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還俗するにあたってはじめて明らかになること [ヅカってなんだ?的記事]

今日は最後の休演日。あと4日か…。4日でアメリカに着いちまう! ちゃうちゃう、4日で公演終わっちまう! 幾度と~なく~、旅立ちを知り~♪ なんだけどねー。言い知れぬ寂莫やどって、逃れられない~♪ ですよ。

劇場には白い服の人が増え、出待ちの列にも白い会服の一帯ができ、だんだんと白く白く、厳かになってきた気がします。サヨナラ公演って、最初のうちはカラ元気というか、殺気立っているというか、にぎにぎしい感じだけど、こうして東京の楽が近くなると、静かに静かに、厳粛になっていくように感じるんですよね。最後の日には白が光になって、ぱあっと輝いて、そして透明になってしまうんだなぁ。。。

『歌劇』のワタルサヨナラ特集を読んで、ふと思う。みんなして、ワタルのこと、ストイックだと言うのね。質素で、自分のことより他人のことを優先して。ほ~。もちろん日ごろの言動から推察はできるんだけど、今までそんなに明言してなかったよね? ワタル本人も退団決まってから、「自分はフレッドみたいに、わがままになれないタイプだ」と言ってる。

こういうこと、前にも思った。そうそう、リカちゃんのサヨナラのとき。じつはリカちゃん、振り覚えがむちゃくちゃ悪くて、稽古場では誰もが不安になるような人らしい。言われてみれば、日ごろの言動から推察できなくはないんだけど、でも、今まで誰もそんなこと言ってなかった。むしろ「いつご飯食べてるんですか」とか「家でもウィンクの練習一人でやってるんですか」とか奇抜なところばかり取り上げられてた。不器用な面っていうのは、退団が決まってはじめて、メディアで周りの人が言い出したような気がする。

これってやっぱり、巫女から還俗する(→参照)にあたって、はじめて言えることなんだろうな。だって、ファンが短絡的に作り上げて面白がっているキャラと、ちょっとズレちゃうもの。ワタルだったら男らしくて豪快でワイルドで包容力があってっていうキャラ。その根っこにある優しさを突き詰めて考えれば、ストイックで質素で自己犠牲的だってことに行き着くのはわかるんだけど、そこまで明らかにしちゃうと、表面的なキャラとは少しずれちゃう。リカちゃんだって、キテレツでおしゃれで陶酔して手先は器用で、ってキャラの、根っこにある空洞を突き詰めて考えれば、不器用だってことに行き着くのはわかるんだけど、そこまで明らかにしちゃうと、表面的なキャラとちょっとずれちゃう。それに、舞台裏の努力は、本人的にも隠しておきたかったんだろうなあ。努力してないように見せるのが、彼らのプライドだろうし。

でも今、還俗する今なら、言えるんだ。裏の努力も、弱い部分も、地味な部分も。ジェンヌとしてのキャラ立てを脱ぎ捨てる時だもの。一人の人間としての深い魅力がはじめて明らかになる。これもまた、サヨナラならではの、幸せな出来事だよね。

コムちゃんのときはどうかな。かしげのときはどうかな。ほかのトップさんのサヨナラ特集も、も一回読み返してみたいな。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


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