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バーナム(東京芸術劇場プレイハウス 3/13 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

咲良さんが出演するのと、オギー演出なので観に行きました。

映画「グレイテストショーマン」の主人公で、エンタメの歴史で重要な人物。
見世物小屋からサーカスを作った人。

楽しく元気でかわいらしい作品で、
多分テーマは、イカサマも使いようではハッピーになるよ、ということらしい。

だけど、「それでいいの?」「え、これだけ?」と思うことが多々あり。
要するに、すごく古い作品なんですね。
1980年代かなあ? と思ったら、まさに1980年初演だそうです。ビンゴ。

一つ目の違和感は、サーカスという大がかりなものを題材にしているのに、
会場が半端に広いこと。
それなら、オギーの退団作『ソロモンの指輪』みたいな大がかりなセットがほしい。
そうでないなら、博品館みたいな小さな劇場で、観客のイメージに任せてほしい。

二つ目の違和感は、とにかく今の感覚からしたらやばいことが多い。
見世物小屋で、黒人の老女や、身長が伸びない子どもを見せるんだけど、
それを能天気に見せていていいんだろうか??
差別でしょう。

もちろん、上演するなというわけじゃなくて、
そのことに意識的であってほしいわけ。
見世物小屋を舞台にした名作『サイド・ショウ』は、
見世物にされる側の葛藤だった。

今回は、見世物の興行主。
その葛藤を描くのなら、最終的には、
イカサマを辞める、ということになるのでは?

だがしかし、彼はなんと政治家になるのです!!
そりゃまずいでしょう。

今国会でもさんざん、政治家が嘘ばっかり言ってる。それが現実。
でもそれは、いけないことなのよ。
イカサマも使いようでハッピー…にはならないのよ、政治家の場合。
それならそこで葛藤してくれなくちゃ。
作品としては批判してくれなくちゃ。

1幕の終わりが、ソプラノ歌手との浮気っていうのも、
えー、それがこの人の葛藤なの? と驚き。
そして、最終的には妻に許されて主人公は家庭に戻るんだけど、
浮気された女性のほうはどうなのよ。
昭和30年代ぐらいの日本映画の、
妻とバーのママさんとの間でうろうろしてる喜劇、
みたいな感じ??(森繁の社長シリーズとか)

ふーるーすーぎーるー。


出演者のみなさんは上手でした。もったいないぐらい。
まあくんがきれいな女優さんになってた!

咲良さんは本当にダンスがのびのびとして上手くて、
どこにいても目をひきます。
何も知らなくても、アンサンブルのあの人は誰だろう? ってチェックすると思うぐらい。
ジャグリングのような技も頑張ってました。
あれから早10年、着実に、前向きに、
いろんな舞台にチャレンジしていて素晴らしいです。

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迷子の時間(配信) [観劇メモ(ヅカ以外)]

11月にパルコ劇場で上演されたもの。
ジャニーズの亀梨君が出るのでチケットが取れず、
だいぶ経ってから、しかも数日だけの配信をやっと観れた。

結論としては、
見終わったあと、早速、元のイキウメ版のDVDでお口直ししてしまった、というところ。
やはり前川作品を体現するのには、
劇団イキウメのメンバーや常連参加者がぴったりなんだなあ、と思ってしまった。

元版のほうが、抽象的。
パルコ版のほうが、現実の世界ぽい。
演者だけじゃなく、セットもそうだから、わざとだよね。

良かったのは、元版だと中嶋朋子がやっていたお姉さん役の貫地谷しほり。
中嶋朋子は繊細な人がさらに追い詰められた感があったけど、
この人のは、ごく普通の主婦が追いつめられる感で、それはそれでよかった。
あと、浅利陽介はさすがに上手い。
この二人が、時空を越えて(そうとは知らずに)親子再会するところは、密度高かった。
ガルシア役の人は踊れるのが良かった。

