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「博士の愛した数式」のヅカファン的読み方 [ヅカってなんだ?的記事]

小説はあまり熱心に読まないほうだが、小川洋子は好きでけっこう読んでいる。少女向けのエロ小説って趣がいい。『博士の愛した数式』は設定を知っただけで、いつものとおり、変態理系老人と少女のようにニュートラルな女性との、不思議な友愛? H? な物語であることは容易に想像がついた。

が。ヅカファン的には、それ以上に琴線にふれるものがあるんだなぁ。それは「一時に永遠がやどる」というテーマ。

特に映画版はそこを強調している。80分しか記憶が続かない博士と友愛を深める家政婦に対して、博士の義姉は嫉妬心から解雇を言い渡し、詰め寄る。「義弟はあなたのことなんか、一生覚えることがないんですよ!」それに対して家政婦は、「でも、一瞬でも心が通い合ったことは、たしかに存在したんです」と答える。これが映画のクライマックス。

あー、これって、サヨナラ公演を観ているときの気持ちだなー。(飛びすぎ? 飛びすぎ?)日常生活よりももっと速いスピードで変化するヅカワールド。必ず終わりが来る男役人生。二度と同じ芝居はありえない、演劇という芸術。そのうえ、相手は自分のことを個体認識してくれてない(多分)。ただのファンの一人だと思ってる。でも、その瞬間には確かに心が通い合っていたのよ。

この素晴らしい瞬間は、過ぎ去ってしまう、そう残念に思いながらも、むしろ心は、素晴らしい瞬間があったということが、永遠に心に刻まれて生き続けるであろうことに驚愕しているんだ。

小説の中でしか感じられないことを、ヅカファンはしょっちゅう体験してるんだから、すごいよな。。。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


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