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朗読劇 星の牧場(日本青年館 8/24 18:30)

星の牧場に興味があって観に行きました。

宝塚の歴史の中では、名作と言われていても、今だったら絶対やらねーだろー、と思えるものがいっぱいあって、その筆頭が高木史朗の現代日本を舞台にしたシリーズ。星の牧場は復員兵が死んだ愛馬を思うという、可哀想な話。

だと思ってたら、けっこう華やかで幻想的だった。東南アジアの美しい風景、山の中の美しい自然、星、夜光虫、珊瑚、朝露…。もちろん朗読だから、基本は淡々としてるけど、美しい言葉と照明で、想像が広がる。オギーがこの作品をコムちゃんで、と思うのもよくわかる。主人公が記憶喪失で、戦場の記憶が無いというのも幸いというか。宝塚の舞台で華やかなショーのようにも出来たんだろうな、と想像。(もちろん、男役のかっこ良さは皆無なので、今はやっぱりやらないと思うけど)

コムちゃんが何役も演じ分けるのが上手で。それに、現役のときはむしろ悪声だと思ってたけど、女性に戻った声はきれい。久々の男役声も素敵に感じる。すっとんきょうな少女の声がかわいすぎ。

そこに主人公役(セリフほとんど無し)とダンサーと、オサの歌が絡む。オサの声がなんか涙を誘うんだよね。隣に愛馬がいるという幻想でコムちゃんとならんでオサが歌うところなんか涙涙…。(あら? オサ=馬?(笑)

私が動物ものに弱いというのもあるけど、ウルウルしっぱなしだった。戦後すぐ、誰もが悲しい思いをしている。だから、周りの人たちが主人公に優しいの。死んだはずの愛馬の蹄の音がすると言う主人公を、温かく見守っている。死んでしまった大切な人や動物を毎日思い出すのは当たり前のこと、それを狐憑きだなんて言うのは、人間の不幸を知らないだけ。というセリフでまた涙。この公演は宮城県出身のコムちゃんによるチャリティー公演なのだ。しかも、戦争が終わった8月。はうぅ

パンフによると、基本は原作の言葉で、一部高木史朗版のセリフを採用、主題歌も使用。オサの歌は宝塚のほかの作品から、というのが心憎い。一つ、場面にぴったりなのに今風の曲があった、なんと新曲だった。

コムちゃんがバリバリ踊るのを期待すると不満かもしれないけど、私は胸がいっぱいになりました。

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