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黒豹の如く / Dear DIAMOND!!(東京宝塚劇場 4/16 18:30) [観劇メモ]

中身は何もない。香りだけがある。


文語調の台詞が心地よくて、まるで昔の映画を見ているみたい。「ひんやりとした網がかかるのをこのあたりに感じた」とか、言わない。ふつー言わな い。「あなたが見ていらっしゃったの」って恋人に対して敬語なんて使わない。ふつー使わない。でも、美しいと感じる。

しかも、音楽だけは今風になっていて(太田健、玉麻尚一、斉藤恒芳)、ますます心地よい(いや、寺田滝雄メロディーも懐かしくていいんだけど。)。無理やりたとえるなら、名画のデジタルリマスター版って感じ?

軍服のデニムみたいなグレーの布もおしゃれだし、1920年代の女性のドレスも素敵。

セット(大田創)も大胆でかっこいい。(全体としては、ちょっとスカスカだけど)

凋落したスペイン海軍で、何を目的に生きていくのか、というような主人公の苦悩も、なんとなく引き込まれる。


でも、結局何も起きない話なんだよねー。

ストーカーみたいな変な男に、元恋人同士の二人が付け狙われて困ったな、でもやつは自滅したからめでたしめでたし、という。最後のあっけなさにポカーン。

ストーカー云々の話が、主人公の再生や旅立ちとうまく絡めばよかったのに。結局、主人公の苦悩がどうなったのかわからなかった。

ヒロインの元夫の死因がミステリー仕立てだったらよかったのに。

まさこ様の役がもっと効果的な仕掛けになればよかったのに。もしくは、ゴンザーロの役も(以下同文)。


…柴田先生もお年なのでしょう。それでも、新作の「香り」だけは嗅げて良かった。(けど、不満が残る人は多いだろうなあ。)


ショーは無難な場面の連続だけど、サヨナラだからこれでいいのか。しーらんの女装が素晴らしくかわいかった。真風がホストみたいな役でピンクのスパンコールを着ていて、とっても昭和でよかった。あと、ダイヤモンドにレオンを譬えるのはぴったり! 原石からナンバー1へ、そしてとても頑丈。


100周年を背負ったレオン、本当にお疲れ様でした。「最後のスターらしいスター」という気がする。初心者を連れていっても安心なトップさんでし た。一方で、偉大すぎて下が育たなかった、かなあ…。新人公演主演を見たのはちょうど12年前、みりおの初舞台と同じ年だったのだなあ…(また12年前振り返り)。


以下、その他雑感。

まさこ様のあの不思議な声は、なぜか柴田作品に合う気がしている。『琥珀』を映像で見たとき、まさこ様と音波みのりちゃんが柴田作品ぽいと思ったんだった。

…音波みのりちゃんはすっかりヒロイン枠から落ちてしまったのね。かわいいのになあ。綺咲はマシになったと思っていたが、全然そうではなかった。。。妃海風が「来てよ顔」を連発していて、トップ就任が楽しみ。

真風送り出し場面なんかもあって、ちゃんと考えられてる。(けど、どいちゃんコロちゃんは脚本上の見せ場はなく、やっぱり柴田先生は目が悪くなっ て以降は、脇の生徒までは認識できていないということなのかなあ)


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