亀梨君は、安井順平のセリフ回しをそっくりまねていて、
よくまねできるなあ、と感心。
だけど、別の個性なんだから、まねじゃない作り方はできなかったのか。
むしろ、歌舞伎役者みたいないい顔立ちなんだから、
もっとコスチュームものに出るべきなんじゃないか、この人。

イキウメ版のDVDを見て安井順平を見たとたん「会いたかったー!」と叫んでしまったよ(笑)
そんなに安井順平が好きだったのか、自分(笑笑笑)

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アナスタシア(東京宝塚劇場 2/2 15:30) [観劇メモ]

楽曲が良いと聞いていたのと、
最近好きな別ジャンルのお気に入りの人がこの中の一曲で踊っていたので、
チケットを取りました。

確かに曲はいい!
どのナンバーもテンポよく進むので、飽きない。
ストーリーもそこそこワクワクする。

けど、ラストは予想できた。
つまり、心地よい予定調和のエンタメ。
(けなしているわけではないです)

キャラクターの造形が、
いかにも昔のブロードウェイミュージカルじゃないですか?
(けなしているわけではないです)

かっこいい詐欺師、だけど心はピュア。
勝気で喧嘩もできちゃうぐらいたくましいヒロイン。
その二人より少し年上の、コメディ部分担当のカップル。

たとえば『ガイズ&ドールズ』、たとえば『コパカバーナ』、
たとえば『クレイジーフォーユー』エトセトラエトセトラエトセトラ。
ヒロインに勘違いされて、最後に詐欺師が改心する、って、
まんまだよねー。

と思ってwikiを見たら、
元は1990年代のディズニーアニメで、
さらにその元は1950年代のハリウッド映画とのこと。
なーるーほーどーーーー。

しかし、舞台は、それを意識して作っているようには見えない。
せっかくの、作品の特徴となる部分、もっと強調していいのでは。
時代考証とかの意味とは別に、
作品への理解が足りないように思った。
致命的ということでは全然ないんだけど、正直、物足りない。

ていうか、そういう古臭い要素はいらないのかな?
でも、だったらこの作品上演する意味ないような。

『ガイズ&ドールズ』、リカちゃんのも、北翔さんのも、
古臭さを踏まえて演じていたように思う。
というか、二人とも古臭い人だった(笑)。
あと、話自体が古臭い(ジェンダー云々で)から、
そうでないと成り立たなかったという面もあるけど。

今回は、話の内容自体には昔の概念は無いし、
なんといっても曲が新しいから、ついそこに注力してしまって、
曲やストーリーの表面を撫でてしまっているように思えた。


一番良かったのは、すっしーさん!!
高貴で、不機嫌で、繊細な、難しい人物を、
曲やストーリーの表面だけでなく、
奥の奥まで追究して、しっかりと造形していた。

これぐらいのレベルの演技をいつもたくさん観たいのだがなあ…。
『霧深きエルベのほとりで』の一樹千尋さんを思い出した。
もはや、かなり期が上の人でしか観られないのだろうか。


あ、そういえば、
ペテルブルグの街について歌うナンバーが良かったな。
盆がぐるぐる回って、
背景の映像もそれについていって。
そういう「見せ方」はけっこう良かったと思う。


ちなみに、もとは18:30の開演だったのが、
緊急事態宣言を受けて15:30開演。
ほかの公演もよくそういうずらしをやっているけど、
宝塚は土日にやってるパターンだからずらしやすい。
ただ、ずらしても何の意味もないと思うがなあ…。
特に宝塚では、(出待ちもないし)
夜公演のあと飲食するファンはそれほど多くはないのでは。
むしろ15:30公演のほうが、終わったあと20時まで飲食しやすい。
なお、席は一席ずつあけてはいなかったけど、けっこう空席があった。


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パレード(東京劇術劇場プレイハウス 1/28 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

(ネタバレします)

