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愛のプレリュード/Le Paradis!!(宝塚大劇場 2/12 15:00) [観劇メモ]

ベタです。ベタすぎて笑っちゃいます。フレディ〜♪ とか名前よぶナンバーとか、まるで『誰がため』の「アンドレスとルチア」。「俺たち悪いんだー」しか言わないナンバーとか。大笑いしてしまう。突っ込みどころも満載です。難病抱えてボディガードって、おかしいやろ。記憶喪失って、なんて安易な。

これでサヨナラのまとびさん…。『アデューマルセイユ』もしょーもないと思ったけど、輪をかけてしょーもないです。『花のいそぎ』再演だったらよかったのに。

でも、思ったほど悪くもなかった。期待値が低すぎたので^^;

まず、これは誰にも賛同してもらえないかもしれないけど、ヒロインにめちゃめちゃ感情移入できる。「子供子供言わないでよ、もー」「ふっ」(鼻で笑われる)…胸きゅんだ! 生意気言って、まとびさんに鼻で笑われて、最後チューされるなんて、最高です。生意気な女の子を相手にするまとびさんって、ちょっとだけ、ちょっとだけ『花のいそぎ』じゃない? 「そんなの言い訳です!」ことことの三宮、かわいかったな〜、まとびさん包容力満点で素敵だったな〜。今回のまとびさんは、ちょっとだけワルで乱暴だけど、やっぱりとっても優しいです。以上、アラフォーのキモい戯れ言終わり。

思いきりベタなテーマに取り組むのも、いいことだと思う。だって、たった5年でさびれてしまった、観光地って、それって今、この劇場じゃん! 大恐慌のせいではあるけど、それによって人の心がすさんでしまったのが一番大きな原因。正義のために頑張ってきたのに、金の力に負けてすねちゃった壮さん。その間、病気で眠ってたまとびさんは、一貫して「金より愛」「金より正義」を説く。うわっ、わかりやすー。大劇場の赤い空席を見ながら、しみじみと「そうだよね〜、不況だからって正義より金を優先したら、最終的には客は入らないよねー」と思う。以上、深読みしすぎの戯れ言終わり。

さて、肝心な大劇場デビューの演出手腕ですが。「一応、植田の弟子でもセリの存在知ってるのね」と思うところもあった。不動産屋がセリ上がったら下から文字通り地下組織が登場するところなど。一番やりたかったという、ラストの照明は、コロンブスの卵で感心したし。けど、ヒロインを誘拐する場面は、なんで現場を見せないのだ? 宝塚歌劇の装置なら、まとびさんが旅立つところと、誘拐するところを、同時進行できるはずだ! 小池ならやるだろ! 

「植田先生と正塚先生を足して2で割った感じ」と言われるのだそうです。でも、植田先生のアバンギャルドさと正塚先生の心理描写を足したのならよかったのに、植田先生の時代遅れ感と正塚先生の地味さを足しちゃったな、という感じかな。

世間的には、壮さんがヒロインみたいで、楽しい妄想が膨らんでいるようですが、私にはむしろ、壮さんに花を持たせようとしているのだと見えてしまった。話としては『マリポーサの花』のエスコバルじゃん。最後スモークの中でセリ下がりって、まるでサヨナラショーじゃん。(こんな不吉な感想、どうか当たりませんように) 役としては、主役として書いてもいいぐらい、いい役。「壮さんには、次は色悪をやってほしい」と宝塚イズムに書いたのですが、昔よくやった挫折専科にやや近くて「色」は少ない。こうなったらいっそ、「色」部分は、まとびさんとのラブラブ場面で出していただくということで、お願いします。

ほかのメンバーは、えーっと。。。みんな十把一絡げなんだよなあ。みつるのほうがめおちゃんよりおいしかった。一花ちゃんは設定年齢60にしてはすごい腰折ってるなー、ほんとに老若男女やれる人だわよ。お母さん枠はやっぱりさあやなのね。タソは使われてるなー。

ところで。万引きする子の役って、新公では96期主犯がやるじゃないですか。大きな役で驚きましたわよ。裁判所から「同室の生徒が盗んできた可能性が高い」って言われたことを踏まえているのか!? それとも、万引き(ねつ造)する子は心がすさんでいるだけで、大きな愛をもって接すれば更生できるってことですかあ〜?

ショーは忙しくてよく覚えていません。退屈ではないです。とにかく、一場面一場面が短い。暗転が多いけど、間延びはしない。むしろ、めまぐるしくて全体像が把握できない。

いや、把握できないのは、ふみか様がさあやちゃんとまるまる一場面歌ってることの衝撃が大きすぎるからかもしれない。あれ以外の場面の記憶があまりない。なんで? なんで? なんであんな長時間歌ってるの?(きわめて素朴な疑問)

中詰めは『タカラヅカ舞夢』の男役祭りみたいでかっこいい! 雨の場面が大人っぽくてよかった。みわっちの「じらさないで」が聞けるなんて幸せだ。最後のまとびさんの銀橋渡りがちょっと演歌だった。

ショーは総じて楽しかったです。東京で観るのが楽しみだ。

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早乙女太一特別公演(新歌舞伎座 2/13 11:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

