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神々の土地(東京宝塚劇場 10/17 18:30) [観劇メモ]



文学的で、すごく良かったなー

ラスプーチン暗殺の実行者が主人公=まあくん、
で、友人の真風さんは美術コレクターの貴族で、これも暗殺の首謀者。
ある程度史実にそった話なんですね。

架空の人物として、主人公の思い人に、
アレクサンドラ皇后の妹で、主人公の義理のおばさん、
っていうのを設定。これがうらら様。

主役二人の、お互い好きなんだけど絶対にそうは言わない、
切ない関係が、たまらーん。
最後の最後に一夜をともにする(んだよね?)けど、
その後も、態度が表面上はそれほど変わらないのが、また切ないーーー。

二人の出会いはどうだったんだろう、
10代のまあくんと、ちょっとお姉さんのうらら様?
ロシア語を教え教わり?
なんて、描かれない部分を想像すると、また苦しい。

二人が雪原で踊る様子とか、雪投げ合いっことか、たまらん。

こうして考えると、
向田邦子ドラマみたいな感じかも(唐突ですが)。
欲望をおさえて、決められた枠の中で生きている、その切なさ。

あと、ショーとしての良さもあったな。

冒頭、紗幕の向こうで、皇帝の暗殺未遂(うらら様の夫が犠牲になる)。
そこから雷の音で、貴族の館にぱっと転換。
上手いなー。

酒場で民衆が盛り上がって踊り狂う場面もすごい。

軍人の任命式が大階段だったり。
ラスプーチン暗殺が、銀橋をしずしずと皇后とラスプーチンがわたり、
そこから大階段の上で暗殺ー
(実際に階段で殺したらしい。なかなか死なないのも史実通り)。

くーみん、次はショー作品だよね、楽しみだ。


キャストでは、
まあくんの凛々しさと、うらら様の美しさは言うまでもなく。

凛きらの初女役? アレクサンドラ皇后が陰気で面白かった。
みんなが私をいじめるんですもの、みたいな卑屈さがある。
(これが、ふみか様なら、もっと威圧的になるんだろう 笑)
あ、くーみんは『翼ある人々』でも、
凛きらに「ベートーベン?」っていう面白い役をふってたから、
けっこう好きなんだね。

皇帝の松風さん、頼りなさが活きてた。メイクも本物みたい。

次期トップの星風まどかは皇女オリガ。
正直、顔が苦手なんだけど、歌のうまさはもちろん、
演技に華があるよね。一気にみんなをひきつける勢いがある。

今回退団の瀬音りさちゃんが、超大きな役でうれしい。
ジプシーの娘さんで、貴族のあっきーとラブなの。
革命を起こそうとしている弟(桜木さん)と板挟みに、、、、
低い声の歌も上手い!
退団してからも舞台に立ってほしいな。

あっきーは優しくてダメなところがこれまたピッタリで、、、
桜木さん、野太い声が出てて、男らしくなったなあ~ほれぼれ。

すっしーさんが女役でかっこよかったよ~。

愛月ひかるのラスプーチン怪演もすごいが、
連れてる巫女の首からさげてるのがガラガラなるのが怖い。
演出効果抜群。


「神々の土地」というのは、ロシアがやや土俗的というか、
西欧的な考え方ではとらえられない、ということなんだよね?
民衆のあの勢いがそれを表しているんだろう。
(人類初の共産主義革命はロシアだからこそ起きた、ということ)
ラストも、主役二人だけでなく、民衆がどわーっと出てくるし、
影ソロは民衆代表の桜木さんらしい。

(そういえば、この11月でロシア革命100年ですね。)
(ところで、ジプシーも共産主義革命に参加したの??)

うらら様の役はドイツからお嫁に来て、革命直前に戻ることもできたのに、
ロシアにあえて残って、ロシア貴族として死ぬ。
ロシアという土地への愛。
でも、まあくんの役は、偶然とはいえ、生き残っちゃうんだよね。
それもまた切ない。(そればっか)

この土地は、ここで懸命に生きた人のものである、
というようなことを台詞で言ってたな。

で、くーみんはパンフでこう言ってた。
「宝塚がいつまでも、そこで懸命に生きた生徒たちのものでありますように」

そうだね、本当にそうだ。

あー、もう一回観たい。


ショーは……あれ? 全然覚えていない(笑)
曲が良かった気がする、、、それ以外出てこない、すみません

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危険な関係(シアターコクーン 10/27 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ジャンヌ・モローとジェラール・フィリップ主演の映画が大好き、
もちろん「仮面のロマネスク」も好き、
グレン・グローズ主演の映画も見た、
玉木宏の顔と声がすごく好き、
すみ花が出る、

当然、観ますわな。

しかし、
やっぱり無理があった。
舞台の人でないとつらい。

玉木んが下手なのは最初からわかってる(笑)。
鈴木京香も下手なのは残念だった。

台詞をちゃんとこなしてはいるんだけど、
その裏の意味が伝わってこない。

玉木んの初舞台
田舎の素朴な青年だったから、下手さもスター性の内だったんだけど、
この芝居はさすがに難易度高すぎた。
裏の裏の裏をかけひきしながら丁々発止するんだもん。

すみ花が、がんがんに空気を動かしていって、さすがだった。
本当は好きなのに、好きじゃないって言い張って逃げる、とかさ。
台詞のはしばしから、身体の奥から本音がにじみ出ちゃう、なのに台詞は裏腹。
そうよ、舞台を観るってこういうことなのよ!!
ただ、全体としては空気が動かないから、すごく変な人っぽかった(笑)
でも、トールベル夫人は変な人だから、それで良かったと思う。

おばさま役の文学座の方もすごくいい発声でびしっとしまった。
なのに客席が笑ったりして、残念。

玉木んがやたらと脱ぐのもなー。
自分が男性の裸体にそれほど興味ないのもあるし、
この芝居は脱いだりしないほうがいいんじゃないの。
台詞でやりあうエロスを楽しむものなんじゃないかしら。

舞台装置がとても面白かった。
1960年代の日本かぶれのフランス人の部屋、みたいな感じ。
盆栽があったり、ふすまと畳みたいになってたり。
衣装も着物を意識したもの。
ただ、そこにランニングマシーンとかあるのは変。
現代のテクノロジーはやりすぎ。

高橋恵子もなかなか良かった。60代? お美しい。

ストーリーで気になったのは、
ダンスニーがなんでヴァルモンに決闘を申し込むのか、
メルトゥイユ夫人が告げ口したってことがすっ飛ばされてるので、
原作知らない人はついていけただろうか?

あと、ラストは面白かった。
メルトゥイユ夫人が、何食わぬ顔で、このままずっと生きていけると言ってて、
突如、目隠しをされ、人形みたいに動いて終わるの。こわーい。おもしろーい。


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