1910年代にアメリカ南部で起きたレオ・フランク事件を描いた、
1990年代後半のミュージカル。

前回観られず、評判が良かったのでチケットを取った。

すごかった…。
みんな観て! 絶対観て! と叫びたい。
DVD、せめてCD出してくれ。

主役はれるような歌ウマさんが束になって出てる。
めちゃレベル高い。
楽曲もいい。
森新太郎のかっこいい演出。

なのに内容は、あまりにもあまりにも、つらい。ていうかひどい。

当時の南部は、南北戦争で負けたことをずっと根に持っていて、
奴隷を廃止させられたから、白人の子供が工場で働いてる、とか思ってる。
戦没者追悼の記念日が祝日で、盛大なパレードが行われる(これが題名の由来)。
「南部の誇り」にしがみついている。

それで、主人公である、インテリの北部出身のユダヤ人を差別して、
冤罪で殺してしまう。

アンハッピーエンドだとは知ってたけど、
まさか主人公が××で××されて終わり、だとは思わなかったよ!
(書くのがつらくて伏せてしまった…)


冒頭は南北戦争に出征する若い兵士なんだけど、
すぐに彼が、片足になって登場する(別の役者なんだけど)、時間の経過がわかる。
その片足の老人は最後の最後にも登場するんだよね。恨みの象徴なんだろうな。

石丸幹二が、ちょっとおどおどとして、最初は妻にもつらくあたるような主人公。
南部のお嬢様でおっとりしているのに、どんどん力強くなる妻、堀内敬子。

フェイクだろうがかまわない、ニュースをまき散らす新聞記者、武田真治。
今井清隆の役は、アメリカでは有名らしい、差別をあおった新聞の社主らしい。
たいして台詞はなくて、通底するような歌を随所で歌ってる。
サカケンが偽証する黒人。これが歌がうますぎてねえ…。(この人が真犯人ぽい)
ハマコが黒人役や、被害者の母親役も?
オカケンが最後は正義を通そうとする州知事。でも古い体制の人ではある。
そんちゃんがその妻。二人の夫婦愛も良かった。
石川禅が冤罪に陥れる判事。この人、こんな色っぽかったっけ?


歌のうますぎる人たちが、「あんなやつ死ねばいい~」みたいなことを
朗々と歌うわけ。
レベルが高いからこそ、真実味が、説得力が、すごい。
いや、これ、フィクションだから、と思う隙が全くない。

ミュージカルって、すごいものなんだ。
ミュージカルだからこそ、パレードに集う、南部の人たちの盛り上がりが、表現できる。
ああ、こんな熱狂だったら、酔っちゃうよね。人を殺しても平気かもね。
だってみんなで盛り上がってるんだから、これが正義でしょ。って。
ミュージカルってハッピーで楽しいものだと思われがちだけど、
その逆の表現もありなんだ。

上から降りしきる色とりどりの紙。
ずっと掃除しないの。
しかも八百屋舞台で大変。
過去の堆積、なんだそうだ。
過去からずっと積もっている差別、憎しみ。

南軍の旗がしょっちゅう登場してたけど、
ちょうどトランプ支持者が議会に乱入した事件があったじゃないですか。
あのとき、その旗持ってる人多かったよね。
怖い! 今でもずっとつながってるんだよ、この問題が!

主人公夫婦が、冤罪を晴らそうと努力する中で、
心が通じ合うのは、救いの一つではある。

あと、最終的には、
主人公が絶対に嘘をつかなかったことと、
妻がパレードを見つめ続けるラスト(彼女は南部に住み続けたそうだ)
が、自分としては、ある種の希望だと思った。
嘘をつかない、現実を見つめ続ける(「見る」という行為は、抗議の意味でもある)、
それすら大変なときもあるかもしれないけど。

そうそう、黒人の表現が黒塗りではなく、
首に黒いストールをまく、というものだった。



思うところは山のようにある。書ききれない。






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東京原子核クラブ(本多劇場 1/16 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

