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誰がために鐘は鳴る(東京宝塚劇場 1/8 16:00) [観劇メモ]

たった四日間で、どう生きるか、愛するか。極限状態における官能。きわめて柴田先生らしい題材だ。

だからひたすらいちゃいちゃする。客席で顔から火が出そうで困ったよ。最初に二人が出会ったときの、ロバートのねちっこい目! 髪をなでてほしかったのって言っちゃう行動! すべてがリアルで、でもやりすぎで、人前でよくやってられるなってほどで、いやはや、私はこういうの大好きです。ザッツ宝塚だと思います。

それに、ロバートってかなり理想的な男性じゃない? 冷静沈着で賢いし、なんたって封建的じゃない(「君はなんにもしなくてもいい、いるだけでいいんだよ」っていうのがよかったの)。人望もあるし、女にもモテるが、最終的にはマリアみたいな子に惚れちゃう。うーん、ザッツ宝塚。

一方、どう生きるか、のほうはあまり描かれてなかった。どうしてロバートがこの活動に加わったのかが描かれていないのが残念。冒頭にアメリカでの場面があるけど、あの程度であればかえって逆効果なように感じる。「任務に忠実!」っていうのばかりが強調されていて、それは正義とは関係ない話では、という気もするし。原作はどうなんだろう。

小学生のとき、先生がこの原作の中の一節を教えてくれたことがあった。仲間に「お前はどうしてアメリカ人なのに、命をかけてまでスペイン内戦に首を突っ込むんだ」と言われ、ロバートは「思想のためだ」と答えるのだそうです(今回その台詞はなかった)。それを小学生の私は「ちょっとカッコイイ」と思いました(イタイ)。どんな文脈で、どの先生がその話を教えてくれたのかも、すっかり忘れてしまったけど。まあ、そんな私なので「思想」の面は勝手に補いながら見ていたけど、そうでもない人には「?」だったかもしれない。

そして、さすがに展開はタルいですな。まず歌の入り方が古くさくて興ざめ。「あんどれすーとるーちーあ」とか。キムシンよ、なぜこういうところを変えないのだ。柴田先生の台詞はあまり変えないでくれという要望は多かっただろうが、演出は変えてよかろうに。それと、女性に関する価値観が古い。「あなたの世話をやきたい」はまあ許せるにしても、ピラールおばさんの自嘲台詞とかはやだなあ。

人間くさいキャラクターがいろいろ出てきて、面白そうなんだけど、ちょっと意味不明になっちゃってる。特にパブロとローサ。これも演出でなんとかできなかったのかなあ。

すみかの台詞回しはちょっと不自然…子供っぽくしすぎ。頭弱い子設定なのかも??

ほかの登場人物では、とにかく、じんじんエルソルドがかっこよすぎ。ピラールの昔の男はエルソルドだよね? え、違うの? だって、ピラールの昔の恋の話から突然、エルソルドにスポットライト当たるじゃん、絶対そうだと思ったよ!(友人に「それは新説だ」と言われました)たまちゃんのヒゲが素敵すぎた。すっしーは貸切の挨拶も身のこなしが美しくてほれぼれ。役が無い無いと聞いていたけど、『ファントム』よりは全然あるじゃん! 特にオジサンたち!

ゲリラの衣装が、花柄だったりして、かわいかった。一方、結婚式の装置はひどかった。

で、最後はロバートが死ぬところで滂沱の涙でした。冒頭の、白い服に望遠鏡みたいな場面はなんなんだろーとか思ってたけど、死んだ後(望遠鏡じゃなくて銃)なのね。と気付いてまた涙涙。はうううう。

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