月雲の皇子(銀河劇場 12/22 15:00) [観劇メモ]
いろいろ発表がありましたが。とりあえず今年の感想、今年のうちに。。。
100周年をこんなスタンスで迎えるとは、90周年の運動会で盛り上がっているときには全く想像もしていませんでした。でも、まだ頑張ってる生徒さん、演出家(特にこの作品は素晴らしかった!)がいるうちは、観劇はしようかなと思っています。
で、月雲。
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久々に宝塚らしい作品(自分的に)を観たなあ、と満足しました。
一見、女性だけの大衆演劇で、ちゃちいのかと思いきや、けっこう重厚な話で、いろんな登場人物にドラマがあって、それが「どの生徒さんも応援しましょう」という気分と重なり、だから歴史のいろいろを予習復習したくなって、作品の世界にどっぷりはまりそう…というのが自分的に「宝塚らしい」みたいです(笑)。
まあ、端的に言うと、大野たっくん、柴田先生、謝珠栄、のもろもろの作品を思い出しました。
主人公たまきちが、ばばーんて存在してるのが、まずいいね。がっちり体型なんだけど心優しくて、でも追放されたらあらあらしくなっちゃう場面もあって二度おいしく、でもやっぱり最終的にはすごく優しいという…宝塚のヒーローらしいヒーロー。
二番手が拮抗してるのがまた素晴らしい。鳳月杏ってユウヒにも似てるけど、和物だとみらんちゃんにも似てる~。役的に、ユウヒのおもかげもあるせいか、ヨンホゲじゃんと思って観てたけど、それはハッチさんに操られてる設定のせいもあるある。
二人ともすごく男らしくて、色気もあって、将来楽しみです。
ただ、二番手とのやりとりが濃密なぶん、恋愛がちょっと弱かった。結局二人はプラトニックなのよね?(最後、百合を持っているのはそういう意味だよね?)そこもたっくん的だな。姫が木梨のほうを好きだっていうのが、わからなくて、最初「?」となってしまいましたことよ(史実としては知っているけど)。姫が死ぬところが描かれていないのも残念。咲妃みゆの巫女っぷりはピッタリです。きよらかなのにちょっとセクシーという。
その他の人物だと、輝月ゆうまくんの役は難しかったね。さすがに若いからか、まっすぐないい人に見えて、途中、上手に世渡りすることに驚いてしまった。咲希あかねちゃんは武闘派がお似合い(『紫子』でクノイチやってたよね)。白雪さち花のばあさん芸もいいが、琴音和葉はいつも泣かせてくれるなあ。バランシェンヌと同一人物とは思えん。
書かれた歴史と真実は違うっていう、真面目な話もあって、そこも満足でした。そうそう、この件では、華蘭ちゃんが口伝していくっていうオチかと思ったんだけど、違うの~? あと、姫が最初はしゃべらないっていうのも、その件に関係しているのかと思ってたんだけど、そして舞台上で最初にしゃべるのは好きな人(木梨)に対してなんじゃないかと期待してたんだけど、侍女なっつに対して最初に口きいたから、ちょっとがっくりしました(笑)。
弱者に対してすごく優しい目線があるのも素晴らしいです。客席嗚咽が響いてました。こんなに弱者に優しい観客ばかりなのに、どうして宝塚はモニョモニョモニョ(伏字)なのかなあ……空しい。
月雲と土蜘蛛の音がリンクしてるのもすごいし。上田久美子の凝り性ぶりに今後も期待しています。
最後に疑問点
・「関係を強いた」のなら、女性の部屋に行って強いるのが普通じゃない?(まあ、嘘だからいいんだけど)
・木梨と姫の関係は、巫女を汚したということで責められたのよね。兄妹だからということではなくて。穴穂と姫も結婚してるから、本当の兄妹ではないってことは周知だったということよね。それでも姫は皇女扱いなの? 拾われっ子じゃなくて、お父さんが別の女性に産ませたってことにしてたのかな??
100周年をこんなスタンスで迎えるとは、90周年の運動会で盛り上がっているときには全く想像もしていませんでした。でも、まだ頑張ってる生徒さん、演出家(特にこの作品は素晴らしかった!)がいるうちは、観劇はしようかなと思っています。
で、月雲。
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久々に宝塚らしい作品(自分的に)を観たなあ、と満足しました。
一見、女性だけの大衆演劇で、ちゃちいのかと思いきや、けっこう重厚な話で、いろんな登場人物にドラマがあって、それが「どの生徒さんも応援しましょう」という気分と重なり、だから歴史のいろいろを予習復習したくなって、作品の世界にどっぷりはまりそう…というのが自分的に「宝塚らしい」みたいです(笑)。
まあ、端的に言うと、大野たっくん、柴田先生、謝珠栄、のもろもろの作品を思い出しました。
主人公たまきちが、ばばーんて存在してるのが、まずいいね。がっちり体型なんだけど心優しくて、でも追放されたらあらあらしくなっちゃう場面もあって二度おいしく、でもやっぱり最終的にはすごく優しいという…宝塚のヒーローらしいヒーロー。
二番手が拮抗してるのがまた素晴らしい。鳳月杏ってユウヒにも似てるけど、和物だとみらんちゃんにも似てる~。役的に、ユウヒのおもかげもあるせいか、ヨンホゲじゃんと思って観てたけど、それはハッチさんに操られてる設定のせいもあるある。
二人ともすごく男らしくて、色気もあって、将来楽しみです。
ただ、二番手とのやりとりが濃密なぶん、恋愛がちょっと弱かった。結局二人はプラトニックなのよね?(最後、百合を持っているのはそういう意味だよね?)そこもたっくん的だな。姫が木梨のほうを好きだっていうのが、わからなくて、最初「?」となってしまいましたことよ(史実としては知っているけど)。姫が死ぬところが描かれていないのも残念。咲妃みゆの巫女っぷりはピッタリです。きよらかなのにちょっとセクシーという。
