SANCTUARY(サンクチュアリ)(バウホール 9/13 14:30) [観劇メモ]
面白かったです。ちょっと「そこ、はしょりすぎなんちゃう?」と思う箇所もあったけど、意欲は感じた。若手でもこんな作家がいるなら、ちょっと安心かも。
最初の数場面で、難しい時代背景を平易に説明していて、でも説明セリフではなく、感心感心。たくさんの生徒さんにちゃんと見せ場があって、感心感心。歴史好きという点、みんなにめいっぱい宛書きという点では、大野たっくん的。
陰惨な時代背景や、暗い照明、斎藤先生の音楽という点ではオギー的でもある。デビュー作も降霊術がモチーフだったから、ダークなのが好きなのかしら。
確かに、ほぼ全員死にます。めっちゃめちゃ暗い話です。でもお涙ちょうだいのために死ぬわけじゃないの。盛り上げるために死ぬわけでもないの。
主役二人の愛を際立たせるためなの。このラブの描きかたがめちゃくちゃ気に入ったー!
いなか育ちの爽やか青年アンリ、政略結婚も平和のためと前向き。一方の王女マルゴは陰謀渦巻く宮廷育ちでヤケになってる。そんなマルゴの心を、アンリが溶かす話かと思ったんです。最初は。やだ、ちょー好み、と。
でも違った。途中でいろいろあって(長くなるので省略 笑)アンリがすさんでしまうと、今度はマルゴが彼を癒すのです。そうきたかー。
マルゴのうららちゃんが、美しいこと。
「あなたを信じることだけが私の希望なのです。」このセリフでアンリの心も観客の心もわしづかみ。
アンリと出会ったことで、マルゴが変わったんですね。そんな二人が、互いだけを信じて、恐ろしい世の中をともに生き抜いていこうと誓い合う。なんという愛の描きかたなんでしょう。史実とは全然違うようですが、この創作は乙女心にぐっときますわー。
アンリ役の愛月さんはうまいのかどうなのかわからないのですが、少なくともキスシーンが上手くてびっくりしました。よく考えたら、ユウヒさんの役で新人公演やってるからだね。大事なことです。
怖いお母さんカトリーヌドメディチがせーこちゃん、ほか花里さん、花音さんと、宙はこのあたりの女役さんうまいよね。松風さんが本格的な老け役。専科さんがやってもいいぐらいの役、がんばってました。
色気のある声(かしちゃんみたい)の春瀬さんはこれでますます人気が出そう? 私好みの顔のかわいい七生さんは儲け役。でもおとなの役も見てみたい。
96期の秋音光が、気弱で母に操られている王様役。なかなか良かった。防犯ビデオに映っているあの子が…感慨深い。加害者でもあり被害者でもあるんだよね、このあたりの役割を果たした96期生は。しみじみしちゃいます。
で、二番手りんきら! 絶対こういうの似合うと思ってたよ〜。宗教にも狂信的、うららちゃんへの執着も狂信的、でもイケメンで堂々としてる。りんきらキターー。押し出しもバウの後ろまで届いたよ。
りんきらと絡む遥羽ららちゃんは、WMWを映像で見たときかわいいと思った子だ。ちょっともっさりしてるが、顔立ちが好み。
歴史の復習したうえで、もう一回ぐらい観て、細部を語りたいなあ。そんないい作品でした。
最初の数場面で、難しい時代背景を平易に説明していて、でも説明セリフではなく、感心感心。たくさんの生徒さんにちゃんと見せ場があって、感心感心。歴史好きという点、みんなにめいっぱい宛書きという点では、大野たっくん的。
陰惨な時代背景や、暗い照明、斎藤先生の音楽という点ではオギー的でもある。デビュー作も降霊術がモチーフだったから、ダークなのが好きなのかしら。
確かに、ほぼ全員死にます。めっちゃめちゃ暗い話です。でもお涙ちょうだいのために死ぬわけじゃないの。盛り上げるために死ぬわけでもないの。
主役二人の愛を際立たせるためなの。このラブの描きかたがめちゃくちゃ気に入ったー!
