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凍てついた明日 初演と比較(2) [観劇メモ]

<ジェレミーじゃなくてテッドが二番手>
初演ではオープニングがジェレミーの歌う「ブルースレクイエム」だったけど、再演では歌われない。テッドの台詞から始まり、最初のナンバーはテッドの新曲。そもそも初演ではばらけていたテッドの台詞が、まとまって最初に出てくる。

一方で、ジェレミーの場面や歌がたくさんカットされてる。ジェレミーとビリーのデュエット(デートしたしキスもしたでしょ!VSあんなの成り行きだよっ)がカット。ジェレミーに対してビリーが「クライドはまともな仕事してる人じゃない」となじったり、「うちに来てもいい」と誘ったり、そういった場面がなくなってる。ビリーの部屋っていうセットも、今回はない。

レイモンドとジェレミーが気まずくなって喧嘩するところも、短くなってる。レイモンドが「警察にヤツを売って取引してやる」とジェレミーに言う台詞、今回ないよね?

初演では、ジェレミーの目を通したクライドだったけど、今回はテッドの目を通したクライド、という位置づけのようだ。(もちろん、ジェレミー→クライド→兄さん、という憧れの方向性は生きてるけど、重みが変わった)

それは、番手ってこともあるんだろうけど、クライドの持ち味にも関係あると思う。「誰もがああなるかもしれない」と思わせる香寿クライドなら、幼馴染の目を通さなくても説得力があったけど、美しすぎて星空の世界に生きてる凰稀クライドには、テッドに「俺もああなっていたかもしれない」と何度も言わせる必要があるんだ。

ちなみに、強盗に入って人を殺したクライドをテッドが追い詰める場面。初演ではクライドが一発撃って逃げるけど、再演ではテッドが呆然としてるすきにいなくなる(むしろ見逃す)ように見えた。クライドがテッドに甘えているというか、テッドが甘やかしているというか。(テルキタファンのツボですか??)

<テッドとネルが裏主人公>
そして、もう一人そんな存在になったのがネル。初演から「別れたわ、きれいさっぱり」と、ボニーとまったく同じ台詞を言っているのが気になったけど、今回はさらに強調されてた。

女たちのナンバーがある、多分新曲。頑張って生きていこうってな内容を、娘役たち(お母さんたちもいたっけ?)が歌う中、ボニーとネルだけが歌わないのだ。ネルも夫と別れたばかり、男なんて、って思ってる。ただネルは強盗をしないだけ。クライドに惹かれなかっただけ。

さらに、初演にはない台詞「普通の人はそんなこと考えては生きてはいけない」って、星空の世界のクライドに対して、テッドとネルが同じ台詞を言っているのだ。普通そんなこと考えていたら生きていけないでしょ、って言うのは、「そんなこと」をじつは考えたことがあるから。テッドとネルは、考えたことあるけど、実践しなかっただけ。クライドとボニーの紙一重の姿。ラスト、坂の上に最後まで残っているのは、テッドとネルなのだ。。。

(まだまだつづくよー)-------------------

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