虚仮威(こけおどし)(本多劇場 1/8 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]
柿喰う客、一年半ぶりの本公演。
現代に生きる「僕」が、愛人らしき女性に呼び出され、
彼女の祖先の話を聞かされる。
という入れ子構造で始まる。
明治から大正時代、女性の祖先は東北の寒村で、「長者」をやっていた。
山の神にお伺いを立てながら、自然と共存していたんだけど、
謎の赤い服の老人が年末にやってきて、
プレゼントをくれるようになる。
サンタクロースというらしい。
その人を迎えるために、山の神に断らずにモミの木を切ったりしちゃう。
物質社会が自然をないがしろにする構図。
主人公である長者の長男は立身出世を願って上京、
学問のほか、社会運動にも参加、
なにがしかの人間にならなければならないと思っている。
つねに上昇、成長しなければいけない「文明」。
長男を助けるために、次男三男が犠牲になる。
男を助けるために、女が犠牲になる。
とはいえ、次男は河童の婿になり、三男は山の神の生贄になるの。
こういうところには自然と共存していた時代の風習が残っている。
『遠野物語 奇ッ怪』を思い出す。
中屋敷はアフタートークで、(彼は青森出身)
自分のおばあちゃんは大正生まれで、
サンタクロースを信じていなかった(知らなかった?)、
でもその頃東京ではクリスマスで盛り上がっていた、
そのギャップに驚いたことから考えた話だと言っていた。
劇中、「(今は)大正○年」ということをしきりに言っていて、
なるほど、現代のような社会と、それ以前の社会が、
シフトしていく時代を描きたかったんだ、と納得。
と、後からまとめて書くと、理路整然としてる芝居のように見えるけど、
柿なので、そんなことは全然ない。
とにかくパワフルで、恐怖と爆笑が入れ替わり立ち代わり。
なんたって、七味さんのサンタが、怖い怖い。
いや、かわいい? いやいや、怖い。
夢に出てきそう。
主人公は玉置。出世にまい進してエネルギーを出しまくっているのに、
からだの中は空疎な狂気に満ちている。
長者の永島さん、突然出てきていろんな役をやる大村さん、
山の神の葉丸さん、元からいたメンバーは本当に上手いのう。
三男の田中穂先が、前回のフランダースで間抜けな子をやっていた人。
これはめっけもんだ。次男の加藤ひろたかも細いけど可能性ありそう。
「僕」の牧田くん。これが大根でねえ。
前回主役をやった「フランダースの負け犬」の感想では
あまり触れないようにしたんだけど(笑)、
なぜか、観劇後、友人たちと、牧田くんの大根ぶりについて語ってしまって。
これって、愛? 愛なの? (笑)
宝塚でも、「美貌枠」「綺麗なのに何もできない、そこがかわいい」
ってのあるからなあ。
サンタが、最初は文明の象徴だったのに、
途中から、子どもの本心によりそう良い存在にスライドするのが、
ちょっと「?」だった。
最後のオチは、全く予想していなかったけど、
そういうこともあるかもなあ、とちょっと切ない。
あ、そうそう、産休でお休みしていた深谷さんが復活していて、
アフタートークに出演していたんだけど、
かーなーりぶっとんだ人だった。話聞いてない系(笑)。
我が家には、「世迷言」のときに売ってた出演者コメントつきおみくじがかざってあって、
深谷さんが「平穏が一番」みたいなことを書いてるんだけど、
凡人からしたら、あんた全然平穏じゃなさそうだよ、と
いやはや、役者の狂気をぞんぶんに味わえる柿は、ほんとすごいと思う。
現代に生きる「僕」が、愛人らしき女性に呼び出され、
彼女の祖先の話を聞かされる。
という入れ子構造で始まる。
明治から大正時代、女性の祖先は東北の寒村で、「長者」をやっていた。
山の神にお伺いを立てながら、自然と共存していたんだけど、
謎の赤い服の老人が年末にやってきて、
プレゼントをくれるようになる。
サンタクロースというらしい。
その人を迎えるために、山の神に断らずにモミの木を切ったりしちゃう。
物質社会が自然をないがしろにする構図。
主人公である長者の長男は立身出世を願って上京、
学問のほか、社会運動にも参加、
なにがしかの人間にならなければならないと思っている。
つねに上昇、成長しなければいけない「文明」。
長男を助けるために、次男三男が犠牲になる。
男を助けるために、女が犠牲になる。
とはいえ、次男は河童の婿になり、三男は山の神の生贄になるの。
こういうところには自然と共存していた時代の風習が残っている。
『遠野物語 奇ッ怪』を思い出す。
中屋敷はアフタートークで、(彼は青森出身)
自分のおばあちゃんは大正生まれで、
サンタクロースを信じていなかった(知らなかった?)、
でもその頃東京ではクリスマスで盛り上がっていた、
そのギャップに驚いたことから考えた話だと言っていた。
劇中、「(今は)大正○年」ということをしきりに言っていて、
なるほど、現代のような社会と、それ以前の社会が、
シフトしていく時代を描きたかったんだ、と納得。
と、後からまとめて書くと、理路整然としてる芝居のように見えるけど、
柿なので、そんなことは全然ない。
とにかくパワフルで、恐怖と爆笑が入れ替わり立ち代わり。
なんたって、七味さんのサンタが、怖い怖い。
いや、かわいい? いやいや、怖い。
夢に出てきそう。
主人公は玉置。出世にまい進してエネルギーを出しまくっているのに、
からだの中は空疎な狂気に満ちている。
長者の永島さん、突然出てきていろんな役をやる大村さん、
山の神の葉丸さん、元からいたメンバーは本当に上手いのう。
三男の田中穂先が、前回のフランダースで間抜けな子をやっていた人。
これはめっけもんだ。次男の加藤ひろたかも細いけど可能性ありそう。
「僕」の牧田くん。これが大根でねえ。
前回主役をやった「フランダースの負け犬」の感想では
あまり触れないようにしたんだけど(笑)、
なぜか、観劇後、友人たちと、牧田くんの大根ぶりについて語ってしまって。
これって、愛? 愛なの? (笑)
宝塚でも、「美貌枠」「綺麗なのに何もできない、そこがかわいい」
ってのあるからなあ。
サンタが、最初は文明の象徴だったのに、
途中から、子どもの本心によりそう良い存在にスライドするのが、
ちょっと「?」だった。
最後のオチは、全く予想していなかったけど、
そういうこともあるかもなあ、とちょっと切ない。
あ、そうそう、産休でお休みしていた深谷さんが復活していて、
アフタートークに出演していたんだけど、
かーなーりぶっとんだ人だった。話聞いてない系(笑)。
我が家には、「世迷言」のときに売ってた出演者コメントつきおみくじがかざってあって、
深谷さんが「平穏が一番」みたいなことを書いてるんだけど、
凡人からしたら、あんた全然平穏じゃなさそうだよ、と
いやはや、役者の狂気をぞんぶんに味わえる柿は、ほんとすごいと思う。
コメント 0