マキノノゾミの出世作、東京国際フォーラムこけらおとしだったそうです。
(え、どのホールなんだろう。メインのとこだと広すぎる気が)

戦前の下宿屋さんの群像劇。
主人公は理化学研究所で原子核の研究をしているという、水田航生。
(上司の西田さんは、原子爆弾の開発をしていた仁科芳雄がモデル)

わちゃくちゃと楽しい日々、でありながら、
それぞれの立場と世相がきちんと描かれてて、
しみじみ、いい作品でした。

下宿屋をきりもりするお嬢さんは、化学をやってたけど、
理研には女性は就職できなかったんですって。
戦前、大学に行けた女性はすごく少なかったはず。
なのに就職はできないのか…。

ダンスホールのピアノ弾き、ダンスホールが閉鎖されたあとは満州の慰問団に。
プロレタリア演劇の作家で、特高につかまっちゃう人は、戦後は逆に大人気になったり。
下宿屋のお嬢さんといい感じになるけど、結婚はしない軍人さん。

そして謎の女が、きりやん!
レビューダンサーだったり、富豪と結婚したり、突然修道女になったり。
ちょこちょこっと出てきては笑いを取っていて、
もうかわいいのなんのって。
まるで『ガイズ&ドールズ』のアデレイドなんだよー!
アデレイドがまた見られるなんて!
男役の場面もあって、めちゃウケてましたが、本職ですからー。
きりやん、何かで「笑っちゃうほどかっこいい」っていう表現をしてた。
まさにそれだよー。

物語のクライマックスは1幕も2幕も、大村わたる(柿喰う客!)演じる、
東大の野球部…? という学生…?
「聖なる愚者」という位置づけなんだろうな。

仁科の研究が背景にあるからには、当然、原爆が大きな要素なわけです。

市井の人々は、
ある人は、生きるのに必死で、政治のことなんか口にしない、
ある人は、戦場に行っても死にそうになったら絶対に逃げよう、と思い、
ある人は、日本がすごい兵器を開発することを心から願い、
そして科学者は、原子核に魅せられすぎて、原子爆弾投下のニュースに、
死んだ人のことよりもまず、「先を越された」と思ってしまう。

けっこう重い話なのだ。
同じような局面になったら、私たちには何ができるのだろう。

DVDを買いたい。


ところで、元の開演時間は18:00だったの。
1時間繰り上げ。
終演は20時。
お店、どこもやってない!!
家に帰ったらけっこう夜遅い。困った。

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ザ・空気ver.3(東京劇術劇場シアターイースト 1/10 13:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

(ネタバレします)

今年の観劇はじめ。
緊急事態宣言になってからまだ数日。
めったに都内に行かない夫と一緒だったこともあり、なんだか緊張感…。
客席には、席と席との間に仕切りができていたし、
誰もしゃべらない。

でも始まったら笑いの渦。
そして、ぞっとする。
さすが永井愛。

空気の1と2は人気すぎてチケットが取れず、あとでDVDで見た。
「桜木さん」がずっと登場するのね。
古い体制を象徴するようなオッサンが必ず出てきて、
主人公はそれに対峙する。
40~50代の女性も必ず登場する。

でも今回面白いのは、そのオッサンが途中で、
自分が持っている政権にとって不都合な証拠を公開したい、と言い出すこと。
そして主人公がそのことを最後の最後にためらって却下すること。
うわー、鳥肌ものだ。

テレビ業界のブラックぶり、下請けの不利さとかもしっかり描かれていた。
若者がよくも悪くも無鉄砲なのも、面白くて、つらい。
中間管理職的な人の態度の(いいほうへの)変わり方、
若い女性キャスターの立ち位置や振る舞い…。

オッサンもそもそも、元は政権批判する側だったわけで、
一人ひとりの中のいろんな変化や迷いが、わかるから切ない。

オッサンは佐藤B作。ちょっとかわいげすら感じる。
(1の木場勝己は心底むかついたし、2の松尾貴史は心底いけすかなかった。
どっちもそれぞれすごかったよ。オッサンもいろいろなのだ。)

主人公は私の好きな神野三鈴。
ちょっとテレビ局の人にしては神がかってるが(笑)、
さすがの緩急と迫力でした。


帰りにお茶もせず、まっすぐ帰宅する観劇、さみし~~。
観劇って、その前後も大事だったのだな…。
でも、上演されるだけでありがたい!




