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近松・恋の道行(バウホール 5/12 14:30) [観劇メモ]

がっつり恋愛物って、久々じゃないだろうか。「死んでもいいから、好きな人と一緒にいたい」という台詞に、ちょっと胸が熱くなりますわ。男のロマンとかもいいけど、やっぱり宝塚ではラブストーリーが見たいっす。だって、宝塚って、そして乙女にとって「一途」が何よりの美徳でしょ。

ただ、その胸が熱くなる瞬間が、ががーっとクライマックスに至らないのが残念。なんでかなあ。

いろんな人の恋愛や人生が絡み合ってるから、かなあ。いや、重層的でいいんだけど、どうしても主人公がぼやけちゃう。特に、清吉と小弁のドラマのほうが共感しやすい。それと、逢瀬や道行きや心中そのものにかける時間が短いよね? 友人に『心中・恋の大和路』は死ぬ場面が雪でドラマチックだったのにね、と言われて、なるほどと思った。それに、『心中・恋の大和路』(冥途の飛脚)や、曾根崎心中は主人公が養子だけど、生玉心中は実子だから、ちょっと「義理」部分が弱いよねえ。

あとね、「心中するほどの恋なんてあるのだろうか」とか、「金が一番の世の中、乾いている。だから潤いを求めているんだ」とか、説明せりふが多いのが興を削ぐ。そこを説明しないのが、芝居じゃないですか〜。

原作では、嘉平次はけっこう色っぽい役のはず。まじめ一辺倒ということにしたのは、宝塚らしくするためなのかな。さががもともとすごく貧しくて「一度でいいから幸せというものを知りたい」と観音様に願掛けしていたという設定もいい。そいでもって、長作を殺したのは大正解だよねえ。だって、長作にだまされてお金がない、というだけでは、現代人(しかも関東人)にはぴんとこないんだもん。。。長作自身もお金に困っていたというのも付け加えてある。

この作品のテーマは、「金の世の中、おもしろおかしく生きればいい」という鯉助(=我々)に対して、「必死になって本気で生きようよ」ということなんでしょう。だけども、本気で生きるとは、どういうことなのか。心中が、本気で生きることなのか。現代人は「しぶとく生き抜こう」と思いがち。そこを、強引に心中賛美に持っていったほうが、ブレないでカタルシスが得られるんだけど、お香さんが「死を選ぶのは子どものすることだ」と言うし、清吉と小弁のカップルは死なずに済んでしまう。それで、なんだかブレてしまってるんじゃないかなあ。清吉&小弁と、嘉平次&さがとの違いは、結局は金のある無しだよね。ということは、「必死になって生きても、金のあるなしで結末が違う。でも、必死になって生きたことにかわりはない。」ってことかなあ。テーマがもっとはっきりしているといいんだけどなあ。

みーたんが上手いし色っぽくてたまらん!! 春花きららちゃん、いい役だ、万歳!! きらら愛が深まる〜〜。で、みつるみたいなん、一人ほしい。ああいうの、ほしい。景子タンのアンドレは、ユウヒなきあと、みつるなのかも!?

以下、順不同。みりおんはうっとり顔もできるのね。地味顔だし、年がいってからより、今トップになるのは正解なのかも。柚カレー、美しいなあ。相手役の乙羽映見は、体がでかくて、それに比して顔が小さくて人形に見えるから、ということで選ばれたのかなあ。おまぬけ顔だね。べーちゃん芝居うまくなったあ。かわいいかわいい。でも日本物メイクはいまいち。なみおもメイクがいまいちだなあ。あきらも芝居がましになって良かった良かった。華雅りりか、やっぱり声と芝居がいい。顔はちょっとでかいけど。銀華水は痩せたなあ、えらい。タソの女形、なりきってて気持ちよかった。風房さんは、夢乃さんに似てるね。彩城レアちゃんは、それこそ老若男女できるのねえ。まりん&ふみかは、役不足だと思うなり。。。

そうそう、着物がどれもきれいだった! みわっちさんの黒いうねうね模様とか。それぞれの場面にあってた。
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節子

こんにちは。

東京公演、観劇するかどうか迷い中です。
毎日、やじろべえが「観る」「観ない」で行ったりきたりです・・・

そしてまたまた悩みまする。
by 節子 (2012-05-15 11:52) 

竜眼

節子さま、いろいろダメ出しばかり書きましたが、
昨今の低レベルの宝塚作品の中では、なかなかです。
みわっちさんは色っぽいし、どの生徒さんにも見せ場がありますし。
お時間ありましたら、是非ご覧になってください^^
by 竜眼 (2012-05-20 21:46) 

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