SSブログ

凰稀かなめサヨナラ番組を今更見た [ヅカ的近況]

スカステの録画をためにためてまして。

テル=芝居心のある人、弱くて屈折した役が似合う人、ごひいきさんと同期、ぐらいの認識。初代スカイフェアリーズで、大劇場のセリに一人で立っているのを見て、「あー、この人トップになるんだなあ」と思ったものです。

キタロウくんに頼りすぎなんじゃないかという気持ちもあって、お人柄についてあまり考えたことがなかったのですが、番組を見て細部を知って、へーへーへー、とちょっと感動しました。

芝居心があるどころか、とことんまで追求していたんですね。

オスカルは女っぽくしたくない、男役でもやりたくない、と谷に物申したこと。

芝居をちゃんとやりたいから、モンテクリスト伯はヒゲだし髪ボサボサだし、牢獄のシーンを増やしてもらったこと。

『うたかたの恋』のルドルフの気持ちがわからなくて、「愛ってなんだろう」とつぶやく毎日でみんなに心配されたこと。

バトラーは難しすぎて、今までの自分のすべてを一度壊してから、お稽古するたびにああでもないこうでもないとみんなを待たせて考えた。いい加減にしろと怒られたこと。

…美意識や理想が高くて、そこに絶対に行き着こうとする人だったのだなあ。それが孤高の人っぽくなっちゃって、どんとこいタイプのトップさんではなかったけど、それはそれでひとつの極めた形だよね。

コムちゃんエピソードもすごかった。厳しいコムちゃんに、しつこいぐらい、くらいついていってたのねえ。クールそうに見えて、芸のためにはなんでもするという。芸のための修験道を歩んでいる二人。。。。(テルの最高傑作は私の中では一時期までは、『堕天使の涙』の新人公演だったんだけど、その本役がコムちゃんだもんね。)


宝塚にはこうあってほしい、っていうことを何度も言っていたのも印象的。映画とか漫画を題材にした作品ばかりでいいんだろうか、と思って『うたかたの恋』をリクエストしたそうな。それに、「夢を売るフェアリーなのに、今、現実的な状態になっている。ベールを脱いではいけない」だって!!


ファッションセンスの良さもその美意識の高さのあらわれなんだろう。退団後、VOCEに登場したのは、ほほ~と思ったよ。ファッションでもメイクでも、それにやっぱりお芝居でも、これからも高い理想を実現しようとする修験者であってほしいです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。