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ゲルニカ(パルコ劇場 9/26 13:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

重すぎて感想を後回しにしていたことに、今頃気づいた…

ゲルニカ、つまりあのピカソの絵で有名な、空爆にあった街です。

一般市民を含めた史上初の大規模空爆。
ほぼ全滅だったので、何人死んだかもわかっていないらしい。
(同じことを数か月後に日本も南京にやっている!)

貴族と教会が力を持っていて、古い体制を維持しようと必死になっているけど、
庶民は「自由」を求めて戦い始めている時代。

主人公は領主の一人娘、「いだてん」で前畑秀子をやってた上白石萌歌。
上手いわけじゃないんだけど生命力と華がある。
(じつは彼女は、領主が召使いに産ませた子ということが後でわかったり)
どの街に空爆をするか判断するためのスパイとしてやってきた男と恋に落ちる。
でも彼もユダヤ人で、家族を人質にとられているわけで。

領主の妻のキムラ緑子が狂気じみていて、最終的に空爆に手を貸してしまう重要な役。
それを操る牧師や、
おだやかに生きていきたい、でももう召使いは嫌だと思っている料理人や、
とにかく戦いたい人民戦線軍(柿喰う客の玉置)や、素朴な若者や。

いろんな人がいて、それぞれ良い行いもあれば、後ろめたいこともあり、
必死に生きていたんだよねえ。
ポスターのみんなの笑顔はそのことをあらわしているんだろう。

外から見る人に、ジャーナリストのチギちゃん、透明感があってぴったり。
それから「いだてん」の美川くん。えっと、勝地涼。
こちらもなかなか斜に構えていて良かった。

いろんな人生が交錯して、主人公は出産するんだけれども、
その日に空爆が行われる。
その表現がすごいんだ。
ゲルニカといえば空爆で、あの有名な絵もあるから、
一体どうやって表現するんだろうと思っていたけど。
緞帳が…ああ、映像があるだろうから、ネタバレは避けよう。
こんな空爆の表現があるんだ、と驚いた。

主人公は赤ん坊を抱いたまま死んでしまうのだけれども、
チギちゃんがその赤ん坊(とおぼしき物体)を取り上げる。
生きているのかな、死んでいるのかな。わざとわからないようにしてる?
でも台詞で、「この子の名前をエスポワール(多分)と名付ける」と言ってた。
つまり希望。
じゃあ生きているのかな。

空爆以外でも、二人が恋に落ちる場面とか、
シンプルな舞台装置を使った演出が面白かったし、
そもそもの脚本が素晴らしかった。長田育恵さん、覚えておこう。

映像でまた観たい。きついけど。

ちなみに、新しいパルコ劇場はスタイリッシュで、
でも黒と赤の色合いや、劇場の中の距離感は昔とそれほど変わらず、安心。



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夜の観劇 [はじめに]

セクシーな世界の観劇について、別ブログにしました。セクシーかつフェミになりそうなので、ご興味ある方だけご覧いただければ。


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フリー・コミティッド(DDDクロスシアター 11/13 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