一幕「狐笛のかなた」はお芝居。原作あり、北林佐和子の演出。

人間にあやつられている狐(早乙女太一)と、動物の心がわかるエスパー少女(安倍なつみ)とが、戦国時代の領地争いに巻き込まれて互いをかばい合うという、切ない物語。ファンタジーだけどつっこみどころはない。「ハーフヴァンパイアってなんですか〜?」@薔薇の封印みたいな矛盾がない。よくある話なんだけど、飽きさせない。展開が早い。最初は誰と誰が敵か混乱しそうになったんだけど、ちゃんと解説してくれる人がいて、それが不自然じゃない。

OSKが近鉄にきられる直前、北林佐和子の作品がヒットしてたから、宝塚アカデミアでは「宝塚に北林佐和子を呼べばいいのに」ってしきりに言われてたよねーーー。ほんとだよ。

安倍なつみが思ったよりよかった。ヒロインのお母さん役が絶対絶対元ジェンヌだと思った。あのたたずまい、所作、笑顔。そこそこ年いってるけど、あれは娘役芸のなせるわざ。元ジェンヌじゃなかったら私、ヅカファンやめてもいいわ。→香坂千晶さんでした。日本髪だからわからんかった。ほーらね。娘役芸ってのは、男役芸と同じぐらい希有なものなんだよ。身につけるのが大変で、身につけたら一生身を助くものなんだよ。それが全く身に付くはずがない研1生にヒロインやらせるなんて、宝塚歌劇団はアホとしか(以下同文)。

一番怖くて悪い妖術使いが、すごい低いガラガラ声で誰だと思ってたら、大浦龍宇一。うっそー。リカファン的には『グッバイチャーリー』の相手役、情けない好青年だったじゃん、芸の幅ひろいんだなあ。解説担当の天狗は梶原善。三谷作品とはまた違うノリでジジババにもわかるよーに解説してくれた。ほかにも、怖げなおじさんがいっぱいで、おじさん好きとしてはほくほくでした。

早乙女太一は、まるでコムちゃんだった。この人、「俺が主役だあああ」みたいな気迫、微塵もないのね。かといって、座長らしくないかというとそんなことはなくて、ちゃんと芯になってる。舞台にいて当然、真ん中にいて当然、でも本人よくわかってない、みたいな。あー、こういう人、ほかにも知ってる、誰だっけ誰だっけ、と思って思い出した。朝海ひかるさんなのだった。舞台の妖精。ただただ踊ってたら、真ん中にいた、みたいな。芝居はやや棒読みなんだけど、刀さばきがもう美しくて美しくて。まあそういう振り付けになってるってのもあるんだろうけど、とにかくきれい。日本舞踊もきれいできれいで、はー、ほんとに妖精さんだわ、この人。ひょっとしてファンにそっけないんじゃないのかな。そいでもってファンはそのそっけなさがうれしかったりして。コムちゃんタイプなら絶対そうに違いない。

さて、二幕は本命のオギーのショー。オギーで日本もののショーをみたいと思っていたのだ。いやはや、オギーテイスト炸裂で楽しかった。

「残雪の花」というタイトルが示す赤い椿。太一が椿の精なのかな。まずは椿が雪に散る様子が描かれる。次は花魁の場面。遊郭の装置になると客席がちょっと笑うのだが、いやいやいやいや、音楽は楽しげだけど、オギーのショーで遊郭を描いて、明るいわけないやん。好いた男がいるのでお侍の誘いを断って殺傷沙汰、そのうえ置き屋で折檻される太一。いやー、ぞくぞくする。けどこれ、タカラヅカじゃあ無理かな。いや、やれるかな。

意味深な登場人物は相変わらず。冒頭の場面で目隠しした女性が連なってつれて行かれる、あれが遊女になるんだよね? 裸足の女性たちが雪の中を歩いているのが、着物を脱ぐと真っ赤な襦袢になって遊女になる。こういう仕掛けがたまらない。冒頭の場面で太一を助ける?青年が、花魁の場面でも同じように助けてて、冒頭の場面に戻るようなところもあった。最後は冬の海なのかなあ、毛槍を回したりする。好いた男と一緒に持ってるのが赤い風車(椿と似ている)だったり。巫女さんがいつも4人うろうろしてたり。あああ、パンフに場面ごとの説明載っていれば買ったのに。

装置はそんなに豪華でもないけど、でも盆とセリ、花道がある。雪や花吹雪はきれいで毒々しい。太一の衣装は豪華だし。宝塚には及ばないけど、ないよりかはましだ。文楽が好きなんだったよね、オギー。日本ものの暗さ、毒々しさ、そこにこそ咲く華やかさ。オギーの本領発揮なんじゃないの? タカラヅカの日本もの、やっぱりオギーで観たいよー。せめて、これから太一は荻田浩一を使うべし。

でも、終演後、客席のジジババは「暗かったなぁ」「ほんまやー」と言ってたっす。。。そういえば、梅沢登美男劇団のショーとか、明るくてお色気でおバカだった印象があるから、そういうのを求めてる人にはだめかもなあ。

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