その他の人物だと、輝月ゆうまくんの役は難しかったね。さすがに若いからか、まっすぐないい人に見えて、途中、上手に世渡りすることに驚いてしまった。咲希あかねちゃんは武闘派がお似合い(『紫子』でクノイチやってたよね)。白雪さち花のばあさん芸もいいが、琴音和葉はいつも泣かせてくれるなあ。バランシェンヌと同一人物とは思えん。
書かれた歴史と真実は違うっていう、真面目な話もあって、そこも満足でした。そうそう、この件では、華蘭ちゃんが口伝していくっていうオチかと思ったんだけど、違うの~? あと、姫が最初はしゃべらないっていうのも、その件に関係しているのかと思ってたんだけど、そして舞台上で最初にしゃべるのは好きな人(木梨)に対してなんじゃないかと期待してたんだけど、侍女なっつに対して最初に口きいたから、ちょっとがっくりしました(笑)。
弱者に対してすごく優しい目線があるのも素晴らしいです。客席嗚咽が響いてました。こんなに弱者に優しい観客ばかりなのに、どうして宝塚はモニョモニョモニョ(伏字)なのかなあ……空しい。
月雲と土蜘蛛の音がリンクしてるのもすごいし。上田久美子の凝り性ぶりに今後も期待しています。
最後に疑問点
・「関係を強いた」のなら、女性の部屋に行って強いるのが普通じゃない?(まあ、嘘だからいいんだけど)
・木梨と姫の関係は、巫女を汚したということで責められたのよね。兄妹だからということではなくて。穴穂と姫も結婚してるから、本当の兄妹ではないってことは周知だったということよね。それでも姫は皇女扱いなの? 拾われっ子じゃなくて、お父さんが別の女性に産ませたってことにしてたのかな??
ア・ラ・カルト 役者と音楽家のいるレストラン(青山円形劇場 12/20 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]
高泉敦子さんが25年間つづけた公演のファイナル。篠井さんゲストの回を観ることができました。
話には聞いていたけど、素晴らしい公演ですね。
円形の舞台がレストランという設定で、ギャルソンと高泉さんがいろんなキャラクターを演じる短いお芝居(というかコント?)と、バンドによるジャジーで楽しい演奏が交互にあって、途中はショータイムとして歌い踊る場面も。
レストランという設定だけで、いろんな芝居が作れちゃう(しかも25年も)ってすごいこと。『ガラスの仮面』でレストランの設定で何か芝居しろってオーディションで、他の人はほとんど何もできないのに、北島マヤだけがいくつもいくつも芝居を考えつくっていうのを思い出しました。
そもそも出演者は高泉さんのほかは3人だけ。高泉さんの老若男女ぶりがまず驚きで。時におばあちゃん、時に恋話に夢中になる妙齢の女性(篠井さんも同じく妙齢の女性として登場)、時に変なオッサン…
何といっても、そのちょっとしたお芝居の脚本が素晴らしいの。人間てなんて滑稽なんだろう、ととにかく笑えて。でもちょっとじーんとする。愛があるんだなあ。人間に対する愛。あと、レストランに対する愛もね。
一番笑ったのは、変なサラリーマン高橋くん(高泉さん)と、後輩の中田くん(中山祐一郎)のやりとり。フレンチでメニューやワインリストをろくに読めないんだけど通ぶってる、そんな二人が「あるある」で滑稽で、でも一生懸命だからいいじゃん! って思えるのが、素晴らしかったです。
音楽も明るくおしゃれなジャズで素敵。音楽監督の中西俊博って有名なバイオリニストなのね、後でCD買いました。
円形だからこそできるのかもしれないけど、また別の形で続けてほしいなあ。それこそ、本当のレストランとか。だって、実際に食してましたのよ、役者さんたち。ああ、フレンチ食べたい!
話には聞いていたけど、素晴らしい公演ですね。
円形の舞台がレストランという設定で、ギャルソンと高泉さんがいろんなキャラクターを演じる短いお芝居(というかコント?)と、バンドによるジャジーで楽しい演奏が交互にあって、途中はショータイムとして歌い踊る場面も。
レストランという設定だけで、いろんな芝居が作れちゃう(しかも25年も)ってすごいこと。『ガラスの仮面』でレストランの設定で何か芝居しろってオーディションで、他の人はほとんど何もできないのに、北島マヤだけがいくつもいくつも芝居を考えつくっていうのを思い出しました。
そもそも出演者は高泉さんのほかは3人だけ。高泉さんの老若男女ぶりがまず驚きで。時におばあちゃん、時に恋話に夢中になる妙齢の女性(篠井さんも同じく妙齢の女性として登場)、時に変なオッサン…
何といっても、そのちょっとしたお芝居の脚本が素晴らしいの。人間てなんて滑稽なんだろう、ととにかく笑えて。でもちょっとじーんとする。愛があるんだなあ。人間に対する愛。あと、レストランに対する愛もね。
一番笑ったのは、変なサラリーマン高橋くん(高泉さん)と、後輩の中田くん(中山祐一郎)のやりとり。フレンチでメニューやワインリストをろくに読めないんだけど通ぶってる、そんな二人が「あるある」で滑稽で、でも一生懸命だからいいじゃん! って思えるのが、素晴らしかったです。
音楽も明るくおしゃれなジャズで素敵。音楽監督の中西俊博って有名なバイオリニストなのね、後でCD買いました。
円形だからこそできるのかもしれないけど、また別の形で続けてほしいなあ。それこそ、本当のレストランとか。だって、実際に食してましたのよ、役者さんたち。ああ、フレンチ食べたい!