの。戦後すぐの横浜。港の日雇い労働者と一緒に川べりで暮らす浮浪児ひばり。音楽家の老人とその娘に拾われ、歌が上手いので路上で歌ってお金を稼いだりするが、老人は病気に、娘は密輸団にさらわれ、ひばりどうする!? ハラハラドキドキ、ひばりちゃん頑張れ! 結局は危機は解決し、ひばりは戦争で生き別れになっていた兄と再会し、しかもミュージックホールでデビューするという大団円。

なんといってもビックリなのが、ひばりの歌。歌う表情が全然子どもの顔じゃないの。まるっきり大人。もちろん歌声も。眉をしかめたり、あごを突き出したり、かなり異様。ふつー、子役って、子どものかわいらしさをより拡大したほうがウケルものなのでは? でもすごいウケてるんだよなあ、お話の中では。今とは感覚が違うんかねえ。子どもが本来するはずのない表情、子どもが本来できるはずのない歌唱。本来あるはずのないものが宿っている、その異様さ。むしろ神々しく感じる。そうか、男役もこれと同じなんだ! 女性に本来あるはずのない男らしさ。異様だけど、だからこそ神々しい。人間じゃない、って気がする。

最後にミュージックホールで歌うとき、あの有名な黒燕尾姿を披露します。女性の歌手が男装をするって・・・当時は普通だったのかなあ? ほんと何も知らない私。演歌歌手の男装ってあるよね、今でも。しかもひばりは子ども。手足も短く、頭が大きい、可愛らしい体つきに、なぜか黒燕尾。あぁ、これって少女歌劇っぽいんだろうなぁ、レビューの影響がきっとあるんだろうなぁ、という感じだけはわかります。

振り付けに青山圭男の名がありました。大正時代に入団した男性の一人。白井鐡造、堀正旗らと一緒に、踊ったり歌ったりしていたはず。いろんなところでいろんなものがタカラヅカとつながっているのだー。

以下、横浜ネタ。

横浜市民的には、戦後すぐの横浜の様子に釘付けでしたねぇ。だって、川べりに、うじゃーっと日雇いのお兄さんたちが寝てるのよ。たぶん大岡川。遠くに税関(別名クイーン)と県庁(別名キング)が見えるから、場所的には弁天橋?(桜木町駅前の、今はネクストゲートとかいうビルがある辺り) 昔はほんとにキング、クイーン、ジャックだけが高い建物だったんだなぁ、今はビルに埋もれているけど・・・、と実感。そして浮浪児ひばりが寝ているのは、なんと外人墓地! 柵が無いから入り放題。しかも海が見える! (今は海は見えません)。老人と娘が上ってくるのは位置的に考えて見尻坂(元町プラザと外人墓地の間の道)? ミュージックホールとかがある野毛の町並みはセットかな? 密輸団がつかまるのは山下埠頭?? それにしても、彼ら、徒歩で移動してんのか? すげぇ脚力。

ひばりは磯子出身で、野毛にかつてあった横浜国際劇場というところでデビューしたんだそうです。ひばりの半生(って10年だが)を踏まえてのお話なんですね。って、調べてたら、野毛にその黒燕尾の銅像があるそうじゃないか。しかも横浜国際劇場は今は馬券売り場だそうじゃないか。しょっちゅう通ってるのに、見たことない・・・っていうか素通りしてたんだ・・・。地元にわずかに残る、レビューのかほり。今度詣でてきます。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::

★↑専科のモミアゲupしてますから、見てね~★ 関係ないけど、トウコトップ発表、よかったよかった…。


nice!(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。