いなか育ちの爽やか青年アンリ、政略結婚も平和のためと前向き。一方の王女マルゴは陰謀渦巻く宮廷育ちでヤケになってる。そんなマルゴの心を、アンリが溶かす話かと思ったんです。最初は。やだ、ちょー好み、と。
でも違った。途中でいろいろあって(長くなるので省略 笑)アンリがすさんでしまうと、今度はマルゴが彼を癒すのです。そうきたかー。
マルゴのうららちゃんが、美しいこと。
「あなたを信じることだけが私の希望なのです。」このセリフでアンリの心も観客の心もわしづかみ。
アンリと出会ったことで、マルゴが変わったんですね。そんな二人が、互いだけを信じて、恐ろしい世の中をともに生き抜いていこうと誓い合う。なんという愛の描きかたなんでしょう。史実とは全然違うようですが、この創作は乙女心にぐっときますわー。
アンリ役の愛月さんはうまいのかどうなのかわからないのですが、少なくともキスシーンが上手くてびっくりしました。よく考えたら、ユウヒさんの役で新人公演やってるからだね。大事なことです。
怖いお母さんカトリーヌドメディチがせーこちゃん、ほか花里さん、花音さんと、宙はこのあたりの女役さんうまいよね。松風さんが本格的な老け役。専科さんがやってもいいぐらいの役、がんばってました。
色気のある声(かしちゃんみたい)の春瀬さんはこれでますます人気が出そう? 私好みの顔のかわいい七生さんは儲け役。でもおとなの役も見てみたい。
96期の秋音光が、気弱で母に操られている王様役。なかなか良かった。防犯ビデオに映っているあの子が…感慨深い。加害者でもあり被害者でもあるんだよね、このあたりの役割を果たした96期生は。しみじみしちゃいます。
で、二番手りんきら! 絶対こういうの似合うと思ってたよ〜。宗教にも狂信的、うららちゃんへの執着も狂信的、でもイケメンで堂々としてる。りんきらキターー。押し出しもバウの後ろまで届いたよ。
りんきらと絡む遥羽ららちゃんは、WMWを映像で見たときかわいいと思った子だ。ちょっともっさりしてるが、顔立ちが好み。
歴史の復習したうえで、もう一回ぐらい観て、細部を語りたいなあ。そんないい作品でした。
エリザベート(宝塚大劇場 9/13 11:00) [観劇メモ]
北翔フランツがいい!
こんな人間的なフランツ見たことない!
助命嘆願をしりぞけるとき両手で判を推す葛藤、嫁姑問題を突きつけられたあとの困り顔、エリザベートに拒否されたときの呆然顔、もう一挙手一投足から目が離せません。
今までのフランツも素敵だった。でも、素敵すぎるがゆえに感情移入しづらく、結局フランツってひどい人よねって思ってしまいがちだったように思う。
北翔さんはどの役も人間的。だから、銀ちゃんのヤスみたいに宝塚の枠を出てしまうこともある。でも今回はそれが良かったみたいだ。フランツが宝塚的素敵さから逸脱したからこそ、フランツに感情移入できる。
だからもはや、フランツという一人の男が、エリザベートを媒介として死=ハプスブルグの終焉=近代を迎え入れてしまった、というストーリーに思えるほどなのだ。なんて新鮮。
いるよね、そういう人って。自分は保守的で頑迷なのに、だからこそ自由な人に惹かれてしまい、でも自分を変えて相手に合わせることができなくて、しょっちゅう衝突してしまう。あるある。
夜のボートなんか切なすぎて涙、涙。
いや…ちょっと他から浮いてるのかもしれんが。北翔フランツは。ひょっとしたら。
でも、エリザベートって、キャスティングによっていろんな解釈が成り立つから深いよね。トートだって、時代の空気だったり、愛そのものだったり、ストーカーだったりもしちゃう。やっぱり名作だ。
で、フランツばっかり見てたのでほかがよくわからんのですが、だいもんルキーニが熱量あって良かったのと、トート閣下がひたすら美しくて、徹夜で当日券に並んでる人はそれが見たいんだろうなあと思ったのと、、、がりんのマダム・ヴォルフが色気あってよかったなあ。女役に転向してほしかった、マジで。蘭ちゃんシシィはちょっと顔色が悪く、そこが良かった。ヴィンディッシュ嬢が私には物足りなかった。
こんな人間的なフランツ見たことない!
助命嘆願をしりぞけるとき両手で判を推す葛藤、嫁姑問題を突きつけられたあとの困り顔、エリザベートに拒否されたときの呆然顔、もう一挙手一投足から目が離せません。
今までのフランツも素敵だった。でも、素敵すぎるがゆえに感情移入しづらく、結局フランツってひどい人よねって思ってしまいがちだったように思う。
北翔さんはどの役も人間的。だから、銀ちゃんのヤスみたいに宝塚の枠を出てしまうこともある。でも今回はそれが良かったみたいだ。フランツが宝塚的素敵さから逸脱したからこそ、フランツに感情移入できる。
だからもはや、フランツという一人の男が、エリザベートを媒介として死=ハプスブルグの終焉=近代を迎え入れてしまった、というストーリーに思えるほどなのだ。なんて新鮮。
いるよね、そういう人って。自分は保守的で頑迷なのに、だからこそ自由な人に惹かれてしまい、でも自分を変えて相手に合わせることができなくて、しょっちゅう衝突してしまう。あるある。
夜のボートなんか切なすぎて涙、涙。
いや…ちょっと他から浮いてるのかもしれんが。北翔フランツは。ひょっとしたら。
でも、エリザベートって、キャスティングによっていろんな解釈が成り立つから深いよね。トートだって、時代の空気だったり、愛そのものだったり、ストーカーだったりもしちゃう。やっぱり名作だ。
で、フランツばっかり見てたのでほかがよくわからんのですが、だいもんルキーニが熱量あって良かったのと、トート閣下がひたすら美しくて、徹夜で当日券に並んでる人はそれが見たいんだろうなあと思ったのと、、、がりんのマダム・ヴォルフが色気あってよかったなあ。女役に転向してほしかった、マジで。蘭ちゃんシシィはちょっと顔色が悪く、そこが良かった。ヴィンディッシュ嬢が私には物足りなかった。