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サイド・ショウ(シアター1010 10/1 16:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

待ちに待った再演。

初演時の感想→http://pt-omoitsuki.blog.so-net.ne.jp/2010-04-18

すごくいい席で観て、樹里ぴょん&かしちゃんの可愛らしさに見とれていたせいか、今回は、差別のこととかよりも、デイジーとバイオレットの健気さにひたすら心打たれました。

アフタートークで樹里ぴょんが言ってたけど、どんな状況でも希望を捨てない二人に、誰もが勇気づけられる。誰も結合双生児の気持ちなんてわからないはずなのに、誰にも共通する普遍的な苦悩、葛藤、希望が描かれているのがいいんだよなあ。

オープニングが、静かに始まるのが象徴的。だんだん客席が暗くなって、舞台上の階段状のセットに、アンサンブルが少しづつ座っていく。客席の私たちとアンサンブルの人たちが、同じ「見世物小屋の客」になっていく。

それがラストシーンでは、デイジーとバイオレットもばらばらになって、階段状のセットに座って終わるの。デイジーとバイオレットも、同じように「見世物小屋の客」でもあるし、「見世物小屋の客」である客席の私たちも、デイジーとバイオレットと同じなんだよ、と。

うーん、でもやっぱり、一生を見世物で送る人生、プライバシーのない人生ってのは、想像をこえた人生なんだろうなあ…はあ…

見世物小屋の出演者たちは、ファンタジックに描かれているけど、実際はもっと「奇形」なんだろう。小人(というのだろうか?)のプロレスが日本にもあるそうだ。彼らは誇りを持ってやっているのに、テレビに出たら「可哀想だ」というクレームがいっぱい来たんだって。うーん、その「可哀想だ」と思うことが可哀想な気がする…けども、、、

ブロードウェイ版のCDを買いました。デイジーとバイオレット役が、樹里&かしげに声が似ていて、なるほどと思った。

初演のときに思った、「タメが少ないのが不満」というのの原因が判明。歌で台詞を言うことが多くて、しかも、一曲の中で感情がどんどん変わるからそれがわかりにくい、ということなのだ。曲を中断するわけにはいかないからなあ。翻訳ミュージカルゆえに、早口だから聴き取れない可能性もあるし。よくよく聞いていると、「喝采が大好き、ハリウッドスター」とか言ってるよね? 映画スターと見世物と同じじゃん、って。

新しいキャスト、バディ役の吉田朋弘は野心家なところがよかった。でも伊礼彼方のほうがアホだった。吉田君はアホって感じじゃないから、バイオレットとの破局が、「あー、アホだから仕方ないよね」で済まされなくて、悲痛。高音が出てなかったのが残念。ジェイク役の吉原光夫は、アフタートークで「ジェイクをやるために生まれてきた」とまで言われてたけど、ガタイの良さといい、朴訥としたキャラといい、まさにジェイク。(岡っちは陰影があってよかったけど、持ち味が高貴だからね。)やや一本調子なのが気になったけど、ずっとバイオレットを見つめていたりするところが、素敵。

振付けは初演から一新したそうで。初演時から大澄賢也の振付だったのだ。ダンサーとしてもすごいけど、振付家としてもやっていけそうだね。

すごーーーくいい作品なので、もっとたくさんの人に観てもらいたいなあ。


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