友人が「成河さんの一人芝居がすごかった」と絶賛していたので観に行きました。

いや、ほんと、すごかった。

レストランの予約を電話で受け付けるお仕事、
かけてきた側の声もやるので、総勢38人? を演じ分けるという。
すごいねえ、あっという間に人格が変わるの。

ただ、レストランの予約って今はネットですることも多いじゃないですか。
(VIPは違うのかもしれないけど)
だから、いまいちピンと来ない感じがした、最初は。

90年代初演なんですね、なるほど。

でも、主人公が売れない俳優で、オーディションの結果を待っているところで、
友人は受かったことをわざわざ電話してきたり、
パワハラまがいのシェフが、じつは…だったり、
というのが見えてくると、
ああ、いろんな人がいるんだなあ、って当たり前のことが、じわじわ来る。

電話を通して、たくさんの人の個性豊かな人生が見えてくる気がして、
その誰もが、愛おしい。

そして、オーディションは結局…なんだけど、それもちょっと
人生いろいろ、な感じで、じわじわ来る。

冒頭で、成河さんが挨拶に出てきて、
正座してしゃべってたんだけど、落語みたいでしょ、って言ってた。

そう、落語なんだよね。一人で語るってこともそうだし、
町の普通の人の、ちょっと間抜けな出来事、
でもそれが楽しくて、愛おしい。


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ビリー・エリオット(赤坂ACTシアター 10/12 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

有名なので一度は観なければ、と思って春のチケットを取ったらコロナ。
延期とはいえ、上演できて本当によかったです。
少年の「今」は、今しかないからね。

とにかくナンバーが、特に振り付けが良いですねえ!
おばあさんの回想シーン、すごい! 
上手から次々あらわれては消えていく、夫の幻影。
誰それの妻、でなかったら私の人生どうだっただろう、って、泣く。
こういう女性が、いっぱい、いっぱいいたんだよ。いや、今もまだまだいる。

自分としては、お父さんと先生に感情移入した。
橋下さとしと、トウコちゃんの二人が、とてもとても良かった。
過去の自分を清算して、新しい世代を応援しなければいけない、
その心情、わかるわ~~~。
ぶつかり合いながらも協力することになるのもいい。
『あまちゃん』の薬師丸ひろ子と小泉今日子だよね(と、突然思った)。

お兄ちゃん、おばあさん、友達、いろんな人のいろんな人生がある。
その中核にいるのが、ビリーという少年。川口調くん。

児童なんとか法違反なのではないかと思うぐらいの活躍。
もちろん、演技がこなれているわけではないんだけど、
その素朴さも、少年らしくて良い。
ダンスも歌もすごく上手!
お子さんがたくさん観劇してた、みんなバレエ習ってるのかな?

イギリスの炭鉱ストライキは有名で、
フル・モンティとかもそうだよね(見てないけど)。
でも、日本で、たとえば安保闘争が設定の、感動作ってあるかな? 
社会派作品はそりゃあるけど、家族で見られる感動作で安保が出てきたり、しないよね。
サッチャー批判に相当するような政治の話題も、出てこないよね。
そこが、なんだかなあと思う。

この舞台で言われていること、演者や観客はどれくらい理解してるんだろう。
今、日本で起きていることなんだよ!
「俺たちは仕事を奪われるんだ」って怒ってる、その「仕事」は、
炭鉱だけじゃなくて、舞台に出演することなんだよ!!!

…俳優の労働組合すら、実質、無いからなあ、日本は。
本当なら、終演後に俳優の労働組合の募金活動があっていいはずだ。
コロナでたくさんの舞台が中止になって、なのに全く補償されていないのだから。

ビリーが学校を受験したとき、
明らかに階級が違う層に「スト、頑張ってくださいね!」って笑顔で言われて、
びみょーな空気になる場面、
あれ、日本だったら「スト、頑張ってくださいね」すら言われない。
「ストなんて迷惑」って言う人が多いじゃないですか。

炭鉱は確かに堀りつくしたらなくなっちゃうけど、
だからといって、ストは無駄なことじゃない。
働く人が不当にクビになったりしないように、ブーブー言うことで、
ほかの仕事の人が働きやすくなる。
それは、ビリーに「希望」を託すのと、同じことなんだよ。


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